北茨城市五浦の六角堂を訪問。
・岡倉天心はなぜ29歳で東京美術学校の校長になれたのか?
・ボストン美術館では日本の美をどのように伝えたのか?
・インドのタゴールとはどのような話をしたのか?
・これらの経験を経て、五浦にはなにを求めたのか?
を考えた思索の旅でした。

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『茶の本』は日露戦争後、世界から「武」の分野で注目される日本について、「文」の観点から、欧州でも広く普及している茶をテーマに日欧の文化を比較しながら紹介した名著。

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唐代に煮る茶、宋代に泡立てる茶(いわゆる抹茶)、明代に浸出させる茶が発展したが、中国では異民族の侵入により唐代、宋代の作法はなくなってしまった。異民族の侵入がなかった日本ではどの時代のお茶も楽しめるとした上で、

・利休が庭の中に入って木を揺らして葉を散らせたエピソードをひきあいに、茶道では清潔さだけでなく、美とともに自然も求める。
・道化思想の理念が禅道を通じて作用した結果、茶室の中ではそれぞれの客が自分の想像力をどのように働かせるかによって各自が受け止める全体の意味が完全なものになるかどうかが決まっている。反復への恐怖が常にある。

など現代にも通じる比較文化論でした。
来月の日本三大茶会の一つの鈍翁茶会もますます楽しみになりました。