2015年08月

2015年08月31日

30日の札幌11Rで行われた第10回キーンランドカップ(3歳上オープン、GIII、芝1200メートル、16頭立て、1着賞金=4000万円、サマースプリントシリーズ第5戦、1着馬にスプリンターズSの優先出走権)は、四位洋文騎手騎乗の8番人気ウキヨノカゼ(牝5歳、美浦・菊沢隆徳厩舎)が道中最後方から早めに進出して直線も力強く伸び、重賞2勝目を飾った。タイムは1分8秒6(良)。

 前走の復活Vは、本物だった。序盤は最後方につけていたウキヨノカゼが、4コーナー手前から一気に進出してそのまま押し切る強い競馬。重賞ウイナーの底力をぞんぶんに見せつけて、GIへの切符を手に入れた。

 レースは予想外の先行争い。タガノアザガルとクールホタルビが互いに譲らず先手を争い、ここにマジンプロスパーも加わる。さらにネオウィズダム、エポワス、オメガヴェンデッタなども好位につけ、速いペースとなった。人気のティーハーフは中団からの競馬。4コーナー手前で外からウキヨノカゼが勢い良く進出すると、直線に入って前にいる各馬をのみ込む。先行馬は総崩れとなって、差し・追い込み馬が台頭。しかし、ウキヨノカゼは全く脚いろが鈍ることなく、そのまま押し切って快勝した。文句なしの強さで2連勝。そして重賞2勝目を飾った。3/4馬身差の2着にはつれて後方から追い込んだ9番人気のトーホウアマポーラが入り、さらに1/2馬身差の3着争いは大接戦になったが、1番人気のティーハーフが3着を確保している。

 ウキヨノカゼは、父オンファイア、母アドマイヤダッシュ、母の父フサイチコンコルドという血統。北海道日高町・ファニーフレンズファームの生産馬で、國分純氏の所有馬。通算成績は9戦4勝。重賞はGIIIクイーンC(2013年)に次いで2勝目。菊沢隆徳調教師、四位洋文騎手ともにキーンランドCは初勝利。

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2015年08月30日

30日の新潟11Rで行われた第35回新潟2歳ステークス(2歳オープン、GIII、芝1600メートル、18頭立て、1着賞金=3000万円)は、田辺裕信騎手騎乗の1番人気ロードクエスト(牡、美浦・小島茂之厩舎)が4コーナー最後方から直線であっという間に先頭に立ち、最後は流してゴールという余裕の勝利。無傷の2連勝で重賞ウイナーに輝いた。タイムは1分33秒8(稍重)。

 まさに瞬間移動だ。4コーナーで最後方にいたはずのロードクエストが、直線に入るとポッカリあいたインから一瞬のうちに抜け出して先頭に立つ。他馬をあざ笑うように楽々と抜け出すと、最後は鞍上が何度も後方を確認する大楽勝。大物感たっぷりのレースぶりで、スター候補に躍り出た。

 レースはルグランフリソンがじわっと先行。スローペースで運ぶ。ファド、エポック、ノーフォロワー、ウインミレーユなどが好位に続き、人気のロードクエストは最後方からの競馬となった。しかし、4コーナーで多くの馬が馬場の真ん中から外に進路を取る中で、ロードクエストはコースの内よりを選択。鞍上が軽く仕掛けると一瞬のうちに先頭に躍り出て、あとは独壇場となった。田辺騎手が余裕しゃくしゃくに何度も後ろを振り返り、流すようなフィニッシュで4馬身差の圧勝。衝撃的な走りで重賞ウイナーに輝いた。2着は12番人気のウインファビラス。さらに2馬身差の3着には8番人気のマコトルーメンが入っている。

 ロードクエストは、父マツリダゴッホ、母マツリダワルツ、母の父チーフベアハートという血統。北海道様似郡・様似堀牧場の生産馬で、(株)ロードホースクラブの所有馬。通算成績は2戦2勝。重賞初勝利。小島茂之調教師、田辺裕信騎手ともに新潟2歳Sは初勝利。

 田辺騎手は「正直ビックリしました。何かアクシデントがなければ負けない手応えでしたし、余裕をもって直線を迎えることができました。新馬戦もあまりゲートがいい方ではなかったので、急かしてリズムを崩すことは避けようと、出たなりでいきました。(稍重馬場は)走ってみないと分からないと思っていましたが、調教でもパワフルな走りをするので、逆に向いているかも…という話が出たくらいなんです。折り合いも問題ないですし、距離ももつタイプなので、視野が広がると思います」と今後の飛躍に期待を寄せていた。

selvas2 at 16:38コメント(0) 

2015年08月29日

金曜日の夜から土曜日の午前中にかけてかなりの降雨があったため、土曜日のダートは水の浮いた「不良馬場」でスタート。しかし、水はけが良く、もう何年も不良馬場になったことがないとされる芝コースは「稍重」止まり。表面はびちゃびちゃに見えるが、馬場状態を決定する地盤には水分は少ない(溜まってはいない)という意味である。

 日曜日には回復して、気持ちだけタイムがかかるかも、という程度の良馬場だろう。スローから、直線660mの攻防に集約される「新潟外回り1600m」のレースパターンが、近年になるほど自然で、かつ当然の流れになっている。良馬場の最近6年間の平均勝ちタイムは「1分34秒0」。12月の朝日杯FSより速いが、レースバランス平均は「47秒7-46秒3」であり、4コーナーにさしかかる1000m通過は「60秒0」、上がり3ハロン(直線)平均は「34秒0」。2歳馬だから道中で揉まれるロスを極力避け、最後方から直線は一番外に回って追い込む好走例がもっとも多い。

 だが、そっくり同じパターンが完成されていた2週前の「関屋記念」は、押し出されるようにハナに立ったレッドアリオン(川須騎手)が先導すると、400m通過から1400m地点までに刻まれたラップが「11秒7-11秒5-11秒4-11秒3-10秒7」。ひとハロンごとに少しずつペースアップとなり、この間の1000mは「56秒5」となった。あんまりペースを落とし過ぎては…。川須騎手のごく普通のペース判断が大正解。歩調を合わせた人気の差し馬はなし崩しになり、遅れてスパートしたマジェスティハーツが2着に突っ込むことになった。

 古馬と、2歳馬のレース運びや体力は異なるものの、2歳馬でも少しだけ強気に早めにスパートして出ると、「直線までなだめて我慢」が当然になり過ぎているだけに、先行して2着に粘り込んだ2010年のマイネルラクリマ(1分34秒5)の再現はありえる。

 新馬戦はヒプノティストに差されたが、2戦目の福島1800mを途中からハナに立って1分48秒5で圧勝したタニセンビクトリーに期待する。

 3馬身も離したビービーバーレルは、先週の新潟1600mを1分34秒2で4馬身差の圧勝だったから、あの未勝利戦のレースレベルは高かった。

 引いたのは1番枠。この枠で下げては揉まれるのは避けられない。江田照男騎手だけに、積極策に出る可能性大と思える。先行すれば直線のコース選択も自由になる。自分のリズムで先行できれば1800mの内容から簡単には失速しないだろう。祖母ビクトリーマッハ(父はリボー直系の平坦適性を持つバンブーアトラス)は、GIを7勝もしたテイエムオペラオーの半姉。

 さらには、先週の札幌記念を制したディサイファの母の父は、いま世界で注目のドバウィの父ドバイミレニアムだが、この種牡馬のファミリーも同じ。ドバイミレニアムの4代母ポーティジは、タニセンビクトリーの7代母(テイエムオペラオーの場合は5代母)でもある。

 スローペースを利した直線一気型の素質馬を探すのが賢明と思えるが、パターン化しすぎている。あえて早めにスパートするはずの馬を狙いたい。

selvas2 at 17:32コメント(0) 

2015年08月28日

札幌は06年に創設された芝短距離のキーンランドCがメインレース。
 
特徴的なのは、牝馬が過去9年で6勝をあげていること。
また、1番人気馬は1勝、2着4回、3着2回と、勝率は低いものの馬券の対象にはなっていることなど。
指数上は、過去の指数上位馬や、前走指数の高い馬が好走しており、全体として指数上位馬たちが強いレースだ。

今年は、レッドオーヴァル、スギノエンデバー、エポワス、オメガヴェンデッタ、ティーハーフ、ローブティサージュ、マジンプロスパーなどが指数の上位馬たちだ。
注目は目下3連勝中で、前走、函館スプリントSを勝ったティーハーフだろう。
前走は出遅れ気味のスタートで、最後方からのレースになったが、4コーナー手前から仕掛けられると、
直線、大外一気の差し脚で全馬をごぼう抜き。ゴールでは2馬身半の差をつけて快勝してみせた。
比較的ペースが緩いレースで、先行馬に有利だったことを思えば、より一層、その差し脚の評価は高まる。
ここでも人気を集めることになるだろう。
しかし、キーンランドCは比較的先行馬が活躍することが多いレースで、ティーハーフはただ1頭、57キロを背負うこともあり、後方から同じような鋭い差し脚が使えるかどうか。
ナビグラフ上でも上がりの脚で抜けた存在には見えず、4連勝は簡単ではないかもしれない。
 
先行馬を中心に考えるなら、気になるのはオメガヴェンデッタだ。
オメガヴェンデッタは、前走の準オープン戦、函館日刊スポーツ杯を3、4番手で先行して、
直線、鮮やかに差し切って勝った。
初の1200メートル戦だったが、指数は自己ベストの82をマーク。
1400や1600より、1200の距離適性が高いように見える。
昨年夏に去勢手術を受けたが、それ以降、比較的安定した成績が続いており
2走前にはG2京王杯スプリングCで先行して3着に粘った実績もある。ここでも力は足りるはずだ。
上がりの鋭いレッドオーヴァル、先行馬の中ではエポワスの粘り込みも気になる。

 
新潟2歳Sは指数でランクのない馬たちが好走する傾向が強い。
この時期の新馬戦や2歳未勝利戦はスローペースが多く、上がりの勝負になりがち。
新潟2歳Sも直線の長い新潟外回りのマイル戦だけに、スローペースは必至で、
指数は低くてもスローで長くいい脚を見せた馬たちに流れが向くのだろう。
 
問われるのは、長くいい脚を使えるかどうか。
今年の上がりの脚の上位馬は、ロードクエスト、ヒプノティスト、ルグランフリソン、ペルソナリテ、タニセンビクトリーなど。
なかでも、新潟向きの軽いスピードを兼ね備えているのはロードクエストだ。
新馬戦では出遅れて後方からのレースになったが、直線一気に末脚を爆発させ、33秒2の上がりタイムで完勝した。出遅れが癖になるのは嫌だが、差し脚は間違いなく最上位だろう。
 
他ではヒプノティスト、ペルソナリテなどが長くいい脚を使っており、逆転候補になりそう。


selvas2 at 18:30コメント(0) 

2015年08月27日

札幌・芝1200mを舞台に行われているキーンランドCは、短距離重賞競走の整備に伴い2006年から重賞へ格上げされたレースで、今年で区切りの10回目を迎える。
全6戦でポイントを競う『サマースプリントシリーズ』の第5戦(2011年までは全5戦中の第4戦)に指定されており、同シリーズのチャンピオンを狙う快速馬たちが、毎年激しい優勝争いを繰り広げている。
また、昨年から本レース1着馬にスプリンターズSへの優先出走権が与えられることになり、
注目度は一段と増している。
秋の気配が漂い始める札幌競馬場で、今年はどのようなドラマが見られるのだろうか。

前走の函館スプリントSで、2着馬に2馬身1/2差をつけて快勝したティーハーフ(牡5・西浦勝一)。2歳時の2012年に函館2歳Sで3着に入るなど早い時期から素質の片りんを見せていたが、3歳時の2013年秋以降は成績が低迷し、4歳時の2014年には10か月以上の長期休養も経験した。しかし、同年11月に戦列復帰した後は徐々に戦績がアップ。今年4月の1000万下・千種川特別(阪神・芝1200m)と5月の1600万下・彦根S(京都・芝1200m)を連勝してオープンクラス復帰を果たすと、3連勝で前走も制し重賞初制覇を達成した。このキーンランドCで連勝を「4」に伸ばすことができれば、GI のビッグタイトルが視界に入ってくる。

キーンランドCと同じ札幌・芝1200mで行われた前走のオープン特別・UHB賞を1分07秒5のコースレコードで優勝した馬がエポワス(せん7・藤沢和雄)だ。前走は1600万下クラスからの格上挑戦で53キロとハンデが軽かったとはいえ、それまでの詰めの甘さを払しょくする走りを披露した。今年で7歳と年齢的にはベテランの域に入っているが、3〜5歳時にかけて2年以上の長期休養を経たこともあり、キャリアはまだ19戦。今が充実期というムードが漂っている。今回は重賞で相手関係が強化されるうえに、前走から3キロ増となる56キロの別定重量を負担するが、現在の勢いは魅力十分だ。

前述のエポワスを破って1600万下クラスを勝ち上がった2頭も、有力候補の一角に数えられるだろう。オメガヴェンデッタ(せん4・安田隆行)は、前走の1600万下・函館日刊スポーツ杯(函館・芝1200m)でエポワス(2着)に1/2馬身競り勝って先頭ゴールイン。その前に今夏のクラス再編成で1600万下クラスに降級していたが、1戦でオープンクラス復帰を果たした。今回は再昇級後の初戦となるが、前々走の京王杯スプリングCで優勝馬のサクラゴスペルから0秒1差の3着に入った実績から、地力はむしろ上位と言える馬。前走Vの勢いに乗って重賞初制覇を達成するシーンが見られるかもしれない。

ウキヨノカゼ(牝5・菊沢隆徳)は、デビュー8戦目で初めて芝1200mの距離を使われた前走の1600万下・TVh杯(函館)で、後方追走から力強く差し切り優勝。2着馬のエポワスとはクビ差の接戦だったが、芝1200mへの高い適性を示した。もともと、3歳時の2013年にクイーンCを制している重賞タイトルホルダー。その後に約1年9か月という長期休養があり、戦列に復帰してからは1600万下クラスで大敗が続いていたが、前走の勝利で本来の輝きを取り戻した感がある。今回も優勝候補の一頭と言えるだろう。

ローブティサージュ(牝5・須貝尚介)は、昨年の本レース優勝馬。その後は勝ち星から遠ざっているが、3走前の阪急杯では優勝したダイワマッジョーレとタイム差なしの3着に入っており、能力が衰えたと考えるのは早計だろう。2歳時の2012年にはGI・阪神ジュベナイルフィリーズを制しており、今回のメンバーの中では実績上位の存在。昨年の本レースを勝利して適性の高さを実証している札幌・芝1200mの舞台で復活なるか、注目したい。

レッドオーヴァル(牝5・安田隆行)は、昨年の本レースで2着に入り、続くスプリンターズS(新潟・芝1200mで開催)でも、1着馬のスノードラゴンから0秒1差の3着に好走した。一昨年の桜花賞で2着という実績もあり、重賞タイトルこそ保持していないものの、芝・短距離路線でトップクラスの実力を持つ一頭と言えるだろう。今年に入ってからは精彩を欠くレースが続いていたが、前走のオープン特別・UHB賞で3着と復調を感じさせる走りを披露。今回、父ディープインパクト譲りの強烈な末脚を武器に、初の重賞タイトル奪取を狙う。

ルチャドルアスール(せん6・二ノ宮敬宇)は、非凡な先行力を武器にしている馬。前走は、今回と同じ札幌・芝1200mが舞台のオープン特別・UHB賞に出走し、1分07秒5のコースレコードで優勝したエポワスから0秒1差の2着に逃げ粘った。先手を奪ってハイラップを刻み、後続に脚を使わせるのが本馬の好走パターン。重賞初挑戦となる今回も、すんなり自分の形に持ち込めるようなら、最後の直線で粘り込むシーンがあるかもしれない。

伸び盛りの3歳世代からも、魅力にあふれる馬がエントリーしてきた。レンイングランド(牡3・矢作芳人)は、初めて他世代の馬と対戦した前々走の函館スプリントSで3着に好走し、芝・スプリント路線で十分に通用する力があることを示した。前走のアイビスサマーダッシュは8着に敗れたが、これまで〔2・0・2・0〕と好成績を残している芝1200mに戻る今回は、見直しが必要だろう。

タガノアザガル(牡3・千田輝彦)は、3走前のファルコンSを優勝。18頭立ての14番人気という低評価でレースを迎えたが、好位追走からしぶとく末脚を伸ばし、大接戦となったゴール前の競り合いをハナ差制して重賞ウイナーの仲間入りを果たした。その後の2戦はともに二桁着順と大敗が続いているが、意外性のあるタイプで、まだまだ今後の成長も見込める馬。ファルコンSのようにスムーズな競馬で力を出し切れば、巻き返しは可能だろう。

