2013年04月

2013年04月26日

椿事?珍事?

我が
「ミュージカル・キッチン」
はこのごろ快調だ。

夕方の六時から七時、お夕食を製造する手もはかどっている。
うれしい。
「ビートルズ以前」
だそうですよ。

このテーマもさることながら、亀淵昭信くんのDJぶりに好感が持てる。
音楽に対する愛情と、積み重ねた知識、表には出さないが彼の音に対する見解が随所に感じられる。
ただ曲を紹介して、あとはつまらん内輪話や、自分のことを蝶々とお話しするヒヨッコとは
何もかも違いますね。
おかげで、六時になるとお勝手に入る習慣が付きつつあり、お夕食も決まった時刻にいただけるように
なっている。
健康にも良い!

四月いっぱいでおしまいなのだそうだが、本当に残念。
テーマを変えて、彼にずっと担当してほしいです。

ところで昨日、ローズマリー・ジューンという人の歌う、確か
I'LL BE WITH YOU IN APPLE BLOOSOM TIME
とかいう曲がかかっていた。

いやもう、うれしいのなんの。
換気扇を止めてしまった。

大好きなダニエル・シュミットの
「ラ・パロマ」
で流れていた曲だ!
歌っていたのは映画とは別の人だと思う。
映画の方は、リズミカルでもう少し速め、そして優雅。
この曲の軽やかさが、映画の荘重で壮麗、そして頽廃的な雰囲気を際立たせている印象的なシーンだった。
この映画は音楽の選び方全体も素晴らしいとしか言いようがない。

一昨日はフェリーニの
「甘い生活」
で使われていた曲がかかっていた。タイトルは忘れてしまったけれども。
この映画でアニタ・エクバーグがみんなを率いて踊るシーンでは、ロックンロールが流れていた。


亀淵君はもちろん
「フェリーニ、ダニエル・シュミット」
などとはおっしゃらない。
言わなくていいです。

深い知識を持つ人の言うことは、どこかで必ず別の何かと結びつくのではないかと思う。

今回は、NHKを誉めてつかわす。




2013年04月25日

村上春樹はどうして面白くなくなったのか?

今回も発売当日に夫が買ってきた。

先に読ませてもらう。
半日で読み終えられるボリュームだった。

最初に買った村上春樹の本は
「カンガルー日和」
だった。
惹きつけられた。

余裕のある、対象との間に距離を置いた文体。
そこはかとないユーモア。
淡泊で、簡素な文章。
底に流れる喪失感。
柔らかい恐怖。
本当に新鮮だった。

「ノルウェイの森」
までは、夢中で読んだ、と、言ってよい。

「色彩をもたない多崎つくると、彼の巡礼の年」

近年の彼の作品同様、アイディア、概念としてはとても共感するところがある。
しかし、文にスリルが、ない。

文学とは、その言語の限界に挑みその枠を拡げていく、ほとんど空しいと言ってよい試みであるはずだ。
その、愛憎のないまぜになった作品に、わたくしたちは魅了される。
ぴんと張った細い糸の上で紡ぎ出されるぎりぎりの作品。
誤解を覚悟で言ってしまえば、文学はアイディアで書けるものでは、ない。

村上春樹は日本語に愛情を持っていないのではないか。
と、思う。
使われる言葉が作者の意図を裏切っているような、切ない感じがする。

「その心余りてことば足らず」

そこが良いのだ、と人は言うのだろうか?




2013年04月23日

イトコに鼻の悪い子がいた。
時々お医者さんに行っていたみたいだ。また、しょっちゅうハナをかんでいた。
親戚の中には他にも鼻の悪いのがいたみたいだ。わたくしは幸いにして悪くは、ない。

そう。
きょうだいにも、一時耳鼻科に通っているのが、いた。
その時には、スポイトで鼻孔に入れるお薬を使っていた。

鼻薬

男が、囲っている女性のところに人力車を付ける。
坊ちゃんが駆け出してくる。続いて出てきた
「髪の毛櫛巻き、薄化粧のあっさりもの」

「おや、あなた。」
と、言う。
「久しく無沙汰をした。許せ。」
と、でれりとして男は言う。

ここまではよく理解できた。

次に
「小戻りした例物が
お供さんごくろうさま。」
と、
「それ、鼻薬が出る次第さ。」
と、車屋が、言う。

車屋は、親戚のケイちゃんみたいに、ハナが悪いのだろうな、と、思った。

樋口一葉
「われから」
でしたけど。





2013年04月20日

地下バス

東横線沿線に住んでいるわたくし。

都内のどこに出るにも本当に便利。

渋谷に行って、ちょっと階段を上ると銀座線。
階段を二つ経由すると山手線。
どちらも乗り換えに五分とかからない。

帰りには東急デパート東横店で、買い忘れた食材やちょっとしたものが買える。

東横線渋谷駅も、お行儀よくホームが並んでいて、納得できる見よい光景。
ホームの端っこにあるコーヒーショップで乗降客を見物しながら一休みも、できる。

この間までは。

副都心線とやらが、乗り入れるようになった。
代官山から地下に入る。
地下、五階!!
だそうだ。
代官山を過ぎると、吊革に目を凝らす。
斜めになっている。
下降しているのだ。

