2012年12月15日

朝日杯FS展望

知られるように、勝ち負けに関わらず、この快時計必至のマイルGIに出走した馬の中から、
「日本ダービー馬」が出現したのはずっと以前のこと。1993年のナリタブライアンが最後になる。
19年も前である。あれ以降、朝日杯FSに出たいと考えたり、実際に出走した馬は、ダービー馬になれない歴史が続いている。朝日杯に出走して、皐月賞を勝った馬にしても、
過去20年ではナリタブライアンと、2007年キャプテントゥーレしかいない。

ナリタブライアン以前には、ミホノブルボン、アイネスフウジン、サクラチヨノオー、メリーナイス……。
朝日杯の好走馬が世代のチャンピオン級としてダービー馬になることの方が多かったぐらいだから、
この大きな変化は簡単な1つ2つの理由ではない。

なぜ、朝日杯の出走馬はクラシックと(ほとんど)無縁になってしまったのだろうか。
考えられる理由のうち、朝日杯では外国産馬が猛威をふるった時代があったが、
これは期間も一致していないから関係は薄い。朝日杯と並ぶ阪神3歳Sが阪神JF(牝馬限定)となったこと、
つれて現在のラジオNIKKEI杯が重要度を増してきたことは関係するが、みんながラジオNIKKEI杯2歳Sに傾斜しているわけではないから、理由としてはやや希薄である。朝日杯はGIである。

距離に対する考え方が少しずつ変化したことは事実だが、さまざまな系統のいろんなタイプがいた時代と異なり、むしろ最近は大半の馬が「マイル〜中距離」こそ理想のタイプに集中しているから、
マイルのエースと、1マイル半のチャンピオンがまったく別の区分に入ることはありえない。

育成や調教技術の進歩、さらには2歳戦の前倒しが関係するなら、
最近の牝馬と同じように「阪神JF」の力関係=クラシックである方がむしろ自然である。

全体のレベルが上がって、最強のマイラーと、2400m級こそが理想の中距離タイプは、
その頂点に立つグループの場合、思われるより得意の距離と不得手な距離での能力差は大きい。
と考えることはできるが、それにしてもまだみんな距離適性をさぐっているこの時期、
朝日杯に出走していたのでは、クラシック馬となれる可能性は極端に低いとなるのは不思議である。

現在の朝日杯は「1分33秒台」がごく一般的な勝ち時計。
ミホノブルボン、ナリタブライアンの頃は「1分34〜35秒台」。これが大きいと考えることはできる。
芝の整備とはあまり関係なく、高速でマイルを乗り切ると、さまざま負担がかかることが知られている。
活力の消耗や腱や筋肉だけでなく、もっとも苦しいレースがマイル戦であり(だから、基本の距離でもある)、
マイルで激走するとその後に必ず避けられない反動があると…。

NHKマイルCなどその典型であるように、2歳や3歳のまだ未完成の時期に、マイルを激走すると、
成長が止まったり、活力の大きなロスが生じるなど、のちの競走生活に考えられている以上の影響を及ぼす危険はある。米の2歳戦の8F〜8.5F級のチャンピオンも、めったにケンタッキー・ダービーで好走できないのは、
早熟性や距離適性だけのことではないとも考えられている。

注目のコディーノが、1800mで3連勝のあと、出走しないのではないかと思われていたマイルのGIを勝ちにきた。
朝日杯FSを勝つ可能性はきわめて高いだろう。牝系にはスピード色の方が濃く、ましてキングカメハメハ産駒、
不安はほとんどないと思える。このGI、上位は支持率どおり、順当の公算大。
問題は注目のコディーノの3歳クラシックである。
オーナーサイド、藤沢和師、みんな合わせてのナリタブライアン以来への挑戦である。

余力を残して順当に勝ちたい。流れは速くなりそうもないから、1分34秒前半ぐらいの平凡な勝ち時計にとどまった方がいい。激戦になって1分33秒台は、どういう角度からみても好ましいことではない気がする。

selvas2 at 18:01コメント(0) 

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