2014年12月

2014年12月30日

い・其二

イトコのケイちゃんとはよく遊んだ。

ある時自分の家が苦沙弥家にいかに似ているかを自慢しあっていた。

わたくし達はそれぞれの家に出入りする人たちを
「迷亭」くんだとか
「鼻子」だとか、
「おさん」
「寒月」くん
だとかになぞらえては競い合っていた。

勝負は中々つかない。
お互いに譲らない。
あわや引き分け、となろうかという時に彼が発した見事なシュート!

「僕のお父さんは胃が悪いよ!」

負けましたね。
ぐうの音も出なかった。

うちのお父さんはどうして
「胃弱」
ではないのだろうかと恨めしく思った。



2014年12月28日

歌う夫

我が
「ミュージカルキッチン」
は好調だ。
クリスマスにはミシェル・ポルナレフとミクロシュ・ペレニーのCDももらい、お食事の支度も片づけもますます楽しくなった。

だが

夫は、歌う。

バッハの無伴奏チェロ。
静謐で、繊細、しかも拡がりがあり、厳密に構成された完璧なこの曲をミクロシュくんは豊かに弾きこなす。

お皿を拭く手を止めて耳を澄ますわたくし。

夫は、そこで、歌う。

知っている旋律が流れてくると同吟したくなる癖を夫はやめることができないみたいだ。

バッハを鼻歌で歌う人なんて聞いたことも見たことも、ない。

やめて下さい!
と、怒鳴るわたくし。
でも、あまり厳しく言うと、もうお手伝いしてくれなくなるかもしれない。

一人で聴こうと決心する年の暮れ。



2014年12月26日

大切な人とのイブ?其二

始業時刻始の10分前にオフィスに到着。

新聞と郵便物を取り、暖房を入れ、湯沸かしポットをいっぱいにし、ブラインドの調整などをする。

洗面所から帰ってオフィスのドアを開けると、
おや?この臭いは!
驚いたことにSN氏は定刻ご出勤のようだ。

ブースをのぞくと、彼はコートを着たままPCにかぶりついている。

「おはようございます。」
と、声をかけたがご返事は、ない。
期待はしていなかったですけどね。
いや、期待通りという方が正しいかしら?

ベージュ色のコートの裾にはアヤシいシミが、ついている。
この異臭から察するに、昨夜のイブはは大分羽目を外したと見える。
昨夜はお家に帰ったのでしょうか?
楽しかったですか?

そのシミはなんですか?

空気を入れかえたいのを我慢してお仕事をする。

やがて土気色のSN氏は
「プラタナスの丘に行きます。」
と、蚊の鳴くような声で言うと、出て行った。

ドアの外にかけられているボードによると
「直帰」
らしい。

今年はこれでお目に掛らないのですね。

良いお年を!




2014年12月25日

大切な人とのイブ?

いやはや。

SN氏はなぜか今回に限って精密に調べているらしい。

にこにこしながら近寄ってきて、問題と思われる個所を指摘する。

どれも、問題、ない。

でも、なぜか不安そう。

仕方ないのでまたまたハチノス部や象の鼻部、石ころ係などに確認する。

「これでよろしいようです。」

本当だろうな。
金は払ってくれるのだろうな。

と、SN氏。

おや、品のない。

彼の指摘した三点はいずれも正しく処理してある。おまけに一点は彼の見間違い。

「そんな気が、した。」
とだけ言うSN氏。

ほほう。

今回の件に関わっている人は、はどうやらよほど大切らしい。
彼にとってね。

なぜ、かすべて遺漏ないようにと、細かくお心を砕いているらしい。

報告するわたくしに背を向けたまま
「初めての件は事前に確認してからやって下さい。」
と、言う。
確認したから間違いがなかったのです。
でも、
「XXの件のことを仰っているのですか?}
と、訊きなおしてみる。
頭を下げ、深くため息をつくSN氏。
「初めてのことは事前に確認してくださいと言っているんです。」

はいはい。

あなたが一人で騒いでいるのでしょう?
なんでもなかったではありませんか。

やがて外線が鳴る。
件の方の秘書らしい人からお電話。
「24日は事後何かご予定を入れていただいているのでしょうか?」

これで判明!
大切な人とのイブを楽しみにしているのですね。

こちらはこれで小一時間無駄にしたのですけど。




2014年12月24日

何年生?

少し早いが、春休みのお話です。

年上のきょうだいがよその子と話していた。

「じっちゃんは何年生?」
と、その子。
「三年生よ。」
と、優しく答える我がきょうだい。

傍で聞いたわたくしは不思議に思った。
「じっちゃんは、二年生の筈だが・・・・?」

不審に思ったが、わたくしは何も口を挟まなかった。
そしてその疑問は今も続いている。

春休みに学年を訊かれたら、どう答えればよいのか?

どなたか教えていただけませんか?

