2012年12月06日

今週は阪神ジュベナイルフィリーズ

コレクターアイテム
コレクターアイテム

前々走のデイリー杯2歳Sでは4着に敗れていたが、マークした上がり3ハロンは出走馬中最速の33秒2(推定)。レースの上がり(34秒3)を1秒以上も上回る末脚に須貝尚介調教師は「負けはしたが、あの一戦で走ると確信が持てた。前走は東京のアルテミスSに挑戦して、馬群の内から抜け出す上手な競馬ができた。ゴール前で迫ってきた2着馬をもう一度突き放してくれた内容も良かったね。今回も前走と同じ長い直線のコース。いい競馬ができると思う」と、語っていた。キャリア3戦すべてで上がり3ハロン33秒台(推定)をマークしている瞬発力が最大の武器。阪神の外回り・芝1600mは、この馬にとってベストの舞台と言っても過言ではないはずだ。


アユサン
アユサン

1番人気の支持に応えて快勝したメイクデビュー東京(芝1400m)は、2〜4着馬が次走ですぐに未勝利を勝ち上がったハイレベルな一戦だった。出走馬中最速の上がり3ハロン33秒6(推定)の末脚を駆使し、これらをあっさりと差し切ったこの馬の能力は推して知るべし。前走のアルテミスSは、デビュー2戦目での重賞挑戦にもかかわらず、勝ち馬のコレクターアイテムから半馬身差の2着に好走。上がり3ハロン33秒5(推定)はコレクターアイテムよりも0秒4も速い数字とあれば、この馬も重賞を勝つ能力の持ち主と考えてもいいだろう。阪神の外回りコースの長い直線は、この馬の脚質からプラスに働くはず。今回は関西への長距離輸送をクリアすることが、好走の鍵となりそうだ。

サウンドリアーナ
サウンドリアーナ

1分20秒8という2歳馬としては、かなり速い勝ちタイムで前哨戦のファンタジーSを勝利。折り合いを欠いた前々走のデイリー杯2歳S(7着)と同じ外枠からのスタートで難しい競馬になる可能性もあったが、それを見事にサポートしたのが、このレースから手綱を取ったM.デムーロ騎手。2番手でピタリと折り合いをつけた名手の手腕によって、高い潜在能力を引き出すことに成功している。「デビュー戦から馬体重が30キロ近く増えているけど、入厩当初はこれくらいの馬格があった馬。見た目にも太くないし、実が入ってのものと思っている。折り合いに課題を抱えてはいるが、うまく脚を溜めていく形になれば、期待できるでしょう」と、佐藤正雄調教師は語っていた。200mの距離延長も折り合い次第でこなせると考えているようだ。

ローブティサージュ
ローブティサージュ

前走のファンタジーSは、メイクデビュー函館(芝1800m)を勝って以来、約4か月ぶりの実戦で、しかも重賞に初挑戦。超えるべきハードルはかなり高かったはずだが、2着をしっかりと確保して収得賞金の加算に成功。ファンタジーSの1週前追い切りで、その週に行われたアルテミスSを勝つことになるコレクターアイテムと互角以上の動きを見せていた脚力が、伊達ではなかったことを証明してみせた。「ファンタジーSの勝ち馬は強かったけど、1400mの距離にもしっかりと対応して、最後はいい脚を使ってくれた。収得賞金を加算できたのも大きかったね。デビュー戦で1800mの距離を使っているように、200mの距離延長はもちろんプラス材料だよ」と、須貝尚介調教師がコメントしているように、この馬に対する期待はかなり高い。

サンブルエミューズ
サンブルエミューズ

メイクデビュー福島(芝1200m)こそ4着に敗れたが、実戦を経験した2戦目の未勝利(新潟・芝1400m)は、先手を奪うと2着馬リメンバーメジロに5馬身差をつける圧勝。1分21秒3の勝ちタイムもかなり優秀だ。前走のオープン特別・芙蓉S(中山・芝1600m)は、スタートで出遅れたことで、未勝利を勝った時とはまるで違う直線勝負の競馬になったが、出走馬中最速の上がり3ハロン33秒9(推定)をマークしての差し切り勝ち。どんな競馬にも対応可能なことを証明してみせた。この勝利で桜花賞候補の1頭として一気に名乗りを上げている。今回は約2か月半ぶりの実戦でGI 挑戦とハードルはそれなりに高いが、この馬の潜在能力なら、クリアすることも十分に可能だろう。

