2015年09月

2015年09月30日

(CNN)
南太平洋の海底で海洋生物の調査を行っていた米国の研究チームが、緑と赤の蛍光色を放つウミガメに遭遇し、映像の撮影に成功した。爬虫類の蛍光発光が確認されたのは初めてだという。

発光ウミガメはニューヨーク市立大学の海洋生物学調査団が7月下旬、南太平洋のソロモン諸島付近で泳ぐ姿をカメラに収め、28日に映像を公開した。発光していたのはウミガメ科のタイマイで、海中のサンゴ礁を撮影していたところ、照明の中に入って来たという。同大のデービッド・グルバー氏は「思いがけない姿に誰もが驚いた」と話している。

生物の蛍光発光現象はこれまでに、サンゴやカニなどの節足動物、サメや魚類など200種あまりで確認されている。

発光は一般的に、獲物をおびき寄せたり外敵から身を守ったりするなどの役割を果たす。カメの発光はカムフラージュの助けになっている可能性もあるが、理由はまだ解明できていない。

タイマイは個体数が激減して絶滅危惧種に指定されており、保護や生態の調査を急ぐ必要があるとグルバー氏は指摘している。

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シリウスSは、阪神・ダート2000mを舞台に行われているGIII のハンデキャップレース。
秋のダート重賞戦線の開幕を告げるレースで、12月のGI・チャンピオンズCを目指す馬たちが集結し、
毎年ハイレベルな戦いが繰り広げられている。
昨年の本レース2着馬のナムラビクターは、みやこS3着を経て臨んだチャンピオンズCで2着に好走。
本レースでの好走をその後の活躍につなげたひとつの例と言えるだろう。
今年も、ダート界の頂点を目指す東西の実力馬がエントリー。
ハンデキャップレースらしい、ゴール前で二転三転する戦いが見られそうだ。

ダノンリバティ(牡3・音無秀孝)は、叔父にダートのGI・JpnI 9勝を挙げたヴァーミリアンがいる血統。本馬は、デビューから今年の春シーズンまで芝路線を進み、毎日杯2着などの成績を挙げた。前々走のレパードSからダート路線に転向し、これを2着に好走すると、前走のオープン特別・BSN賞(新潟・ダート1800m)では、好位追走から最後の直線で抜け出す強い競馬で快勝した。血統背景が示すダート適性の高さをアピールしたと言える。この中間も調教で力強いフットワークを見せており、引き続き好調を維持している。今回、初の重賞制覇に向けて視界は明るい。

ナムラビクター(牡6・福島信晴)は、昨年の本レースの2着馬。みやこS3着を挟んで出走したGI・チャンピオンズCでも、勝ち馬のホッコータルマエに次ぐ2着に好走した。今回は前走の平安S(4着)以来約4か月半ぶりの実戦になるが、放牧先から栗東トレーニング・センターへ帰厩後は同坂路で入念な乗り込みを消化しており、出走態勢は着々と整っている。今回の舞台となる阪神・ダートコースでは、これまで6戦して〔3・1・2・0〕と一度も4着以下に敗れたことがなく、相性のいい舞台と言える。昨年のアンタレスS以来となる自身2度目の重賞制覇を飾って、勢いに乗りたいところだ。

ランウェイワルツ(牡4・音無秀孝)は、3歳時の昨年にオープン特別の伏竜S(中山・ダート1800m)を優勝し、重賞でも、レパードS3着、みやこS2着など強敵を相手に好成績を収めた。今夏のクラス再編成で1600万下クラスに降級したが、前々走の1600万下・KBC杯(小倉・ダート1700m)を快勝してオープンクラスへ復帰。1番人気の支持を受けた前走のオープン特別・阿蘇S(小倉・ダート1700m)は3着に敗れたが、1コーナーでつまずくアクシデントがあっただけに、今回、巻き返しのシーンは十分にありそうだ。念願の重賞タイトルに手が届くかもしれない。

アウォーディー(牡5・松永幹夫)は、芝で4勝を挙げている馬だが、前走の1600万下・オークランドレーシングクラブT(阪神・ダート1800m)で初めてダートに参戦。レースでは、中団のやや後ろを追走する展開から最後の直線で追い出されると、機敏な反応を示して先行勢をかわし、勝利を飾った。ダートで新境地を開拓したと判断していいだろう。母が2005年の天皇賞(秋)を制覇したヘヴンリーロマンスという血統背景から、まだまだ成長が見込める馬。引き続きダートにエントリーする今回、前走Vの勢いに乗って重賞初制覇に挑む。

マルカプレジオ(牡7・今野貞一)は、前走のアンタレスS(13着)以来約5か月半ぶりの実戦になるが、9月に入ってから栗東トレーニング・センターで入念に乗り込まれており、仕上がり面に不安はなさそうだ。本馬は、これまでに挙げた全7勝のうち3勝を今回の舞台となる阪神・ダート2000mでマークしており、本レースはベストの条件と言えるだろう。実戦を重ねながら地力を強化してきたベテランホースが、重賞初制覇を果たすシーンがあっても驚けない。

グランドシチー(牡8・相沢郁)は、今年で8歳とベテランの域に入ったが、1月の東海Sでは最後の直線でしぶとく末脚を伸ばしてコパノリッキーに次ぐ2着に好走しており、能力に大きな衰えは感じられない。今回は5月の平安S(10着)以来の実戦となるだけに仕上がり面が鍵になるが、十分に乗り込みを重ねられており、今週の最終追い切りを消化すれば、出走態勢は整いそうだ。豊富なキャリアに加えて、パワフルな末脚は健在なだけに、先行勢が苦しくなるようなハイペースの展開になれば、大きく浮上してきそうだ。

ニホンピロアワーズ(牡8・大橋勇樹)は、これまでダートで13勝をマークしている古豪。重賞では、2012年のジャパンカップダート(現チャンピオンズC)を筆頭に7勝を挙げており、今回のメンバーに入っても実績面では上位にランクされる存在だ。今年で8歳と年齢的に全盛期のパフォーマンスを安定して発揮するのは難しいかもしれないが、GI ホースの底力を侮ることはできないだろう。今回、豊富なキャリアを武器に上位進出を目指す。