マジンプロスパー(牡8・中尾秀正)は、2012年と2013年のCBC賞連覇など、ここまで重賞3勝を挙げている古豪。昨年の本レースでは勝ち馬のローブティサージュとタイム差なしの3着に好走し、前走の函館スプリントS(6着)では、58キロの別定重量を背負いながらも2着馬と0秒1差で走っており、まだまだ地力は健在と言える。同じ別定重量でも、前走から2キロ軽い56キロで出走できる今回は、侮れない存在だ。

スギノエンデバー(牡7・浅見秀一)は、2012年の北九州記念を1分06秒9の好タイムで差し切り重賞初制覇を達成。同年暮れのオープン特別・尾張S(中京・芝1200m)を優勝(同着)した後は長く勝利から遠ざかっていたが、今年5月のオープン特別・鞍馬S(京都・芝1200m)で2年5か月ぶりの勝利をマークした。今回、この馬の持ち味である鋭い末脚を生かせる展開になれば、十分に出番があるはずだ。

2歳時の一昨年に重賞2勝(小倉2歳S、デイリー杯2歳S)を挙げた実績馬ホウライアキコ(牝4・南井克巳)。昨秋以降はひと息の成績が続いていたが、3走前のオープン特別・安土城S(京都・芝1400m)で2着に好走して復調の気配をうかがわせている。前走のオープン特別・UHB賞は、着順こそ8着ながら、優勝馬のエポワスから0秒5差と大きくは負けておらず、今回、軽視は禁物だろう。

ブランダムール(牝6・粕谷昌央)は、ここまでの全5勝中4勝を函館と札幌の芝コースで挙げている洋芝巧者。約4か月の休み明けで臨んだ前走のオープン特別・UHB賞でも勝ち馬から0秒3差の4着に善戦しており、あらためてコース適性の高さをアピールした。昨年の本レースは4着だったが、その後にオープンクラスのレースで経験を積んだ今回は、昨年以上の結果が期待できるだろう。

selvas2 at 09:00コメント(0) 

2015年08月26日

新潟2歳Sは、2歳戦が始まってから初めて芝1600mの距離で行われる重賞。
近年は、本レースで好走した馬たちがその後に大きな飛躍を見せるケースが目立っている。
2013年の優勝馬ハープスターは翌2014年に桜花賞を優勝、オークス2着などの成績を残し、同年のJRA賞最優秀3歳牝馬に選出。
2013年の本レース2着馬イスラボニータは、翌2014年に皐月賞を優勝し、日本ダービーで2着、天皇賞(秋)でも3着に入る活躍を見せ、同年のJRA賞最優秀3歳牡馬に選ばれた。
今年も、高い将来性を感じさせる素質馬が多数エントリー。晩夏の新潟競馬場で熱戦が期待される。

ステイゴールド産駒のペルソナリテ(牝2・相沢郁)は、目下デビュー2連勝中の好素質馬だ。6月6日のメイクデビュー東京(芝1400m)では、スタート後に他の馬に寄られてダッシュがつかなかったが、最後の直線では狭いスペースを突いて素晴らしい末脚を繰り出し、差し切り勝ち。2戦目のオープン特別・ダリア賞(新潟・芝1400m)でも、直線で抜群の切れ味を発揮して連勝を飾った。前走時で馬体重400キロとコンパクトな馬体の牝馬だが、卓越した瞬発力に加えて、勝負根性も兼備。無傷のまま重賞の舞台に駒を進めてきた今回、連勝を「3」に伸ばし重賞ウイナーになることも難しくはないだろう。

マツリダゴッホ産駒のロードクエスト(牡2・小島茂之)は、6月7日のメイクデビュー東京(芝1600m)で初陣を迎えた。スタートで出遅れたが、抜群の手応えで追走すると、最後の直線で弾けるような末脚を発揮し、鞍上のM.デムーロ騎手がムチを使うことなく、先頭でゴールイン。レース後には同騎手が「すごく強かった」とコメントしたように、強烈なインパクトを与えるレース内容だった。その後は短期放牧を挟み、美浦トレーニング・センターへ帰厩後の7月23日から調教時計を出し始め、入念に乗り込みを消化している。馬体の張りが良く、好仕上がりでレースに臨めそうだ。

クロフネ産駒のヒプノティスト(牡2・奥村武)は、6月27日に行われたメイクデビュー東京(芝1800m)を優勝。力の要る馬場コンディション(稍重)の中でマークした上がり3ハロン33秒7(推定)という数字は非常に優秀で、今後の活躍が楽しみな一頭と言える。今回は約2か月ぶりのレースとなるが、8月19日に美浦南Wコースで行われた1週前追い切りでは、5ハロン67秒台、3ハロン37秒台をマークしており、出走態勢は着々と整ってきている印象を受ける。2歳馬ながら、普段から落ち着きがある大人びた気性面はプラス材料と言えそうだ。今回、2戦2勝で重賞を制しエリートコースに乗れるか、注目したい。

Smart Strike産駒の外国産馬ルグランフリソン(牡2・中竹和也)は、8月2日のメイクデビュー新潟(芝1600m)に1番人気の支持を受けて出走。互角のスタートから、軽快なスピードを見せて途中から先頭に立つと、最後の直線でも脚色はまったく衰えず、上がり3ハロン33秒5の優秀な数字をマークして1着でゴール板を駆け抜けた。ラスト2ハロンを10秒4→11秒8でまとめており、初戦としては文句のない内容と言えるだろう。今回は重賞初挑戦となるが、抜群のレースセンスを持つ本馬なら、デビュー2連勝の可能性は十分にあるだろう。

ダイワメジャー産駒のファド(牝2・矢野英一)は、6月28日のメイクデビュー東京(芝1600m)を、道中2番手追走から余裕十分の手応えで抜け出して優勝。見事に初陣を飾った。続くオープン特別のダリア賞は1番人気に支持されたが、レース直前に少しテンションが高くなる面を見せていたこともあり、ラストのもうひと伸びを欠いて4着に敗退。それでも、終始外を回る距離ロスがありながらも勝ち馬のペルソナリテと0秒1差でゴールインしており、決して悲観する内容ではなかった。今回、道中でリラックスして走ることができれば、巻き返しても不思議はない。

ステイゴールド産駒のウインミレーユ(牝2・梅田智之)は、半兄に2012年の天皇賞(春)優勝馬ビートブラック(父ミスキャスト)がいる厩舎期待の素質馬だ。8月8日のメイクデビュー新潟(芝1600m)では、スッと好位に付けると最後の直線で余裕十分に抜け出し、ゴールでは後続に4馬身差をつけて快勝。メンバー中最速タイの上がり3ハロン33秒6(推定)の数字も優秀で、高い将来性をアピールした。初戦の馬体重が434キロとコンパクトな牝馬ながらも、筋肉質の好馬体が目を引く。前走で、今回と同じ新潟・芝1600mを経験している点もアドバンテージと言えるだろう。V2での重賞初制覇も夢ではない。

ダイワメジャー産駒のマコトルーメン(牡2・水野貴広)は、6月28日のメイクデビュー函館(芝1200m)を優勝。雨の影響で力を要する馬場コンディション(重)になったため、勝ちタイムの1分11秒4は目立つ数字ではなかったが、後方追走から外を一気に強襲して差し切った。2戦目の函館2歳Sも最後方からの追走になったが、最後の直線でエンジンが掛かると目を引く伸び脚を見せて5着まで追い上げた。まだ器用さに欠けるものの、追われてからの末脚の鋭さは世代上位の存在。今回、直線が長い新潟・芝の外回りコースで重賞制覇を狙う。

ダイワメジャー産駒のプリンシパルスター(牡2・矢作芳人)は、母に2000年のオークス馬シルクプリマドンナを持つ良血馬。8月9日に行われたメイクデビュー新潟(芝1400m)で能力の高さを見せて勝利を飾り、その後は、この新潟2歳Sを目標に調整が続けられている。初戦では、速いペースを楽に追走できるだけのスピードに加えて、追われてからの鋭い伸び脚も披露した。今回は前走から200mの距離延長となるが、血統的には対応可能なはずで、楽しみな一戦と言える。

ハーツクライ産駒のタニセンビクトリー(牡2・堀井雅広)は、逃げの手を打った6月27日のメイクデビュー東京(芝1800m)で、ヒプノティスト(1着)に次ぐ2着に好走。続く未勝利(福島・芝1800m)では、中団追走から向正面で一気に先頭に立つ競馬で押し切って初勝利を挙げた。脚質自在のレースぶりはこの時期の2歳馬にとって大きな武器で、今回、重賞初挑戦でも侮れない。

他にも、6月20日のメイクデビュー阪神(ダート1200m)で初陣勝ちを収めたヴァーミリアン産駒エポック(牡2・角田晃一)、6月13日のメイクデビュー東京(芝1400m)を1分22秒7の好タイムで快勝したアンライバルド産駒のトウショウドラフタ(牡2・萱野浩二)、デビュー2戦目の未勝利(福島・芝1800m)で非凡な勝負根性を見せて勝ち上がったステイゴールド産駒のウインファビラス(牝2・畠山吉宏)、7月11日のメイクデビュー福島(芝1200m)で後続に4馬身差をつけて快勝したクロフネ産駒のキャプテンペリー(牡2・岩戸孝樹)など、伏兵陣も虎視眈々と上位進出を狙っている。

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2015年08月25日

もともと底力を秘めていた証明
 5歳時に、初重賞エプソムC(GIII)を制したちょっと遅咲きの6歳ディサイファ(父ディープインパクト)が、3月の中日新聞杯(GIII)を制したのにつづき、今度は札幌記念(GII)を先行して抜け出した。時計、着差以上に強さを感じさせた内容が光り、6歳になり一段とパワーアップした成長力を味方に、秋のG1シリーズに再挑戦することになった。

 開催後半になり内ラチを3m外に移動したCコースは、この日、2歳未勝利戦の芝1500mでレコードが記録され、500万下の芝1800mの勝ちタイムも札幌にしては速い1分48秒4。洋芝ながら、時計勝負になって不思議ないコンディションだった。前後半「58秒9-60秒1」=1分59秒0の時計は平凡だが、陣営も四位騎手も予測される速いタイムに対応しようと、これまでのディサイファとは違い、行くトウケイヘイローを積極策で追走し、自分からスパートして押し切り勝ち。勝ちみの遅さを感じさせたころとは、明らかにひと味ちがった。

 陣営は、5歳春に初重賞のエプソムCを制した昨年、「大事に、大切に成長をうながしてきた期待馬が、ようやく結果が出せた。ことのほか嬉しい」というトーンのコメントを発していたが、恐るべし「ドバイミレニアムの血」ということか。限られた産駒の中から、後継種牡馬ドバウィが出現して大成功したのと呼応するように、母の父にドバイミレニアムを持つ牝馬ミズナ(不出走)がGレース3勝馬の母となったのである。昨年の天皇賞・秋では、12着(8番人気)にとどまったが、スローの接戦で差は0秒6しかなかった。本質がスピード系らしく、ディサイファは1800-2000mに高速の持ちタイムがある。

 天皇賞・秋では、8歳時に本物になり、1分57秒2で勝ったカンパニー(父ミラクルアドマイヤ)の例もある。遅れて本格化は、もともと底力を秘めていた証明である。

 直線、もつれて台頭したのは、2着に突っ込んだヒットザターゲット。このベテラン、5歳時に強烈な爆発力で京都大賞典(GII)を差し切り、7歳の今春は57キロで馬群を割って目黒記念(GII)を勝った。今回の組み合わせでは「過去の実績」なら少しも見劣らないどころか、最上位の1頭にランクされても不思議ないが、札幌に登場したのは、4歳夏の札幌記念を3番人気で11着に負けて以来のこと。候補の1頭とされて好走したことがなく、これで重賞連対は5回目だが、「5、6、11、11、8」番人気の時である。

 たまたまツボにはまれば…の大駆けタイプだったが、今回は目黒記念につづいて連続してGIIで快走したから素晴らしい。この伏兵、昨年の天皇賞・秋は、10番人気でスピルバーグから0秒2差の5着だった。ディサイファに0秒4も先着している。ディサイファに、「カンパニーの例がある…」としたが、実はもっとふさわしいのは7歳ヒットザターゲットかもしれない。母の父タマモクロス。祖母の父ニホンピロウイナー。ともに天皇賞・秋で快走している。

 勝ったディサイファと同じ美浦の小島太厩舎のダービーフィズ(父ジャングルポケット)が、岩田騎手必殺のイン強襲で「アタマ、アタマ」差の惜しい3着。54キロの函館記念をハナ差勝ちしたのが現時点では最大の能力と思えたが、巧みなコース取りがあったとはいえ、57キロで札幌記念(GII)をタイム差なしの3着は、さすがマンハッタンカフェの一族。春まで1000万条件を人気で勝てなかった当時とは別馬である。今まさにピークを迎えている。

 秋のビッグレースシーズンを前に、伏兵評価のベテランが快走したのに対し、もっと大きく成長して欲しい人気上位グループは、3歳ヤマカツエース(父キングカメハメハ)が4着に健闘した以外、みんな凡走してしまった。

 初めて1番人気になったトーホウジャッカル(父スペシャルウィーク)は、スタートで出負け気味。押して好位を取りに出た時点でもうリズムが悪かった。菊花賞の反動が尾を引き、なんとか出走にこぎつけた宝塚記念時に比べれば、今回のほうが不安は少なかったが、彗星のように頭角を現した3歳秋と異なり、G1馬となってからのローテーションと、仕上げはことのほか難しいのだろう。近年、新星として菊花賞を制した馬は珍しくないが、11年ビッグウィーク、10年スリーロールス、06年ソングオブウインドが象徴するように、激走した菊花賞のあとが大変である。菊花賞馬らしいレースをしなければならない。菊花賞馬らしくあって欲しい。関係者のみならず、わたしたちの期待も高まる。たしかに菊花賞の勝利で可能性は広がっている。

 ただし、3歳のビッグレースはすべてそうだが、激走することによって生じる反動や消耗が、だれもそんなことは認めたくないが、受け入れなければならない現実として多くの馬に降りかかるのは事実である。まして3000m日本レコードの激走だった。トーホウジャッカルは決してあせることなく悠々と、しかし、懸命に立て直したい。

 C.ルメール騎手のラキシス(父ディープインパクト)は、ディサイファ(四位騎手)と同じようなレースを予測し、内枠の利を生かそうとする作戦だった。ここまで2000mは4戦【2-1-0-1】。少しも悪い成績ではない。洋芝もOKと思われた。ところが、ここに至るまでの2000mの最高タイムは2分01秒7。今回の走破タイムは自身とすれば破格の「1分59秒2」なのに、最後はスピード負けである。ストームキャットの牝馬に、ディープインパクト。快速型であっても不思議ないこの牝馬、距離は問わず、予測された通りの時計で決着したレースでは、1度も好走例のない馬になりつつあるから不思議である。

 4コーナーでは勝ち負け必至と思われる勢いで上がってきたラストインパクト(父ディープインパクト)は、そこから直線の詰めを欠いて6着止まり。一見、パワフルな印象を与え、事実そういうファミリー出身だが、これがラキシスとはまったく逆。予想外の快時計決着なら好走するが、タフなレースでは決まって善戦止まり。洋芝は合っていなかったのだろう。

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2015年08月24日

23日の札幌11Rで行われた第51回札幌記念(3歳上オープン、GII、芝2000メートル、15頭立て、1着賞金=6800万円、サマー2000シリーズ第4戦)は、四位洋文騎手騎乗の5番人気ディサイファ(牡6歳、美浦・小島太厩舎)が2番手追走から抜け出し、ゴール前の接戦をしのいで重賞3勝目を飾った。タイムは1分59秒0(良)。

 手に汗握るゴール前の大接戦。GI馬2頭が伸びを欠く中で、力強く抜け出したのが6歳馬ディサイファだった。猛追する後続を振り切ってフィニッシュ。これで北海道シリーズは3戦3勝という洋芝ハンターぶりだ。