プリンセスジャック
プリンセスジャック

前走のファンタジーSで4着に敗れて、連勝は「2」で止まってしまったが、騎乗した福永祐一騎手は「ゲートでタイミングが合わず、位置取りが悪くなってしまった。それが最後まで響きました」と、敗因にスタートの出遅れを挙げた。確かにメイクデビュー札幌(芝1500m)、前々走のオープン特別・ききょうS(阪神・芝1400m)は、ともに4コーナーで前の馬を射程圏に入れる5番手以内の競馬。母ゴールデンジャックや半兄サイドワインダーは直線勝負の競馬で活躍した印象が強いが、この馬自身はセンスの良さで立ち回るタイプなのかもしれない。京都・芝コースよりも阪神・芝コースのほうが、勝率・連対率ともに優秀なダイワメジャー産駒。この馬自身も阪神・芝コースで勝ち鞍を挙げている。流れに乗った競馬ができれば、巻き返してくる可能性は高そうだ。

2006年の阪神競馬場の馬場改造工事に伴い、この阪神ジュベナイルフィリーズは、新設された外回りコースの芝1600mを舞台にして行われるようになった。同年以降の勝ち馬は、いわゆる“本格派”の馬ばかり。難しいコース形態だった改修以前と比べ、直線が延長されたことにより、能力をフルに発揮しやすいコースに舞台が替わって将来性豊かな馬が活躍。キャリアよりも潜在能力が重要視される一戦へと変貌を遂げ、2歳女王決定戦によりふさわしいレースになったと言えるだろう。ちなみに、2006年のウオッカ、2007年のトールポピー、2008年のブエナビスタ、そして昨年のジョワドヴィーヴルは、1勝馬ながらすべて抽選を突破して出走を果たし、見事に優勝している。能力もさることながら、大舞台に立つことのできる“強運”も無視できないポイントだ。

2009年のアパパネは5回東京開催の500万下・赤松賞(芝1600m)を勝ち上がってこのレースを制したが、今年から同開催の初日に東京・芝1600mを舞台にした重賞のアルテミスSが新設された。記念すべき第1回目のこのレースを勝ったのは、コレクターアイテム(牝2・須貝尚介)。長い直線の東京コースで見せたパフォーマンスは、阪神・外回りコースの本番に直結するはず。また、2歳コースレコードを記録した1分33秒8の勝ち時計は高い評価が必要だろう。今回も主役候補として登場することになるが、その期待に応える走りを見せてくれるはずだ。11月28日の1週前追い切りは、栗東坂路で4ハロン55秒8−ラスト1ハロン14秒2を計時。馬場が重かったために時計こそ平凡だが、古馬を相手に先着を果たした動きは実に力強かった。

コレクターアイテムには遅れを取ったが、デビュー2戦目のアルテミスSで2着に好走したアユサン(牝2・手塚貴久)の能力もかなり高そうだ。ディープインパクト産駒のこの馬は、牝馬ながら490キロ台の雄大な馬格の持ち主。それだけに完成はまだまだ先という印象で、1戦毎の上積みの幅もかなり大きいはず。大舞台で前走のリベンジを果たす可能性も十分にあるだろう。1週前追い切りは、11月28日に美浦南Cコース(ニューポリトラック)で馬なりの調整を消化したあと、12月1日に南Wコースでしっかりとした負荷を掛けられ、併せた古馬オープンのデュアルスウォードに大きく先着。好状態で出走できそうだ。

