はじめまして、千葉大学大学院工学研究科の上田哲也と千葉大学工学部の根本卓也と申します。
写真を使った会話支援を行う「共想法」を広めるべく、「できるまで帰れません!」の企画で長島町にやってまいりました!
共想法は千葉大学の大武美保子准教授の考案した、認知症予防、コミュニティの形成に有効な会話支援手法です。
共想法について、耳慣れない方が多いと思われますのでかんたんにご紹介させていただきます。
===共想法の流れ===
①参加者で3~6名程度のグループを作る。
②参加者はテーマに沿って写真を持ち寄る。(テーマ例:好きな食べ物、旅行など)
③参加者の写真をスクリーンに映す。写真の持ち主は、制限時間内で写真について、
いつ、どこで取った写真か、その時の気持ちなどについて説明。
その間、他の参加者は聞くことに集中。
④全員の話題提供終了後、再度写真をスクリーンに映し、質疑応答を行う。
写真の持ち主は質問に答える。
※共想法について詳しくは、ほのぼの研究所(http://www.fonobono.org/ )を
ごらんください。
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認知症予防には人との「交流」、頭を使う「知的活動」、体を動かす「運動」、バランスの取れた「食事」の4つが有効です。この中で、共想法は頭を使うよう工夫した「会話」で人と交流する方法です。
また、写真を使うことでその人の目線を共有することになり、その人の関心、“人となり”がわかり、その後の交流のきっかけになります。
長島町にあった共想法の活用を検討すべく、長島町役場保健衛生課のみなさんのご協力をいただき、様々な実施形式を検討しました。
(ラッコ教室)
上の写真は母子教室「ラッコ教室」での共想法の様子です。この日の写真テーマは「私の好きなもの」で、お子さんの好きなものの写真のお話をされる方がほとんどでした。
はじめは何をするのか、不安に思われたお母さんがたも、育児の様子などについて、最後にはとても会話が弾んでいらっしゃいました。その後のアンケートでも「共想法を利用して、普段より会話が弾みましたか?」という問いに対し、8割の方から肯定的な回答をいただくことができました。
普段は教室に来て、会話することなくお帰りになられる方も共想法で会話のきっかけをつかまれたようでした。
上の写真は小浜地区での巡回みんなの保健室の1回として、共想法体験を行った時の様子です。巡回みんなの保健室は保健衛生課の健康寿命を伸ばすのに有効な、健康に関するクイズ、運動教室などを行う取り組みです。
この日の写真テーマは「夏の思い出」、「好きな食べ物」でした。好きな食べ物に関して、皆さんカレーには一家言あるようで非常に盛り上がりました。
共想法を運動教室などと組み合わせることで、より認知症予防効果を高めることができる可能性を感じました。
取り組みの3つ目として、保健師さんの各戸訪問で共想法を実施しました。一人暮らしの方は普段交流の機会が少なく、たくさん会話することで気分が晴れやかになった、とのことでした。
共想法で会話が弾むうちに、不意に生活の苦労などを伺うことができ、健康状態の背景を知るきっかけになりうると感じました。
共想法では会話データの解析も行っており、会話に使用した語彙、質問回数などを解析することで、認知症の早期発見につなげることができます。
今後も保健衛生課をはじめ、長島町役場との連携で共想法を展開することで、コミュニティの新しいネットワークづくり、会話を通じた健康チェックに共想法を活用していただけるようバックアップをしていきます。
できるまで帰れません!の取り組みとしてはここで一区切りということで、お世話になった長島町の皆様に改めてお礼申し上げます。
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