 レースは予想通りトウケイヘイローの逃げで幕を開けた。ディサイファがピタリと2番手でマーク。その内にラキシスも並びかけ、さらにトーホウジャッカル、ステラウインド、ハギノハイブリッドと上位人気馬が好位集団を形成する。トウケイヘイローは速いペースで引っ張り、ディサイファも手応え十分。しかし、トーホウジャッカルは勝負どころの反応が悪く、やや置かれる形になって直線へ。粘るトウケイヘイローをかわしてディサイファが先頭に立つと、内でラキシス、外から進出するヤマカツエース、ラストインパクトなども食い下がるが、いずれも伸びは今ひとつ。逆に、内ラチ沿いを強襲したダービーフィズと大外から猛然と追い込んだヒットザターゲットが急追したが、ディサイファが最後までしのぎ切り、アタマ差で夏の大一番を制した。2着は8番人気のヒットザターゲット。さらにアタマ差の3着が4番人気のダービーフィズだった。

 ディサイファは、父ディープインパクト、母ミズナ、母の父Dubai Millenniumという血統。北海道日高町・ダーレージャパンファーム(有)の生産馬で、H.H.シェイク・モハメドの所有馬。通算成績は29戦8勝。重賞はGIIIエプソムC(2014年)、GIII中日新聞杯(15年)に次いで3勝目。小島太調教師は03年サクラプレジデントに次いで札幌記念2勝目、四位洋文騎手は初勝利。

 四位騎手は「強かったですね。頑張りました。追い切りもビッシリこなせて、元気が有り余っていたくらい。小島(太)先生からも“積極的に乗ってくれ”と言われていました。(レース前は)本当に、きょうやったレースのような感じで、2番手くらいでいいと思っていました。手応えも行きたがるのをなだめるくらいで、いい感じで追走できました。最後は小牧さんの馬(2着ヒットザターゲット)がすごい脚で来たのでかわされたかと思いましたが、よくしのいでくれましたね。この馬は厩舎サイドがじっくり大事に使ってきたので、年齢よりも全然若いですし、秋が楽しみです」と会心の勝利をうれしそうに振り返っていた。

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2015年08月23日

23日の小倉11Rで行われた第50回北九州記念(3歳上オープン、GIII、芝1200メートル、18頭立て、1着賞金=3800万円、サマースプリントシリーズ第4戦)は、武豊騎手騎乗の2番人気ベルカント(牝4歳、栗東・角田晃一厩舎)が好位から抜け出してV。サマースプリントシリーズ2連勝を飾った。タイムは1分7秒3(良)。

 まさに充実の夏だ。ベルカントが好位から抜け出す横綱相撲で押し切り、堂々の重賞連勝。夏の短距離王に大きく近づいた。

 レースはニザエモンが気合をつけて先手を取るが、外からメイショウイザヨイもこれに並びかける。さらにサカジロロイヤル、レオパルディナも加わり、序盤から速い流れ。その後ろにベルカントが続き、人気のビッグアーサーは中団の馬群からレースを進めた。先行馬は苦しくなったが、その直後にいたベルカントは楽な手応えで直線に向き、あっという間に後続とのリードを広げる。ビッグアーサーも馬群をさばいて伸びてきたが、1馬身1/2差まで詰め寄るのが精いっぱい。ベルカントが完勝で重賞4勝目を飾った。2着が1番人気のビッグアーサー。さらに1/2馬身差の3着が4番人気のベルルミエールだった。

 ベルカントは、父サクラバクシンオー、母セレブラール、母の父ボストンハーバーという血統。北海道新冠町・土居忠吉氏の生産馬で、前田幸治氏の所有馬。通算成績は14戦5勝。重賞はGIIIファンタジーS(2013年)、GIIフィリーズレビュー(14年)、アイビスサマーダッシュ(15年)に次いで4勝目。角田晃一調教師は北九州記念初勝利。武豊騎手は91年ムービースター、97年ダンディコマンド、03年ミレニアムバイオ、05年メイショウカイドウに次いで5勝目。

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2015年08月22日

▼札幌11R

 菊花賞3000mの日本レコード勝ちが物語る、本当の大物なのか。まだ半信半疑にならざるをえない未知の部分は大きいが、トーホウジャッカル[12](父スペシャルウィーク)の秘める可能性に期待したい。

 「60秒9-61秒3-58秒8」=3分01秒0の快レコードは、高速の芝なので多少は割り引く必要はあるが、東日本大震災の日に生まれ、丈夫ではなく3歳5月のデビューになりながら、わずか5ヶ月後には現競走体系になってから史上最速の日程で「菊花賞」を大レコードで快勝したから、すごい。4分の3同血の姉トーホウアマポーラが1200mのCBC賞を勝って間もなくであり、近親には短距離タイプも多く、長距離型とは思われていない側面もあったから、「異端」の菊花賞馬の印象もあった。

 だが、反動もあってブランクが生じ、8ヶ月ぶりになった今年6月の宝塚記念を小差4着。全体レベルはもう一歩のGIだったとはいえ、あの内容は「さすが」である。

 スピード色が強いとされた牝系も、少しさかのぼれば「ファピアノ、クワイエットアメリカン(あと一歩のハナ差で2冠にとどまったリアルクワイエットの父)、オジジアン、オナーアンドグロリー」などが並ぶ名牝系であり、母トーホウガイアは種牡馬クワイエットアメリカンと同じように、自身がファピアノのファミリーでありながら、3代父がそのファピアノという意図的な配合である。意外性を秘めている。

 父スペシャルウィーク(20歳)は、大物牝馬ブエナビスタ、シーザリオなどを送りながら、後継種牡馬の極端に少ない種牡馬(フロリースカップ系は多分に連続する種牡馬族ではない一面もある)であり、スピード系のパワーを感じさせない。仕上がると細身に映るトーホウジャッカルは、父にかなり似ている部分が多いから、スペシャルウィークが晩年に送り出した自身の後継種牡馬にふさわしいタイプともいえる。

 古馬長距離界のエースに君臨するというたくましいタイプではなくとも、スペシャルウィークと同じようにここ一番のビッグレース向きの馬に育って欲しいのが、ここまで人気の中心になったことがないトーホウジャッカルである。


▼小倉11R

 「北九州記念」は、札幌記念のトーホウジャッカルと同じようにここまで順調ではなく、3歳時に大けがをしたため、まだ【5-0-0-0】にとどまるビッグアーサー[5]の本格化に期待したい。こちらはこの中間、バクシンオー譲りのパワーと迫力が加わってきた。秋のGIに向けて一段と力強いレースを展開してくれるだろう。母の父キングマンボ、祖母はサドラーズウェルズの牝馬。4代母は仏オークスを制した後、サンサンの勝った凱旋門賞を小差2着がある。「不滅のサクラバクシンオー」父系の、大物後継種牡馬になるくらいに出世したい。

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2015年08月21日

有力馬が秋に向け始動する札幌記念はローカル競馬場での唯一のG2戦。
レベルの高い馬たちが集まる。過去10年、1番人気馬は3勝、2着4回とまずまずの成績。
牝馬が4勝、2着2回と健闘しているのが特徴だ。
指数上は、前走指数上位馬の勝率と連対率が高く、連軸の中心になりそうだ。

今年はラストインパクト、ハギノハイブリッド、ディサイファ、ダービーフィズ、トーホウジャッカル、ラキシスなどが指数の上位馬だ。
 
G1の勝ち馬は菊花賞を勝ったトーホウジャッカルと、エリザベス女王杯の勝ち馬ラキシスの2頭。
順当なら、菊花賞を高指数で勝ったトーホウジャッカルが最有力だろう。
菊花賞の後はすこし順調さを欠き、阪神大賞典、天皇賞春を回避せざるを得なかったが、
古馬陣と初対戦となった宝塚記念では差し脚を生かしたレースで4着に浮上。
万全ではない状態とはいえ、能力の高さを示してきた。神戸新聞杯3着、菊花賞1着、宝塚記念4着なら断然の実績だし、期待も大きい。
ただ、洋芝の適正は未知数だ。取りこぼしがないとはいえない。
 
トーホウジャッカルに続くのが、前走、天皇賞春で4着のラストインパクトだが、札幌初コース。
加えて天皇賞春以来のレースになるのも気になるところ。
 
逆転候補に浮上するのは牝馬のラキシス。
札幌記念は牝馬が4勝、2着2回と健闘しており、ラキシス自身、切れる差し脚は断然で、抜けた存在。ここでも大いにチャンスがあるだろう。
 
順当に使われてきて洋芝の経験値が高いのは、ダービーフィズ、ハギノハイブリッド、ヤマカツエースなど、前走、函館記念の上位馬たちだ。
なかでも注目したいのは、2着のハギノハイブリッド。
直線、勝ったダービーフィズと壮絶な叩き合いになってアタマ差で負けたが、負担重量差を考えれば上等の内容だった。
重賞実績では少し見劣るが、指数の高さも水準以上で、一発があっても不思議ではない。
伏兵から馬券を組み立てるなら面白い存在だろう。

 
北九州記念は芝1200のハンデ戦で、例年、波乱の傾向が強い。
過去9年で1番人気馬は1勝、3着2回。トップハンデ馬も1勝、2着1回、3着1回と苦戦が続く。
ハンデ上は53キロ以下の軽ハンデ馬の活躍が目につく。指数上は前走指数の上位馬が健闘している。
 
今年は、マイネルエテルネル、ビッグアーサー、バーバラ、サドンストーム、サトノデプロマット、マヤノリュウジン、ミッキーラブソング、ドレッドノートなどが指数の上位馬たちだ。
 
トップハンデは57キロのサドンストームとマヤノリュウジン。ともに短距離のG1戦でも好走しており能力は高いが、トップハンデは苦しい。
 
注目はデビューから5連勝中のビッグアーサーだ。
前走、1600万条件の水無月Sを中団から差し脚を伸ばし、ゴール前2着馬にアタマ差まで迫られながらしのぎ切って勝った。
そのレースで3着だったマイネルエテルネルは次走、高指数で勝っており、水無月Sがレベルの高いレースだったことがわかる。
55キロとハンデにも恵まれ、6連勝で重賞制覇が見えてきた。


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2015年08月20日

札幌・芝2000mを舞台に行われる札幌記念は、『サマー2000シリーズ』の第4戦に指定されているレース。夏季番組で最もグレードの高いGII に加えて、実績馬が重い斤量を背負うことのない定量戦であることから、秋のGI 戦線を目指す一流馬が参戦するケースも多く、注目の一戦と言える。今年も、『サマー2000シリーズ』チャンピオンの座を目指して、あるいは、秋の飛躍につなげるために、豪華メンバーが集結。“真夏の祭典”札幌記念から目が離せない。

昨年の菊花賞優勝馬トーホウジャッカル(牡4・谷潔)は、今年の初戦に予定していた阪神大賞典の最終追い切りで右前脚の蹄を痛め、戦列復帰が遅れることになった。前走の宝塚記念は、菊花賞以来約8か月ぶりの実戦だったが、中団追走から最後の直線でしぶとく末脚を伸ばして勝ち馬のラブリーデイから0秒3差の4着まで追い上げ、あらためて能力の高さを示した。12日に札幌ダートコースで行われた1週前追い切りでは、主戦の酒井学騎手を背に6ハロン84秒2をマーク。全身を無駄なく使った迫力満点の動きを披露し、レースを1度使われた上積みを感じさせた。秋のGI 戦線を主役候補として迎えるためにも、ここはきっちり好結果を出したい。

ラキシス(牝5・角居勝彦)は、昨年のエリザベス女王杯を制し、GI ホースに輝いた。前走の宝塚記念は、スタートで後手を踏んだうえに、レースの前半1000m通過タイムが1分02秒5というスローペースで前の馬に向く流れになり、最後の追い上げ届かず8着に敗退。それでも、一線級の牡馬を相手に勝ち馬のラブリーデイから0秒4差で走っており、決して悲観する内容ではない。この中間は函館競馬場へ入厩して順調に乗り込みを消化。12日に同Wコースで行われた1週前追い切りは5ハロン72秒4と、時計自体は目立つものではないが、弾むような動きで、仕上がりの良さをアピールした。秋に勢いをつけるためにも、今回、きっちりと巻き返したいところだ。

前走で、『サマー2000シリーズ』2戦目の函館記念を制したダービーフィズ(牡5・小島太)。レースの前半1000m通過タイムが58秒6という緩みないペースの中、道中は中団のインで脚をためて、3〜4コーナーで徐々に進出を開始。最後の直線ではハギノハイブリッド(2着)との追い比べをアタマ差しのいで重賞初制覇を達成した。この中間は短期放牧を挟んだが、馬体に緩みはなく毛づやも良好で、状態は高いレベルで安定しているようだ。今回は相手が強化されるが、ここで好結果を残せば『サマー2000シリーズ』チャンピオンの座がグッと近づくだけに、その走りに注目したい。

ラストインパクト(牡5・松田博資)は、ディープインパクトを父に持ち、伯父にビワハヤヒデ、ナリタブライアンがいる良血馬だ。前走の天皇賞(春)では、芝3200mの距離を意識して、道中は後方で折り合いに専念。勝負どころで内をうまく突いて進出し、最後の直線ではメンバー中最速となる上がり3ハロン34秒4(推定)の末脚を発揮して、勝ち馬のゴールドシップから0秒2差の4着に健闘した。今回は約3か月半ぶりの実戦になるが、12日に札幌ダートコースで行われた1週前追い切りでは、6ハロン83秒7、ラスト1ハロン11秒6をマーク。好調時と遜色のないシャープな動きを披露しており、出走態勢は整っていそうだ。

2013年に『サマー2000シリーズ』のチャンピオンに輝いたトウケイヘイロー(牡6・清水久詞)。前走の七夕賞は、本馬と同じ逃げタイプのメイショウナルト(4着)を抑えて先手を奪い、前半1000m通過タイム59秒5という平均ペースに持ち込んだが、最後の直線で粘りを欠いて7着に敗退。屈腱炎による約9か月半の休養から復帰して2戦目で、まだ本調子に戻りきっていなかったのだろう。この中間は熱心に乗り込まれ、12日に栗東CWコースで行われた1週前追い切りでは、軽快なフットワークで6ハロン83秒5をマーク。がらりと変わった印象こそないが、レースを使われるごとに復調をたどっていることは明らかだ。今回は、本来の粘り腰を発揮できるかもしれない。

ヒットザターゲット(牡7・加藤敬二)は、前走の目黒記念を優勝して、2013年の京都大賞典以来となる重賞4勝目を挙げた。レースでは、最内の1枠1番を生かして道中は中団のインで末脚を温存。最後の直線で、先に抜け出したレコンダイト(2着)をきっちりと捕らえた。その後は、7月下旬に函館競馬場へ入厩して乗り込みを開始し、今回は約2か月半の休み明け。7歳という年齢的なこともあり、調教では以前ほど動かなくなってきたが、ひと追いごとに馬体が引き締まり、力を出せる状態に仕上がっているようだ。好走と大敗の波が大きく、安定感には欠けるタイプだが、展開が向いた時の末脚は上位の存在。今回も注目が必要だろう。

2014年のエプソムCと2015年の中日新聞杯を制しているディサイファ(牡6・小島太)。3か月の休み明けで迎えた前走のエプソムCは、レースの前半1000m通過タイムが59秒2の落ち着いた流れで、前々でレースを進めた上位2頭とは位置取りの差が出た印象。それでも、クビ+クビ差の3着なら、“負けて、なお強し”と言っていいだろう。年齢を重ねるごとに着実に地力をつけ、昨秋は天皇賞(秋)(12着)→ジャパンカップ(15着)と大舞台も経験。今回、父ディープインパクト譲りの瞬発力を発揮できれば、上位争いに加わってくるはずだ。

前走の七夕賞2着から本レースへ臨むステラウインド(牡6・尾関知人)。七夕賞では、勝負どころで馬場の外めを回る距離ロスがありながらも、勝ち馬のグランデッツァから0秒2差の2着まで追い上げる内容の濃い競馬を披露した。レース後は疲労の回復も早く、すぐに乗り込みを再開し、函館競馬場へ移動した後も順調に調整が進められている。目下の好調を生かすことができれば、強敵が相手になる今回も、上位進出が可能だろう。

ハギノハイブリッド(牡4・松田国英)は、3歳時の昨年に京都新聞杯を優勝した実力馬。昨年秋以降の成績はやや低迷していたが、前走の函館記念では、16頭立ての10番人気という低評価を覆し、ダービーフィズ(1着)と接戦を繰り広げて2着に好走した。前走で洋芝への高い適性を示し、状態面も着実に上昇カーブを描いているだけに、相手強化の一戦となる今回も、軽視は禁物だ。

