連投暴投 コバちゃんBack to the Past!

2015年07月23日

集中治療室?

【第一話】

[はい?」
と、電話の向こうにいるトロそうな女性がかわいい声で、言った。

「はい。
 いつもぺちゃんこ依頼の時にお送りするデータですが、
  今回は同件なので不要かと思ってお尋ねします。」
「あのう、データって・・・。」
「すくったキンギョの数とか、壊したコップの状態とか、ですね。」
「・・・・・・」

どうやらわかっていないみたいだ。
いつもの方に代わってもらおうかと思った矢先
「同件ならいらないんじゃないでしょうか。」
と、あやふやな口調で、仰った。
「あ、でも、やはりお送りしますね。」
わずかの手間を惜しんでは、いけない。
送る方がよさそうだ。

電話を、切る。

と、傍にじたばたしながら立っていたコバちゃんが、待ってましたとばかりに口を開く。
データ、と言うから相手が誤解する。
これとこれをお送りする、と、言わなければいけない。
データ、と言えば別のものを考えるだろう。

そうですか???
人間には文脈でものを考える力がある。
ぺちゃんこ依頼の時には相手もこちらも
「データ」
と言って、双方何を指しているか了解している。
それよりも何よりも、決着は、もうついている。
と、思うが、黙っておハナシを承っている。

やがて、コバちゃんは
「ワタシ何をしにここに来たのかしら?」
と、言いつつ遠ざかって行った。

忘れちまったみたい。


【第二話】

デンデンムシ課に送付しなければいけない書類が、ある。
先々週の金曜日の件。

アルチュールがハンコを押す書類だけが欠けている。
ハンコを押すだけの書類はとっくに渡してある。
それに添える書類は、きっちりと揃えて、ある。

待てども来ない。

いつも多少遅れるのだが、水曜日まで待って、メールをする。
普通に話せば聞こえる距離にいるのだが。

「金曜日の件、書類をよろしくお願いいたします。」
無返事。

待つ。

その週は虚しく過ぎた。
まるまる一週間が、過ぎたということである。

月曜日。
メールを再送。
無返事。

おカネが出なくたって、知りません。
もう、限界だろう。
書類を失くしたのなら、そう言って来い、と、言うのだ。

最初のメールから一週間、次の次の週の水曜日。
ハンコを押すべき時から10日が、経過。
朝。
トレイの上に打ち伏した紙一枚。
ハンコを押した書類。
裏返しに置く意味が、わからん。
(わかるかな?)


【第三話】

今朝から、またまたまた海外出張に出かけるコバちゃんから、メール。

「昨夜、オフィスを出ようとしたら鍵がないことに気がつきました。
 落としてしまったようです。」
アホ、ではなかろうか?

また、余計なシゴトが、増えた。

夫に報告。
「辞めれば?」
という返事。
そうしようかしら。

人間として我慢することは、した、
と、思う。



トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
連投暴投 コバちゃんBack to the Past!