PB230010<21回文学フリマ東京では、麻布高校の二年有志は、昨年に続いて「草莽崛起」2015年版を出して参加した。誌名は<そうもうくっき>と読むのだろうが、ふりがなはない。昨年と同じ内容の発刊の辞があるーー「草莽」とは「社会的地位を持たない人・在野の人」、「崛起」とは「一斉に立ち上がる」という意味であり、もとは吉田松陰が討幕のため、民衆の決起を促すスローガンに用いた言葉である。」とし、人生経験のない若者の立場から、大人に気おくれすることなく、自由に意見をのべ、自己表現をするのだ、という主張がなされている。気負いの先だった姿勢が目立つが、それが「アザブらしさ」なのであろう。グループが読書経験について鼎談をした記録があり、これは読みごたえがあって貴重。また評論も、なまじのメディア評論よりも、直線的でなかなかしっかりしている。>
第21回文学フリマ東京に出店した。たまたま会場の東京流通センター(TRC)では、女子専門の同人誌系フリーマーケットが開催されていたようだ。しかし、その流れの影響はあまり感じられないというところだった。
 当方の、ブースが二階だったので、その周辺の雰囲気で読む限り、どのブースも手売りの状況に慣れて、落ち着いたムードであった。開店早々、しばらく入場客の行列がつづくところがあったので、様子を見にいったところ、俳句か短歌のコーナーで若い女子たちが次々と買っていた。
PB230008<2015年「文学フリマ」は、短歌・俳句の詩歌同人誌や個人的句集、歌集の手売りフリーマーケットへの進出が顕著>
 考えてみれば、短歌や俳句は国民に浸透した文芸形式である。老若男女の同人誌の数が全国でどれほどあるか見当もつかない。特に金子兜太氏の「アベ政治を許さない」などの思想プロテストとしての詩歌の伝達表現として脚光を浴びはじめた。これらの層が文学フリマの活用を積極的するとなると、それだけで大変な賑わいになるのは、じゅうぶん予想できる。
 とくに近年は、全国的展開の「文学フリマ百都市構想(開催地情報)」が進行実現しつある。そうなると、各拠点での開催がたとえ規模が拡大しないまでも、定着さえすれば、地元の俳句・短歌の同人結社グループの参加が、フリーマーケットを支える地味な存在感を増すことが予想される。
 次に、予想される現象は、前にも述べたが、高校生・大学生の文学部による若手文章系同人誌の定着であろう。それが、いわゆるかつての全盛を誇った旧型の文芸同人誌を凌ぐのは時間の問題である。おそらく、今後は旧型の同人誌のメンバーの若返りが進めば、定年退職後の60歳代の文学ファンも参加が増えるであろうと思う。
PB230014<現在、年配者の参加者は減る傾向であるが、絶滅することはないであろう。>
 また、ここの写真にある麻布高校二年生有志の「草莽崛起」(そうもうくっき)誌のように、社会に対する視線を新鮮な目でじぶんなりに観察して表現し、そこにジャーナリズム精神の入り口に立っていることを示す例もある。
  考えれば来年の参議院選挙から「18歳以上」になれば選挙をする権利があるのである。リクルート進学総研の2015年9月調査では、高校生の76%が「選挙にいく」と答えているという。おそらく、社会に出れば、資本主義社会における言論の自由というものが、ゆがんだ形でしか世間に存在しないことを実感するであろう。その言論の自由を活かす場に文学フリマを活用していって欲しいものである。
《参照:文芸同志会のひろば