ヤマカツエース(牡3・池添兼雄)は、今年のニュージーランドTを優勝。前走の函館記念では、上位2頭には0秒6差をつけられたものの、2番手追走から最後の直線でもしぶとく粘って3着に好走した。レース内容は合格点で、初経験となった芝2000mの距離に対応できたことも大きな収穫と言える。まだ成長の余地を残す3歳馬だけに、ここで好結果を残せるようなら、今後の活躍がより楽しみになる。

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2015年08月19日

北九州記念は、『サマースプリントシリーズ』が創設された2006年に、距離を芝1800mから芝1200mへ、負担重量が別定からハンデキャップへそれぞれ変更され、同シリーズの対象レースとして生まれ変わった。芝1200mで開催された過去9回の本レースを振り返ると、1番人気の支持に応えて優勝した馬は2008年のスリープレスナイト1頭だけ。それ以外の8回は、すべて5番人気以下の馬が優勝している。真夏の暑さが厳しい時季に行われることから体調面の見極めが難しく、ペースが速くなりやすい小回りコースでのハンデキャップレースという条件も相まって、難解な一戦になっていると言っていいだろう。今年も、多彩なメンバーがエントリーしており、激戦必至と言えそうだ。

今年の本レース最大の注目馬と言える馬は、5戦5勝のビッグアーサー(牡4・藤岡健一)だろう。前走の1600万下・水無月S(阪神・芝1200m)を優勝して、オープンクラス初挑戦となる本レースで重賞初制覇を達成するようなら、芝・スプリント界の新星として一気に注目を集める存在となりそうだ。前走後は短期放牧に出されてリフレッシュ。栗東トレーニング・センターへ帰厩後の調整は順調で、12日に同坂路で行われた1週前追い切りでは、意欲的に追われて4ハロン51秒4、ラスト1ハロン12秒5の好時計をマークしている。好仕上がりで出走できそうなだけに、そのレースぶりに注目したい。

前走のアイビスサマーダッシュを抜群のスピードで優勝し、復活ののろしを上げたベルカント(牝4・角田晃一)。今回は、前走から中2週とローテーションが少し詰まっているが、13日に栗東坂路で行われた1週前追い切りでは、4ハロン52秒4、ラスト1ハロン11秒9の好時計をマーク。これだけの時計を出せるのだからレースの疲れはなさそうで、状態面に関しての不安はないと言えるだろう。今回も優勝争いに加わってくるはずだ。

サドンストーム(牡6・西浦勝一)は、約3か月の休み明けで出走した前走のCBC賞で3着に好走。今回は、実戦を1度使われた上積みが見込めるだけに、さらにパフォーマンスを上げてきてもおかしくない。12日に栗東坂路で行われた1週前追い切りでは、4ハロン52秒3、ラスト1ハロン12秒3をマーク。その後は、直前の長距離輸送を避けるために14日に小倉競馬場へ入厩して、調整が続けられている。レース当日の気配には要注目だが、今回も、優勝争いに加わってくる一頭と見ていいだろう。

ベルルミエール(牝4・高橋亮)は、約1年7か月ぶりに芝1200mへ出走した前走のCBC賞で、勝ち馬のウリウリから0秒2差の4着に健闘。引き続き芝1200m出走となる今回は、ペースへの慣れも見込めるだけに、前走以上の好結果が期待できそうだ。前走後の調教では上々の動きを見せており、13日に栗東CWコースで行われた1週前追い切りでは、4ハロン53秒8、ラスト1ハロン11秒2と鋭い伸び脚を披露。体調面も良さそうで、今回も好勝負になるはずだ。

バーバラ(牝6・小崎憲)は、約3か月の休み明けで臨んだ前走のオープン特別・バーデンバーデンC(福島・芝1200m)を優勝。小回りで直線が平坦なコースを得意にしている馬で、今回も上位候補の一頭と言える。前走後は短期放牧に出されたが、コンパクトな馬体の牝馬で仕上げにそれほど時間を要さないタイプだけに、前走と同様の状態で出走できると見ていいだろう。本レースへは3年連続の出走となるが、過去2年(2013年3着、2014年5着)を上回る結果を出しても不思議ではない。

ミッキーラブソング(牡4・橋口弘次郎)は、デビュー16戦目で初めて芝1200mに出走した前走の1600万下・佐世保S(小倉)で、先に抜け出したネロ(2着)をゴール寸前でハナ差捕らえて優勝。今夏のクラス再編成で1600万下クラスに降級していたが、1戦でオープンクラス復帰を決めた。今回は、距離も2度目で慣れを見込めるうえに、前走が3か月の休み明けだったことから、実戦を1度使われた上積みもありそう。重賞挑戦でも、楽しみな一頭と言える。

サトノデプロマット(牡5・高橋亮)は、オープンクラスでの初戦となった前走の函館スプリントSで10着に敗れたが、これは、クラスの壁というよりは、力の要る洋芝が合わなかった印象を受けるレースぶりだった。今回は、軽い芝の小倉競馬場に舞台が替わるだけに、前走の敗戦だけで評価を大きく下げるのは早計だろう。前走(別定重量の56キロ)より2キロ軽い54キロのハンデを生かせば、巻き返しのシーンもありそうだ。

前走の1600万下・テレビユー福島賞(福島・芝1200m)を優勝してオープンクラス復帰を決めたマイネルエテルネル(牡5・西園正都)。2012年の小倉2歳S優勝を含めて、これまでの4勝すべてを7月〜9月上旬の夏競馬で挙げている馬。小倉・芝コースも〔2・0・2・1〕と得意にしているだけに、今回、前述の小倉2歳S以来約3年ぶりの重賞制覇を果たす可能性は十分にありそうだ。

マヤノリュウジン(牡8・庄野靖志)は、これまでにJRAでオープン特別2勝を含む6勝をマーク。2013年のスプリンターズSでは3着に好走しており、今回のメンバーの中では実績上位と言っていいだろう。ただ、今回は約10か月半の休み明けで、仕上がり面が鍵になる。12日に栗東坂路で行われた1週前追い切りでは、4ハロン54秒0、ラスト1ハロン12秒2をマーク。軽快な動きを見せていただけに、最終追い切りの動きとレース当日の気配はしっかりとチェックしたい。

他にも、昨年10月のオープン特別・オパールS(京都・芝1200m)で、1分06秒7のコースレコードをマークして勝利を飾ったヘニーハウンド(牡7・吉村圭司)、今年4月のオープン特別・春雷S(中山・芝1200m)を優勝したサカジロロイヤル(牡7・湯窪幸雄)、昨年の本レースで18頭立ての13番人気という低評価を覆して2着に好走したメイショウイザヨイ(牝6・南井克巳)など、伏兵陣も虎視眈々と上位進出を狙っている。

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2015年08月18日

近年の関屋記念を象徴するペース
 前半はゆっくり入り、最後の直線約660mで猛然とスパート。すっかりこのパターンが完成された新潟のマイル重賞は、今年は頭数が12頭と少なく、確たる先行馬もいなかった。

 かなりのスローが予測されたが、それにしても最初が遅かった。過去の関屋記念のスローペースの代表例は、マルカシェンクの勝った2008年、レッツゴーキリシマの逃げ切った2010年がその典型。今年はその2年に並び、近年の関屋記念を象徴するペースになった。

    前半600m-800m-(1000)後800m-600m
08年 「36秒0-48秒3-(59秒9)-44秒5-32秒9」=1分32秒8
10年 「36秒2-48秒2-(59秒7)-44秒7-33秒2」=1分32秒9
15年 「36秒4-47秒9-(59秒3)-44秒7-33秒3」=1分32秒6

 2008年は、前後半800mの差が「3秒8」も生じ、前半1000m通過は59秒9。レース上がり32秒9だった。今年はそこまでではないが、前後半の差は「3秒2」もある。

 スタート直後、どの馬も先頭に立って目標になるのを嫌ったか、前半3ハロンは「13秒2-36秒4…」だった。スタート直後の「13秒2」。また前半3ハロン「36秒4」は、2001年に現在の直線の長い新潟コースに変わって以降、今年がもっとも遅く、最初はゆっくり出てスローという点では、史上最遅のスローだったかもしれない。

 1週目の古馬500万条件の新発田城特別1600mは、1分33秒2の決着。レースの内容は、「34秒5-46秒0-(57秒9)-47秒2-35秒3」である。

 前半800mの入りが「約2秒」も速くても、レース全体の勝ち時計は関屋記念と大差ない1分33秒2にとどまるから、レベルは別にして、スローの競馬には、スローペース独特の見どころが生じるのは事実である。結果として脚を余した陣営にはかなり物足りない1600mだったが、前半スローは最初からみえていたから、敗因を他馬の出方に転嫁できない。

 勝ったレッドアリオン(父アグネスタキオン)の川須栄彦騎手(23)は、素晴らしかった。

 出負け気味でも、最初の1ハロン13秒2だから苦もなく先行態勢に持ち込めた。前半の3ハロンはスマートオリオンと並走するように良馬場のマイル重賞とすれば例をみない「36秒4」。しかし、あまりのスローに自分でレースを作ることを決断すると、4ハロン目から「11秒5-11秒4-11秒2-10秒7…」。自分でどんどんピッチを上げている。

 最初の3ハロンまでは史上最遅のスローだったが、前半800m通過、1000m通過はもう歴史的なスローではなく、08年、10年を追い越した。それでもスローには違いないが1000m通過は「59秒3」にまで持ち直している。自身で歴史的な超スローを脱したあと、直線に向くと「11秒2-10秒7…」。さらにピッチをあげ、2番手のスマートオリオン、ヤングマンパワーなどを一度突き放してしまった。

 このときまでコンビで【3-1-0-6】。決してジリ脚ではないが、並んで切れるタイプではないのを川須騎手は知り尽くしている。このあたりは同厩舎の半兄クラレント(父ダンスインザダーク)に似たところがあり、同じアグネスタキオン産駒では、自分からスパートしないと能力全開とはならないグランデッツァに通じる部分もある。好位から抜けだした昨2014年のクラレントのレース運びとはちょっと異なるが、レッドアリオンの1分32秒6に対し、クラレントは昨年、「58秒7-33秒8」=1分32秒5だった。

 勝ちタイムがほぼ同一というだけでなく、スパートして速い脚を使った場所にきわめて似たところがある。橋口調教師にとり、痛快な兄弟制覇の連勝だった。

 2着に突っ込んだマジェスティハーツ(父は橋口調教師のハーツクライ)は、目立ってデキが良かった。速い時計を要求されるマイル向きというタイプではないが、中身が独特のバランスになる関屋記念ではこういうタイプも通用する。タメて末脚を温存、上がり3ハロン「32秒4」は、今回のメンバーでは断然のNO.1だった。ゴール寸前の勢いから、騎乗した森一馬騎手(22)には残念な2着だが、マジェスティハーツが上がり3ハロン「32秒台」を記録したのは今回が初めてである。ベストは1800-2000mと思えるから、このあとに注目したい。

 速い上がりを期待されたのは、3番人気のサトノギャラント(父シンボリクリスエス)。直線の中ほどでは素晴らしい手ごたえで先行馬を射程に捕らえている。しかし、少し外側を探したがスペースがなく、最終的に狙った場所があまりに悪かった。大外に回るタイプではなく、スペースを探して割って突っ込む追い込み馬だから、前を締められてはアウト。たまたまだが、そこだけはダメという場所に突っ込んで前を塞がれてしまった。

 3歳ヤングマンパワー(父スニッツェル)は、直前に函館から新潟入りする手法を取って、プラス18キロの540。やや立派すぎるかと映ったがうまくレースの流れに乗り、ゴール前でよれる場面もありながらも3着確保。このあとの展望が開けた。これまでは前半に行けないケースが多かったから、スローとはいえ先行できた自信は大きい。

 1番人気のカフェブリリアント(父ブライアンズタイム)は、落ち着き払った好気配だったが、レースではあまりのスローに前半の折り合いを欠いている。ここまで芝のレースでは先行したことがなく、スローなら行けばいいというタイプでもない。確かに新潟コースに良績はあったがそれは短距離戦でのこと。休み明けでもあり、いきなり新潟1600mの特異なスローペースに対応できなかった。

 スマートオリオン(父グラスワンダー)も流れに対応できなかったのが最大の敗因か。不利のない2番手だったが、慣れない1600mで前のレッドアリオンに、(控えながらも)だんだんピッチを上げる巧みな戦法を取られ、完全にリズムが崩れてしまったように見えた。中京記念は1分33秒4(自身の上がり35秒1)。今回は1分33秒1(自身の上がり33秒4)。走破時計は同様でも、まったく別バランスのレースだったのが応えている。

 エキストラエンド(父ディープインパクト)は珍しくレースの流れに乗れたが、この馬もしだいにピッチが上がるようなレースは不向きか。勝負どころでムチを落とした不利も重なった。

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2015年08月17日

16日の札幌11Rで行われた第20回エルムステークス(3歳上オープン、GIII、ダート1700メートル、13頭立て、1着賞金=3500万円)は、岩田康誠騎手騎乗の2番人気ジェベルムーサ(牡5歳、美浦・大竹正博厩舎)が後方追走から早めに押し上げ、直線に入って先頭に立つとそのまま押し切ってV。重賞初制覇を果たした。タイムは1分43秒0(稍重)。

 今週も岩田騎手の手綱がメーンを制した。得意のまくり戦法で早めに進出したジェベルムーサが、直線も堂々と押し切って快勝。岩田騎手はCBC賞(ウリウリ)、函館記念(ダービーフィズ)、函館2歳S(ブランボヌール)、レパードS(クロスクリーガー)に続き、重賞で騎乗機会5連勝となった。

 レースは、エルムS6度目の参戦となるエーシンモアオバーが積極的にハナを切り、ホッカイドウ競馬のアウヤンテプイが2番手。さらにグレープブランデーが3番手、その外に人気のクリノスターオーがつけた。向こう正面に入ると、後方3番手にいたジェベルムーサが外から進出。みるみるうちに位置取りを上げていき、4コーナーでは2番手に取り付く。クリノスターオーは反応が今ひとつで、伸び切れない。粘るエーシンモアオバーをかわして先頭に立ったジェベルムーサを、ロスなく内から追い上げたグレープブランデーが追撃するが、最後までジェベルムーサが粘り通してクビ差で先着。待望の重賞制覇を果たした。2着は5番人気のグレープブランデー。さらに1馬身1/4差の3着には9歳馬エーシンモアオバーが逃げ粘り、10、11年に続きこのレースで3度目の3着となった。

 ジェベルムーサは、父アグネスタキオン、母アビラ、母の父Rock of Gibraltarという血統。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬で、(有)キャロットファームの所有馬。通算成績は15戦7勝。重賞初勝利。大竹正博調教師はエルムS初勝利。岩田康誠騎手は2008年フェラーリピサ、12、14年ローマンレジェンドに次いで4勝目。

 重賞5連勝となった岩田騎手は「すごくいい馬に乗せていただいているので、確実に勝ちたいと思っていたし、もっと勝ちたいと思っています。(ジェベルムーサは)落ち着いていました。3戦続けて追い切りに乗せていただいて、1、2走目とは違う追い切りができました。この状態で負けたら仕方ない、というくらいの追い切りができましたし、こういう結果を出せてよかったです。ペースが遅かったですし、3、4コーナーで外を回りたくないので、早かったですが狙い通りのレースができたのはよかったです。(2着馬も)見えていましたが、自分自身必死で、何とか勝てました」と流れる汗をぬぐいながらレースを振り返っていた。

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2015年08月16日

10日の新潟11Rで行われた第50回関屋記念(3歳上オープン、GIII、芝1600メートル、12頭立て、1着賞金=3800万円、サマーマイルシリーズ第2戦)は、川須栄彦騎手騎乗の2番人気レッドアリオン(牡5歳、栗東・橋口弘次郎厩舎)がレース途中から先頭に立って直線も押し切り、重賞2勝目をマークした。タイムは1分32秒6(良)。

 昨年の兄クラレントに続いて、今度はレッドアリオンが真夏の越後路をトップで駆け抜けた。堂々たる先行策からの押し切りV。兄弟制覇の快挙を成し遂げるとともに、自身の本格化を強烈にアピールした。

 レースは内からスマートオリオンがじわっと先行。スタートが今ひとつだったレッドアリオンも外から巻き返して先頭に並びかける。さらにシャイニープリンス、ヤングマンパワーなどが好位に続いた。3コーナーあたりでレッドアリオンが単独でハナを奪い、馬群を引っ張る形に持ち込む。淡々とした流れのまま直線の決め手勝負となったが、レッドアリオンは余力十分の手応え。追いすがるライバルたちが馬群でゴチャつくのを尻目にスイスイと逃げ脚を伸ばし、結局最後までかわされることなく3/4馬身差で押し切った。2着は6番人気のマジェスティハーツ。さらに1/2馬身差の3着には9番人気の3歳馬ヤングマンパワーが入っている。

