文芸雑誌「文芸生活」で伊藤桂一氏が投稿詩の選者を行っている頃に妻の書いた小説も掲載されていたので前回のこの欄に写真をアップした。
  この昭和55年10月発行誌の「夫帯者」の作者・田中萱が妻の筆名だ。
  この前年に夫婦となった。私は職が定まらず収入の多い妻が所帯主だ。
  それが作品名となった。内容もほぼ実生活が多く盛り込まれていた。
  妻の作品は翌昭和56年の「すばる」四月号にも掲載されている。
  作品名『アドソウルからのメッセージ』で同人誌よりの転載となった。
  筆名は森川あやと変えているがーかわやーを連想させる名だ。    
  題名もよろしくからメッセージに変えられたが筆名変更は拒んだ。
  コピーライターとして広告会社で働く妻の実生活が下敷きとなっている。
  下手な小説を書き続ける夫を助けることが妻の生き甲斐となっていた。
  私も実生活を踏まえた作品を書いてきた。妻の手法からも学んだ。
  『この路地抜けられます』や『十坪のるつぼ』などは全くの私小説だ。
  創作力の無い私は転職続きの実生活こそが作品のネタなのだ。
  妻は数年間は書き続けたがプロになれず筆を折ってしまった。
  私は商業文芸雑誌など縁のない同人雑誌だけで長年にわたり書き続けた。
  一向に上達しないが趣味の仲間雑誌なので楽しく続けている。
《参照:外狩雅巳のひろば