ズケズケ言いと思われているらしいわたくしだが、口にしないまま何十年かが過ぎていることだってあるのですよ。




2014年12月23日

レイズンウィッチはお好き?

レーズンウィッチ
小川軒の。
好きですね。

ここのでないと、いけません。色々な意味で。

差し上げても喜んでもらえる。
大きな声では言えないが、コストパフォーマンスも、なかなかよろしい。
百円のお菓子を差し上げて喜んでもらえることは難しいと思うが、これなら、いっこ上げても、
「わっ!」
と、言っていただける。

で、買って行った。
いつもお世話になっているハチノス部の皆様に、お歳暮代わりというか、まあそんな感じです。
十個入りを買ったので、五個紙袋に入れて持参する。

残り。
五個。
自分と夫の分をさしひいても、三個。

どうしよう。

本日のオフィスにはSN氏しか、いない。
彼とて人の子。
レーズンウイッチは好きだろう。
心ならずも仏心が起こってしまい
「一個ぐらい、上げてもいいかな?」
と、思った。

上げたら食べるだろうな。
喜んで。

で、果たしてわたくしは、それを見ていられるだろうか?

見下げ果てた人間と思っている人にレーズンウィッチを施して、それを嬉しそうに喰らっている姿にわたくしは耐えられるだろうか?

その人の尊厳を更に、しかも不必要に貶めるような気が、する。
死者に鞭打つような、それは、行為ではないだろうか?

考えた。
考えた。
そして、
上げるという決断は、ついにできなかった。

持って帰って食べてしまいましたとさ。
五個とも。



2014年12月20日

Kは弓道のプロ?

夫が親切に録画しておいてくれたNHKの番組を、観た。

「どうせまた。」
と思いながらね。
結構興味深い内容でしたね。

漱石先生の
「こころ」
について。

お馴染みのメンバープラス知らない人達。

それぞれの専門家としての観点からの意見はあまりなくて、いつもの表層的な解釈と、現代の風潮に阿った内容なのは相変わらずだったが。
でも、
「ギャ〜〜!」
と叫んでスイッチを切るということはなかった。

途中まではね。

「きゅうどうしゃ」
が、出てくるまでは。

反射的に電源を切ってしまった。

調べてみると、そういう言い方もするらしい。

聞いたことは、ないが。
あなたは、ありますか?

よしんば間違いではないにしても、こちらは耳で聞くのだから
「弓道者」
と間違えられるような言い方はやめた方が良いと思うのだが。
それに、
教養を感じさせない。




2014年12月11日

ファミレス・居酒屋・パワポ・電子辞書

こんなことは大きな声では言えないとは、思う。

しかし、言う。

ファミレスは、おいしく、ない。

何を食べても同じ味がする。
最近は全く行かなくなったが、チェーンの居酒屋も、そうだ。

特定のものを食べている、という実感がない。

食べているだけ。
調味料の味は、する。

でも、時々は行く。
それを考慮に入れて、近所のファミレスに。

そしていつも、
「やっぱり。」
と、思って帰ってくる。

パワーポイント。
みんな同じ。
つまらない。

特定の目的のために功利的に本を読んだときも、たまに同じような後味を得ることがある。
でも、本は、計算外の思いがけない効果を得ることがある。
パワーポイントには、それが、ない。

電子辞書には辞書をぱらぱらめくる楽しみが、ない。

つまらん。

何もかもファミレス化している。





selber at 08:23|PermalinkComments(0)TrackBack(0)怒れ! 

2014年12月09日

ロックアウト 其二

何階か下の階にある部署に用事が出来た。

「ハチノス部に行って参ります。」
と言ってオフィスを出た。
こう言えば
・何をしに行くのか
・どのくらいの時間がかかるのか
がわかる。
おおよそ、五分というところ。

ところが存外時間がかかった。

十分は取られたと思う。

用事が済んでエレベーターに乗った。

一階上に行ったらすぐに止まった。
そして、SN氏が乗り込んできた。

煙草臭い息を吐きながら。
そして、即刻わたくしに背を向けてエレベーターの壁を睨んでいる。

オフィスに着いた。

NS氏はカギを取り出すとドアを開け、さっさっと席に戻った。

この方は本当に病気なのではないだろうか?



2014年12月05日

眼前心後?

子供は純真だ。
何も知らない子供の言うことは存外に的を射ていることがある。
先入観を持たないからだ。
利害も考えない。

物事の本質に一気に迫ることがある。

だから、子供の言うことには耳を傾ける必要が、ある。

ある方から立派な表装を施した書をいただいた。
わたくしではなくて、両親が。

掛けてみて何やら批評するらしい両親。

やがて呼ばれた。

「この字をどう思う?」

「う〜〜ん。」
と、わたくし。

「なんだか、人に見せたがっている字のような気がする。」

うなずく両親。

隣室から漏れ聞こえてくる話を自分流の言葉で言っただけだったのだが。

最近その書を再び目にする機会があった。

なんと。
人に見せたがっている字に、見えた。

ううむ。