2016年08月

2016年08月26日

貧困老人の問題

山手線で、ドアの脇に立っていた。

とある駅に着く。

ぞろ、ぞろ、と乗車してくる人たちが目の前を通る。

大きめのトートバッグが通過。
そのバッグに後ろから突っ込んだ手も、一緒に、通過。

何を思う暇もなく、反射的に
その腕を、いや、シャツを、ちょい、と
引っ張ってしまった。

腕の持ち主はおジィさんだった。

パッ、とわたくしに向き直って

何も取ってないからね
ほれ

と、両手を拡げて見せた。

ディパックを胸の前に掛けているので
その中に隠そうと思えば、隠すことは、できる。

黙ったいたら

ぶつかっただけだって!

と、言いつのる。

闘争的では、ない。

被害者候補の女性は何も気づいていない。

どうしましょ?

オジィさんはわたくしのそばに立ったまま。

少し考えてから、被害者候補女性に近づいて
そおっと
「何か無くなっていませんか?」
と、尋ねてみた。
「少し心配なことが起こったものですので。」

女性は慌ててバッグの中身を点検。
「何も無くなっていません。」

そうですか。

わたくしの降りる駅に着いた。

ジィさんに向かってうなずいて
電車を後にした。

後で、オケアノス、お友達、夫、きょうだい達、に
非難された。

アブナイ
らしい。
居直られたら、命も危い、らしい。
確かに。

わたくしとしては
猫がお魚を取ろうとした時に
これ
と、お鼻をはじく感覚だったのです。

もう、止めますね。

ジィさんも
もう、止めなさいね。




2016年08月13日

テキ屋 コバちゃん

やっとのことで催しに漕ぎつける事が出来た。

それまでのゴタゴタのことは、考えたくも、ない。

そして
催しの後は、立食のパーティが、ある。
飲み物と、カワキ物。

いいでしょう、それで。
わたくしは参加しないし。

そして、宅配便で、なんと
ホット・プレート
が届けられた。

これでソーセージとハンバーグを焼きます!
と、コバちゃん。

どこで?

会場で。

そして催しは、始まってしまった。

オケアノスにそのブツを見せたが、
う〜〜〜ん
と、言うだけ。
そして、別の会合へと出かけてしまった。

そうですか。

では、
普段は会議やセミナーに使われている会場で
ハンバーグや、ウインナーを、ジュウジュウ、するのですね?
お祭りの屋台か?

匂いは、結構な時間残るだろう。
ケムリだって、出る。
火災報知機が反応するかもしれない。

「会場利用の規則を順守します。」
という書類にサインしている、コバちゃん。

「規則」
なんぞ、読んでいない方に100万円賭ける。

最後の手段として、ご機嫌の良いころを見計らって
アルチュールに、尋ねてみる。

わたくしはどうでも、よいが
ややこしくなるのはゴメンだ。
他のことでもう充分、ヤヤコシクなっている。

ほほう・・・。
と、考えるアルチュール。
そして、その
「利用規則」
を探しに行った。
弾んだ足取りだった。

ご満悦で戻ってきて見せてくれたそれには
「デリバリ―された食品が冷めないようにするのは許されるが
火気は厳禁。」
と、ある。

ホットプレートが火気に当たるのかは意見もあるだろうが
ジュウジュウするのは
「冷めないため」
では、ない。

規則の該当箇所に赤線を引っ張ったアルチュール。

その後どのような交渉があったかは知らないが
結局ポットプレートは使わないことになったらしい。

なんにも言わないコバちゃん。
出席者と、キャッキャはしゃいでいる。

なかったことに、したいのね。

若い方々と共にオフィスの電子レンジで
ソーセージをチンし続けるわたくし。
ハンバーグは、電気湯沸かし器で、湯煎。

催しと、立食パーティは、無事に、終わった。

ホットプレートの一件にはそれ以来決して触れようとしないコバちゃん。
オフィスに放置されっぱなし。

この方ははご自分のルーズさでどれだけ人に迷惑をかけているか、
そして、どれだけ救ってもらっているか
わかっていないのだろうな。

オフィスはしばらくの間
ビアホールの匂いがしていた。



2016年08月06日

ダブル弁当 コバちゃん

今回の催しではお弁当が、出る。

前もって予約していただいてある。

しかるに、開始時刻になっても現れない人がいる。

来なかったら、そのお弁当は使途不明弁当に、なる。

するとコバちゃん
「来なかったら私が夜でも食べます。
おカネは、払いますので。」

そうですか。


お昼近くになってお弁当が配達された。
そして、お昼休みに入ると人が、群がる。

お弁当は数種類あるので、間違いないようにと
結構気を遣う。

ササノハ弁当の人に
海坊主弁当を渡しては、いけない。
とか。

列を作っている人たち相手に奮闘中のわたくしに向かってコバちゃんが
叫ぶ。
お昼休みが終わってもお弁当が残っていたら
冷蔵庫に名前を書いて入れといてください!


あほらしいのと余裕がないのとでほっとく。
と、声を振り絞って
カッサンドラさん!
お弁当が残ったら私の名前を書いて
冷蔵庫に入れて下さい!!


さっき聞きました。
はい、はい。

恥ずかしい。
自分の弁当の心配のために
仕事をしている人の手を止めさせるか?

残ったお弁当を午後いっぱい
日向にさらしておくとでも?

弁当?

予約した方は、ちゃんと全員お見えでした。

残念でしたね。



2016年08月05日

左右対称 コバちゃん

こつん
こつん
という音がドアの外から聞こえて、くる。

来たな・・・・。
と、思う。

ドアが開き、カートを引きずり、杖を突いた
コバちゃん、登場。

簡単な挨拶を済ませるや否や
椅子に座ったままいきなり、ズボンの裾をたくし上げる。

オケアノス、アルチュール、わたくしの前で。

傷跡がまだ残っているらしい。

コワイのであまり、見ない。
でも、何も言わないのは不人情なので
ちらり、と、瞥見した残像を基に

まあ。
まだ腫れが、引かないのですね〜〜〜。
と、適度の同情をこめて感想を言った。

え?
と、もう片方の裾もたくし上げて下さった。

同じ太さ、だった。

腫れは、もう、ないとのことだった。