2005年02月15日

完全に否定はできない

読売新聞 教職員3人殺傷の17歳、引きこもりTVゲーム

まあ、毎度の事ながら馬鹿餓鬼と馬鹿マスコミがやってくれてるわけだが、外野からの無知に基づくゲーム批判は論外として、ゲームデザインの問題として、四六時中ゲームばっかやってたら馬鹿になるだろうというのは事実として認識しなければならないのでは。
鶏が先か卵が先かで自分の思い通りにならばければ「糞ゲー」と言ってしまう馬鹿がマスユーザーである以上メーカーがそれに合わせなければならないという問題もあるのだが、少なくとも昨今のゲームの多くは子どもを甘やかす内容のものである事は確かであろう。
ファイナルマッチテニスのデザイナーの天野亮司氏が「コンティニュー」Vol.15におけるフローラン・ダバディ司との対談で言った言葉が思い出される。

「今、テニスゲームを作るとしたら、こんなにミスの多く発生するゲームは作らせてくれないでしょうね。今時のゲーマーはミスするとムカつくんですよ。」

RPGにしろアクションにしろ昨今の一人用ゲームは何の取り柄も無い人間に「俺様最強!」というつかの間の自己満足を与えるための物に成り下がっている。またオンラインRPGに至っては「最も多くのプレイ時間を投入したものが最も自己顕示出来る」という最低のデザインが主流である。

ゲームがプレイヤーに与える征服感、自己陶酔感といったものの価値は否定しない。それはゲームデザインの本質であり、面白いゲームの条件としてその世界を支配していると実感出来るかというのは重要である。ただしそれは、プレイヤーの操作スキルや思考の向上の過程が伴ってこそ真に意味を持つのであり、「時間さえかければどんな馬鹿でもクリアできるゲーム」が与える満足感というのはただの甘やかしでしか無い。

もっと分かりやすいように簡単に話すと、この少年に与えられていたのが映画数百本や書籍数百冊やCD数百枚、あるいはあるスポーツにおける数百回の試合経験だったらこのような事件を起こしただろうか。(そもそも「数百本」というのは単なる誇張表現で実際はせいぜい100本くらいなのかもしれないが)「ゲームは悪く無い」と胸をはって言う事は出来ないはずだ。

やはりゲーム文化の内側からもっと考えて行かなければならない事はあるだろう。例えば、ゲーム内のキャラクターでは無く、ゲームプレイヤー自身が成長するゲームとして「シリアスゲーム」という概念がある。

シリアスゲームスジャパン

このような研究は一例だが、日本の家庭用ゲーム産業も20年以上の歴史になるんだからそろそろいい加減文化的・社会的地位の向上に真剣に取り組んで欲しいと思う。個人的にはプリレンダリングムービーに金かけて「どうだすげえだろ!これぞ日本のコンテンツパワー!」みたいな評価のされ方はもう飽き飽きだ。外野からみたらつまるところ経済効果があるかどうかにしか評価基準の無い所謂「コンテンツ産業」なんて最終的には世間の風当たりには勝てないだろう。日本にカジノが無い事を見りゃ分かる。(まあ、プリレンダリングムービーに関してはスクウェア・エニックスの和田社長が言ってたようにそれ自体金稼いでくれるわけじゃないんだけど、外野から過大評価されてる部分の一例として。)

なお、マスコミ批判についてはまこなこさんの記事のコメント欄で印象的な書き込みがあったので引用させてもらう。

「別に言いたいやつには言わせておけばいいじゃん。無能なマスコミが言ったところで、あなたたちの生活に支障が出るわけでもないし。それによって対外的な自分の評価が下がるのを気にてるのかもしれないが、踊らされている人間に蔑まれる事を気にする自分を卑下しなさい。そのような情報操作をした個人を記憶しておき、その個人を晒す力を持ちなさい。出来る事をしないで、燻って悲観する自分に自己陶酔しているように見えますよ。
だいたいマスコミが資本主義化の日本で民衆の盾や矛であったためしがないでしょ。下世話なネタで笑っておきながら、自分が対象になったときだけ批判するのはおかしいと思わないのでしょうか?」

