「井上さんが、こういう会に参加されるって、珍しくないですか?」


矢田明子さん『コミュニティ・ナース』出版記念の講演会の前に、会食した大学の後輩に言われた。


確かに、珍しい。



話を聴く・意見交換することが目的ならば、相手の懐に飛び込んで現場でじっくり向き合った方が面白い。あるいは、参加者等と出会いを広げる・交流を深めることが目的ならば、自分で会を主宰する・話題提供する機会があった方が有意義だ。


でも、矢田明子さんの講演会は、そんなこと関係なく出たいと思った。きっと思わぬ気付きや出会いがあるから。愛媛から、東京・日本橋に駆け付けた。


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矢田さんは、場づくり・空気づくりの天才。参加者との当意即妙なやりとりから、本質的なことを柔らかく語る。


「暮らしの動線に、健康について考える機会があればいい。」

「制度に当てはめると、制度を変えるしかカイゼンの方法がなくなる。」



「矢田さんの活動を見ていると、コミュニティ・ナースの少し先のイメージはなんとなく分かるのですが、もっと先の未来はどう考えていますか。」という質問に対しては、

「自分が決めたとおりではなく、専門外の人も含めみんなと一緒に考えていきたい。専門家だけが考え、供給するのはサステナブルではない。」という具合。


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コミュニティ・ナースの「現在」の説明は、


看護の専門性を活かしながら、制度にとらわれることなく、まちに出て自由で多様なケアを実践する医療人材。元気なうちから住民と知り合い、”毎日の楽しい”と”心と身体の健康と安全”を住民と一緒につくること。(P158)


その働き方は多種多様。ガソリンスタンドや飲食店で働く人。起業する人。あるいは、自治体等から委託を受ける人。100人あれば100通りの働き方があればいいという。パターンを増やせば、その分働く人や地域にアジャストできる。



『コミュニティ・ナース』は、矢田さんの半生、そして日本全国さまざまな形ではたらくコミュニティ・ナースを軽妙に書く。



表紙の柔らかな色遣いも特長。会場ではデザイナーさんやライターさんとのやりとりも面白かった。「いずれ、この本を丁寧に印刷してくれた工場の人にも登壇してもらいたい。」という言葉からは、一人一人を大切にする矢田さんの気持ちが表れていた。


お勧めの本です。

もう少し知りたい!
●おっちラボの矢田明子さんが語る「日本で一番チャレンジに優しい町~島根県雲南市から若者の未来を考える~」

矢田さんと一緒に行ったスペイン・サンセバッシャン
●世界一の美食の町「サンセバスティアン」を支える美食クラブとは?

矢田さんが講師を務めたJR東日本あさっての駅
●JR東日本「東京感動線」特別展 あさっての駅


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<井上貴至のプロフィール>
http://blog.livedoor.jp/sekainotakachan/archives/68458684.html