「詩人回廊」

日本の短編小説の特殊性について「韻律のある近代詩、日本語の制約にはばまれて、大した発展を見なかったので、小説家は叙情詩を書きたい衝動を、やむなく短編小説に移してしまった。短編の傑作と呼んでいる多くは物語的構成をほのかにもった散文詩である」三島由紀夫「美の襲撃」より。文芸同志会は「詩人回廊」に詩と小説の場をつくりました。連載小説も可能です。(編集人・伊藤昭一&北一郎)(連載を続けて読むにはタイトル上の筆者の庭をクリックします)。

外狩雅巳の庭

「相模文芸」42号に日本の革命的思想の問題点を提出

  相模原市の文芸同人誌「相模文芸」42号が原稿締め切りになった。コロナで休会もあり、高齢化の現状の中で会の衰退が進んでいる。
  運営を取り仕切っている事務局長は、ウクライナ情勢に関心があり、会合冒頭に必ずロシアによる戦争反対を発言する。
  しかし会員の反応もなく討論にはならない。それで、少しは社会問題に関心を持ってもらおうと次号には学生運動や労働組合活動にのめりこんでいた頃を書いた。革命的マルクス主義派の理論も分かり易く書こうとした。
  人民が主体の民主主義を建設する理論の混乱があった時代として半世紀前をとらえての文章とした。
  ロシア革命の時代とは違う高度資本主義完成期の社会への反抗を行った無理筋の学生運動で失った私の初恋を少し入れた。合評会の中で少しでも関心を持ってもらうためである。
  トロツキーの理論とロシア革命との落差を書き込んだ。正論だと信じ込みトロッキストと非難された事も書いた。
  共産党の発表した日本革命の展望への問題点も書きたかったがそこまでは筆が及ばなかった。
  宝くじを当てて人生を捻じ曲げてしまった今となっては何を書いても言い訳になるが一応は書き残しておく。
  「相模文芸」42号は、7月に発行される。前会長死去に伴う混乱で衰退化している。人材不足で私が通年司会である。社会性のある作品と活発な討論を望んでいる。

トランプのニュースネット裏通りをみたーー外狩雅巳

 コロナ拡大のニュースばかり。公民館閉鎖になればまたまた文芸交流会も会合が持てなくなりそうだ。
 暇なのでネットを見ると、新聞テレビのニュースが報道しないことが読めるので考える参考にしている。
 きっかけは文芸同人誌「カプリチオ」のサイトだった。「群系」会員仲間の草原氏が運営しているようだ。
 最近のサイトの文章は、文芸関連の内容ではなく、アメリカ大統領選挙関連ばかり詳しく掲載している。
 大紀元ニュースなどのネットニュースを閲覧できるように、画面からの誘導を構成している。
 そこから入って様々なネット専門のニュースを読み漁っている。トランプ勝利の報道ばかりである。
 マスメディアはバイデン勝利と言っているが不正がありトランプ勝利のほうが正解らしい。
 多くの閲覧者が賛同のコメントを書き込んでいる。近日中にバイデン勝利になると確信しているらしい。
 そこで独自に調べてみる。トランプ大統領などのキーワードであれこれ検索してみた。
 裏ネットニュースで見る限りトランプ勝利は揺るがない。確定したら朝日新聞NHkなどは謝罪訂正するのだろうか。(2020・11・19)
 ◎トランプ勝利へ
 11月27日朝の最新情報。ネットの「日出づる国TV」チャンネルが、ペンシルベニア州がバイデン勝利の認定を停止させるということになったと報道している。その様子が動画になっている。認定会場が騒然となっていた。
 日本の大手マスコミが、少しでも論調をずらして来たら注意するべきであろう。
 月末から12月初旬が重要な時期になるらしい。このネットニュースへ僕を導いているのは同人雑誌カプリチオの草原氏です。その情報を受け売りしているのである。そのため、正確さが薄いと考えて、トランプのキーワードでさまざまに検索した。
 そして、やはりネットニュースの多くは同様な論調である。前述のネットチャンネルは12万人が登録しているとなっている。
 スマホ時代なので多数の国民がネット情報を注目していることであろう。現在のマスコミ情報が逆転し、バイデン氏に決めて交渉を始めた政府は、どんな言い訳をするのかとネットの読者はコメントしている。しかし、私は国や政府は、逆転勝利を認めずバイデン氏が次期大統領になると予測していいる。(2020・11・27)
《参照:外狩雅巳のひろば

