くある講演会。

しつもーん、と真っ先に手を挙げて、とうとうと自分の意見を語る人、そのくせ何が言いたいのかよく分からない人、「質問は一つだけでお願いします。」と言われても3つも4つも質問して終わったかなと思ってもさらに質問を続ける人。


えてして、元部長とか、元校長とか、職業社会の中で評価されていた(が、今は家庭や地域の中であまり評価されていない)人が多い。


そういう人が話し出すと、またかとなって途端に空気がしらけてしまう。地域や社会の未来を語るはずが、他の大多数の参加者はどっと疲れてしまう。


そうならないための工夫が必要だ。


1)笑いながら牽制する。

僕が講演をするときは、会場を見渡して、今日はしつもーんと声高高に言いそうな人がいるなと思えば、講演の途中に、笑いながら牽制する。


「たま~にいるんですね。講演が終わった後に、しつもーんと言って、自分の意見をとうととうと述べる人。何が聞きたいのかわからない人、何度も何度も同じようなことを聞き返す人。まぁ、今日は、そういう人はいないと思いますが(笑)、こういう人が地域をダメにするんですよ。


こうやって笑いながら牽制すれば、さすがに、しつもーんと言う人はいなくなる。




2)講演と質問の間に、周りの人と感想を共有する時間をつくる。


1)の方法
は、タイミングや状況によって使いづらい場合もあるし、良質な質問を委縮させてしまうおそれもある。

対して、こちらの方法は、私が主宰する朝会「地域力おっはークラブ」で、ず~っとやっていること。


そもそも人の話を聴き続けることは、いろんなものがたまってくるので、それを吐き出したくなる。どうしても我慢できない人が、しつもーんという形で手を挙げてしまう。

そこで、まず、周りと感じたことを話し合う時間を数分とることとしている。

周りと感じたとことを話し合うことで、たまったものを吐き出し、自分の中で消化されて、考えが整理される。

その後に、質疑応答の時間を設けることで、それでも講師に聴きたいことに質問が昇華していく。この数分で、会の満足度がぐっとあがる。

 


次は、講演ではなく、座談会や審議会。
みんなが話し合うのが目的だが、一人の人だけが話し続けることも少なくない。


3)グラウンドルールをつくる。見えやすくする。

例えば、1回の発言時間は3分までとして、それをみんなが見えやすいところに大きく張る。こうするだけでも、一人の人だけが長く話すということは防ぐことができる。

もう少し柔らかくするならば、ふくろうなどのオブジェを持っている人だけが話せるようにして、話し終わるとテーブルに置くようにする。オブジェがあることで、ずーっと話している(=持っている)ことに、本人が気づきやすい。

「未来を語る、人を褒める、断定しない」という前向きなグラウンドルールの設定も重要だ。




4)日頃からコミュニケーションをとる。1対1で話を聴く。


行政の審議会やタウンミーティングでは、このとき言わなければ伝わらないと思ってついつい力が入ってしまう委員も少なくない。でも、日頃から委員とコミュニケーションをとっていたり、1対1で話を聴いていると、敢えてこの場で言わなくても他にも意見を伝える機会があると思うことができる。


以上、みんなが楽しく気持ちよく納得する方法をまとめてみた。他にもいい方法があればぜひこの機会に教えてほしい。


ただし、長い話が一概に悪いわけではない。予想外に長くても、素晴らしいものもある。今でも印象に残っているのが、ショートショートフィルムフェスティバルアジアにおける大林宜彦監督のスピーチ。




文字どおり人生をかけて伝えたいという監督の気持ちがひしひしと伝わってきたし、会場もそれをしっかりと受け止めることで伝説のスピーチとなった。


良い講演会は話し手だけでなく、聞き手も含めてみんなでつくるもの。結局は、その意識を共有することが最も大切ではないか。


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<井上貴至のプロフィール>
http://blog.livedoor.jp/sekainotakachan/archives/68458684.html