 レッドアリオンは、父アグネスタキオン、母エリモピクシー、母の父ダンシングブレーヴという血統。北海道えりも町・エクセルマネジメントの生産馬で、(株)東京ホースレーシングの所有馬。通算成績は27戦7勝。重賞はGIIマイラーズC(2015年)に次いで2勝目。橋口弘次郎調教師は14年クラレントに次いで関屋記念2勝目、川須栄彦騎手は初勝利。

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2015年08月15日

同じマイルの新潟2歳Sが、前半スローから後半の「切れ味勝負」に持ち込まれるのがパターンになったのと同様、この夏の快速マイル重賞も前半は落ち着いたペースになり、最後の直線約660mに集約されるスパート合戦になる。

 すっかりこのパターンが出来上がった最近7年間の時計を平均すると、勝タイムの平均は快速重賞らしく「1分32秒5」。ただし、そのバランスは特殊で、 前半800m「47秒0」―後半800m「45秒5」。

 前半の半マイルの方が「1秒5」も遅い、明らかなスローペース。前半1000m通過の平均は「58秒72」。上がり3ハロン平均は「33秒78」となる。

 先行し、直線でピッチを上げて加速できる先行型に有利なペースであると同時に、楽に追走できるから、最後に猛然と伸びる「切れ味優先型」もまたスローは歓迎。

 安定した平均スピードを誇っても、後半3ハロンを32秒台でフィニッシュできる馬はいくらでもいるから、爆発力のない馬は、勝ちみの遅さが死角になる流れともいえる。

 今年は12頭立て。飛ばす先行馬が出現の可能性は低く、例年通りの直線勝負だろう。追い込むサトノギャラント(父シンボリクリスエス。母スティンガー)に期待する。

 直線で一気に伸びるレース内容は、鋭い切れ味を武器に京王杯SC2連勝、阪神3歳牝馬S、4歳牝馬特別(現フローラS)など重賞を4勝した母スティンガー(父サンデーサイレンス)ゆずりだが、速いペースになっては末脚温存とならないから、明らかにスローペース向きの追い込み馬が、この馬の特質。

 昨年の関屋記念は稍重のわりに流れはスローではなく、後方からインに突っ込み、自身「59秒1-33秒」=1分32秒7。3着にとどまったが、馬場もペースもこの馬に不向きだった。新潟1600mでこそ…の真価を発揮したのは今春の谷川S。前後半「48秒6-45秒1」=1分33秒7の上がり勝負を、最後方追走からスペースを探しつつ馬群を割り、この馬自身は「61秒8-31秒9」=1分33秒7。

 文字通り直線だけで16頭立ての混戦を制してみせた。右に左に進路を探しつつなので、上がり31秒9の数字以上に鋭かった。レースの上がりは「11秒4-10秒5-11秒4」=33秒3なので、サトノギャラント自身は推定「11秒2-10秒1-10秒6」=31秒9の脚を使ったことになる。

 昨年の谷川岳Sでも、スローを直線だけの切れで突っ込んで2着した同馬は、上がり「32秒3」を記録している。このときも柴山騎手とのコンビ。サトノギャラント=柴山の新潟1600mは【1-1-0-0】である。相手は強力だが、12頭立てなら馬群はさばきやすい。持ち味フルに発揮がある。

 スロー必至なので、機を見るに敏なM.デムーロ騎手のエキストラエンド(1分31秒9が2回もある)が相手筆頭。3番手が戸崎騎手のスマートオリオン。以下押さえ。

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2015年08月14日

 今週の重賞は関屋記念。
 指数上は、平均指数や前走指数の上位馬を中心に、全体として指数上位馬が活躍しているが、3着馬にはランク外の馬が多い。1番人気馬は3勝、2着4回、2番人気馬も2勝、2着2回と、比較的上位人気馬の信頼が厚いレースといえるだろう。

 今年の前走指数上位馬は、カフェブリリアント、スマートオリオン、レッドアリオン、マジェスティハーツ、エキストラエンド、サトノギャラントなど。他に過去の指数や平均指数で、シャイニープリンス、エールブリーズなどが上位だ。
 関屋記念はサマーマイルシリーズの第2戦で、前走、シリーズの第1戦となった中京記念組が多い。中京記念はスマートオリオンが先行、直線のたたき合いを制して勝利を手にした。2着に後方から追い込んだアルマディヴァン、まくって早め先頭のエールブリーズが4着に粘っている。中京コースの改修後、中京記念組が関屋記念でも上位に食い込んではいるが、共通するのは中京記念で大きく負けていた馬たちだ。中京はスタミナを問われるコースで、絶対的スピードが問わる新潟コースとは、求められるものが違うということだ。その点からは2着アルマディヴァン、6着アルバタックス、8着レッドアリオンをとるべきだろうか。
 ただ、新潟コース向きの素軽いスピードを問うなら、カフェブリリアント、サトノギャラント、ヤングマンパワーなどのほうが上位だ。
 サトノギャラントは、前走のG1安田記念では差し脚不発で13着だったが、2走前の谷川岳Sを勝った時の上がりの鋭さが光る。
 しかし、ここはハイペースはあり得ず、後方一気の差し脚よりも、中団からの着実な差し脚を使える5歳牝馬カフェブリリアントに分があるのではないか。前走G1ヴィクトリアマイルでは、中団待機から直線、最後の1ハロンの差し脚の鋭さは見どころが十分だった。新潟の芝戦は5戦して(3110)と得意コースで、マイル戦も(3102)と安定している。

 ダートの重賞エルムSは開催時期が一定しないが、開催時期を別にすれば、条件に変わりはない。勝ち馬は4、5、6歳馬が占め、指数上は平均指数や過去の指数の上位馬たちが強いレースだ。
 今年の指数上位馬は、クリノスターオー、ソロル、ジェベルムーサ、グレープブランデー、エーシンモアオバー、マイネルバイカ、ヒラボクプリンスなど。
 安定した指数の高さ、重賞実績などから、昨年の2着馬クリノスターオーが中心になるだろう。
 クリノスターオーは、ダートG3で3勝、2着2回。前走、大井のG1帝王賞で2番人気に推され、果敢に逃げたものの失速して6着だった。帝王賞の2000メートルの距離は少し長かった気がするし、ペースも厳しかった。逃げるより2、3番手で控えたほうが持ち味が生かせる馬だろう。今回、距離も1700メートルに短縮され、逃げ馬エーシンモアオバーも健在。得意の形に持ちこめば、信頼性も高まる。

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新潟・外回りの芝1600mで行われる関屋記念は、2012年より始まった『サマーマイルシリーズ』の第2戦に指定されている。
外回りコースは直線が658.7mと長く地力勝負になりやすい舞台設定に加えて、同シリーズ第1戦の中京記念、第3戦の京成杯オータムH(共にハンデキャップ)とは異なる別定重量で行われるため、
秋のGI を見据えたトップクラスの実力馬が参戦することも多く、例年、ハイレベルな戦いが繰り広げられている。
今年も、夏のマイル王の座を目指し、あるいは、秋の飛躍につなげるために、個性豊かなメンバーがエントリー。
真夏の暑さに負けない熱戦が期待できそうだ。

前走で『サマーマイルシリーズ』第1戦の中京記念を制したスマートオリオン(牡5・鹿戸雄一)。その前走は道中で出入りの激しい競馬になったが、本馬は、好位でリズムを崩さずにじっくりと末脚を温存。直線半ばで先頭に立つと、後続の追撃を振り切って見事優勝した。騎乗したM.デムーロ騎手の手腕も光ったが、これまで芝1200mに良績の集中していた馬が芝1600mで結果を残せたことは、大きな収穫だろう。今回は中2週のローテーションのため、中間は疲労回復に重点を置いた軽めの調整だが、動きに活気があって歩様は軽やか。馬体の張り、毛づやも上々で、状態は高いレベルで安定している。『サマーマイルシリーズ』対象レース2連勝(中京記念→関屋記念)の可能性は十分にありそうだ。

エキストラエンド(牡6・角居勝彦)は、父にディープインパクト、母にフランスのG1馬カーリングを持ち、半兄に重賞4勝のローエングリン(父Singspiel)がいる良血馬。前走の安田記念は9着に敗れたが、最後の直線では外からじわじわと伸びて、勝ち馬のモーリスから0秒7差まで追い上げた内容は、悪くなかった。今回は約2か月半ぶりの実戦になるが、7月下旬から時計を出し始め、8月5日に栗東CWコースで行われた1週前追い切りでは、レースに騎乗予定のM.デムーロ騎手が跨り、6ハロン83秒8を計時。反応、動き共に合格点と言える内容だった。今回、昨年の京都金杯以来となる重賞タイトルを獲得して、秋の飛躍に弾みをつけたい。

アグネスタキオン産駒のレッドアリオン(牡5・橋口弘次郎)は、昨年の『サマーマイルシリーズ』チャンピオンに輝いたクラレント(父ダンスインザダーク)の半弟。2番人気に支持された前走の中京記念は、3〜4コーナーで外々を回るロスがあって8着に敗れたが、勝ち馬のスマートオリオンから0秒3差なら、悲観する内容ではないだろう。前走から中2週の間隔となる今回、中間は軽めの調整だが、身のこなしに柔らかみがあって状態は良さそうだ。前走では、トップハンデのカレンブラックヒル(58.5キロ、7着)に次ぐ57.5キロの斤量を背負っていただけに、別定重量の57キロに替わる点は好材料だろう。スムーズなレースができれば、本来のパフォーマンスを発揮できるはずだ。

カフェブリリアント(牝5・堀宣行)は、近走の充実ぶりが目を引く一頭だ。GI 初挑戦となった前走のヴィクトリアマイルは、ミナレット(3着)が大逃げする展開になったが、本馬は直線でしぶとく脚を伸ばし、勝ち馬のストレイトガールから0秒5差の5着まで追い上げた。速い時計の決着に対応できたことも収穫で、本馬の地力強化を示す内容だった。今回は3か月ぶりの実戦で仕上がり具合が鍵になるが、6日に美浦南Wコースで行われた1週前追い切りでは、5ハロン69秒4、ラスト1ハロン12秒6をマーク。時計自体は目立つものではないが、気合を前面に出し、シャープな伸び脚を見せていた。これまで3勝を挙げている相性のいい新潟・芝コースに替わる今回、牡馬が相手でも引けを取らないだろう。

シャイニープリンス(牡5・栗田博憲)も、侮れない存在だ。前走の読売マイラーズCでは、レースの前半800m通過タイムが47秒7のスローペースを好位で追走。最後は、直線での瞬発力勝負に少し遅れて勝ち馬のレッドアリオンから0秒3差の6着に敗れたが、安田記念の前哨戦で強いメンバーがそろっていたことを考えれば、まずまずの競馬だったと言える。今回は約3か月半の休み明けになるが、7月の上旬から時計を出し始め、8月5日に美浦南Wコースで行われた1週前追い切りでは、レースに騎乗予定の蛯名正義騎手を背に、5ハロン66秒2、ラスト1ハロン12秒6をマーク。調教の量、質は共に十分と言えるだけに、万全の態勢でレースに臨めそうだ。今回は上位争いが期待できるだろう。

サトノギャラント(牡6・藤沢和雄)は、前走の安田記念で13着に敗れたが、ヴァンセンヌ(2着、上がり3ハロン33秒7)に次ぐ、出走メンバー中2位の同33秒8(共に推定)をマーク。末脚の切れでは、一線級に入っても引けを取らないことを示した。この中間は短期放牧で疲れを癒やし、美浦トレーニング・センターへ帰厩した後は、本レースを目標に入念な乗り込みを重ねている。8月5日に南Wコースで行われた1週前追い切りでは、5ハロン68秒5、ラスト1ハロン12秒8をマーク。併走馬を3馬身ほど後ろから追走し、仕掛けられると鋭い反応を見せて、最後はきっちり先着を果たした。馬体の張りや毛づやは上々で、いい状態でレースに臨めそうだ。

前走の中京記念で2着に好走したアルマディヴァン(牝5・高橋文雅)。その前走は1枠1番のスタートから、道中は馬場の内めでじっくり脚をためると、直線は馬群を割るように鋭く伸びて、スマートオリオン(1着)にクビ差まで肉薄した。今春の1600万下・幕張S(中山・芝1600m)を勝ってオープンクラス入りを果たした後は、GI の舞台にも出走して(ヴィクトリアマイル15着)経験を積んだ。本レースを優勝すれば、『サマーマイルシリーズ』チャンピオンの座が視界に入ってくる。

エールブリーズ(牡5・鮫島一歩)は、前走の中京記念で4着に善戦。3コーナーで先頭に立つ積極策から直線でもしぶとく粘り、勝ち馬のスマートオリオンから0秒1(クビ+クビ+クビ)差という中身の濃い競馬を披露した。気性が勝ったタイプで、折り合い面の難しさを抱えながらも、昨年の京王杯スプリングC3着など、随所で潜在能力の高さを示している。今年に入ってひと息の成績が続いていたが、前走で上昇気配を見せているだけに、軽視は禁物だろう

今年のアーリントンCを制したヤングマンパワー(牡3・手塚貴久)。前走のNHKマイルCは、レースの前半800m通過タイムが47秒2のスローペースで、差し・追い込み勢には不向きな展開だったが、4コーナーで外を回りながらも差を詰めて6着まで追い上げた。春の時点では荒削りな走りという印象を受けたが、それだけに、成長の余地はまだまだあるだろう。他世代の馬とは初対戦となる今回、どこまで力が通用するのか、試金石の一戦になりそうだ。

アルバタックス(牡5・石坂正)は、前走の中京記念で6着に敗れたが、出走メンバー中最速の上がり3ハロン34秒1(推定)の末脚を発揮して勝ち馬のスマートオリオンから0秒2差まで追い上げたレース内容は、見どころ十分だった。折り合い面の難しさはあるものの、新潟・外回りの芝1600mで、持ち味の瞬発力を最大限に発揮できれば、上位に食い込むシーンがありそうだ。

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2015年08月13日

エルムSは、札幌・ダート1700mを舞台に行われる、夏の北海道シリーズで唯一のJRAダート重賞。
毎年、秋の飛躍を狙う東西のダート巧者が集結して、レベルの高い熱戦を繰り広げている。
昨年の2着馬クリノスターオーは、その後に同年秋のシリウスSと今年のアンタレスSを制覇。
また、昨年の3着馬インカンテーションが、同年秋のみやこSと今年の平安Sを優勝し、GI のフェブラリーSでも2着に好走している。
今後のダート戦線を占ううえで、注目の一戦と言えるだろう。
今年も、好メンバーが札幌競馬場に登場。
ダート界の頂点を目指す馬たちの迫力に満ちた攻防から、目が離せない。

クリノスターオー(牡5・高橋義忠)は、昨年5月の平安Sで重賞初制覇を飾り、続いて臨んだ昨年のエルムSでは、ローマンレジェンド(1着)と激しく競り合って2着に好走。3着のインカンテーションには5馬身もの差をつけており、小回りコースへの適性が高い一頭だ。10月にはシリウスSを制してタイトルを増やし、今年も、アンタレスS1着→平安S2着と、重賞での実績を積み上げている。今回は、6月24日のJpnI・帝王賞(大井・ダート2000m、6着)以来の実戦となるが、8月5日に函館Wコースで行われた1週前追い切りでは、5ハロン68秒台、3ハロン41秒台をマーク。出走態勢は着々と整っているようだ。ここで通算4度目の重賞制覇を達成して、さらなる飛躍につなげたいところだろう。

ソロル(牡5・中竹和也)は、今夏の北海道シリーズで、大沼S3着→マリーンS(共にオープン特別、函館・ダート1700m)1着の成績をマーク。上昇カーブを描いての参戦となるだけに、注目の一頭だろう。前々走の大沼Sは、メンバー中最速となる上がり3ハロン37秒1(推定)の末脚を繰り出し、前走では57.5キロのトップハンデを背負っての優勝。2着のヒラボクプリンスが54キロの斤量だったことを考慮すれば、アタマ差という着差以上に強い競馬と判断していいだろう。この中間は短期放牧でひと息入れてリフレッシュを完了。小回りコースの走りも徐々にうまくなっているだけに、今回、昨年のマーチS以来となる2度目の重賞制覇の可能性は、十分にありそうだ。

