2011年09月

2011年09月28日

マルコビッチの口

夫は寝ているときに、時々、死ぬ。

はじめは驚いたが、しょっちゅう死んでは生き返るので最近は
「こらこら」
と、言うだけで済ませている。

「こらこら」
と、言うと
「うん」
と言って、横向きに寝なおす。

息をしないのである。
じいっと聞いていると
「・・・・・・ぷはぁっ・・・・」
と、言う。
時には
「っく。っく。。。。。。。ぷは〜〜〜・・・・」
と、なる。

ウルサくて、目が覚める。

睡眠時無呼吸症候群

脳梗塞とか心臓疾患の引き金にもなるらしいし、ナルコレプシーの原因もこれではないかと
言われている。

すごい人を見たことがある。
お茶を飲んでいたら、お隣の席の見事に太った男性が、本当に五分おきぐらいに寝てしまう。
あれ、と起きては、再び
「こっくり」
お連れの女性は笑っていた。
重大な疾患ですよ、これは。
笑っている場合では、ない。

夫は口の周りの筋肉が弱いみたいだ。
「え?」
と言ってこちらを向くと必ず口を開いている。
「クチ!」
と、怒鳴るわたくし。
口の周りの筋トレをしなさいと言うと、
「骨格のせいだから。」
とか何とか言って、逃げる。

一度医者に相談させたら
「高木ブーじゃあるまいし。」
と、せせら笑われたそうだ。
なんという医者だろう!!

ジョン・マルコビッチも、しょっちゅうお口を開いている。
彼も睡眠時無呼吸症候群なのだろうか?
マルコビッチくんの骨格は、立派だと思うのだが。



2011年09月23日

ちくちく温泉

これといった理念もなく毎日を暮らしているわたくしだが、ひとつだけ譲れないことが、ある。

「村一番のホテル」
これである。

夫は浪費家のくせに、ヘンに節約するところがある。

旅行をする。
どのホテルに泊るか?
というのは大問題である。

ニースに、行った。
泊るのは
「ネグレスコ」
に、決まっている。
当時は。

しかるるに、夫はケチろうとする。
ケンカになってはいけないので、わたくしが譲歩する。
わたくしの希望で決まった旅行先なので。

「ホテル・ヴェルサイユ」

名前だけは立派な近郊のホテルにした。

ひどかった。
団体専門の温泉旅館の雰囲気がそのままニースに移り住んでいた。
「旅館・丹意須」
おかげでわたくしはホテルに缶詰になって、数時間をかけ、まともなホテルに予約すべく電話をする羽目になった。


岩手県は湯田温泉。

お風呂の温度が熱すぎて、入れない。
洗い場にシャワーが、ない。
混合栓ではないのでシャンプーするのも大変な騒ぎ。
熱湯を桶に注ぎこみ、次にお水で思い切りうめて頭に掛け、やっとのことでシャンプーを流す。これを数回しなければすっきりしない。
夫によれば、男湯の浴槽のお湯は、なんとなくちくちくしたそうだ。温泉の成分のせいなら、いいが。
露天風呂に行ってみようとしたが、けものみちのようなところをこわごわ行かなければ行けないので、やめた。
女中さんが、ノックをしたかしないかのうちに、
「ばりん」
と、ドアを開けて入ってくる。
ばりん。
ドアがチャチなのですね。ベニヤ板かもしれない。
お食事は批評する気にもなりませんかった。

それもこれも、夫のケチのせい。

一番悪い部屋でよいから
「村一番のホテル」




2011年09月20日

家の書架にある本は手当たり次第に読んでいたのだが、その中に
「いとこベット」
が、あった。

さっぱりわけがわからなかった。
どちらかと言えば、同じ本に載っていた
「谷間の百合」
の方がなんとなく理解できた。
短かったし。登場人物も少ない。

その、
「いとこベット」
で、身体が溶けていく恐ろしい病に侵された悪い女の人が、今は神のお慈悲にすがるしかないと悟って
「神様をたらしこまなきゃ!」
と、叫ぶ。

たらしこむ・・・・・

神様を?