トウケイヘイロー(牡6・清水久詞)は、2013年にダービー卿チャレンジT、鳴尾記念、函館記念、札幌記念(函館・芝2000mで開催)と、芝の重賞で4勝を挙げた実績馬だ。今回は、デビューから27戦目にして初めてダートのレースにエントリー。適性は未知数だが、ここで好結果を出すことができれば今後の選択肢も広がるだけに、そのレースぶりに注目が集まる。

キクノソル(牡5・北出成人)は、ここまで24戦を走って、掲示板(5着以内)を外したのが4回だけという堅実性が魅力の馬だ。今年1月の1600万下・北山S(京都・ダート1800m)を逃げ切ってオープンクラス入りを果たすと、2走後のマーチSでは勝ち馬から0秒1差の4着に善戦。このクラスでも通用するめどを立てた。今回、先行してしぶとく粘る競馬ができれば、上位争いに加わってきそうだ。

トウシンイーグル(せん7・山内研二)は、昨年の本レースで勝ち馬のクリノスターオーから0秒3差の3着に善戦。今年3月のJpnII・ダイオライト記念(船橋・ダート2400m)では勝ち馬のクリソライトに次ぐ2着と好走しているように、豊富なスタミナが持ち味の馬だ。今回、昨年のようなパフォーマンスを発揮できれば、上位進出を果たしても不思議はない。

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2015年09月29日

中山・芝1200mで行われるスプリンターズSは、春の高松宮記念と並ぶ、JRAの芝・スプリント路線における最高峰のレース。
2012年と2013年の本レース連覇を果たしたロードカナロアが引退した後、スプリント路線は絶対的な王者が不在と言える状況。
今回も、昨年の本レース(新潟・芝1200mで開催)優勝馬のスノードラゴン、今春の高松宮記念を制したエアロヴェロシティ(香港)が不出走ということもあり、混戦ムードが漂っている。
そんな中、香港からの遠征馬リッチタペストリーを含む個性豊かなスピード馬がエントリーしており、スプリント界の頂点を目指す馬たちの攻防から目が離せない。

前々走のヴィクトリアマイルを優勝して、念願のGI タイトルを獲得したストレイトガール(牝6・藤原英昭)。約4か月の休み明けで臨んだ前走のセントウルSでは、終始馬場の外めを回る距離ロスがありながらも、勝ち馬のアクティブミノルからハナ+クビ+ハナ差の4着まで追い上げた。上位3頭(いずれも54キロ)より1キロ重い55キロの別定重量を背負っていたことを考慮すれば、あらためて地力の高さを示したと言える。芝1600mの距離でGI を制したが、今回の舞台となる芝1200mではこれまでの全9勝中8勝を挙げており、むしろベストと考えられる。実戦を1度使われた上積みが見込めるだけに、昨年の本レースで2着に敗れた雪辱を果たしたい。

ウリウリ(牝5・藤原英昭)は、初めて芝1200mの距離に参戦した前々走のCBC賞を優勝すると、前走のセントウルSでは、スタートで出遅れながらも、出走メンバー中最速となる上がり3ハロン32秒8(推定)の末脚を駆使して猛然と追い込み、勝ち馬のアクティブミノルとハナ差の2着まで追い上げた。高いスプリント適性を示しているうえに、前走で速い時計の決着に対応できたことも収穫と言える。今回、持ち味の瞬発力をフルに生かせるハイペースの展開になれば、最後の直線で前にいる馬をまとめて差し切るシーンが見られるかもしれない。

ベルカント(牝4・角田晃一)は、前々走のアイビスサマーダッシュと前走の北九州記念を連勝して、今年の『サマースプリントシリーズ』チャンピオンの座に輝いた。前走では、3頭の激しい先行争いから少し離れた好位を追走する絶好のポジション取り。本馬は、少し内にもたれる面を見せていたものの、鞍上の武豊騎手がうまく内めをさばいて残り200m付近で先頭に躍り出ると、後続の追撃を振り切って勝利を飾った。16日に栗東坂路で行われた2週前追い切りでは、馬なりで4ハロン51秒1、ラスト1ハロン12秒1の好時計をマーク。引き続き好調を維持している様子で、今回、初のGI タイトルを手に入れるシーンがあっても不思議はない。

ミッキーアイル(牡4・音無秀孝)は、前走の安田記念で好スタートを決めたが、道中で掛かり気味に追走した分最後の直線で余力が残っておらず、15着と大敗を喫した。昨年のNHKマイルC優勝を含め、これまでの全6勝中5勝を芝1600mの距離で挙げている馬だが、折り合い面を考えると芝1200mの方が合っていそうだ。今回は約4か月ぶりの実戦になるが、休み明けでも力を発揮できるタイプで、16日に栗東坂路で行われた2週前追い切りでは、4ハロン50秒8、ラスト1ハロン12秒8の好時計をマーク。順調な仕上がりを見せているだけに、今回のレースで巻き返しを果たしたい。

昨年の高松宮記念の優勝馬コパノリチャード(牡5・宮徹)は、前走の函館スプリントSで14着と大敗を喫したが、58キロの別定重量を背負っていたうえに、レースの前半600m通過タイムが33秒0というハイペースで追走に苦労していたことを考えれば、巻き返しの余地はあるはずだ。前述の高松宮記念を優勝した後の成績はGI 馬としてはもの足りないが、以前より脚質に幅が出ており、今春の高松宮記念で5着に入っているように、能力が衰えたわけではない。速い時計での決着に少し不安はあるが、約3か月半の休養で立て直しを図った今回、復活の勝利を目指す。

前走のセントウルS8着からの巻き返しを期すハクサンムーン(牡6・西園正都)。前走は、アクティブミノル(1着)にハナを譲って2番手に控えたが、外から被されることもなく、落ち着いたレース運びができていた。それだけに、最後の直線で本来の粘りが見られなかった点はもの足りないが、もともと、好走と大敗の波が大きいタイプ。前々走の高松宮記念では、勝ち馬のエアロヴェロシティ(香港)から0秒1差の2着に好走しており、能力の衰えは感じられない。これまでGI で2着2回。今回、念願のビッグタイトル獲得なるか、注目したい。