ジェベルムーサ(牡5・大竹正博)は、約9か月ぶりの実戦となった前々走のオープン特別・大沼Sを、3コーナー手前からまくっていく積極的な競馬で勝利を飾った。連勝を狙って登場した前走のオープン特別・マリーンSは3着に敗れたが、優勝したソロルとのタイム差はわずかに0秒1。前々走(別定重量の56キロ)から斤量が1キロ増えていた(ハンデキャップの57キロ)ことを考えれば内容は悪くなく、むしろ、今回につながる一戦と判断していいだろう。重賞のタイトルこそまだ獲得していないが、昨年のマーチSで2着に好走するなど、能力の高さは証明済み。550キロを超える大型馬ながら器用さを備えており、小回りコースにも問題はない。今回、重賞初制覇のチャンスを迎えた。

グレープブランデー(牡7・安田隆行)は、2013年のフェブラリーS優勝馬。今回のメンバーに入っても実績では上位にランクされる一頭だ。フェブラリーSの後は勝利の美酒を味わっていないが、今年のフェブラリーSで4着に善戦。前走のプロキオンSでも58キロの別定重量を背負いながら5着に入っており、年齢的な衰えを感じさせない走りを続けている。札幌・ダートコースには昨年のエルムS(8着)以来2度目の出走となるが、同じ小回りの小倉・ダート1700mで2012年のオープン特別・阿蘇Sを快勝した実績があり、問題なく対応できそうだ。今回、久々の優勝シーンが見られるかもしれない。

ヒラボクプリンス(牡5・加藤敬二)は、札幌と函館のダートコースで〔2・3・2・1〕と、北海道シリーズで好成績を誇る馬。唯一3着以内を外した一戦も4着と大きくは負けておらず、その安定感は目を見張るものがある。前走のオープン特別・マリーンSでは、好位追走から最後の直線で鋭い末脚を発揮して、勝ち馬のソロルとアタマ差の2着に好走。ジェベルムーサ(3着)には先着を果たしており、オープンクラスでも通用する見通しを立てた。今回、ダートでは初の重賞エントリーで試金石の一戦となるが、前走好走の勢いに乗って、ここでも上位争いができるだろう。

カチューシャ(牝6・角田晃一)は、2番人気の支持を受けて出走した前走のオープン特別・マリーンSで13着と思わぬ大敗を喫したが、これは1コーナーで鞍ずれをしていたこともあり、参考外の一戦と判断していい。過去に、札幌・ダートで2戦2勝、函館・ダートでは6戦して1勝2着4回をマークしており、ダート1700mも〔3・5・2・2〕の好成績。今回の札幌・ダート1700mは最も得意の舞台と言えそうだ。前走後は、7月下旬に札幌競馬場へ移動して乗り込みを続けており、好調をキープしている。前走からの巻き返しは必至だろう。

エーシンモアオバー(牡9・沖芳夫)は、3月26日のJpnIII・名古屋大賞典(名古屋・ダート1900m、4着)以来約4か月半ぶりのレースになるが、6月下旬に函館競馬場へ入厩して熱心な乗り込みを消化しており、好仕上がりでレースに出走できそうだ。昨秋にはJpnIII・白山大賞典(金沢・ダート2100m)とJpnII・名古屋グランプリ(名古屋・ダート2500m)を優勝しており、能力の衰えはそれほど感じられない。今回、休み明け初戦からいきなりの好走が見られても不思議はない。

ゴールスキー(牡8・池江泰寿)は、これまで芝で5勝、ダートで3勝をマークしている芝・ダート兼用タイプ。前走の根岸S(4着)の後は放牧に出され、今回は6か月半ぶりのレースとなるだけに仕上がり具合が鍵だが、牧場でも乗り込みを積んでから札幌競馬場へ入厩しており、調整は順調な様子だ。今週の最終追い切りでこの馬本来のパワフルなフットワークが見られれば、休み明け初戦から上位争いに加わってくるだろう。

マイネルバイカ(牡6・西村真幸)は、前走のオープン特別・マリーンSで10着に敗れたが、この時は4か月の休み明け。最後は息切れした印象があっただけに、実戦を1度使われた上積みが見込める今回は、変わり身があるかもしれない。すんなり先行できれば実にしぶとい粘りを見せる馬だけに、その走りに注目したい。

今年は、ホッカイドウ競馬所属の地方馬2頭もエントリー。アウヤンテプイ(牡6・原孝明)は短距離路線、ウルトラカイザー(牡7・林和弘)は中距離路線でのホッカイドウ競馬におけるトップホース。今回はJRA勢が相手になるが、虎視眈々と上位進出の機会をうかがっている。

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2015年08月12日

8月29日(土)・30日(日)に札幌競馬場で行われる『2015ワールドオールスタージョッキーズ』に騎乗する騎手14名がJRAより発表された。

【JRA・関東】

 戸崎圭太=2014年度「MVJ」受賞

 蛯名正義=勝利度数2位

 柴山雄一=勝利度数3位

【JRA・関西】

 ミルコ・デムーロ=2015年日本ダービー優勝

 福永祐一=勝利度数1位

 岩田康誠=勝利度数2位

 武豊=勝利度数3位

【地方競馬】

 岩橋勇二=北海道

 藤田弘治=金沢

【海外】

 ラッセル・ベイズ=アメリカ

 ティエリ・ジャルネ=フランス

 ヘイリー・ターナー=イギリス

 クレイグ・ウィリアムズ=オーストラリア

 ジョアン・モレイラ=香港

※補欠はJRAが浜中俊(関西)、北村宏司(関東)、地方は宮崎光行(北海道)、村上忍(岩手)。

selvas2 at 19:58コメント(0) 
サンプルが蓄積しないうちから方針が定まった中京記念と関屋記念の関係
 
重賞の原稿を書く際は過去10年のデータを参考にすることが多いが、最近は番組の変更が多いため、少ないサンプルをもとに予想しなくてはならないケースもある。

 やはり少しでもサンプルは多いほうがありがたい(当たるかどうかは別として)が、中にはサンプルが蓄積しないうちから方針が定まることもある。中京記念→関屋記念と使われる馬はその一例だ。

 ご存知の通り、中京記念がいまの施行条件になってから今年で4年目。関屋記念まで含めたセットは、まだ3回しか確認できない。しかし、両者が結びつかないことはかなりはっきりしているように思う。

 過去3年、中京記念→関屋記念と使われた馬はのべ22頭。そのうち関屋記念で馬券に絡んだのは3頭だが、内訳は

2012年エーシンリターンズ 14着→2着
2014年サトノギャラント  7着→3着
2014年クラレント     8着→1着

 反対に、中京記念で馬券に絡んで関屋記念に来た馬は、

2013年フラガラッハ    1着→10着
2013年ミッキードリーム  2着→11着
2014年ミッキードリーム  2着→8着
2014年マジェスティハーツ 3着→12着

 結果だけでなく、馬場やラップといった理屈で考えても、両レースで好走馬を共有できないのは納得のいくところ。今年の関屋記念も、この流れで予想したい。アルマディヴァンあたりは条件馬時代に新潟好走歴があるのでちょっと気になってしまうが、それよりも関屋記念大敗組、レッドアリオンあたりに注目すべきと考える。

selvas2 at 09:00コメント(0) 

2015年08月11日

正攻法でパワーアップしたい
 芝部門の3歳馬は、セントライト記念、神戸新聞杯から「菊花賞」の路線があり、牝馬はローズSなどをステップに「秋華賞」に向かう路線がある。だが、ダート路線組はこのレパードSが3歳限定のグレードレースの区切りの1戦。次走からは距離を問わず4歳以上馬との対戦になり、クロスクリーガー、ダノンリバティ、ゴールデンバローズ…などは、6歳ホッコータルマエを筆頭のダートチャンピオン級と対決することになる。

 兵庫チャンピオンS(Jpn2)につづいて重賞2勝目を飾ったクロスクリーガー(父アドマイヤオーラ)は、第1回の勝ち馬トランセンド(のちにG1格4勝)の破格の勝ち時計1分49秒5(自身のレコードとタイ記録)には、馬場差もあって遠く及ばなかった。しかし、良馬場のダートでは12年ホッコータルマエ(G1格9勝)の1分51秒8。10年に勝った牝馬ミラクルレジェンド(交流重賞7勝)の1分51秒8とまったく互角の、「1分51秒9」である。

 母ビッグクィーン(父ブライアンズタイム)の半兄には、8歳時に日経賞G2を制し、のちに障害戦でも勝つなど10歳まで活躍したユキノサンロイヤル(父サンデーサイレンス)がいる。

 今春、11歳で急逝した父アドマイヤオーラ(父アグネスタキオン、母ビワハイジ)の送った最初のJRA重賞の勝ち馬となったクロスクリーガーは、これでダート【5-1-1-0】。一連のレース内容から、まず大崩れのないダート界のチャンピオン級に育つ約束はできた。

 ノンコノユメ、いきなり今回小差に食い下がってきたダノンリバティ、やがて巻き返してくること必至のゴールデンバローズなど、同期のライバルをさばくだけでも大変なことだが、このファミリー出身ならおそらくタフだろう。成長力に恵まれているのも間違いない。今回のレース運びと同じように、先行馬をマークし、ねじ伏せて抜け出す正攻法でパワーアップしたい。課題は、一段のスタミナ強化か。ノンコノユメに屈した前回も、今回も、最後は甘かった。

 2着に押し上げたダノンリバティ(父キングカメハメハ)は、大変なダート巧者の可能性を秘めているとみられていたが、その予測を上回る力強い内容だった。初ダートで砂を被るのは賢明ではないと判断した戸崎騎手は、コースロスを承知で最初の1コーナーからずっと外を回る作戦をとった。追いすがろうとした直線の中ほど、抜け出したクロスクリーガーに突き放されたが、ゴール寸前もう一度接近して4分の3馬身差(0秒1)に追い詰めている。

 初ダートで、終始外を回りながらクロスクリーガーとわずか0秒1差。ゴール寸前の脚いろはむしろ上回っていたあたり、レースの中身は勝ったクロスクリーガーと少なくとも互角。次に対戦するなら先着して不思議なしの印象があった。詰めの甘さで伸び悩んでいた芝のレースとは、「あと一歩及ばず」の中身が異なっている。陣営は、方向転換に自信を深めたはずである。前出のホッコータルマエなどの活躍により、ダート戦に限ると日本のエース種牡馬の座を不動にしつつあるキングカメハメハに、また1頭、強力な手駒が誕生した。

 最終的に2番人気に後退することになったゴールデンバローズ(父タピット)は、最初からかなり気負っていた。パドックでもそうだったが、返し馬でも鞍上を振りほどこうとするような高ぶりを示し、気力の充実というより、ドバイ遠征で受けた「力及ばず完敗」のダメージを引きずっているように映った。

 ドバイで5秒0差の大敗につづき、前回のジャパンDDで5秒9差の凡走、そして今回は異常歩様で競走中止となったディアドムス(父ジャングルポケット)のダメージは大きい。キャリアの浅い3歳馬の海外遠征は、たとえ敗戦でものちの大きな糧となる可能性があると同時に、エース級の存在であることを否定され、プライドの喪失につながる危険もある。

 ゴールデンバローズには、「こんなはずではない」の陣営のあせりも伝わっているように思えた。あれだけカッカしていたら、レコード独走の2歳秋と同じように先頭に立ってレースを先導した今回のレース運びは、当然の選択だったろう。だが、前半1000m通過61秒5のとくに無理のないペースで先頭は奪っても、カッカしながらで決して気分良くレースを運んではいないから、同型の先行馬やライバルにとって格好のペースメーカーにすぎない。3コーナー過ぎから早くも並ばれてしまった。しかし、振り切って一度はクロスクリーガーと競り合いに持ち込んでいる。交わされて失速し、もう勝機がなくなってからもゴールデンバローズはギブアップしなかった。

 ちょっと、ゴールデンバローズを見直した。連勝をつづけた当時のプライドは失われていない。ただ、いまは精神的にも肉体面でも疲れが出ている。それならしばらくの休息で立ち直る。

 ゴールデンバローズを交わして3着に突っ込んだ牝馬タマノブリュネット(父ディープスカイ)は、直線だけの競馬に徹した結果とはいえ、この相手に0秒4差の好走は価値がある。上がりはただ1頭だけ36秒9。祖母ピノシェット(父ストームキャット)は、2001年のオークスのほか、中山牝馬S、府中牝馬Sなどを制したレディパステルの半姉にあたり、しだいに真価を発揮しつつある種牡馬ディープスカイ(父アグネスタキオン、母アビ)との組み合わせで、セクレタリアトの[5×5]。ダノンリバティと同じようにノーザンダンサーの強いクロス[5×5.5]をもつ。やがて、前出の牝馬ミラクルレジェンド(JBCレディスクラシックなどダート12勝)に近づくくらいの活躍をみせてくれるだろう。

 6着ノボバカラ(父アドマイヤオーラ)は、先行タイプなのにスタートでつまずいて後方からのレース。あの形から差して6着は、高い地力を示す侮りがたい内容だった。同じく勝負どころで苦しいところに入りながら、良績のない左回りで5着したカラパナビーチ(父キングカメハメハ)のレース内容も決して悪くなかった。

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2015年08月10日

9日の新潟11Rで行われた第7回レパードステークス(3歳オープン、GIII、ダート1800メートル、15頭立て、1着賞金=4000万円)は、岩田康誠騎手騎乗の1番人気クロスクリーガー(牡、栗東・庄野靖志厩舎)が好位追走から早めに抜け出して快勝。重賞2勝目をマークしたタイムは1分51秒9(良)。

 力強い脚いろで、真夏の越後路を制圧した。人気に推されたクロスクリーガーが好位から抜け出して快勝。堂々の重賞2勝目を飾った。

 レースは最内からじわっとゴールデンバローズが先行。センチュリオンが2番手につけ、その後ろにラッキープリンス、さらにライドオンウインドと続く。人気のクロスクリーガーはこれまでよりやや後ろの位置で、5番手あたりを追走した。ゴールデンバローズがマイペースで逃げたものの、4コーナー手前で早くもクロスクリーガーが外から接近。さらに中団にいたダノリバティも一気に差を詰めて前を射程圏にとらえる。人気3頭が抜け出す形となったが、クロスクリーガーはゴールデンバローズを競り落として先頭に立ち、外から迫るダノンリバティの追撃も寄せ付けない。そのまま力強く押し切って1番人気に応えた。クロスクリーガーを生産した新冠・北星村田牧場は、クイーンSのメイショウスザンナに続く2週連続の重賞勝ちとなっている。

 3/4馬身差の2着は3番人気のダノンリバティ。さらに1馬身3/4差の3着には後方からよく伸びた紅一点の11番人気タマノブリュネットが入っている。

 クロスクリーガーは、父アドマイヤオーラ、母ピンククィーン、母の父ブライアンズタイムという血統。北海道新冠町・北星村田の生産馬で、辻高史氏の所有馬。通算成績は8戦5勝(うち地方2戦1勝)。重賞は交流GII兵庫チャンピオンシップ(2015年)に次いで2勝目。庄野靖志調教師、岩田康誠騎手ともにレパードS初勝利。

 これがJRA重賞80勝目となった岩田騎手は「ずいぶん勝たせていただいたな、と思います。(レースは)どこからでもいい馬ですし、あまり行く気はなかったので、相手を見ながら…でした。(ゴールデン)バローズが行ったので、怖いなと思って早めに動いたぶん、直線は脚が上がってしまいましたが、やっぱり強いですね。この馬自身、すごい力を持っていますし、無事に成長してくれたらもっと大きいところを狙えると思います」とさらに上のステージを見据えていた。

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2015年08月09日

9日の小倉11Rで行われた第51回小倉記念(3歳上オープン、GIII、芝2000メートル、17頭立て、1着賞金=4000万円、サマー2000シリーズ第3戦)は、松若風馬騎手騎乗の6番人気アズマシャトル(牡4歳、栗東・加用正厩舎)がゴール前で鮮やかに差し切り勝ち。人馬ともにうれしい重賞初制覇を果たした。タイムは1分58秒0(良)。

 大外から勢いに乗って、若武者と4歳馬が駆け抜けた。ハンデ戦らしい混戦を最後に制したのは格上挑戦のアズマシャトル。デビュー2年目の松若騎手ともども、うれしい重賞初制覇を決めた。

