伊勢原に面白い酪農家がいる

こんな情報が、地域力おっはー!クラブに寄せられ、早速、事務局メンバーで遊びに行ってきました。(最近は、私のブログやあるいは地域力おっはー!クラブを通じて、面白い情報がたくさん寄せられています。ブログやおっはーが少しずつ認められるようになってきて、とても嬉しいです。)


小田急は、新宿という河港から大河を川のぼりするように走る。
上原、成城、登戸・・・そして新百合ヶ丘を過ぎたあたりから、ちらほら田んぼが見えはじめ、厚木を過ぎて伊勢原まで来ると、のどかな風景が広がってくる。


石田牧場の石田陽一さん28歳。

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石田陽一さんは、石田牧場の3代目。

家業を継ぐため、北海道の酪農学園大学、そして、ニュージーランドに留学して酪農を本格的に学んだが、彼我の悠久の大地を見たとき、狭い神奈川で、飼料も買いながら、酪農をやる意味があるのだろうかと悩まれたこともあるという。


自分の役割はなんだろうか思いあぐねているときに、ひとつの転機が訪れた。

近くの保育園の園児が、「牛乳は牛がつくってくれる」ということを知らなかったことに強い衝撃を受けた。


「(子牛を育てるために乳がでるのではなく)牛が大きくなれば勝手に乳がでるんですよね。」

「神奈川で酪農があるんですか。」

・・・耳を澄ませば、自分が当たり前と思っていることが、世間ではちっとも当たり前ではなかった。40年間伊勢原のこの地で牧場を続けているのに、実は、何も伝わっていなかったのではないか・・・


⇒ ならば、伝えることが、都市型酪農を営む自分の役割ではないか。


3つの「しょく」を伝えるため、「酪農教育ファームファシリテーター」の認証を受けられ、「無料で」児童・生徒を受け入れている。


幼稚園・保育園児には「触る」の「しょく」

実際に牧場に来ると、みんな、牛の大きさ、牛の温もり、牛の鼻息・・・に感動するという。石田さんの牧場には、園児が描いた牛さんの絵がたくさん飾られている。

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(幼稚園児が牛に感動する様子:イメージ)


小学校3・4年生には「食べる」の「食」

「学校の給食で毎日飲んでいる牛乳は、牛さんが子牛のためにつくったものなんだよ」と説明をはじめると、小学3年・4年生からは、こんな質問が出てくる。

(質問)
「雄の牛さんが生まれたらどうするんですか。」
「乳が出なくなった牛さんはどうするんですか。」

(回答)
「それは、お肉にするんだよ。」と答えると、「ええ~かわいそう」という声が必ず出てくる。

(再回答)
そこで、石田さんは続けてこう答えられるという。
「お兄さん、もっと、かわいそうなこと知ってるよ。お肉を、食べ過ぎたから、美味しくないからって食べ残して、捨てちゃうことだよ。お肉は牛さんが自分の命を与えてくれてるんだよいただきますというのは、あなたの命をいただきますということなんだよ。」


小学校5・6年生、中学生には「職業」の「食」

ナマの職場としての牧場で、職業体験や働くことの面白さ・苦労・やりがい・・・を伝えている。観光牧場では真似ができない取組。


石田牧場の「しょく」を伝える取組は、少しずつ広がっていき、伊勢原市の小学校10校のうち8校、中学校4校のうち3校が石田牧場で「しょく」を学んでいる。無料で受け入れているが、家に帰れば一番の営業マンになってくれる。「今度、石田牧場のジェラート食べようよ。」


10年、20年続けていくと伊勢原市のほとんどの市民は石田牧場で「しょく」を学ぶことになる。この種まきがとても面白いそうだ。


これまでは、大手乳業メーカーに卸すことがほとんで、消費者の顔が直接見えることはなかったが、子どもがたくさんやってくると、間違ったことは絶対にできない。ほうきで床を掃くにも気合が入る。


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近年、子牛の床に敷くおが屑の価格が急上昇。そこで、伊勢原市役所から廃棄するシュレッダー屑をいただき、おが屑に混ぜて使っている。石田牧場はおが屑の購入費を抑えられ、伊勢原市役所は焼却処分代が抑えられWinWinの関係。これも都市型酪農の強みのひとつである。



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石田牧場に併設されたジェラート屋さん「めぐり」。
もちろん原料は石田牧場の牛乳100パーセントだが、商品のコンセプトがとても面白い。

「山本さん家のイチゴ」
「高梨君の緑茶」
「原さんのミカン」
「青木君のトマト」

・・・伊勢原は神奈川屈指の果樹王国。伊勢原周辺でつくられた旬の果物や野菜が使われる。

「ジェラートを通して、伊勢原の果物を売っているんです。」


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店内には、実際に果物を生産している人の笑顔が飾られている。

果物をつくる人の人柄も含めて知ってほしいとのこと。

お店のまわりで、果物屋さんの青空市をやることもあり、伊勢原の社交場にもなっている。

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濃厚なミルクと旬の果物がほんとに絶妙。気がつけば、地域力おっはー!クラブメンバーと一緒に、ほぼ全種類いただいた


お店は伊勢原にしか出さないという。
めぐりのジェラートを食べるために伊勢原に来て欲しいし、地域に愛された方が長く商売ができると考えているからだそうだ。


桜井市大神(おおみわ)神社の老舗和菓子「みむろもなか」とおんなじ発想で、とても面白かった。
http://blog.livedoor.jp/sekainotakachan/archives/67225441.html


石田牧場ホームページ
http://www.ishidabokujo.com/index.html

自慢のジェラートは通信販売も行ってます。
http://meguri-gelato.com/shop.html


石田陽一さんにも、ぜひ地域力おっはー!クラブで話していただきたいです。


次回、地域力おっはー!クラブは、3月8日(金)、『ローマ法王に米を食べさせた男』で有名な高野誠鮮さんをお招きします。
(申し込みフォーマットなど詳細は後日)

先日、高野さんのお話を伺い、ぜひ地域力おっはー!クラブでも話していただきたいとラブコールをお送りしました。
http://blog.livedoor.jp/sekainotakachan/archives/67753306.html

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