香港から遠征してくる外国馬リッチタペストリー(せん7・C.チャン)は、2014年にアメリカの国際G1・サンタアニタスプリントチャンピオンシップS(サンタアニタ・ダート1200m)を優勝したG1 ホース。また、UAEの国際G1・ドバイゴールデンシャヒーンでは、2014年(メイダン・オールウェザー1200m)が2着、2015年(メイダン・ダート1200m)が3着と、2年連続で好走している。今回は、速い時計が出やすい日本の芝コースへの対応が鍵になるが、ダート1200mで1分07秒台の走破時計があるだけに、十分にこなせそうだ。

前走のセントウルSを制したアクティブミノル(牡3・北出成人)。レースでは、スタートダッシュを決めて先手を主張し、前半600m通過タイム34秒0というマイペースに持ち込むと、最後の直線でもしぶとい粘りを発揮。最後は後続の追撃をわずかにしのいで重賞2勝目をマークした。これで、芝1200mの距離は3戦3勝と、まだ一度も負けていない。まだまだ成長の見込める3歳馬だけに、今回、GI の強力メンバーに入ってどこまで通用するのか、試金石の一戦になりそうだ。

前走のキーンランドCを優勝し、本レースへの優先出走権を獲得したウキヨノカゼ(牝5・菊沢隆徳)。前走では、道中は最後方を追走し、残り600m付近から進出を開始すると、直線入り口で先頭に立って押し切った。3歳時の一昨年にクイーンCを優勝して重賞初制覇を果たした後、脚部不安で約1年9か月に及ぶ長期休養を余儀なくされたが、目下2連勝と完全復活をアピールしている。今回、末脚の生きるハイペースの展開になれば、上位進出は可能だろう。

ビッグアーサー(牡4・藤岡健一)は、デビューから無傷の5連勝を達成した素質馬。前走の北九州記念で2着に敗れて連勝はストップしたものの、初めての重賞挑戦ながら最後の直線でしっかり末脚を伸ばして追い上げており、好内容と言えるレースぶりだった。4走前の1000万下・岡崎特別(中京・1200m)では、ティーハーフ(2着、のちに函館スプリントSを優勝)を抑えて快勝。この時にマークした1分08秒6の走破時計は、同日に同舞台で行われたGI・高松宮記念の勝ちタイム(1分08秒5、共に稍重)と遜色のないもので、本馬もGI 級の能力を秘めていると見ていいだろう。

ティーハーフ(牡5・西浦勝一)は、4走前の1000万下・千種川特別(阪神・芝1200m)→3走前の1600万下・彦根S(京都・芝1200m)→前々走の函館スプリントSと3連勝をマーク。前走のキーンランドCでは、3〜4コーナーで馬群に包まれて仕掛けが遅れた分スピードに乗りきれず3着に敗れたが、近走の充実ぶりが目立つ一頭だ。速いタイムでの決着に少し不安を残すものの、切れ味鋭い末脚は、今回のメンバーに入っても引けを取らないだろう。

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2015年09月28日

27日の中山11Rで行われた第61回産経賞オールカマー(3歳上オープン、GII、芝2200メートル、15頭立て、1着賞金=6500万円、1着馬に天皇賞・秋の優先出走権)は、池添謙一騎手騎乗の3番人気ショウナンパンドラ(牝4歳、栗東・高野友和厩舎)が中団追走から直線で豪快に差し切って快勝。昨年の秋華賞以来となる勝ち星を手に入れた。タイムは2分11秒9(良)。

 ゴール前は牝馬2頭の一騎打ち。内、外の位置は昨年の秋華賞と全く逆の形になったが、結果は今回もショウナンパンドラに軍配が上がった。外から鮮やかな差し切り勝ち。宝塚記念3着の実績を改めて見せつけた形だ。

 レースはマイネルミラノが内から積極的に先行。メイショウカドマツが2番手につけ、ロゴタイプ、メイショウナルトがその後ろを追走する。人気のヌーヴォレコルトも前の馬を見る5番手集団のインで競馬を進めた。マイネルミラノはよどみないペースに持ち込んで直線を迎えるが、直線半ばでは好位からロゴタイプが抜け出しを図り、ヌーヴォレコルトも最内を突いて鋭く伸びる。さらに大外から勢いよく伸びてきたのがショウナンパンドラ。ロゴタイプはこの争いから遅れて、牝馬2頭の一騎打ちとなったが、脚いろの違いであっさりと差し切り、ショウナンパンドラが1馬身1/2差で快勝した。ヌーヴォレコルトは2着で、さらに2馬身差の3着には7番人気のミトラが食い込んでいる。

 ショウナンパンドラは、父ディープインパクト、母キューティゴールド、母の父フレンチデピュティという血統。北海道白老町・(有)社台コーポレーション・白老ファームの生産馬で、国本哲秀氏の所有馬。通算成績は14戦4勝。重賞はGI秋華賞(2014年)に次いで2勝目。高野友和調教師、池添謙一騎手ともに産経賞オールカマーは初勝利。

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2015年09月27日

27日の阪神11Rで行われた第63回神戸新聞杯(3歳オープン、GII、芝2400メートル、15頭立て、1着賞金=5200万円、菊花賞トライアル=3着までに優先出走権)は、クリストフ・ルメール騎手騎乗の3番人気リアファル(牡、栗東・音無秀孝厩舎)が逃げ切って重賞初制覇。
2着リアルスティール、3着トーセンバジルとともに、菊花賞(10月25日、京都、GI、芝3000メートル)の優先出走権を獲得した。タイムは2分26秒7(良)。

 底を見せていない良血馬が、重賞の壁も楽々と突破した。断然人気のリアルスティールを寄せ付けず逃げ切ったのはリアファル。初めて芝に出走した前走を快勝した勢いに乗って、菊花賞トライアルも堂々と先手を取って押し切った。

