先日、経済産業省を退官された新原浩朗さんの『日本の優良企業研究』(2006年 日経BPマーケティング)を拝読しました。

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優れた企業とは一体いかなる特質を有しているのか。どうすれば優れた企業に変革しうるのか。優れた経営とは一体いかなるものなのか。

という問題意識から、総資本経常利益率、自己資本比率、経常収益額の推移などのデータから「優れた企業」約30社を分析し、徹底したヒアリングで、優れた企業とそうではない企業を分ける一般的な法則を6つ抽出

最初の法則として説明されていたのが、「分からないことは分けること」。

経営者が自分で分かっていない事業を自分の責任範囲の事業として手がけてはいけない、「やらない勇気をもつ」ことが大切だという。

任天堂やマブチモーター、花王、シマノ、ヤマト運輸などの例がとても分かりやすかったです。

GEのように、カンパニー制で成功している企業も稀にあるが、GEは徹底した幹部教育で全体像を考えられる幹部を長い時間かけて育てているが、そうした取組がなく、組織の形態だけをまねてしまうと、形だけの社長が生まれるか、バラバラの会社が生まれてしまうという。

他の法則も具体例が豊富で説得力があり、読みごたえがある本でした。