わたくしの頭には、搗き立てのお餅のようにぐんなりした神様を、瓶かおナベの中に
「とろーり、もっちり」
と、手繰りいれる光景が浮かんでいた。




2011年09月17日

十七日の月明に

十七夜だった13日は遅くまで本を読んでいた。
気がつくと零時少し前。

空を見ると少しだけ細くなった月が出ていた。
煌々と輝いていて、十五夜のときよりも明るいほどだった。

この月と同じものに照らされながら、虚子は子規の死を知らせようと急いだのだと思った。

この月の下で子規は死に、この月光が彼の遺骸の横たわる子規庵に差し込んでいたのだ。

この月はやがてロンドンに行き、子規の死を知らない漱石の上にも留まっていたのだ。

と、思いながら見上げていたが、月は何も教えてくれなかった。



2011年09月14日

子規逝くや

和歌と俳句の違いを示すために子規が詠んだのは

「ほととぎす鳴くに首上げ硝子戸の外面を見ればよき月夜なり」

「ホトトギスツキガラスドノスミニアリ」
だったらしい。

学校で習いました。
よく思い出しては、合点している。

子規は賑やかなのが好きだったらしい。
漱石の家に居候していたときにはよく大勢人を集めて句会を催し、そのやかましさに漱石も閉口したようだ。その漱石は、寝ている子規の枕の下に
「おい、小遣いをやろうか。」
といってお金を突っ込んだらしい。人の心配をよくしてやる人間にありがちだが、子規は大して感謝の気持ちをあらわさなかったのではないかと想像する。
「うむ。」
なんて言ったぐらいで。
子規は漱石の家に転がり込んで、いい部屋を取ってしまったが漱石はそれでよしとしていた。

どうも子規には人を敬服させる気質があったようだ。
また、小事に拘る事がつまらなく思えてくるような、スケールの大きな人間だったと思う。
そのくせ本人は結構繊細なところがあった。
敬愛され、慕われていたのはもちろんである。

朋友漱石
虚子
璧梧桐
伊藤左千夫
中村不折
などなど。

漱石との往復書簡に
「妾より郎君へ」
というのがあり、わたくしにの
「未解決ファイル」
に入っている。

今日は十七夜。

虚子が見たのと同じ月明を見られるだろう。



2011年09月09日

以上

週にいっぺん有機野菜を届けてくれるお兄さん。
とても感じのよい、なかなかの好青年です。
礼儀正しいし、品物の取り扱いも大変に丁寧。

「こんにちは。
 よろしくお願いします。」
に始まって、壊れ物を扱うような手つきで品物を運び込み、指定した場所にそうっと綺麗に
並べてくれる。
本当に気持ちの良い働きぶりです。

全て運び込んだ後はきちんとお辞儀をしておっしゃいます。

「こちらで以上になります。」

いつも、これが微笑ましくて、楽しみです。

なんか、ヘンな言葉遣いだが、そして、たぶん間違っているのだろうが、かまわない。

やはりそのお人となりがそう思わせるのでしょうね。



2011年09月06日

賓客も去って来ることも無し

自分から進んでお友達を作る方では、ない。
また、自分からお友達を切り捨てるほうでも、ない。

しかし、考えてみたら
「あの時は・・」
と、思うことはある。

ずいぶん前のことになるが、文京区で子供がお友達のお母さんに殺されたことがあった。
教育熱心な地域で、やっかみなども多かったという話だった。
ある友人とその話になった時、彼女は
「私は、殺された子供このことはかわいそうともなんとも思わない。」
と、言った。
子供をいい学校に入れようと狂奔する親たちに対する批判だったのかもしれない。

彼女とはしばらくしてからお付き合いをしなくなった。
その決断をしたのはわたくしの方だ。
このときのことが頭に残っていたのかもしれないと思う。

また、別の人は、自分の子供の幼稚園の話をしていて
「私も初めて幼稚園に行ったときには困っちゃって。」
と、言った。
「他の子達が汚くて、乱暴で。」

この方ともそれからしばらくたってから疎遠になった。

お友達に限らず人とのお付き合いにおいては、お互いに
「ガマン」
しなければいけないことが出てくる。わたくしは
「寛容すぎる」
と、夫に叱られるぐらい、いい顔をしてしまう。
そのことが、ある一点をして限界に達してしまう原因なのかもしれない。

難しいです。



2011年09月05日


お友達から借りた
「つばき姫」
を読んでいた。

椿姫は結核にかかっていて、肺から血を吐いてしまう。
「化粧室」
で。

そして病は悪化し、椿姫は回復することなく恋人のアルマンにも会えないまま死んでしまうのだった。

「化粧室」
って、何だろう、と、思った。

父は
「普通
『化粧室』
といえば、トイレのことが多いけど、椿姫がまさか、トイレで血を吐いたわけではないだろうから、これは、お化粧をしたり着替えをする部屋のことだろうね。」
と、言った。

なるほど。

挿絵でも、ソファにぐったりともたれかかっている椿姫の足元にアルマンがひざまづき手をとっていた。

トイレにはソファはないですものね。
納得したわたくしだった。

小津の
「麦秋」
では
話すたびに唾を多量に飛ばして敬遠される先生を
「ツバキ姫」
と呼んでいた。
しばらくぶりのクラス会で
「ツバキ姫」
の前に座った元生徒達は、誰もお紅茶を飲まないのだった。



2011年09月01日

九月のカッターハウス

台風12号の直撃で幕開けしそうな九月です。

自然の猛威になすすべも無い人間というものをしにじみ痛感した今年も、三分の二が終わってしまいました。
まず、この辺で一度リセットして新たにスタートしたいものです。

カッターハウスでは今月から
「マッサージのデリバリーサービス」
を行うことにいたしました。

お電話やメールでお申し込みいただけます。

いつでもどこでにでもはせ参じます。
お家の中でなくともかまいません。
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うっとり・・・・

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<ツボから外れていますよ