 横一線のスタートからハナを切ったのがリアファル。外からティルナノーグが2番手につけ、レッドソロモン、ゼンノブレーメンが3番手に続く。人気のリアルスティールは中団でスムーズに折り合って追走した。リアファルはマイペースの逃げに持ち込んで、直線に向いても後続の追撃を寄せ付けない。外から脚を伸ばすリアルスティールが追いすがるものの、終わってみれば2馬身差の完勝。春の2冠馬ドゥラメンテが故障で不在の菊路線に、芝無敗の新星が誕生した。2着がリアルスティール。さらに2馬身1/2差の3着には、外から脚を伸ばした7番人気トーセンバジルが入り、菊花賞の優先権を獲得している。

 リアファルは、父ゼンノロブロイ、母クリソプレーズ、母の父エルコンドルパサーという血統。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬で、(有)キャロットファームの所有馬。通算成績は8戦4勝。重賞初勝利。音無秀孝調教師、クリストフ・ルメール騎手ともに神戸新聞杯は初勝利。

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2015年09月26日

最近では珍しくないが、牝馬が4頭も出走してきた。
牝馬が秋のGIシリーズの始動戦に相当するオールカマーを制すると、1997年の3歳牝馬メジロドーベル以来、18年ぶりになるという。
きょうはそのメジロドーベル(父メジロライアン)を祖母にもつ3歳牡馬マッサビエル(父ハービンジャー)が、神戸新聞杯に出走する。

今春3月の中山記念で、牝馬ヌーヴォレコルトに、内から差された不振、スランプ状態の5歳ロゴタイプの復活に期待したい。

皐月賞を1分58秒0のレコードで制して以降、【0-2-1-8】の不振だが、早熟性が出ているわけでも、能力のカベに当たっているわけでもなく、心身ともにもうひとつピリッとしないようなところがある。
父方のシングスピールにも、産駒のローエングリンにも、祖母の父リズンスター(父セクレタリアト)にも、素直で解りやすい種牡馬ではないようなところがあるから、難しい種牡馬の組み合わせによる、なんとなく完調になりにくいタイプなのかもしれない。

だが、今回の約半年間の休養で、古馬だから身体つきに大きな変化はなくても、柔軟性が戻り、動きが柔らかくなった印象がある。これで、当日に気合が充実してくるなら、皐月賞当時はともかく、ほぼ満足のいく状態に戻れるのではないかと考えたい。

ヌーヴォレコルトにインから差された中山記念は、態勢とすると、必勝パターンに持ち込みながら、気力が伴わずに屈したが、同じような形になるなら、今回は負担重量も2キロ差だけ。しのぎ切れるはずである。

中山コースは、通算【3-2-1-0】。ミルコ・デムーロ騎手とは3戦3勝。休み明けが応えるタイプではなく、今回は反撃の絶好のチャンスだ。父ローエングリンも、何度も何度も立ち直って勝っている。

ローエングリンの種付け頭数は、08年から順に、「95、71、55、46、30、176、112」と推移して、今年15年は、「64頭」。ロゴタイプ、ゴットフリート(きょうの中山10Rに出走)などが脚光を浴びた2013年には、ローエングリンらしくない「176頭」もの交配をこなしている。その年の産駒が2歳になってデビューするのは、来年。

種牡馬ローエングリンの真価が問われることになる。ロゴタイプ、ゴットフリートは、スランプを続けている場合ではない。

ヌーヴォレコルト、Cコースに変わって強気に出そうなマイネルミラノが相手の本線。穴は、気配のいいマイネルフロストだろう。

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2015年09月25日

神戸新聞杯は菊花賞のトライアルレースで、3着馬までに優先出走権が与えられる。
例年、ダービーで好走していた馬たちが集まるレベルの高いレースで、
1番人気馬は6勝、2着2回と安定している。
また、10年のうち9年で、前走、ダービーで5着までの馬たちが勝っているレースでもある。
指数上は、過去10年、指数上位馬が上位を占め、圧倒的に強い傾向が続いている。

今年は、リアルスティール、バイガエシ、タガノエスプレッソ、レッドソロモン、アルバートドック、トーセンバジルなどが指数の上位馬たちだ。
今年のダービー出走組は4着のリアルスティールと、13着のタガノエスプレッソの2頭だけ。
指数上位馬でダービーも5着以内という勝ち馬の条件からすると、中心はリアルスティールをおいてなさそうだ。
リアルスティールは新馬勝ちのあと、共同通信杯も勝って、スプリングS2着、皐月賞2着、ダービー4着と、
クラシック戦線で常に上位で戦ってきた。
自己ベストの指数は皐月賞での88だが、その指数は、皐月賞、ダービーを連勝したドゥラメンテにつぐもので、世代のナンバー2といってよいレベルにある。
ここはダービーと同じ距離のレースで、スローペースにも対応できる差し脚も信頼できる。
ここは不動の中心馬として推したい。

 オールカマーは指数上位馬が圧倒的に強いレースだったが、ここ3年は指数上位馬が連対もできず、
苦戦が続いている。
前走、宝塚記念などのG1戦や、札幌記念なとのG2戦に出走していた馬たちが8勝をあげているのが特徴だろう。
今年の指数上位は、マイネルフロスト、サトノノブレス、ミトラ、マイネルミラノ、ロゴタイプ、ショウナンパンドラ、ヌーヴォレコルトなど。
実績では皐月賞などG1を2勝しているロゴタイプが最上位。
オークス馬ヌーヴォレコルト、秋華賞馬ショウナンパンドラもG1馬だ。
逃げるのはマイネルミラノ。とするとスローペースはなさそうで、
先行するにしても、差し脚を使うにしても、ある程度スタミナが求められるレースになるだろう。
逃げ先行馬ではマイネルミラノ、マイネルフロスト、ロゴタイプ、レッドレイヴンなどが上がってくる。
上がりの脚ではサトノノブレス、ショウナンパンドラ、ヌーヴォレコルト、ミトラなども条件を満たす。
 
本来なら、ロゴタイプが中心にならなければと思うが、近走は先行して粘るものの、直線の叩き合いで切れる脚が発揮できず、勝てないレースが続いている。
この相手ならとは思うが、取りこぼしもありそうな気がしてならない。
逃げるマイネルミラノからの手もありそうだし、レッドレイヴン、マイネルフロストも気になる存在だ。
切れる脚ならサトノノブレスが最上位で、先行馬たちのペースが上がるようなら、後方一気の差し脚で勝負になるかもしれない。
いずれにしても、今年も難解なレースだ。


