120623 010<ロダン彫刻の象徴「考える人」上野国立美術館>
 ロダンの彫刻は東京上野国立美術館で観られる。松方「ロダンコレクション」である。
 松方幸次郎は、第一次世界大戦中からヨーロッパに行き、精力的に美術品収集をした。とくにロダンの主要作品を集めていた。ロダン没後、原形のまま残されていた「地獄の門」ブロンズ鋳造を最初に注文したのが松方幸次郎だという。これら収集品は、フランスにのこされたまま第二次世界大戦になり、フランス政府に没収された。それが戦後になった日本に返されたものだという。
120705 049<数々の名画の展示とは別にロダン彫刻が展示されている>
 1910年に雑誌「白樺」でロダン特集を組んだおり、ロダンとの交流ができた。当時、ロダンの誕生日がふたつあるとされ、そのどちらかを問い合わせたらしい。そこから交流ができ、同人たちは浮世絵を30点贈呈した。ロダンは喜んで、返礼に「ロダン夫人」「ある小さき影」「ゴロツキ首」を贈ってきた。その後、倉敷の大原美術館に寄託された。
120705 060<上野国立美術館の内部からみた庭> ロダンは「芸術の最高の目的は本質を表現することにある。本質的でないすべてのものは、芸術にとっては縁なきものである」と語っている。
 ロダンにとって芸術は彫刻なのであった。文学や絵画を超えるものとして――。
「すべての傑作は、もし民衆が純粋な精神を失っていなければ、当然民衆に近づきやすいものだ。」彫刻には、言葉では言い表せない芸術性があると考えていた。
実際はどうであろう。言葉もまた民衆に近づきやすい。たしかにロダン彫刻には言葉を超えるものがある。捉えがたいものを言葉にしたくなるイメージの塊にも見える。とくに国立美術館内では照明の関係で、薄明かりであるため遠くから見ると、エネルギーを持った塊に見える。120823 102
(2012年09月19日)

<2016年7月、[ユネスコ第40回世界遺産委員会は、フランス政府が日本を含む7か国と共同で推薦していた「ル・コルビュジエの建築作品」につき、世界文化遺産への登録を決定。 構成資産は、国立西洋美術館を含む7か国17作品で、正式名称は「ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-」。 国境をまたいだ世界遺産(トランス・バウンダリー・サイト)としては日本では初登録、大陸をまたいだ世界遺産(トランス・コンチネンタル・サイト)としては世界で初登録となったという。>