新婚旅行では、マッターホルンを望むツェルマットに続き、フランス・ドイツ国境のライン川沿いの街バーゼルを訪れることができました。内陸国のスイスでは、古来ライン川が国際交流や交易を担っており、まさにバーゼルは国際都市です。

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人口17万人の街ですが、世界最大手のプライベートバンク「UBS」、世界大手の医薬品メーカー「ロシュ」、「ノバルティス」などが本拠地を構えています。

永世中立国のスイスは、第1次・第2次世界大戦の戦禍を免れ、格調高い中心部には、ホルバインの「墓の中の死せるキリスト」など立体感溢れる近世の名画も多く展示されています。

一方で、世界最大級の現代アート展「アート・バーゼル」も開催される「伝統と革新」が凝縮された街です。

実際に行ってみると、トラムに驚きました。人口17万人と日本のどの県庁所在地よりも人口が少ない街ですが、どの県庁所在地よりもトラムが充実しています。(ただし、面積は約24㎢と狭く、人口密度7、300人/㎢はどの県庁所在地よりも高いです。)
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バーゼルSBB駅2階コンコースには、巨大なデジタルサイネージで駅前のトラムの状況がリアルタイムで分かるので観光客も迷いません。そして、わくわくします。
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郊外と中心市街地を結ぶトラムが縦横無尽に張り巡らされ、特に、多数のトラムが乗り入れる街中では1分~2分おきに運行されています。地価が高い街中には駐車場はほとんどなく、多くの人々がトラムやバスを利用しています。
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少し前のデータですが、バーゼル市における公共交通分担率は約70%だそうです。(日本の地方都市は10%前後が多い。)

1970年~80年代、自動車化の進展に伴い、トラムの見直しも検討されたそうですが、道路の拡幅が難しく、逆に輸送密度の高いトラムやバスを充実させる方向に舵を切りました。

21世紀に入ってからは、スイスでは、自動車の揮発油税の一部などがトラムなど公共交通の建設や維持費用に充てられています。バーゼル市交通局のホームページによると、ほとんどの区間が上下分離方式(一部は交通局自らが所有)になっています。

市の中心市街地は、自家用車が乗り入れ禁止の区間も多く、道路や河川敷の広場化が進んでいることも驚きました。

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成熟した都市空間をどのようにつくっていくか、とても考えさせられました。