ご存じでしょうか。日本の平均睡眠時間は、経済協力開発機構(OECD)に加盟している世界33カ国の中でもっとも短く、1日あたり7時間22分でした。
慢性的な睡眠不足は、意欲の低下や記憶力・判断力の減退といった精神機能を下げ、体内のホルモン分泌や自律神経機能にも大きな影響を及ぼし、イライラしたり、うつ病にもなりやすくなります。
また、免疫力も低下して感染症にもかかりやすくなり、さらには、肥満や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病にかかりやすいことがわかっています。健康な人でも2日続けて寝不足(4時間睡眠)状態になれば、食欲を高めるホルモンが増して、食欲が増大してしまうと言われています。
私自身、つい仕事のことを考え、夜中に目が覚めてしまう、一度目が覚めると再び眠れないことも少なくありませんでした。そんな時に『脳を鍛える超呼吸法』の著者の関根朝之さんとたまたま出会い、株式会社マインドフルネスのプログラムを体験しました。

人間の自律神経には「交感神経」と「副交感神経」がありますが、「交感神経」が優位になると、心身の活動を高める一方、心拍数・血圧が上がる、呼吸が速く浅くなる、血液が筋肉に集中し手足が冷たくなりやすい、消化器の働きが抑制され胃腸の動きが悪くなるなどの効果があります。

人間の自律神経には「交感神経」と「副交感神経」がありますが、「交感神経」が優位になると、心身の活動を高める一方、心拍数・血圧が上がる、呼吸が速く浅くなる、血液が筋肉に集中し手足が冷たくなりやすい、消化器の働きが抑制され胃腸の動きが悪くなるなどの効果があります。
逆に「副交感神経」が優位になると、心身を休め、回復させる働きになり、心拍数・血圧が下がる、呼吸がゆっくり深くなる、血液が内蔵に回り消化吸収が促進される、筋肉が緩み、体をリラックスさせる効果があります。
睡眠不足の方の多くは、「交感神経」が常に優位になっているので、超呼吸法では、普段は意識していない呼吸に働きかけることで、「副交感神経」を優位にしていきます。
4秒かけて鼻から吸って、10秒かけて口からゆっくり吐くことを繰り返していきます。またスマホやパソコンを使いすぎることで、副交感神経が集まる背中や広背筋が硬くなっているので、ゆっくり呼吸をしながら背中を意識して腕を回したり、背中を緩めたりするストレッチをしました。
わずか5分ほどのストレッチで深く呼吸ができて、気持ちが落ち着いていく感覚がありました。実際、その夜は途中で目が覚めることもなく、朝までぐっすり熟睡できました。日中の集中力も上がったように感じます。
この日以来家族で毎日ストレッチとゆっくり深い呼吸をしてから睡眠しています。マインドフルネスは特別な準備や道具もいらず、誰でもすぐに始められるのが魅力です。同じように睡眠やメンタルで悩んでいる方にぜひ体験してほしいですし、多くの方が呼吸を意識してほしいです。
(月刊『社会教育』2025年10月号に寄稿しました。)
