2012年06月

2012年06月28日


わたくしは、ちょっと緊張した雰囲気の母に手を引かれて立っていた。

目の前の家では二階の窓が開いていて、二人ぐらいの男の人がお布団を下に放り投げていた。
何やら声高に叫んでいる。

下にはもう一人男性がいて、落ちて来たお布団を一箇所に寄せ集めていた。

母とわたくしの周りには沢山の人たちがいて、がやがや言いながらその様子を見守っていた。

「でも、ボヤで済んでよかったわね。」
と、家に帰る途中に母が言った。

お布団を捨てたのはどうしてなのかわからなかった。

「ぼや」
って何なのか訊ねた記憶は、ない。

春浅い頃だったと、思う。



2012年06月22日

「デブの国ノッポの国」

子供の頃に読んだ。

主人公の男の子は太っているが、お母さんは
「家の中を一日中歩き回っているので、今でも、格好がよい。」
らしい。

お父さんとお兄さんは、確か痩せている。
この本にはおいしそうな食べ物が沢山出てくる。
エビのサンドイッチとか、大きなカップに入った熱いココア、だとか。

それはそうとして、世の中には
「水を飲んでも太る」
人がいる、と言われる。

ウソに決まっている。
摂取カロリーと消費カロリーの差によって、身体に蓄積される脂肪が決まるのだから、ゼロカロリーのお水を飲んでも何の影響もあるものか。
と、思っていた。

ところで夫は機嫌が悪い。
「太った」
のだそうだ。
わからない。
なぜならば、彼の生活はハードになっているから。
早くに家を出て、長時間かけて通勤し、おヤツも食べないで働き、遅くに帰宅する。
睡眠時間も以前より少なくなった。
それで
「太った」
のだ。
いったいどうなっているのだろうか?
おミズでも飲んでで太ったのだろうか?

わたくしが同じ生活をしたら間違いなく痩せ続け、衰え果ててダウンするに決まっている。

「体質」
ですか?
本当に不思議。

因みにこの本は
「アンドレ・モロワ」
が、書いたらしい。今知った。
あの
「英国史」
を著したお方ですね!

「不思議の国のアリス」
といい、イギリスにはイキな学者がいるのですね。




2012年06月08日

2011年10月13日(木)ー其弐ー

診察室は細長い部屋で、入り口と反対の方にガラスの入ったドアがあり、その向こうには大小色々な医療器具らしきものが並んでいる。
診察室にはステンレスの診察台が二つあり、二組の診察ができるみたいだが、そこにいたのはわたくし達だけだった。

担当のドクター・シャンソンは、がっちりした色黒の、体力のありそうな壮年の男性。
非常に鋭い眼をしているが、その眼の周りには隈ができている。
そして色白でやさしげな若い研修医のモンテ先生。

預かってきたレントゲン写真を見ながら診察台を挟んでお話しする。

腫瘍である事には間違いないと考えるが、もっと詳しく診たいので、レントゲンと、CT、そして血液検査をします、とのこと。
全身麻酔をかけるので承諾書にサインしてほしいそうだ。
時間は全部で三時間ほどかかるらしい。

夫が書類にサインしてしまうと、ぴょんきちさんは連れて行かれる。

持ち前の社交性を発揮して、モンテ先生のあとからほいほいとくっついて行くぴょんきちさん。
ガラスのドアのところで、わたくし達が一緒に行かないことにはじめて気が付き、引き返そうとするが、モンテ先生すばやくドアの向こうに誘い込みあっという間にドアを閉じる。
ソフトな風貌にも似合わない断固とした手際のよさである。

後は待つ、だけ。

驚いたことに、ペットタクシーの運転手は
「一度会社に帰ります。
診察が済んだら電話して下さい。」
と、言う。
横浜まで。

お約束が違うが、仕方がないのでお帰りを願う。