『はいから三寸気分』 

01 春風色町(Spring! Pring! Ring!)
〜春爛々で 君との爛漫〜

02 禁色の人(Aristocrat)
〜花。季節は移ろいやすく。美しきかな。〜

03 琴の音を聞く(A Secret Meeting Of Lovers)
〜@nifty 高橋幸宏@MUSIC WEB(Kiss-FM神戸、横浜bayfm)オンエア曲〜

04 金色夢枕(Golden Sweet Dream)
〜丁か半か よいよい 丁か半か 宵 酔い 好い〜

05 お入りよ(Come Here...)
詠み人。やさしく語り掛ける。ゆる過ぎる歌声。淡い想い。はいから三寸気分を秘めて。

06 枝垂れ柳(Let You Fly!)
打ち上げ花火。夜空を見上げては。君の頬は七変化。夏の光は涼し。吸い込まるるは二人の季節。

07 ろまんちずむ(Romanticism)
『はいから三寸気分』という時空から現(うつつ)へ。


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「絶妙な温度で僕達は保たれている」20180507 8:27

気温がマイナス100度でも生きていけないですし。プラス100度でも生きていけないんですよね。このところの陽気はとても心地好いですよね。寒くもなく。暑くもない。太陽との距離が急激に接近したら、僕達は「暑い暑い」なんて言って冷房を付けるくらいでは済まないんです。溶けてしまうでしょう。僕達だけではなくてビルも高速道路も。

朝の満員電車に揺られながら、そんなことを考えていると、「あぁ〜、この満員電車も窮屈で暑いけれど、生命が成り立つくらいの温度なんだな〜。」と、いやに地球という星が絶妙な温度で保たれているか、と納得してしまうのです。

『はいから三寸気分』は僕にとってはそんな「絶妙な温度」感で綴られた作品。J-Popではないですし、Rockでもなく、Punkでもない。演歌でもテクノでもない。高橋幸宏さんがラジオで「ちょっとネオジャパネスク的な雰囲気がいつも彼、あるんですけども、」とおっしゃってくださいましたが、ジャンルもしくはカテゴリーに分けるとしたら「ジャパネスク」かもしれません。

そういえば、僕が小学生の頃に『なんて素敵にジャパネスク』という平安朝を舞台にしたドラマがありました。主演はなんと憧れの女優、富田靖子さん。同じく平安朝を描いた(というよりも『源氏物語』を漫画として読めるという偉業を成した、大和和紀さんによる『あさきゆめみし』も小学生時代からファンでしたね。影響を受けているのでしょうか。そう思うと『はいから三寸気分』が「ネオジャパネスク的」と形容されたのは、もっと喜んでもよいのかもしれません。しかも幸宏さんが所属していたサディスティック・ミカ・バンドやYellow Magic Orchestraはあらゆる意味で、「日本」(=ジャポンとゆった方がいいのかしらん)や「東京」(=Tokioと書いた方がいいのかしらん)という存在をあらゆる視点から眺め、形容(表現)してきた(もしくはそう感じさせる面白みを十二分に持った)グループな訳ですから(詳しくは様々な音楽解説書や評論をご参照ください)。

さて。僕が『はいから三寸気分』の解説文に「平安室町江戸時代の原風景絵巻物」と書いたのですが、何故「鎌倉時代」も「戦国時代」もないのだろう、と。貴族、農民、町人といった階級を超えて、どこかのびやかな風景が見える時代だからかもしれません。「室町」が入っているところが面白いですね。

という蘊蓄はよいと致しまして。冒頭で申し上げた「絶妙な温度」。これは単に気温だけではないのかもしれません。その時代の政治体制、権力体制も安定と不安定の狭間だったのではないか、と思うんですね。先程「階級を超えて」と書きましたが、「庶民の顔が見える」どこかのびやかな時代の雰囲気ってあるかと思うんですね。実際は分かりませんよ。あくまでも想像の範疇でございます。

そして。今。現代。2018年。日本。東京。太陽と地球との良好な関係。もう半世紀以上も経ってもなお、戦後という名のもとに暮らしている僕ら。日和見主義な部分もあり、平和ボケでもあり、安穏とした時代です。一方で、殺伐とした時代、無機質な時代へと向かっている気もしますが、でもそんな中にも人情はあって、親切心もあって。そういった狭間が「絶妙な温度で」どうにか「僕達は保たれている」と感じさせるのでしょう。満員電車の中で遠く外に広がる空。そういったシチュエーションに存在する僕はついつい漏らしてしまうのです。「絶妙な温度で僕達は保たれている」、と。

『はいから三寸気分』は景色を歌っています。そこには淡い想いもあって、洒落っ気もあって、流麗な儚さもあって、浮ついた心もあります。コメディーでもあり、シリアスでもある。作品そのものの振れ幅は小さいかもしれないんですが、「絶妙な温度」、その匙加減をお楽しみ頂けるのではないかと思います。是非、聴いてみてくださいね。2018.5.7 22:26





世界ブルー あおきまさと
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