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阪神・芝2400mを舞台に争われる神戸新聞杯は菊花賞のトライアルレースで、3着までの馬に本番への優先出走権が与えられる。過去5年の菊花賞優勝馬5頭は、全てこの神戸新聞杯をステップにしており、そのうちの3頭(2011年オルフェーヴル、2012年ゴールドシップ、2013年エピファネイア)が本レースと菊花賞を見事連勝。一方、2頭(2010年ビッグウィーク、2014年トーホウジャッカル)が本レース3着から菊花賞を制している。対象を過去10年に広げてみると、2006年のソングオブウインドと2008年のオウケンブルースリも神戸新聞杯3着から菊花賞優勝を成し遂げており、前述の2頭を含め、これらはみな夏の上がり馬が本レースを起点に大きく羽ばたいたケースだった。今年も好メンバーがエントリー。クラシック最後の一冠への優先出走権を懸けた熱戦が期待される。

本レースは3日間開催の翌週に行われることもあり、最終追い切りを木曜日に行う陣営が大半になりそうで、調教内容も、通常よりも少しセーブされたものが予想される。そのため、1週前追い切りの動きがいつも以上に重要になると見ていいだろう。リアルスティール(牡3・矢作芳人)は、17日に栗東CWコースで行われた1週前追い切りで、6ハロン81秒2、ラスト1ハロン11秒9をマーク。雨の影響で時計がかかる馬場コンディションだったことを考慮すれば、なかなかの負荷をかけられた調教と言えるだろう。前走の日本ダービー(4着)の後に左前脚の骨折が判明して休養に入ったが、1週前追い切りの動きを見る限りでは、不安はそれほどなさそうだ。前走で最後のもうひと伸びを欠いたことから、今回も芝2400mの距離の克服が鍵になるが、それでも、主役候補の一頭であることに変わりはないだろう。

キロハナ(牡3・池江泰寿)も、今回が骨折休養明けの一戦となる。こちらは約7か月という長期休養からの復帰初戦のうえに重賞初挑戦となるだけに、越えるべきハードルは決して低くないが、それでも高い期待を感じずにいられないのは、重賞級の素質馬がそろう池江泰寿厩舎の中でも調教での動きが目立つため。今年の日本ダービー2着馬サトノラーゼンに先着した10日の2週前追い切りはもちろん、併走馬のサトノノブレス(古馬オープン)と互角以上の動きを披露した16日の1週前追い切りの内容も良かった。菊花賞出走のためには本レースで3着以内に入る必要があるが、あっさりとクリアしそうなムードが漂っている。

アルバートドック(牡3・松田博資)は、前々走の京都新聞杯で3着に敗れて日本ダービー出走はかなわなかったが、前走のオープン特別・白百合S(京都・芝1800m)を優勝して収得賞金の加算に成功。夏の暑い時季を休養に充てることができた。栗東トレーニング・センターへ帰厩後の調整は順調で、春の好調時に近い動きを見せており、馬体にも芯が入ってきた印象を受ける。16日に同CWコースで行われた1週前追い切りでは、6ハロン85秒5、ラスト1ハロン12秒0をマーク、3頭の併せ馬で最先着を果たしている。今回、休み明け初戦から好勝負が期待できるだろう。

リアファル(牡3・音無秀孝)は、初めて芝のレースに挑んだ前走の1600万下・マレーシアC(中京・芝2000m)で逃げ切り勝ち。3歳7月の段階で他世代の馬が相手の1600万下クラスのレースを勝ちきった実力は評価できる。16日に栗東坂路で行われた1週前追い切りでは、4ハロン50秒8、ラスト1ハロン13秒0の好時計をマーク。上々の動きを見せており、2か月余りの休み明けでも力を発揮できそうだ。今回も好結果を出すことができれば、本番の菊花賞で楽しみな存在になるだろう。

ティルナノーグ(牡3・松永幹夫)は、昨年6月のメイクデビュー阪神(芝1800m)→10月の500万下・紫菊賞(京都・芝2000m)を連勝し、デビュー2連勝を達成した素質馬。その後の重賞戦線で好成績を挙げることはできなかったが、約3か月の休み明けで臨んだ前走の1000万下・信濃川特別(新潟・芝2000m)を快勝して通算3勝目を挙げた。今回、実戦を1度使われた上積みが見込める点は大きなプラス材料で、16日に栗東坂路で行われた1週前追い切りでもいい動きを見せていた。ここも好勝負が期待できるだろう。

マッサビエル(牡3・小笠倫弘)は、初めて他世代の馬と対戦した前走の1000万下・芦ノ湖特別(東京・芝2400m)優勝を含めここまで4戦3勝2着1回と、まだ能力の底を見せていない。距離を延ばしながら好成績を残しているうえに、末脚も一段と鋭さを増してきた印象を受けるだけに、本レースだけではなく、先々まで注目したい一頭だ。今回は、前走から約3か月の休み明けに加えて、初の関西圏への長距離輸送と、越えるべきハードルは決して低くないが、菊花賞出走を確実なものにするためにも、3着以内に入りたい。

レッドソロモン(牡3・庄野靖志)は、前々走の皐月賞トライアル・若葉S(阪神・芝2000m)を優勝して本番への優先出走権を獲得したものの、両前脚の骨膜炎が判明したため皐月賞出走を断念し休養に入った。5か月余りの休み明けで臨んだ前走の1600万下・2015ワールドオールスタージョッキーズ第2戦(札幌・芝2000m)では、他世代の馬と初対戦ながら3着に健闘し、あらためて能力の高さを示した。今回は、実戦を1度使われた上積みが見込めるだけに、前走以上のパフォーマンスが期待できる。

サラトガスピリット(牡3・友道康夫)は、豊富なスタミナがセールスポイントの馬だ。前走の500万下(小倉・芝2600m)を優勝して2勝目をマーク。ゴール前では鞍上の和田竜二騎手が手綱を抑える余裕があっただけに、1/2馬身という着差以上に強さを感じさせる内容だった。菊花賞出走のためには、今回、3着以内に入って優先出走権を獲得する必要があるが、相手強化となる本レースで好走できるようならば、本番の菊花賞での走りも楽しみになってくる。