渋谷に着く。
ホームが狭く暗い。
乗降客がさほど多くない時間なのにモノスゴク混んでいる。
ホームからはエスカレーター上下一本ずつしかない箇所がある。
ラッシュ時はどうするのだろう?

上って上って上って上って上る。
ボーシをかぶったおじさんが口々に何やら指示をしているらしい。
何を言っているのか、わかりませんけど。
え?
「大きく右へ回ってください!」?
それは左です。
おじさんの右かもしれないが、乗降客にとっては
「ひだり」
です。

やっと地上に出る。
が、目指す山手線はまだ遠い。
歩く。
やっとたどり着いた山手線のホームは、変な、はじっこ。
人波をかき分け、ホームを長々と、歩く。

乗り換えだけでへとへとだ。

行先は原宿。
渋谷から歩いて行けばよかった。
もう、今頃は着いていたかもしれない。

帰りは
「副都心線明治神宮前」
から行ってみようと考えた。
渋谷から一駅で、山手線よりも二十円高い。
むざむざと敵に塩を贈ることになるが、この際試してみよう。

敵を知れば百戦恐るべからず。

明治神宮前駅入口にはちゃんと
「千代田線・副都心線」
と、表示されている。

改札に行くと
「副都心線は千代田線のホームを越した先です。」
と書かれている。

ここで、むっとする。
よくありますけど、

なが〜いホームをまた端から端まで歩くのは勘弁してほしいので、
次の改札口まで、歩く。

下る。
歩く。

遠い。

一駅ぶんは、ある。
バス停なら、まず、二つぶんですね。

自分が段々と凶暴な顔つきになるのがわかる。

これで同じ
「明治神宮前」
の駅名を名乗るとは、ふてぶてしいにもほどがある。
ウソつき、と、言って、よい。
サギだ。

同じ駅名で路線が交差しているのなら、乗り換えも便利だろうと人は思う。
そこに付け込んでいるのですか?

頼んでもいないのに、便利になるような印象をもたせた大工事をして、結局、
高くなって、不便になって、遠くなった。

地下鉄明治神宮前駅の中を、乗り換え専用のためのシャトルバスでも運行させては如何ですか?

もう、どこにも出かけたく、ない。

隠居する。



2013年04月02日

大丈夫

銀行のATMを使うために並ぼうとしたら、並んでいるのかいないのか判断しかねる位置に
佇んでいる人がいた。

「待っていらっしゃるのですか?」
と、たずねたところ、
「大丈夫です。」
というご返事だった。

ソレハ、ドウイウイミデスカ?

主語は何ですか?
ATMは大丈夫、問題なく動いている、という意味ではありませんよね?
あなたが、大丈夫、なのですか?
お元気なのは、結構です。

で、ATMを使うおつもりでここにいらっしゃるのですか?

英語圏の人に
「何かお飲みになりませんか?}
と、尋ねると、よく
「アイ アム ファイン。せんきゅう。」
と、おっしゃる。
自分は只今快適にすごしている。
そっともお気遣いなく。
という意味だと思う。

でも、ATMの前ではこの表現は使わないと思う。
だって、
「どうぞどうぞ。並んでくださいませ。ささ・・」
と申し出ているわけでは、ない。
並んでいるかいないかを言ってくだされば、それで、いいのですけど。

ウルサイコトは言いたくない。
しかし、この間のNHK、BS.
[極上アンテイークお宝映像発掘!『ムカシネマ』]
あれは、何だ!
貴重な映像であることは確かだ。
でも、文字通りハキケをこらえながら観る次第となった。時々深呼吸をして心を鎮めながら。
妙にうねるようなアクセントで、締まりのない空っとぼけたナレーション。
映像の魅力をぶち壊して余りあった。
それに、時々けたたましく笑うだけの女性。
良い女優さんなのでしょうな。荻上直子の映画に出たのですから。
観ていないけど。
使い方を間違えている。

そして
「お宝」
という言い方は品がない。

どうして心静かに楽しませていただけないのでしょう?

段々生き難くなってきた。