堤玲子

2011年01月17日

「我が闘争」

あの有名な
「Mein Kampf」
のことではありません。

珍しいことだが、ある人に結構真剣に腹を立てていたらこの本ことを思い出したのでしたよ。

で、本棚から取り出して立ったまま読んだ。
十年以上手も触れていなかったと思う。

幸田文は現代日本語の可能性を一つ開拓した人だと思っていたが、この人もそうだったのだ。

最も適切な言葉を一つ一つ積み重ね、えもいわれぬリズムに満ちた陰影ある文体を作り出す。
すさまじい内容、悲惨な話だが、突き抜けた明るさと、人間をそのまま肯定するおおらかさある。
読んでいておいおいお泣いてしまうほどの場面にも怖いほどの冷酷な可笑しさがあって、なんとも単純ではない。

「人間の本性は善である。」
などとは決して思わないが、愚かしい間違いに対して怒るのはやめようと思った。

人間は、それだけで悲しいイキモノなのだと思う。

西原理恵子の
「ぼくんち」
が好きなあなただったら、必ず
「読んでよかった。」
と、思うはずです。

堤玲子の
「我が闘争」

え?
今は絶版になっているのですか?

残念です。

お貸ししますよ。

selber at 08:39|PermalinkComments(0)TrackBack(0)