トーセンバジル(牡3・藤原英昭)は、春のクラシックには参戦できなかったが、前々走の京都新聞杯では、1着馬のサトノラーゼン(次走の日本ダービーで2着)から0秒1差、3着馬のアルバートドックとはアタマ差の4着と接戦を演じており、上位馬とそれほど力の差はなさそうだ。菊花賞の大舞台に進むためにも、今回のレースで3着以内に入りたい。

バイガエシ(牡3・作田誠二)は、年明けの500万下・福寿草特別(京都・芝2000m)を優勝して2勝目を挙げたが、その後は順調さを欠き、春のクラシック参戦はかなわなかった。前走の1000万下・2015ワールドオールスタージョッキーズ第4戦(札幌・芝1800m)では、勝ち馬とクビ差の2着に好走しあらためて能力の高さを示しており、今回、好勝負を演じても不思議ではない。

ワンダーアツレッタ(牡3・河内洋)は、先週の1000万下・能勢特別(阪神・芝2000m)を快勝して3勝目をマーク。先行集団を前に見る形で中団を追走し、最後は後続に3馬身の差をつけたレース内容は、高い評価ができるものだった。今回は連闘での重賞挑戦に加えて、前走の内回りコースから瞬発力が必要な外回りコースの芝2400mに舞台が替わるが、目下の勢いを侮ることはできない。

その他にも、レースセンスの高さを武器にこれまでの7戦全てで掲示板(5着以内)を確保しているサンライズセンス(牡3・河内洋)、昨年11月のデイリー杯2歳Sを優勝して重賞初制覇を達成するなど、今回の登録メンバーの中では実績上位と言えるタガノエスプレッソ(牡3・五十嵐忠男)など、伏兵陣も虎視眈々と上位進出を狙っている。

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2015年09月24日

先週の京成杯AHとまったくそっくりに「1着から10着」まで「0秒4差」の接戦
 きわめて興味深い大接戦が展開された。上位はほとんどが微差の写真判定であり、1週前のメインが再生されたかのようなゴール前だった。「1着から10着」までがわずか「0秒4差」。横一線にも近い小差で決着したのは先週の京成杯AHだが、このセントライト記念もまったくそっくり、「1着から10着」まで「0秒4差」の接戦に持ち込まれたのである。

 混戦の京成杯AHで、掲示板に載った上位人気馬は、馬券に関係しない4着に「3番人気」の馬がかろうじて食い込んだだけ。このセントライト記念も同じ。かろうじて着順掲示版に載ったのは「3番人気」のベルーフが差のない5着に踏みとどまったのみ。人気の1、2番人気馬は全然惜しくない5着以下だった。

 京成杯AHのゴール前が大接戦に持ち込まれたのは、みんな納得である。ああいういう接戦になるのが理想のハンデ戦だから、決定的な差がついたりしては興ざめになりかねない。

 しかし、セントライト記念は「菊花賞のトライアル」である。注目の有力馬は大半が休み明けだから、トライアルらしい結果はそれはそれで仕方がないが、日本ダービー2着のサトノラーゼン(父ディープインパクト)は、ゴール前は伸び負けして、伏兵に差し返されて7着。2番人気のブライトエンブレム(父ネオユニヴァース)はちょっとスパートしかかっただけの10着。5着した3番人気のベルーフ(父ハービンジャー)も、差は0秒2とはいえそう惜しい内容ではなかった。

 乱暴なレース全体の短評は、「菊花賞候補がこんなにいっぱいいるわけがない。よって、本番の結果は推して知るべし…」となりかねない。関西の池江厩舎のサトノラーゼンと、ベル―フは、レースの前に「なぜ、神戸新聞杯ではなく、セントライト記念に遠征してくるのだろう」。さまざまな推測はできても、正直、どうしてこういうレース選択になるのか不透明の部分があった。注目の候補が7着と5着にとどまり、これはトライアルにすぎないからみんな納得だが、「しかし、それにしても…」というのが共通の感想である。

 レース全体の流れは「61秒1-(12秒6)-60秒1」=2分13秒8。先週の京成杯AHも、紫苑Sも良馬場の1600〜2000mで概算「0秒8〜1秒0」くらいは平均より時計を要する芝コンディションに変化しているから、タイムでレースレベルを推し測るのは難しい。

 また、はっきりスローだったため、4コーナーを回る地点で先頭のミュゼエイリアン(父スクリーンヒーロー)も、勝ったキタサンブラック(父ブラックタイド)も、ともに手綱を押さえたまま後続が並びかけてくるのを待っている。最後の2ハロンに、レースの中で最高と2番目に速い「11秒5-11秒6」が刻まれた。新潟なら再三出現するが、ゴール寸前が急坂の中山ではめったにみられない特殊なラップである。最後の2ハロン「23秒1」は、実は同じような大接戦になった京成杯AHの直線「11秒3-11秒8」=23秒1と、まったく同じ最終2ハロンである。

 クッション性を高めるためのエアレーション作業をほどこされた「現在の中山の芝」では、直線が短いゆえ、スローだとこういう似たようなラップの後半だけの勝負になりやすいのだろうか。これはどんな馬でも乗り切れる最終2ハロンであり、だから、「大接戦」になるのだろうか? いつもの年以上に、菊花賞と結びつけるのが難しいトライアルではないだろうか(最近10年では、2着馬にセントライト記念組が3頭いるだけ)の印象が残った。

 勝ったキタサンブラック(母の父サクラバクシンオー)は直前の猛調教がきいて、馬体重は増えていてもスッキリ映った。春より胴長に変化した印象もある。距離3000mが歓迎ではないのは確かだが、ふと、2002年の菊花賞で小差3着したメガスターダム(父ニホンピロウイナー)を連想してしまった。距離不安がささやかれて、皐月賞は5着(16番人気)、日本ダービーは4着(9番人気)だったが、マイルの王者ニホンピロウイナー産駒でも距離延長はほとんど苦にしないと判明した菊花賞では、3番人気でヒシミラクルの0秒1差の3着。皐月賞、日本ダービーよりずっと中身の濃いレースを展開している。みんなに距離の死角があるのが現在だから、3000mが厳しい流れになる可能性は低い。陣営も、菊花賞挑戦に決断がついたはずである。