個人的に驚いたのは、地上波で番組を変更して現場からの中継をしていた局が皆無だった事だ。事件発生時にスポットでニュースを流したくらいでは見逃す人が大半だろう。自分はBS日テレが事件解決後もずっと中継映像を流してくれてたおかげでこの事件の事を知った。(BSの中でも中継していたのは日テレだけ)BSデジタルチューナーなんてまだそこまで広く普及してないわけで、地上波でこそ放送しなければならないと思うのだが・・・
seliker at 15:22│Comments(4)│TrackBack(2)│ゲーム全般 

トラックバックURL

この記事へのトラックバック

1. 寝屋川小学校教師殺害事件とゲーム  [ iandeth. ]   2005年02月16日 18:09
※事件に関する情報 教職員3人殺傷の17歳、引きこもりTVゲーム : Yomiuri Online 小学校乱入:17歳少年 ゲームに夢中、中1で不登校 : MSN-Mainichi INTERACTIVE ※情報元 まこなこ : 小学生教職員殺害の17歳少年は週刊ゲーム雑誌かゲームクリエイターになりたかった
2. 俺様駄文  [ DS-BOX 32X ]   2005年02月21日 19:59
Seliker様のブログでちょっと面白い記述があったので、絡んで駄文を書いてみたい。 >鶏が先か卵が先かで自分の思い通りにならばければ「糞ゲー」と言ってしまう馬鹿がマスユーザーである以上メーカーがそれに合わせなければならないという問題もあるのだが、少なくとも昨

この記事へのコメント

1. Posted by やま   2005年02月19日 09:06
自分は昔格ゲーにはまっていて最近はあんまゲームしないから分からないんですけど、確かに昔と比べて簡単になってきてる気がします。何かゲーム、ゲームってあんまり騒ぎたてられても…。
2. Posted by 名無しさん   2005年02月20日 15:09
「ゲーム脳の恐怖」
「ゲーム脳を信じてしまう人の恐怖」

なにかしらの危機感を煽り立てて、それに対する対策をすることによって民衆の支持を得ようとすることは古今東西為政者がよくやる手です。
問題なのはその対策が効果があるのかないのかよくわからないのに短絡的に効果があると思って簡単に受け入れていると我々が思考停止の状態に陥りかねません。
日本風だとお上思考という言葉が近いかな?
秋葉原が好きだから、日本という国も好きになりたいのですが。ゲーム脳どころかABO方式の血液型”占い”がテレビ番組として放送される(=信じられている)現状には国民の民度を疑ってしまいます。
3. Posted by Seliker   2005年02月20日 15:31
>やま

例えばメタルギアソリッド3は結構想像力を駆使するゲームで、ああいうのは良ゲーと言える。

>名無しさん

名無しさんは外国の方でしょうか?
日本のテレビだと特に恋愛に関する恐怖を煽る傾向が強いです。例えば「負け犬」だとか。30最以上で結婚出来ない女性の事をそういうらしいのですが、そんなの欧米じゃざらにいるわけで。そもそも既婚か未婚かで人間の価値判断してる時点で時代遅れというか。
血液型占いに関しては、聞く所によると民度というより科学的常識レベルが先進国の中で最低レベルらしいです。オカルト、迷信、いんちき科学の温床です。「ゲーム脳」もそういう背景から生まれています。
4. Posted by 名無しさん   2005年02月25日 22:18
森馬鹿は全国の自閉症児を敵に回すつもりですかな?

森氏発言:ゲームで自閉症になる
http://allabout.co.jp/game/gamenews/closeup/CU20050201A/index.htm
>「最近、自閉症の発症率が100人に1人と増えているのは、ゲームのせい。先天的な自閉症の数は変わらないので、増えた分はゲーム脳による後天的自閉症だ」とか。

残念なことにこの発言はほとんど世間に広まらず、ゲーム脳の一人歩きは止まらないでしょうね。

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔    星
 
 
 
Recent Comments