文芸同人誌活動と生活へのコロナ拡大の影響 外狩雅巳

  文芸同人会「相模文芸クラブ」は活動が困難なので、同人誌発行を一回休み来年の6月まで延期している。
   私の個人的なことではあるが、自治会役員としての活動もコロナの影響が大きくなっている。
  全戸配布のために市から回ってくる配布物も、コロナへの注意事項が羅列されたパンフレットなどである。
  行政の下請けのような活動が多いが、自治会未加入の市民も多い。完全な全戸周知にはなっていない。
   自治会費や当番制役員を嫌い脱退する住民もいる。メリットは個人的には感じていない。
   隣組的な相互監視社会なので、自治会脱退など恐ろしくて私にはできない。
  コロナ拡大でテレワークが推奨されているが、身体を使った走り回る仕事ばかりが増えている。
  テレビを見るとテレワークの評価番組をやっている。在宅勤務は家族がうるさく困難とのことである。
  私は工場労働者だった。在宅勤務など出来ない国民のことは視野に入っていない番組である。
  物づくりの日本では、工場労働者など自宅勤務ができない人のほうが多いはずである。
  そこを度外視して働き方改革などと旗を振ったところで、本当に国民本位の政策になるのだろうか。
  コロナ拡大が止まらない中で怒りとともに考えさせられることが多い。
《参照:外狩雅巳のひろば 》


学園闘争の思い出   外狩雅巳

  夕食時はテレビを見ながら過ごす。
 ビートたけしの番組など、肩の凝らないものを見ながら妻と雑談しながら食べるのが日常である。
 10月18日には、東京大学を取り上げいた。70年安保の画像が次々に出てくる。
 東大闘争の映像に興奮して青春を回想する。國學院大學で全共闘だった思い出が蘇った。
 妻は、当時はお茶の水女子大学に通学していたので、会話が弾んだ。
 何とかローザを調べてくれと言われていたので、検索してみた。
  多分ローザ=ルクセンブルクのことだろうと思い画像を見せたがわからないという。
 妻もそれなりの経験があるのだろうが、ノンポリとして卒業し広告会社に入りコピーライターになった。
 読書が趣味で毎日毎日を家事とテレビと読書で送っている。パソコン音痴で画面も見た事がない。
 それに比べて、私は労働運動に没頭して三十代を費やしてしまった。
 カール=リープクネヒトとツーショットで映った古い写真がある。コピーして妻に見せたが反応なし。
 同人雑誌とはいえ外部との交流がある私のほうが、まだ籠ってしまった妻より生き生きと過ごしている。
 コロナが継続し自粛生活が日常となりマスク無しでは外出もできない日々。
 食料の買い出し以外は屋外には出ない日々。せめてテレビで青春を回想するだけである。
 現状は家庭内世界がすべて。妻の会話に合わせて、平穏に今日を終わる事に専念している。
《参照:外狩雅巳のひろば 》
(注)ローザ=ルクセンブルクはポーランド生まれのドイツ人の女性で社会主義者。ドイツとポーランドで社会主義を指導。マルクス主義の正統的な階級闘争理論を軸として、国家支配の死滅をめざす論陣をはり、民族独立派には批判的であった。ドイツ社会民主党の左派の闘士として活動し、党の戦争協力を批判してスパルタクス団を結成した。
 第一次世界大戦が長期化する中、1918年11月3日にキール軍港の水兵反乱が起き、全国に労兵評議会(レーテ)が結成され、一気にドイツ皇帝の退位が実現してドイツ革命が始まると、12月にドイツ共産党と改称し、レーテの権力移譲によるプロレタリア革命を目指し、1919年1月にベルリンで蜂起した。しかし社会民主党の臨時政府が派遣した軍の一部に捕らえられカール=リープクネヒトらとともに殺害された。
《参照:外狩雅巳のひろば 》