 ミュゼエイリアンも勝ったキタサンブラックと同様、長丁場になってさらに良さが生きるタイプではないだろうが、評価急上昇のスクリーンヒーロー(その父グラスワンダー)産駒で、母の父エルコンドルパサー。自在のペースで先行できるから侮れない。たぶんスローで行ける。

 ジュンツバサは、500キロ以上あるのではないかと思わせるスケールあふれる身体で、同じステイゴールド産駒では、フェノーメノを思わせる素晴らしい体つき。初期の産駒とは違い、いかにも父の評価が上がってからの産駒を思わせる。母は、1999年のセントライト記念を勝ったブラックタキシード(父サンデーサイレンス)の半妹。インからねじ込むように3着した勝負強さは光った。キャリアを考えると、1、2着馬に少しも見劣らない。

 人気のサトノラーゼンは柔らかい体と、日本ダービー2着馬らしさがかもしだす雰囲気で上回ったが、レース内容は案外の7着。日本ダービー好走が近年の人気馬にしては珍しい10戦目だったから、使って良くなるタイプは間違いない。セントライト記念出走は、神戸新聞杯組より本番との間隔に余裕がもてる利を、菊花賞で生かしたい。でないと、セントライト記念出走はいったいなんだったのだ、となりかねない。

 同じ池江厩舎のベルーフ(父ハービンジャー)は、好スタートから巧みに下げて直線は突っ込んだが、つつまれ気味。ハービンジャー産駒は、(個人的には)インの隙間を探すようなセコいレースは合わない気もするが、今回は内枠だったからあれが最善策か。本番は秋3戦目。サトノラーゼンとともに、あえて王道の神戸新聞杯ではなく、一般には菊花賞とは結びつかないとされるセントライト記念をステップにした意味があったことを、本番で示したい。

 期待したブライトエンブレム(父ネオユニヴァース)はうまく仕上がっていたが、パドックで歩き始めると、お上品に映ってしまい、菊花賞を展望する馬らしい迫力がなかった。立て直しには成功したが、大切な時期の5か月の休養は予想されたよりはるかに痛い、文字通りの「ブランク」になってしまったのかもしれない。このあとの変身、成長に期待したい。

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激しい嘔吐(おうと)や下痢を引き起こすノロウイルスの新型が今年初めから国内で感染を広げていることが、川崎市健康安全研究所と国立感染症研究所などのチームの調査で分かった。一部地域では集団食中毒も相次いでいる。人が免疫を持っていないため、例年ノロウイルスの感染者が増える秋から冬にかけて大流行の恐れがあるとして、警戒を呼びかけている。

 ノロウイルスは感染性胃腸炎や食中毒の原因となり、感染すると高熱が出て嘔吐や下痢を繰り返す。生の魚介類や感染者の嘔吐物から感染が広がり、体力がない高齢者や子供で重症化する例が多い。誤嚥(ごえん)性肺炎を併発して死亡する場合もある。

 研究チームが関東・甲信地方の4自治体(埼玉、栃木、長野各県と川崎市)で昨年以降に検出されたノロウイルスの遺伝子型を調べたところ、「G2・17」という新たな型が今年に入って急増し、例年主に流行する「G2・4」型を大きく上回ったことが分かった。

 川崎市では「G2・17」が原因で起きた高齢者施設や保育所での食中毒の集団発生が、8月末までに19件36人に上る。最近は関西でも検出報告があるほか、中国や台湾でも流行が確認されている。

 研究チームの岡部信彦・同市健康安全研究所長は「過去最悪の感染者が出た2006年のような大流行も考えておくべきだ。新型だからといって特別な対策が必要なわけではなく、十分な手洗いや二枚貝の加熱調理を徹底してほしい」と呼びかけている。

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産経賞オールカマーは芝・中長距離路線を歩む強豪たちが秋の始動戦として選択するケースが多く、過去10年の本レースの優勝馬には、2007年から2009年まで3連覇を達成したマツリダゴッホ、2011年のアーネストリーなどのスターホースの名前が見える。また、夏競馬を使われて力をつけた上がり馬の参戦が多いことも特徴のひとつとなっている。昨年は中山競馬場のスタンド等整備工事のため新潟・芝2200mで行われたが、今年は中山・芝2200mに舞台が戻る。爽やかな秋空の下で繰り広げられる熱戦から目が離せない。

ショウナンパンドラ(牝4・高野友和)は、昨年の秋華賞を1分57秒0の好タイムで優勝し、重賞初制覇をGI の大舞台で達成した。3歳春の牝馬クラシックには参戦できなかったが、夏の新潟遠征を機に地力を強化し、見事にビッグタイトルを手中に収めた。4歳の今年は、3走前の産経大阪杯で9着、前々走のヴィクトリアマイルで8着に敗れたが、前走の宝塚記念では、牡馬の強敵が参戦する中で3着に好走。今後へつながる優秀な内容を残して上半期を終えた。夏の暑い時季は放牧で英気を養い、栗東トレーニング・センターへ帰厩後は、順調な乗り込みを消化している。今回、休み明け初戦から優勝争いが期待できそうだ。

ヌーヴォレコルト(牝4・斎藤誠)は、3歳時の昨年に桜花賞3着、オークス優勝、秋華賞2着、エリザベス女王杯2着と、牝馬限定GI で好成績をマーク。JRA賞最優秀3歳牝馬のタイトルこそ獲得できなかったが、同世代屈指の実力を持っていることは間違いない。4歳を迎えた今年は、3走前の中山記念で牡馬のGI 馬2頭(2着ロゴタイプ、5着イスラボニータ)を破って自身3度目の重賞制覇を達成。前々走のヴィクトリアマイルは6着、前走の宝塚記念も5着と近2走の結果は案外だが、放牧でリフレッシュしての出走となる今回、巻き返しが期待される。

