18c31d5e.jpg 四時間があれば、バスでハレイワ、ノースショア、ポリネシア・カルチャーセンターター、タートルベイリゾートまで乗り降りながら回ることができる。バス便は一時間二便しかないが、東京にいるわけではないせかせかしないで、バカンスの時間を贅沢に使おうと思う。
 ローズガーテンのバス停に行く途中、「いけない、バス券を忘れた」叔母さんが慌てた。叔父さんは呆れた顔をしても、叔母さんに添いって家にとりに行った。叔母さんはたまにふっと違う方向に行くから。
松本アイス 叔父と叔母はお高齢者優遇の月5ドル乗り放題バス券を持っている。車の運転をやめた叔父には、何よりの方法である。わたしは乗る都度2.5ドルの乗車券を買い、四時間以内に一回トランスファをする。
 アラモナ・センターのバス停52番でバスを待つ。
 そこにニューヨークの大学教授であるベトナム女性が、話しかけてきた。
 「明日からハワイ大学に学会があるの。今日一日はのんびりできるマイ・ハワイなのです」
 海辺に行くのだと片手に2ドルのむしろ、肩にしま柄のバックで、わたしたちに加わった。
 黒人の運転士はバスのハンドルを握る手を、ポップダンスでもしているかのように、リズムをとっている。窮屈な運転席に嵌められている身体をしきりによじりなら運転するのだ。
 それでもバスは走る。ロコの乗客はみな慣れているらしく、穏やかな表情だが、わたしだけは危機を感じて、一秒でも早く降りたい気分である。
2011_0711_110313-DSC01715 ノースショア・ハレイワに通ると、百人くらいの長い行列があった。店から出た客はみな大きなかき氷を持っている。「レインボー」、「松本」などメニューは虹色で記し、目を奪われる。観光客は必ず寄る「松本カキ氷」の店である。
ハワイに生まれの日系人松本さんがハワイに初めのかき氷の店を開いたのだという。
 「Hey! Man—どこからきたの? どこの国の人ですか?」と話し掛けられる。一時間も行列待ちをすると、周囲の客はみな話し相手になる。氷はボリュームたっぷりで、小豆とアイス クリームなど入れても日本の倍の大きさで3ドル。日本の半額である。みな満足げに店の外で美味しいかき氷を口にし、写真を撮ったりする。
 日曜日は閉店するポリネシア・カルチャーセンターではわたしたちは門前払いされた。商売より宗教、安息日を守る島の人は日曜に働かないのだ。それで、がっかりしている若いカップルに会った。実は昨日のコリアンフェスティバルにも行ったという。コリアン系ハワイ人である。お互いに写真を撮りあって、かれらの車に乗らせてもらった。
 道路沿いに幾つでもあるエビ料理の露店。ワゴン車一台で二つの車窓に若い店員が腰を曲げ低い襟から豊かな胸を覗がれて注文と品渡しをする。エビは新鮮で美味。
 タートルリゾートホテルの海浜海水浴場で、ベトナム女性教授のむしろがやっと使い道を果たした。
 帰りのバス車窓から、偶然にホノルルの澄んだ青空に七色のレインボーが橋をかけているのを見た。