アサリのヴィンテージもの

2015年08月28日

良い加減

バスに乗る。
座りたいのは一番前の一人掛けのところ。

ちょっと高くなっていて見晴らしが良い。
並木の下を進んでいくのは楽しい。
一人なのでお隣に気を使うことも、ない。

でも、そこに座れないことも、多い。
仕方がないので、二番手三番手、あるいは、自分の中では最下層のお席に座る。

そして、途中で好きな席が空いても、まずそこには、移らない。

能楽堂に、行く。
正面席でなければいけない、ということはないが、
出入りがしやすくて、柱が邪魔にならなくて
舞台全体が見えてしかもあまり近すぎないところ。

地謡座の真正面なんてちょっと困る。
恥ずかしいし、居眠りができない。

でも、好きな席に座れないこともある。
出入りがしにくくて、柱が真ん前にあって、すぐそこ、目の前で子方ちゃんが気息奄々で座っている。
そんな席のこともある。

一度座ったらあまりきょろきょろしないようにしている。
一度座ってから、もっと、いいお席はないだろうか?
というのは、好きではない。
時には、柱でおシテが見えなくなるのも一興だ。

途中で見所ががらがらになったら次のお能の時には移ることも、ある。

なぜだろう?

「人間は良い加減のところで落ち着くと、大変みっとも好いもんだがね。」
という言葉が心をかすめる。

登場人物の言葉なので、これが漱石先生の考えではないかもしれない。
でも、時々思い出す。

何にでもあてはまる事ではないのだろうが。



selber at 13:25│Comments(0)TrackBack(0)漱石先生 | 

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