 レースはノボリディアーナが先行して、バッドボーイが2番手。さらにウインプリメーラ、メイショウナルトと続き、ゲシュタルト、ジャイアントリープなども好位につける。人気のマローブルーは中団からの競馬となった。よどみないペースで流れ、外から3歳馬ベルーフが手応え良く進出。直線では混戦から抜け出しを図った。しかし、内のウインプリメーラ、馬群の中からはマローブルー、クランモンタナなども迫る中、外から一気に飛んできたのがアズマシャトル。松若騎手のアクションに応えてグイグイと伸び、鮮やかに前の各馬を差し切って重賞Vを決めた。2番人気のベルーフが1馬身1/4差の2着。さらにクビ差の3着には3番人気のウインプリメーラが入っている。

 アズマシャトルは、父ゼンノロブロイ、母ブレッシング、母の父マルゼンスキーという血統。北海道日高町・下河辺牧場の生産馬で、東哲次氏の所有馬。通算成績は17戦4勝。重賞初勝利。加用正調教師、松若風馬騎手ともに小倉記念は初勝利。

 うれしい重賞初制覇を果たした松若騎手は「勝てて本当にうれしいです。本当はもうひとつ前(の位置)で競馬をしたかったので、自分自身満足できる競馬ではなかったのですが、馬が頑張って走ってくれて、勝つことができました。(ゴールの瞬間は)周りが見えていなくて、気付いたらゴールという感じで…。一生懸命追っていました。初勝利も小倉だったし、自分自身小回りが好きなので、小倉は大好きです。もっと勝てるように頑張っていきますので、応援よろしくお願いします」と初めての“お立ち台”で初々しい笑顔を見せていた。

selvas2 at 17:09コメント(0) 

2015年08月08日

 8日の札幌11R札幌日経オープン(3歳上オープン、芝2600メートル)は、クリストフ・ルメール騎手騎乗の5番人気ペルーサ(牡8歳、美浦・藤沢和雄厩舎)が早め先頭から押し切ってV。1925日ぶりの勝利は、記録が残っている限りJRAでの最長間隔勝利となる。また、勝ちタイムは2分38秒7(良)のコースレコードとなった。

 無傷の4連勝でダービー候補と騒がれた大器が、長い長いトンネルから自力で抜け出した。2周目のスタンド前で、前を行くタマモベストプレイをかわして積極的に先頭に立ったペルーサが、そのまま最後まで押し切ってV。ルメール騎手は何度も派手なガッツポーズを見せ、3歳時の青葉賞以来となるJRA最長の“超久々V”をコースレコードで決めた。

 レースは内からグランデスバルが先手を主張したものの、これをかわしてタマモベストプレイが先行。しかし、流れが落ち着いたスタンド前でペルーサが行く気を見せて先頭を奪う。タマモベストプレイは2番手に控え、アドマイヤフライト、バンズームと続いた。縦長の展開になり、ペルーサはピッチを落とさずにラップを刻む。タマモベストプレイがじっくりと2番手で構えたまま直線へ。58キロを背負った8歳馬ペルーサだが、その脚いろは衰えない。詰め寄るタマモベストプレイ、さらに大外から鋭く追い込んだワールドレーヴが迫ったものの、最後までペルーサがリードを守り切ってフィニッシュ。ゲート難や極度の不振にあえいだ古豪の復活に、札幌競馬場は温かい拍手で包まれた。

 この勝利は3歳時の青葉賞(2010年5月1日)以来、1925日ぶりの1着。これは、アドマイヤセナ(2006年5月27日〜11年8月13日)が記録した1904日ぶりのVを上回る、JRAでの最長間隔勝利記録となった。

 1/2馬身差の2着が2番人気タマモベストプレイ。さらに3/4馬身差の3着が7番人気のワールドレーヴだった。

 ペルーサは、父ゼンノロブロイ、母アルゼンチンスター、母の父Candy Stripesという血統。通算成績は25戦5勝となった。

 ルメール騎手は「気難しいタイプ。いつもは後方から行って結果が出ていないので、きょうはテンから出して行き、積極的な競馬をしてみたんだ。ハナへ立つとリラックスして走れたし、ペースも良かったからね。スタミナのある馬。最後もきっちりしのいでくれたし、強い競馬だったんじゃないかな」と会心のレースに満面の笑みを浮かべていた。

selvas2 at 17:19コメント(0) 

2015年08月07日

小倉記念は06年から「サマー2000シリーズ」として行われているハンデ戦。
トップハンデ馬は06年以降、1勝、3着3回だけ。1番人気馬も2着3回、3着2回と、まだ勝ったことがない。
指数上は、前走指数や平均指数の上位馬の連対率が比較的高いようだ。

今年の指数上位馬は、ノボリディアーナ、ベルーフ、マデイラ、メイショウナルト、パッションダンス、アズマシャトル、オーシャンブルー、クランモンタナ、ウインプリメーラなど。
トップハンデ馬は57.5キロのオーシャンブルー。次いで57キロのメイショウナルトだ。
逃げ馬不在のレースで、押し出されるようにメイショウナルト、ウインプリメーラなどが逃げることになりそうだが、当然ペースは落ち着くはず。長くいい脚を使える馬たちに流れが向くだろう。
とすると、マローブルー、ジャイアントリープ、フレージャパンなどを筆頭に、
ウインプリメーラ、ベルーフ、アズマシャトル、マデイラ、オーシャンブルーなどが有力馬として上がってくる。
なかでも距離適性に幅があり、スタミナのベースがあるのはジャイアントリープやオーシャンブルー、アズマシャトル、マローブルー、ベルーフなどだろう。
 
実績ではG1、G2を使ってきたオーシャンブルーが最上位だが、指数上、抜けた力があるわけではないし、
トップハンデは厳しいのではないか。他に重賞戦線で活躍してきた馬も見当たらない。
強いてあげれば、前走、七夕賞4着のメイショウナルトだが、メイショウナルトもそれなりにハンデを背負わされており、信頼は薄いだろう。
また、7、8歳馬の勝利がないわけではないが、上積みも考えにくい。
 
結局、格下の条件馬でも勝負になるレースのようで、前走、1600万条件のマレーシアCをともに戦ったアズマシャトル、マローブルー、ジャイアントリープなどにもチャンスがあるだろう。
マレーシアCはスローペースで逃げた馬が勝って、2着にマローブルー、4着アズマシャトル、9着ジャイアントリープという結果だったが、指数上は2着馬も9着馬も全く差がなかった。
マローブルーは牝馬で負担重量が軽かった分、指数は少し低いくらいだ。
ここもスローペース気味の流れになりそうで、先行力のある牝馬マローブルーからの手もありそうだが、
人気になりそうなら控えたい。
 
3頭の中で最も上がりの良かったのがジャイアントリープだ。
直線は前が壁になって、十分に追いきれなかったが、それでも最速の上がりタイムからわずか0.1秒差の上がりにまとめており、復調を感じさせるレースだった。
ここも人気はないと思うが、かつては京都新聞杯で3着に来た馬。一発あっても不思議ではないだろう。
 
他では、京成杯を勝ち、スプリングCでも4着のある3歳馬ベルーフの差し脚が気になる。

 
新潟の重賞は3歳限定のダート重賞レパードS。
ダート戦だけに、基本的に前走指数上位馬が圧倒的に強い。
今年の指数上位馬は、ノボバカラ、ゴールデンバローズ、クロスクリーガー、ディアドムス、カラパナビーチなど。
 
3歳のダート戦線はノンコノユメが最上位だが、そのノンコノユメと差のない戦いをしてきたのがクロスクリーガーだ。
3走前の伏竜Sではノンコノユメを5着に抑え込んで勝っている。
前走、大井のジャパンダートダービーは果敢に逃げたものの、差し切られて2着だったが、
力は互角とみてよいだろう。
他の馬たちと比べても1800メートルの距離適性は高いはずで、ここは先行しての押し切りが濃厚だろう。


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2015年08月06日

小倉・芝2000mで行われる小倉記念は、2006年からスタートした『サマー2000シリーズ』の第3戦に指定されているGIII のハンデキャップレース。昨年の本レース2着馬マーティンボロが、続く新潟記念を優勝して『サマー2000シリーズ』チャンピオンの座に輝くなど、これまでに同シリーズを制した9頭のうち6頭が本レースに出走してポイントを獲得しているだけに、注目の一戦と言えるだろう。今年も、多彩なメンバーがエントリーを完了。ハンデキャップレースらしい熱戦が期待される。

アズマシャトル(牡4・加用正)は、今夏のクラス再編成を経たことで現在は1600万下クラスの身だが、今年1月のオープン特別・白富士S(東京・芝2000m)を優勝し、重賞でも、一昨年のラジオNIKKEI杯2歳Sで2着、今年の鳴尾記念で3着に好走するなど、オープンクラスでの実績を十分に積んでいる。今回は、前走の1600万下・マレーシアC(中京・芝2000m、4着)から中2週というローテーションに加えて、小倉までの長距離輸送が課題となるが、力を出せる状態で出走できれば、好勝負可能だろう。今週の最終追い切りの動きとレース当日の気配は、しっかりとチェックしておきたい。

マローブルー(牝4・堀宣行)は、4走前の500万下(中山)→3走前の1000万下・秩父特別(東京)→前々走の1000万下・稲村ヶ崎特別(東京)と、クラス再編成を挟み芝2000mのレースで3連勝を飾り、前走の1600万下・マレーシアC(2着)では、前述のアズマシャトル(4着)に先着している。本馬も、今回は1600万下クラスからの格上挑戦になるが、重賞でも通用するだけの能力は持っていると考えてよさそうだ。この中間は、すでに小倉競馬場に入厩して調整されており、2日には同ダートコースで追い切りを消化。直前に長距離輸送がないことはプラス材料で、力をつけた今なら、重賞初制覇の可能性は十分にあるだろう。

メイショウナルト(せん7・武田博)は、一昨年の本レース優勝馬で、他にも、昨年の七夕賞を勝ち、ここまで重賞2勝をマークしている実績馬。今年に入ってからはひと息の成績が続いていたが、前走の七夕賞で4着に善戦して復調気配を見せた。本馬も、この中間は早めに小倉競馬場へ入厩して調整されており、2日には同ダートコースで追い切りを消化。体調は良く、力を発揮できる状態でレースに臨めそうだ。すんなりと先行する形で競馬ができれば、上位争いに加わってくるだろう。

3歳馬では唯一のエントリーとなるベルーフ(牡3・池江泰寿)。今回は、前走の皐月賞(12着)以来約3か月半ぶりの実戦で、仕上がり面がポイントになりそうだ。栗東トレーニング・センターへ帰厩後の調教は、本数、強度ともに少し不足しているように思えるが、疲れが残りやすい夏の暑い時季の調整だけに、動きに活気があれば問題ないだろう。今週の最終追い切りの動きをしっかりとチェックして、状態面を見極めたい。他世代の馬と初対戦となる今回、好結果を残して、秋の活躍につなげたいところだ。

パッションダンス(牡7・友道康夫)は、前走の新潟大賞典(7着)以来3か月ぶりの一戦で仕上がり面が鍵だが、栗東トレーニング・センターへ帰厩後は、2週連続でハードな調教を積まれている。特に、7月30日に同CWコースで行われた1週前追い切りでは、6ハロン78秒8という速い時計をマーク。脚部不安による長期休養から復帰した昨年12月以降はハードに追うことが少なかった馬だけに、目下の体調がよほどいいのだろう。休み明け初戦から注目したい一頭だ。

ウインプリメーラ(牝5・大久保龍志)は、前々走の1600万下・パールS(京都・芝1800m)を勝ってオープンクラス入りを果たすと、前走のマーメイドSでも勝ち馬のシャトーブランシュから0秒2差の4着に善戦した。今回は牡馬が相手の重賞となるが、前走(54キロ)より1キロ軽い53キロのハンデで出走できることを考慮すれば、通用しても不思議はない。7月29日に栗東坂路で行われた1週前追い切りの動きが秀逸で、タイムも4ハロン53秒2、ラスト1ハロン11秒9をマーク。前走以上の気配で出走できそうなだけに、その走りに注目したい。

クランモンタナ(牡6・音無秀孝)は、冬の寒い時季だと馬体を絞り切れないタイプの分、夏の暑い時季を得意にしていて、昨年も、7月の1600万下・マレーシアC(中京・芝2000m)1着→9月7日の新潟記念2着と、夏競馬で好成績を挙げた。前走の七夕賞は、馬体重こそマイナス12キロ(476キロ)と絞れていたが、後方からの競馬となり持ち味であるしぶとさを生かせず14着と大敗を喫した。今回、先行して粘り込むレースができれば、巻き返しのシーンがありそうだ。

タガノグランパ(牡4・松田博資)は、3歳時の昨年にファルコンSを制し、皐月賞こそ17着と大敗を喫したものの、日本ダービーと菊花賞で共に4着に健闘と、クラシック三冠路線を盛り上げた。4歳となった今年はひと息の成績が続いており、前走のオープン特別・都大路S(京都・芝1800m、6着)後は、放牧へ出されてリフレッシュ。今回は約3か月ぶりの実戦となるが、中間の立て直しがきっかけになれば、大きな変わり身があるかもしれない。

ノボリディアーナ(牝5・松永昌博)は、約4か月半の休み明けで臨んだ前走の1600万下・垂水S(阪神・芝1800m)を優勝。2着馬との着差はクビとわずかだったが、マテンロウボス(2着)、ラングレー(3着)といったオープンクラスからの降級馬に先着した本馬のレース内容は、高く評価できる。久々の重賞挑戦となる今回、目下の勢いを生かして、上位進出を目指す。

オーシャンブルー(牡7・池江泰寿)は、これまでに重賞2勝(2012年金鯱賞、2014年中山金杯)をマークし、他にも、2012年の有馬記念で、優勝馬ゴールドシップに次ぐ2着に好走した実績を持っている。近走はひと息の成績だが、久々のGIII 出走となる今回、実力馬の復活が見られるかもしれない。

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2015年08月05日

新潟・ダート1800mを舞台に争われるレパードSは、3歳馬限定のGIII。今年で7回目と歴史はまだ浅いものの、3歳馬同士で行われるJRAのダート重賞が6月のユニコーンSと本レースの2つだけということもあり、毎年世代屈指のダート巧者が顔をそろえて、激戦を繰り広げている。2009年のトランセンド、2012年のホッコータルマエは、本レースでの重賞初制覇を経て、後にダート戦線でトップホースの地位を築いた。今年も世代トップクラスの実力馬、素質馬が集結。将来のダート戦線を占ううえでも非常に重要な一戦と言えるだけに、見逃すことのできないレースだ。

ゴールデンバローズ(牡3・堀宣行)は、前走のユニコーンSで4着に敗れたが、UAE遠征からの帰国初戦で約3か月の休み明けだったことを考慮すれば、悲観する内容ではないだろう。この中間は短期放牧でリフレッシュ。7月中旬に美浦トレーニング・センターへ帰厩後は、急ピッチで乗り込みを消化しており、7月30日に南Wコースで行われた1週前追い切りでは、5ハロン68秒3の時計をマーク。全身を無駄なく使って迫力満点の動きを披露した。距離は、全3勝を挙げているダート1600mがベストだろうが、前々走の国際G2・UAEダービー(メイダン・ダート1900m、3着)の走りを見ると、今回のダート1800mは守備範囲と言えそうだ。先々はGI での活躍が期待される馬だけに、新潟の地で捲土重来を期す。

前々走のJpnII・兵庫チャンピオンシップ(園田・ダート1870m)で、2着馬に9馬身差をつける圧勝劇を演じたクロスクリーガー(牡3・庄野靖志)。1番人気に支持された前走のJpnI・ジャパンダートダービー(大井・ダート2000m)は、ノンコノユメ(1着)の決め手に屈して2着に敗れたが、3着馬には5馬身差をつけており、十分評価できる内容と言える。7月29日に栗東CWコースで行われた1週前追い切りでは、6ハロン85秒6、ラスト1ハロン11秒9をマーク。シャープな伸び脚を見せて併走馬に2馬身ほど先着を果たしており、状態面は高いレベルで安定しているようだ。今回も、好勝負必至だろう。

前走のユニコーンSで2着に好走し、前述のゴールデンバローズ(4着)に先着したノボバカラ(牡3・天間昭一)。その前走は、レースの前半800m通過タイムが46秒8というハイペースの中、好位追走から直線半ばで一旦先頭に立つシーンがあった。最後はノンコノユメ(1着)の末脚に屈したものの、正攻法の競馬で粘った内容は優秀と言える。この中間の調整も順調で、7月30日に美浦南Wコースで行われた1週前追い切りでは、5ハロン68秒0、ラスト1ハロン12秒4をマーク。鋭い伸び脚を見せて、目下の好調ぶりをアピールした。今回は、前走から200mの距離延長が鍵となるが、レースを経験するごとに着実に成長を遂げているだけに、対応は可能だろう。持ち味の先行力を生かすことができれば、重賞制覇が視界に入ってくる。

