日本共創プラットフォーム代表取締役社長の冨山和彦さんの新刊『ホワイトカラー消滅』(2024年10月 NHK出版新書)を拝読。冨山さんとは、昔パネルディスカッションで一緒したことがありますが、この本も社会の構造的な変化を捉えていて興味深かったです。
「失われた30年」は団塊の世代、団塊の世代ジュニアという「人口のふたこぶラクダ」を最大限に雇用継続していくために、ダイナミックな新陳代謝を行わず低成長を容認してきたとしたうえで、生産年齢人口が減少し完全雇用に近い現代ではDXによる付加価値労働生産性の向上が不可欠と指摘する。教養やリスキリング、交通、農業、金融、医療福祉など多岐にわたるテーマで鋭く切り込む。
所得税の課税が始まる103万円の壁、社会保険の加入義務が生じる106万円の壁などについては、働き方やキャリアが多様化してきた中、税制で特定の働き方を誘導すべきではない、同一労働同一賃金の実現や非正規雇用の見直し、低所得者への様々な支援と併せて、廃止すべきだという主張も斬新でした。
東京一極集中は自由に使える所得や時間(可処分所得や可処分時間)も減少しており、また長時間通勤からはクリエイティビティが生まれにくく、多極分散国家を進めるべきというのは、私もいつも主張していることです。社会の構造的な変化を捉えていて思考が育まれる本でした。
「失われた30年」は団塊の世代、団塊の世代ジュニアという「人口のふたこぶラクダ」を最大限に雇用継続していくために、ダイナミックな新陳代謝を行わず低成長を容認してきたとしたうえで、生産年齢人口が減少し完全雇用に近い現代ではDXによる付加価値労働生産性の向上が不可欠と指摘する。教養やリスキリング、交通、農業、金融、医療福祉など多岐にわたるテーマで鋭く切り込む。
所得税の課税が始まる103万円の壁、社会保険の加入義務が生じる106万円の壁などについては、働き方やキャリアが多様化してきた中、税制で特定の働き方を誘導すべきではない、同一労働同一賃金の実現や非正規雇用の見直し、低所得者への様々な支援と併せて、廃止すべきだという主張も斬新でした。
東京一極集中は自由に使える所得や時間(可処分所得や可処分時間)も減少しており、また長時間通勤からはクリエイティビティが生まれにくく、多極分散国家を進めるべきというのは、私もいつも主張していることです。社会の構造的な変化を捉えていて思考が育まれる本でした。