OSSE川村遼平くんの「ブラック企業に負けない」が、現代社会に警鐘をならしている。

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---以下引用(太字黒線は筆者)---

一年も経たずに追い出される若者たち

川名良仁(登場人物はすべて仮名)は、毎日2時間以上拘束されては叱責を受けていた。

「お前は信用されていない」。「人間として根本的におかしい」。「自分史をかいてこい。生まれてから何をしてきたのか考えろ」。「価値観を変えないとだめになる」。


以上は
すべて上司の言葉である。こうした面談は、川名の会社では「カウンセリング」と呼ばれている。彼を知る同僚は、川名が泣きそうな顔で呆然と座っているのを見かけた。

カウンセリングを受けてからの彼は、
しだいに自信を失っていくように見えたという。そして、2009年7月、彼はついに自主退職を選択する。前年の10月に入社してから、10か月しか経っていいなかった。

---引用終わり---

という衝撃の書き出しではじまり、POSSEが受けた若者の労働相談に基づき、ブラック企業の実態をあぶりだしている。


〇 長時間労働

---以下引用---

ウェザーニューズという最大手の気象予報会社で、入社後わずか6ヶ月の男性が自ら命を絶つ事件がありました。(その後の裁判で会社は非を認め、和解)。

この会社には、就活を勝ち抜いてなお選抜競争を行う「予選」というシステムがあります。
月に200時間以上の残業をするほどの長時間労働をした挙句、「予選」落ちを告げられた末の自死だったそうです。

---引用終わり---


〇 固定残業制

〇 戦略的パワハラ


などブラック企業に共通する手口をあぶりだし、その
対応策が丁寧に書かれているPOSSE川村君の抜群の感受性とぶれない姿勢があらわれた本だと思う。今働く人も、これから働く若者もぜひ読んで欲しい。


しかし、残念ながら、ブラック企業はすぐにはなくならないだろう。


長引く経済低迷や大学生の増加により、雇用の需要と供給のミスマッチが生じており、また、社員を大切にしない会社が長期的に発展しないことは明らかであるが、
短期的・ミクロ的な会社の利益を追求する限りにおいてはある意味合理的であるから根は深い。


POSSEのような労働相談、問題提起が広がることもとても重要であるが、ブラック企業に損害賠償などの民事的ペナルティを課すだけでなく、将来的には、社員を過労死させた上司や経営者に対して未必の故意による殺人罪を適用するなど
刑事的ペナルティを課すことも有効かもしれない。


いずれにせよ、ブラック企業が少なくなく、それがすぐにはならない以上、
発想を変えてみたら、どうだろうか


かつて、堺屋太一は「日本で就職するということは、就社するいうとこです」と発言していたが、実は、都会の正社員以外にも働くみちはたくさんある


ひとつは、海外で働くこと

特に、東南アジアでは、日本語を話せるというのは大きな武器である。

〇日本語学校の先生

〇日本人観光客のガイド

〇日本企業の研修、進出の仲介

ベトナムフエで仕事をつくる川村泰裕くん
http://blog.livedoor.jp/sekainotakachan/archives/66434963.html


もうひとつは、
田舎で働くこと

田舎には仕事がない、といわれるが本当だろうか。確かに田舎には企業の正社員の仕事は少ないが、自分で仕事をつくることはできる。


はじめから1か月30万円稼ぐ仕事をつくる・見つけるのは大変だが、1回3万円稼ぐ仕事は比較的簡単である。


〇 米づくり、野菜づくり、山菜どり、養蜂

〇 ジャム、ピクルスなどの食品加工

〇 カフェ、食堂

〇 グリーンツーリズム、農家民泊

〇 デザイン、写真撮影、執筆活動

〇 消防団

〇 独居老人の見回りなど行政の委託事業

〇 トラベルヘルパー
  
・・・

1回3万円の仕事を10個組み合わせたら1か月30万円稼ぐことができる

そして田舎は都会に比べて、食費・住居費が圧倒的に安いから、ひとリ暮らしなら10万円あれば豊かな食生活を満喫しながら十分に生活することもできる。


もともと百の姓(かばね)と書く
百姓は、百の仕事をするのが語源複数の仕事を組み合わせるのが田舎の働き方だと思う。


もちろん、田舎は夢と魔法の国ではないし、
田舎ならではの問題もたくさんある。その点、丸山健二さん「田舎暮らしに殺されない法」はとても面白い。

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それでも、田舎には朝のすがすがしさ、地域の懐の深さがあり、無理やり正社員にこだわってブラック企業で心と体を壊すよりはよほどいいだろう


僕のいうことがなんとなく理解できても・・・
いきなり田舎で働くことができるのだろうか、不安に思われるかもしれない。


確かに企業に就職すると、4月1日からすぐに給料をいただけるが、自分で仕事をつくる場合にはそうはいかない。自分で仕事をつくる・見つけるにはどうしても時間がかかる


それまでの時間は、例えば総務省の地域おこし協力隊、復興支援員、農林水産省の緑のふるさと協力隊あるいは各自治体の定住促進補助金や営農助成金を活用するのもひとつの手である。


地域おこし協力隊がドラマになる時代
http://blog.livedoor.jp/sekainotakachan/archives/67717298.html


いずれにせよ、働くとは都会で正社員になるだけではないし、〇〇しなければならないという発想から自由になれば気が楽になると思う。


ブラック企業では「コスト(=悪)」とみなされていたが、実際には無価値でも無能でもなんでもない。ひとりひとりが自分自身の能力を発揮できる場所で活躍できたらと願っている。