叔父に古本屋に連れて行ってもらった。叔父の早足を追っ掛けているうちにドンキホーテの大きい看板が目に入った。元ダイエーを買収した日本の大手スーパだ。その近くの叔父が昔よく行った古本屋は雑貨屋に改装されていた。アラモアナ ショッピング センターにある白木屋のなかに日本でもおなじみなブックオフ古本屋があった。
「ハワイの野鳥と野草に関する本を探していいるのですが・・・」まずほしい本を店員に聞いてみた。
「その方の本はあんまり置いてないです、専門の本屋さんにあると思います」若い男性店員が探しに行った後、済まなさそうに言った。
「本を買ってくれます?」
「あ 取り扱っていますよ」
私の見せた本を不審な目で見ながら、もう一人の女性店員が寄って来た。
まず、手づくりの五百円の「詩人回廊2009」を見せた。それははいらないといった。
次に、三年前に土曜美術出版販売で自費出版の詩集「記憶の風」のバーコードを眺めて、「これなら買います。一ドルでよければー」
定価二千円の詩集を一ドルでというと、日本円で百円だ。日本のブックオフより高く買ってくれるのだ。内容より、やはりバーコードが大事なのだ。
家に着いたら、叔父が本棚から私のほしい本を呉れた。しかも、その夜、ナイウンがハワイの野鳥と野草の本をプレゼントしてくれた。予期しなかった結果だった。
帰りのチェックインは素早く済んだが、飛行機搭乗前に黒人の検査官に尋問された「何しにハワイにきたの?三日泊まりだけ?日本で仕事しているの?事務所は日本にあるの?」変な質問ばかりされた。
スニーカーを手に提げ、ビーチサンダルのままで、飛行機に乗ろうとした日本人若いカップルを見て、「靴を履いて下さい」と検査官は矢先を向き変えた。
履物も自由に履けない自由な国。
こういう機会でなければ、何年間も会っていない叔父の家族達と会うことはなかっただろう。飛行機のなか、叔父一家の暖かい人情を思いながら、うとうとと眠りに落ちる。(完)
(連載を続けて読むには、右サイドの「江 素瑛の庭」をクリックします)
「ハワイの野鳥と野草に関する本を探していいるのですが・・・」まずほしい本を店員に聞いてみた。
「その方の本はあんまり置いてないです、専門の本屋さんにあると思います」若い男性店員が探しに行った後、済まなさそうに言った。
「本を買ってくれます?」
「あ 取り扱っていますよ」
私の見せた本を不審な目で見ながら、もう一人の女性店員が寄って来た。
まず、手づくりの五百円の「詩人回廊2009」を見せた。それははいらないといった。
次に、三年前に土曜美術出版販売で自費出版の詩集「記憶の風」のバーコードを眺めて、「これなら買います。一ドルでよければー」
定価二千円の詩集を一ドルでというと、日本円で百円だ。日本のブックオフより高く買ってくれるのだ。内容より、やはりバーコードが大事なのだ。
家に着いたら、叔父が本棚から私のほしい本を呉れた。しかも、その夜、ナイウンがハワイの野鳥と野草の本をプレゼントしてくれた。予期しなかった結果だった。
帰りのチェックインは素早く済んだが、飛行機搭乗前に黒人の検査官に尋問された「何しにハワイにきたの?三日泊まりだけ?日本で仕事しているの?事務所は日本にあるの?」変な質問ばかりされた。
スニーカーを手に提げ、ビーチサンダルのままで、飛行機に乗ろうとした日本人若いカップルを見て、「靴を履いて下さい」と検査官は矢先を向き変えた。
履物も自由に履けない自由な国。
こういう機会でなければ、何年間も会っていない叔父の家族達と会うことはなかっただろう。飛行機のなか、叔父一家の暖かい人情を思いながら、うとうとと眠りに落ちる。(完)
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