書棚のなかの「単行本」について   外狩雅巳

  文芸同人雑誌の棚とは別に単行本の置き場がある。その最古参が下段にどっしりと鎮座している。
  書名「バルバロッサ作戦」(発行元・フジ出版社/著者・パウル、カレル/訳者・松谷健二/昭和46年7月5日初版発行)。書名「焦土作戦」(発行元・著者・訳者はいづれも上記と同じ。昭和47年11月25日初版発行)。
  箱入りのハードカバーで600ページの大冊が二冊。いづれも定価2500円である。
  これは第二次大戦・欧州編の記録的作品で、本来は三部作だが第三部の「ベルリン陥落」は未刊のようだ。
  少年期に父が毎晩のように兵士体験を語ってくれた。軍人勅諭や歩兵操典なども殴られて暗記させられた。
  弱虫な子への教育だ。三つ子の魂百までもと私の人生に付きまとってきた。生徒を殴る暴力教師だった。
  雑誌「丸」が長年書棚を占領していたが、この手の戦争書がさらに積み増されて単行本が大半になっている。
  労働組合を作り共産党に入ってもこの本たちは矛盾せずに私の愛読書で居続けてくれた。
  知人たちの自費出版本がだいぶ増えたがほとんど読まない。多分、私の自費出版本も送られ迷惑だろう。
  書棚の戦争関連の本たちは何度も読み返している。これが書棚からわかる私の人生だ。
  ここまでの書棚の年輪を書き終えるにあたり、私の狙いを白状した。
《参照:外狩雅巳のひろば 》


書棚のなかの「クレーン」誌について   外狩雅巳

IMG_20200306_0002_1<文芸同人誌「クレーン」第41号(前橋文学伝習所)>
  文芸同人誌「クレーン」の会則には、「井上光晴文学伝習所」前橋分校の参加者有志15名によって、1979年7月に創刊されたーーとなっている。
  過去の号に編集人の和田伸一郎氏と井上光晴のツーショット写真があった。若き頃の和田さんである。
  彼とは「関東文芸同人雑誌交流会」で知り合って以来の十年来毎号送付されてくる交流仲間である。
  昨年の関東の会議でも彼とは言葉を交わしている。ますます元気盛んで若くまぶしくさえ思える。
  年一回の発行である。昨年発行の40号は現在、「井上光晴作品を読む」が特集された228頁である。
  その中て゛水丘曜一氏の井上作品「書かれざる一章と日本共産党」に注目した。
  1950年の作品を私も1970代に読んだ記憶がある。政党の専従スタッフの献身が、身につまされたのだ。
  ゲーム製造会社大手のセガエンタープライゼス社で、個人加盟の労組を発足させた頃である。
  全国金属労組糀谷地域支部組合事務所で、専従書記長から受けた衝撃である。
  生のニンニクを齧りながら、年中無休24時間戦う決意を披露する彼に入党を促された時だ。
  文芸同人会を運営中の私はどちらに進もうかと猛烈に悩んだ。
  井上光晴の作品は、まさにそのことがテーマになっていた。
《参照:外狩雅巳のひろば 》