カラパナビーチ(牡3・吉田直弘)も、侮れない存在だ。前走の1000万下・鷹取特別(阪神・ダート1800m)は、すんなり先手を奪うと、前半1000m通過タイムが1分02秒4というマイペースに持ち込み、直線の競り合いをクビ差制して勝利。本馬の勝負根性が光る一戦だった。7月29日に栗東CWコースで行われた1週前追い切りは、上がり重点の内容ながらも、力強いフットワークで6ハロン84秒4、ラスト1ハロン12秒1をマーク。引き続き好調をキープしていると見てよさそうだ。2009年優勝馬トランセンド、2013年優勝馬インカンテーションは、共に1000万下クラスのレース1着から本レースに臨んで勝利している。本馬も、前走勝ちの勢いに乗って、重賞タイトル獲得を狙う。

前々走でオープン特別の鳳雛S(京都・ダート1800m)を勝利しているライドオンウインド(牡3・木原一良)も、能力は引けを取らない。前走のJpnI・ジャパンダートダービーは、すんなりと2番手に取りついて理想的なレース運びができたが、最後の直線で伸び脚を欠き5着に敗れた。前走後も調教の動きは良好で、7月29日に栗東CWコースで行われた1週前追い切りでは、3頭での併せ馬を行い、6ハロン84秒4、ラスト1ハロン11秒6を計時。最後は豪快に併走馬を突き放した。コンスタントにレースを使われているため、体調面の上積みこそ少ないが、先行して押し切った前々走のパフォーマンスを再現できれば、差のない競馬に持ち込めるだろう。

ディアドムス(牡3・高橋裕)は、昨年暮れのJpnI・全日本2歳優駿(川崎・ダート1600m)を制した馬。前走のJpnI・ジャパンダートダービーは11着に大敗したが、UAE遠征からの帰国初戦で約3か月半の休み明けだったことに加えて、水が浮くほどの渋った馬場(不良)が合わなかったのだろう。7月30日に美浦南Wコースで行われた1週前追い切りでは、前にいた2頭を大きく追走した分最後は遅れたものの、もともと調教ではいい動きを見せない実戦タイプの本馬が、しぶとく食らいついたことには好感が持てる。ここまでの調整は順調な様子で、馬体の張りが良くなっており、状態面の上積みも見込めそうだ。今回、この馬本来の走りができれば、上位進出は可能だろう。

アルタイル(牡3・手塚貴久)は、2月の500万下(東京・ダート1400m)を勝ち上がると、昇竜S(中京・ダート1400m)→青竜S(東京・ダート1600m)と、オープン特別で共に2着に好走。前走のユニコーンSは3着に敗れたが、ゴールデンバローズ(4着)にはハナ差先着を果たしている。今回は前走から200m距離が延長されるが、脚質に自在性がある馬で、どのような展開にも対応できることから、克服可能と考えていいだろう。

浦和所属の地方馬ラッキープリンス(牡3・小久保智)は、今年の地方重賞・東京ダービー(大井・ダート2000m)優勝馬。前走のJpnI・ジャパンダートダービーは、ノンコノユメ(1着)、クロスクリーガー(2着)の2頭には離されたものの、正攻法の競馬で見せ場を作り3着に健闘した。今回、新潟への長距離輸送を無事にクリアできれば、上位争いが期待できそうだ。

ダノンリバティ(牡3・音無秀孝)は、今年の毎日杯で勝ち馬のミュゼエイリアンとハナ差の2着に入り、皐月賞(8着)にも駒を進めた素質馬。今回はダート初挑戦になるが、叔父にダートのGI・JpnI で合計9勝を挙げたヴァーミリアンがいる血統背景から、芝より高いパフォーマンスを発揮できる可能性を秘めている。どのような走りを見せるのか、注目の一戦だ。

モズライジン(牡3・矢作芳人)は、前走の1000万下・インディアT(中京・ダート1900m)で、後方追走から4コーナーで一気に先頭に立つ競馬を見せた。最後は追い込んできたメイショウソレイユ(1着)に交わされて2着に敗れたものの、本馬も長くいい脚を使っており、好内容の一戦だったと言える。今回は相手が強化されるが、展開が向けば上位争いに加わってきそうだ。

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2015年08月04日

来年は54秒のカベ突破も
 2002年、4歳カルストンライトオが新潟直線1000mをレコード勝ち。2馬身差の逃げ切りを決めたときのラップは、

  「12秒0-09秒8-10秒2-09秒6-12秒1」=53秒7

 今年の4歳牝馬ベルカントが快勝した「自身のラップ」は、

  「12秒1-10秒1-10秒3-10秒1-11秒5」=54秒1

 だった。カルストンライトオの後半600mは「31秒9」。1度先頭を譲り、後半抜けだしたように映ったベルカントの後半600mも「31秒9」である。

 ハイレベルな直線1000mの理想の勝ち方は、前半の400mを未勝利や500万より遅いくらいになだめて進み、後半スパートするのが必殺パターン。

「前半400m-後半600m」を、【22秒0-32秒0】=54秒0。限りなくこれに近いバランスを作り出すとき、レコードと差がない54秒0前後のタイムが計時できるとされる。

 200mごとのラップは、例えるなら「緩―(急)―緩―(急)―全力」。ただ飛ばしたのでは、オープン馬といえども54秒0前後は苦しい。いかになだめて進めるかである。

 初めて新潟直線1000mに挑戦したベルカント(父サクラバクシンオー)=M.デムーロのコンビは、まるで直線1000mのお手本のようなレースを展開してみせた。いきなり楽々と54秒1。それも後半を「31秒9」でまとめたから、1000mでは独走ともいえる2馬身差圧勝に納得するしかない。

 もちろん、M.デムーロ騎手はハイレベルの直線のスプリントレースを、日本のベテラン騎手以上に経験している。だから、初の新潟1000mで非の打ちどころなしの、完ぺきに近いレースができたのだが、いまさらミルコ・デムーロを称えても意味はない。

 いきなり、楽々と「54秒1」で快勝したベルカントが、素晴らしかった。カルストンライトオが3歳夏の2001年、初めて直線1000mに挑戦した際は、当時のレコード53秒9で乗り切った5歳牝馬メジロダーリングの3着にとどまり、自身は「22秒0-32秒2」=54秒2だった記録がある。

 直線のスプリント戦に慣れているM.デムーロ騎手は、こういうレースは最初からなだめて進むのが当然と理解している。好スタートから、1度は伏兵に先頭を譲るくらいにセーブして進み、後半の再加速に成功、最後は「11秒5」である。カルストンライトオとはタイプも総合能力も異なり、ベルカントに道中2回も「9秒台」のハロンラップをたたき出す爆発スピードがあるかどうかは未知だが、きれいに「緩―急―緩―急―」のバランスを保ちながら圧勝した日本レコードのカルストンライトオの最後は、「12秒1」である。

 一方、もっとずっと楽な「緩―急―緩―」のペースだったとはいえ、ベルカントのそれは「11秒5」である。立ち直った4歳ベルカントは、まだまだ上昇の余地十分。

 もし来期の「韋駄天S」、「アイビスSD」に、同じようないい状態で出走することができるなら、現在の芝コースの作り方は2002年当時とは大きく異なるのでレコード更新は難しいとしても、54秒のカベ突破なら可能だろう。ベルカントには、カルストンライトオ(完成されたあとスプリンターズSも快勝)と同レベルのスプリント適性がある、と賞賛したい。

 ベルカントのように初の直線1000mをいきなり54秒台前半で乗り切るのは難しく、経験が重要であることを示したのは2着シンボリディスコ(父アドマイヤマックス)。5月の駿風Sを55秒0=「23秒1-31秒9」で2着。この記録では、アイビスSDでは足りないが、2度目の今回は行きっぷりが違い、前半400mを「22秒3」。もとより後半は駿風Sで示したようにしっかりしているから、今回も標準以上の「32秒1」でまとめることができた。合わせて「54秒4」。ベルカントを筆頭に、有力馬が飛ばすタイプではなかったから、楽に追走できたのも有利だった。

 父アドマイヤマックスは、1200mのG1高松宮記念の勝ち馬であり、さかのぼるファミリーの4代母は、メジロアサマの半姉にあたるスイートエイト(父ゲイタイム)という名門中の名門牝系。1戦ごとに1200m時計も、1000mのタイムも短縮している。まだ5歳夏。さらなる上昇も期待できる。

 アースソニック(父クロフネ)は、昨年の3着が「22秒3-32秒1」=54秒4。
6歳の今年は、「22秒6-31秒8」。やっぱり54秒4で3着。これで新潟の直線1000mは4戦して【0-0-4-0】となってしまった。再び自己最高タイ記録で乗り切りながら、ちょっと及ばずの3着は、ストレートに相手が一枚上だったということか。もうちょっとだけ時計がかかって欲しかった。

 セイコーライコウは(父クロフネ)は、昨年はそんなに待っていて届くのかと思えるほどスパートを我慢し、「22秒4-31秒9」=54秒3。今年も同じように後半スパートして、「22秒7-31秒8」=54秒5。走破タイムの差は0秒2だけ。届かなかったのは、前半の行きっぷりの悪さが響いたものだろう。

 これは、しかし、1000mは突き詰めれば時計の勝負という一面を否定できないから、あえて数字を並べただけのこと。たしかにほとんど衰えてはいなかったが、時間とともにどんどん単勝支持率が下がっていったように、全体のかもしだす雰囲気が、いかにも8歳の夏だった。馬券ファンの視線は、最後はシビアである。長距離路線ならベテランのスタミナ配分でカバーできるが、スプリント路線では小さな陰りが致命的だった。

 3歳サフィロス(父キンシャサノキセキ)、同じく3歳レンイングランド(父クロフネ)は、54秒台後半の善戦止まりで、6着と8着。でも、前述のようにカルストンライトオでさえ、現在よりもっと高速の芝だった当時、3歳時は54秒2で完敗だったのだから、3歳馬が初の直線1000mを54秒台で乗り切れば、合格だろう。来季は、前出のシンボリディスコになれるはずである。

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2015年08月03日

 2日の札幌11Rで行われた第63回北海道新聞杯クイーンステークス(3歳上牝馬オープン、GIII、芝1800メートル、10頭立て、1着賞金=3500万円)は、松田大作騎手騎乗の7番人気メイショウスザンナ(6歳、栗東・高橋義忠厩舎)がゴール寸前で差し切り勝ち。重賞初制覇を果たした。タイムは1分47秒1(良)。

 GI馬を差し切って、6歳牝馬が大金星を挙げた。鮮やかな決め手を披露して先頭でゴールを駆け抜けたのはメイショウスザンナ。7番人気の伏兵が、うれしい重賞初Vだ。

 レースは予想通りノットフォーマルが気合をつけて先行策。フレイムコードがピタリと2番手でマークする形になり、スタート後に行く気を見せたイリュミナンスが3番手に続く。さらに、1番人気に推されたレッドリヴェールも徐々に位置取りを上げて3番手を併走。ブランネージュはその後ろからレースを進めた。勝負どころでは後続も前との差を詰め、直線に向くと一団となっての叩き合い。満を持して仕掛けたレッドリヴェールが外から抜け出したが、道中後方2番手にいたメイショウスザンナが鋭い末脚で一気に迫る。ゴール前ではついにレッドリヴェールをとらえ、9回目の重賞挑戦で初勝利を挙げた。クビ差2着がレッドリヴェール。さらに1馬身1/4差の3着が4番人気のイリュミナンスだった。

 メイショウスザンナは、父アグネスデジタル、母グリーンオリーヴ、母の父サンデーサイレンスという血統。北海道新冠町・北星村田牧場の生産馬で、松本好隆氏の所有馬。通算成績は37戦5勝。重賞初制覇。高橋義忠調教師、松田大作騎手ともにクイーンS初勝利。

 2度目の重賞制覇となった松田騎手は「なかなか集中して走ってくれませんが、真面目に走ってくれればチャンスはあると思っていました。道中の手応えも良かったし、最後もしっかり伸びてくれました」と会心の差し切り勝ちを振り返っていた。

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2015年08月02日

2日の新潟11Rで行われた第15回アイビスサマーダッシュ(3歳上オープン、GIII、芝・直線1000メートル、14頭立て、1着賞金=3800万円、サマースプリントシリーズ第3戦)は、ミルコ・デムーロ騎手騎乗の1番人気ベルカント(牝4歳、栗東・角田晃一厩舎)が先行策から押し切って完勝。3度目の重賞勝ちを果たした。タイムは54秒1(良)。

 快速牝馬のスピードが、直線でフルに発揮された。1年4カ月ぶりの重賞Vを決めたのは1番人気のベルカント。4歳牝馬がミルコ・デムーロ騎手との新コンビで鮮やかに復活した。

 レースは外のベルカント、中のエーシントップがダッシュ良く前につけ、さらにヘニーハウンド、サカジロロイヤル、レンイングランドなども前々の位置を追走。レース中盤に入ってもベルカントは手応え十分で、追い出すと後続との差を広げる。馬群の中からシンボリディスコ、さらにアースソニックもゴール前で猛追するが、ベルカントは1000メートル戦としては完勝といえる2馬身差でV。重賞3勝目を飾った。2着は9番人気のシンボリディスコ。さらにハナ差の3着には4番人気アースソニックが入っている。

 ベルカントは、父サクラバクシンオー、母セレブラール、母の父ボストンハーバーという血統。北海道新ひだか町・土居忠吉氏の生産馬で、前田幸治氏の所有馬。通算成績は13戦4勝。重賞はGIIIファンタジーS(2013年)、GIIフィリーズレビュー(14年)に次いで3勝目。角田晃一調教師、ミルコ・デムーロ騎手ともにアイビスサマーダッシュ初勝利。

 M.デムーロ騎手は「ストレート(直線コース)は大好き。でも日本では少ない。だから新潟は楽しみにしていたし、すごいよかった。(角田)先生も、(騎乗経験のある)ユタカも、ずっと言っていた。“いつもいいスピードがある”と。いいポジションで、最後も伸びたね」と日本唯一の直線芝コースで重賞Vを果たし、満面の笑みを浮かべていた。

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2015年08月01日

 直線1000mは初挑戦だが、十分すぎるほどの適性があると推測して、4歳牝馬ベルカント[13](父サクラバクシンオー)に期待したい。

 3歳春に桜花賞トライアルを好位から抜け出して勝ったあと、桜花賞以降は【0-0-0-7】の不振。まして前回は枠順確定後の出走取り消しだが、不成績は自身の体調、距離、相手関係など、さまざまな要因が重なったためで、早熟タイプのカベに当たったわけではないと思える

 連敗中でも、昨秋のスプリンターズSの内容は少しも悲観するには及ばない。ムキになって先手にこだわることなく好位のインで我慢し、直線は先頭に並ぶ場面があった。発表は良でも実際は渋馬場。内から伸びている。外に回って勝ったスノードラゴンとは0秒1差だけ。馬場状態を考えれば、大好走だろう。

 桜花賞トライアル時もそうだったが、ムキになって飛ばす馬ではなく、新潟の直線1000mに不可欠な道中のタメが、最初から利く自在型である。

 ベースになる1200mの持ち時計1分07秒8は平凡だが、新潟の芝は地盤からの整備方法が変わり、超高速のコンディションではなくなってきている。他場の前半ハロンを楽に33秒1〜3で行ければ、合格だろう。

 サクラバクシンオーの牝馬は、08〜09年にカノヤザクラが連勝している。

 引いたのは、幸運にも外から2番目。行く気なら、先手を取ることも可能な枠順であり、ミルコ・デムーロ騎手なら、鞍上チェンジにも不安はない。

 この重賞、最近10年間に牝馬が7勝もする「夏の牝馬重賞」に近く、過去14回、牝馬が馬券圏内に入らなかったことは1度もないのも、枠順や、斤量を考えると、ベルカント向きのレースを暗示している気がする。

 たまたま両隣りは出足の良くないライバルでもある。ふつうに出るとき、ムリすることなく先頭集団の外につけられるはずである。

 昨年、小差3着のアースソニックと、まだ陰りなしの昨年の勝ち馬セイコーライコウ。もう1頭ヘニーハウンドが相手本線。以下はオッズを見つつの抑え。

selvas2 at 17:39コメント(0) 
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