京都競馬場の芝1400mで行われるファンタジーSは関西地区の前哨戦として認知されている一戦。このレースを勝ったのはサウンドリアーナ(牝2・佐藤正雄)で、3馬身差の圧勝だった。折り合いに課題のあるタイプだけに、200mの距離延長が鍵を握るが、潜在能力の高さは誰もが認めるところ。この馬も争覇圏内の1頭と見てもいいだろう。11月29日の1週前追い切りは、栗東CWコースで6ハロン80秒9をマーク。2歳牝馬としては好時計と言えるが、この馬にとっては軽く仕掛けた程度で出てしまう数字。調教内容からも能力の高さをうかがい知ることができる。

ローブティサージュ(牝2・須貝尚介)は、ファンタジーSで2着に好走。勝ち馬のサウンドリアーナから0秒5差は完敗の印象だが、約4か月の休み明けに加えて、大外を回った距離ロスがあったこと、さらにこの馬自身には少し短い1400mの距離だったことも考慮すれば、1600mに距離が延びる本番で逆転の余地は十分にありそうだ。栗東坂路で併走馬を突き放した11月28日の1週前追い切りはなかなか豪快な動きで、ひと叩きされた上積みを感じさせた。

オープン特別の芙蓉S(中山・芝1600m)1着以来、約2か月半ぶりのレースになるサンブルエミューズ(牝2・加藤征弘)も注目の1頭。短期放牧から美浦トレーニング・センターに帰厩したのが11月9日。14日に南Wコースで追い切りを1本消化してから16日に栗東トレーニング・センターへ入厩。長距離輸送の負担を軽減するために早めに栗東入厩を済ませて調整されている。28日の1週前追い切りは、CWコースで6ハロン82秒9をマーク。併せた2歳馬に先着を果たし、順調な仕上がりを見せている。

前哨戦のファンタジーSで1番人気の支持に応えることができず、4着に敗れたプリンセスジャック(牝2・加用正)。ゲート内で他の馬が暴れるのを気にしたのか、あおり気味のスタートで後方からの競馬になったのが響いた印象。直線では馬群の外を追い上げて、3着馬アメージングムーンにクビ差まで迫った。11月28日の1週前追い切りは福永祐一騎手が手綱を取り、栗東CWコースで6ハロン84秒8をマーク。今回も引き続き騎乗する福永騎手は、同一GI・3連覇が懸かっている。母のゴールデンジャック、半兄サイドワインダーにも騎乗していた福永騎手が、JRAのGI 制覇に手が届いていない一族の悲願を叶えられるかどうか、注目したい。

今年最初の2歳重賞・函館2歳Sを制したストークアンドレイ(牝2・山内研二)。約4か月の休み明けで臨んだファンタジーSは、1枠1番からのスタートで内の5番手を追走したが、3コーナー手前から11番手まで下がってしまい、直線で馬群の外に持ち出されて追われたものの、伸び脚を欠いて10着に敗退。レースの流れにうまく乗れず、チグハグなレース内容になった様子。調教では栗東坂路の重い馬場を苦にしないパワフルな走りをする馬。軽い馬場の京都・芝コースから洋芝をオーバーシードした阪神・芝コースに替り、巻き返しがありそうだ。

前走の500万下・白菊賞(京都・芝1600m)を制して2勝目を挙げたディアマイベイビー(牝2・松田博資)は、440キロ前後のディープインパクト産駒。3走前の未勝利(阪神・芝1600m)では、1分33秒6の好タイムで逃げ切り、初勝利を挙げた。芝1600mの持ち時計は、サウンドリアーナが新潟2歳S(3着)でマークした1分33秒6と並ぶメンバー中最速タイムだ。今回と同じ舞台のレースを好内容で勝ち上がっているだけに、マイペースの展開に持ち込むことができれば、侮れない存在となるだろう。

アルテミスS4着のエイシンラトゥナ(牝2・松元茂樹)にも注目しておきたい。前走は3か月ぶりの実戦で、プラス12キロと大幅に馬体重が増加していたが、好位追走から直線でもじわじわと末脚を伸ばしていた。今後を見据えて控える戦法を試みられ、馬群で脚を溜める競馬ができたことは大きな収穫だった。この中間の調教での動きは確実に良くなっているだけに、デビュー2連勝を飾った素質馬の巻き返しが期待される。




selvas2 at 17:38コメント(0) 

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