書棚のなかの「北方文学」誌について   外狩雅巳

1eb249f984636531a483e787330f7ea7<「北方文学」80号>
   新潟県を中心とする書き手が集まっている。同人雑誌というよりは専門の文芸誌だろう。
   毎号送られてくるが、昨年末発行の今回の80号は、記念誌として350ページ近くもあり壮観だ。
   追悼・長谷川竜生として過去の同氏掲載詩作品の再録や、柴野発行人の思い出などの追悼文が掲載されている。
   同誌の紹介も過去に行っているが、今号には「群系の会」永野悟編集長の記事も掲載されている。
   その内容は昨秋の「全国同人雑誌会議」には、柴野氏も出席し永野氏と懇親したことなどである。
   私も同人雑誌会議に出席したので、その盛況は実感している。今後も柴野氏との縁は続くだろう。
   今後も書棚には「北方文学」は並び続けることがたのしみである。
《参照:外狩雅巳のひろば 》

書棚のなかの「文芸多摩」誌について   外狩雅巳

IMG_20200306_0001_1「文芸多摩」第12号>
  文芸サークル誌「文芸多摩」は、民主主義文学会の東京町田支部が発行する文芸同人雑誌であるが支部誌と自称している。
  発行は年一回、創刊は2008年である。町田支部は交流会の主要メンバーとしても長いおつきあいである。
  6年ほど前にはこの会の合評会を見学したこともある。その後も会員は変わっても交流は続いている。
  毎号70ページ程度の薄い作品集となっている作者も五六人・作品も創作が中心である。
  第12号は作者が三人・作品三作となり少々寂しい。それでも全国雑誌「民主文学」に転載される程の秀作が多く会員も熱心で文芸交流会での討論を盛り上げてくれている。
  傾向の違う文芸同人会が多数集まり討論する交流会への参加は、民主主義文学会の全国誌でも、その活動が注目されている。
《参照:外狩雅巳のひろば 》

書棚のなかの「みなせ」誌について   外狩雅巳

85jpg<文芸同人誌「みなせ」第85号>
  「 みなせ文芸の会」(秦野市)が 2月に発行した「みなせ」第85号は150ページを超える厚さの中に12名の作品が盛り込まれている。
  年間に4回の発行を可能にしているのは岡森利幸編集長の奮闘によるもので同人誌としては盛大だろう。
  岡森氏は盛岡由樹年のペンネームをも使い分けて、傾向の異なる二作品で約半分のページを占める掲載をして奮闘している。同時に町田文芸交流会の常連としても大いに発言し会合を盛り上げている。大切な仲間である。
  岡森氏は社会問題を新聞から選び紹介するニュース特集的な珍しい作品を得意とする作者である。
  ほかにもツイッターでのメッセージを横書きで転載した作品や。詩歌もあり多様な会員で構成されている。
  文芸同人雑誌としては珍しく国会図書館図書コードISSN登録も行っていて、しっかりと運営されているようだ。
  神奈川県秦野市を基盤に近郊や東京都にも会員を持つ有力な同人雑誌として全国に紹介したい。
  文芸同志会の伊藤昭一代表も同人会員になり、幾度か作品を掲載している。
《参照:外狩雅巳のひろば 》

書棚のなかの「民主文学」誌について   外狩雅巳

2003minbun<「民主文学」(日本民主文学会発行)3月号>
 「民主文学」誌は、購読歴の長い月刊文芸雑誌なので年に12冊が書棚に増える。五年程度で書棚に満杯になるが長年捨てられずそれを箱に詰めて物置にしまい込んでいた。
 青年期からの人生遍歴が込められていてどうしても捨てられない書物である。
 しかし、数年前の家屋の建て替え時に思い切って処分した。
 年季奉公や下積みの労働者だった青年期、社会への怨念と反発からの過激思想に染まり、共産主義者同盟革マル派のシンパとなり白ヘルメットで暴れた。
 企業で労組を作り地道な日常闘争をする頃に誤りに気付き総評に加入した。
 その時以来の文芸趣味の傍らには常に民主文学があった。中央労働学校では読者の集まり民主文学中労支部に入り民主文学同盟にも加盟した。
 労働者たちの描写を作品化した小説も書き充実した青春の証人として捨てられない。
《参照:外狩雅巳のひろば 》
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