ロゴタイプ(牡5・田中剛)は、2歳時の2012年に朝日杯フューチュリティSを、3歳時の2013年春には皐月賞を優勝しており、今回のメンバーの中に入っても実績面では上位と言える馬。皐月賞優勝後は休養が多かったこともあり勝ち星から遠ざかっているが、5歳になった今年は、4走前の中山金杯で2着、前々走の中山記念でも2着に入っており、久々の重賞制覇は近そうな雰囲気が漂っている。前走の産経大阪杯(5着)の後は体調が整わず放牧へ出され、今回は約5か月半ぶりのレースとなるが、9月3日に美浦トレーニング・センターへ帰厩した後は、順調に調整が進められている。休み明けでも力を出せる気性だけに、今回、得意の中山・芝コースで完全復活を果たしたいところだ。

マイネルミラノ(牡5・相沢郁)は、3走前のオープン特別・巴賞(函館・芝1800m)を鮮やかに逃げ切って優勝。前走の新潟記念では、パッションダンス(1着)と接戦を演じてアタマ差の2着に好走しており、重賞のタイトルこそまだ獲得していないものの、着実に地力を強化している印象を受ける。また、前走では2番手を追走する形で連対を果たしたように、脚質に幅が出た点もプラス材料と言える。これまでの全6勝中4勝を記録している中山・芝コースは最も相性のいい舞台。夏の暑い時季を順調に使われた好調さを生かして、今回、重賞初制覇に挑む。

ミトラ(せん7・萩原清)は、昨秋の福島記念を優勝して待望の重賞初制覇を達成。それまでは芝1600m以下の距離を中心に活躍していた馬だけに、距離の面でも新境地を開拓したと言える。さらに、今年初戦となった前々走のアメリカジョッキークラブCでも2着に好走しており、地力強化は間違いない。今回は、前走の中日新聞杯(5着)以来約6か月半ぶりの実戦になるが、放牧先で乗り込みを重ね、美浦トレーニング・センターへ帰厩後も軽快なフットワークを披露している。上々の仕上がりでレースを迎えられそうで、復帰初戦から注目が必要だろう。

マイネルフロスト(牡4・高木登)は、5月17日に行われた前走の国際G1・シンガポールエアラインズインターナショナルC(クランジ・芝2000m)で4着に健闘。今回は約4か月半ぶりの実戦になるが、放牧での休養を経て、美浦トレーニング・センターへ帰厩後は坂路と南Wコースを併用して順調に調整が進められている。3歳時の昨年春には毎日杯を優勝し、日本ダービーでも3着に好走した世代上位の実力馬。今回、これまで勝ち星を挙げられていない中山・芝コースが舞台でも、好勝負ができるはずだ。

ゴールドアクター(牡4・中川公成)は、8か月余りの休み明けで臨んだ前走の1000万下・洞爺湖特別(函館・芝2000m)を快勝して通算4勝目を挙げた。ここまで10戦して4勝2着2回3着1回をマーク。その中には、昨年秋の菊花賞3着も含まれており、1600万下クラスからの格上挑戦となる今回も、実力面では見劣りしない。16日に美浦南Wコースで行われた1週前追い切りでは、力強いフットワークで6ハロン81秒台、5ハロン65秒台を計時したように、体調面も良さそうだ。今回、重賞初制覇を果たすシーンがあっても不思議ではない。

サトノノブレス(牡5・池江泰寿)は、3歳時の一昨年秋に菊花賞で勝ち馬のエピファネイアに次ぐ2着に好走。4歳時の昨年には日経新春杯と小倉記念を優勝して本格化をアピールしている。今回は前走となった今年の日経新春杯(11着)以来約8か月半の休み明けで仕上がり面が鍵になるが、栗東トレーニング・センターへ帰厩後は順調に乗り込みが進められており、十分に出走態勢は整いそうだ。気性的に休み明けは苦にしないタイプ。ここで好結果を残して、再びGI の大舞台に上がりたい。

レッドレイヴン(牡5・藤沢和雄)は、これまでにオープン特別を2勝し、重賞でも再三掲示板(5着以内)を確保している馬。レースで披露する鋭い末脚は魅力十分だ。前走の函館記念では、16頭立ての7枠13番からのスタートで終始外めを回る展開になって5着に敗れたが、内を回る形でスムーズなレースができていれば、結果は違っていたはずだ。今回は放牧でリフレッシュしてのエントリー。中山・芝コースはこれまで3戦2勝と良績を残しているだけに、勝機を見出せるだろう。

マリアライト(牝4・久保田貴士)は、今夏のクラス再編成を経て1600万下クラスからの格上挑戦で臨んだ前走のマーメイドSで、勝ち馬のシャトーブランシュから0秒1差の2着。これからの活躍が楽しみな能力の持ち主だ。今回は約3か月半ぶりの実戦となるだけに仕上がり面が鍵になるが、16日に美浦南Wコースで行われた1週前追い切りでは、6ハロン81秒台、5ハロン66秒台をマーク。急ピッチで調整が進められている。これまで3戦2勝3着1回と相性のいい中山・芝コースで、初の重賞タイトル奪取に挑む。

マジェスティハーツ(牡5・松永昌博)は、3走前の鳴尾記念で勝ち馬のラブリーデイ(次走で宝塚記念優勝)に次ぐ2着に好走するなど地力強化が目を引く馬。夏の暑い時季も休まずレースを使われているが、疲れは感じさせず、この中間も調教できびきびとした動きを披露している。前走の新潟記念(10着)は、切れ味をそがれる馬場コンディション(稍重)になって本馬が持ち味とする鋭い末脚を発揮しきれなかったが、今回、良馬場での出走がかなえば、巻き返しのシーンがありそうだ。

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2015年09月23日

21日の中山11Rで行われた第69回セントライト記念(3歳オープン、GII、芝2200メートル、15頭立て、1着賞金=5200万円、菊花賞トライアル=3着までに優先出走権)は、北村宏司騎手騎乗の6番人気キタサンブラック(牡、栗東・清水久詞厩舎)が2番手追走からしぶとく伸びてV。重賞2勝目を飾り、2着ミュゼエイリアン、3着ジュンツバサとともに菊花賞(10月25日、京都、GI、芝3000メートル)の優先出走権を獲得した。タイムは2分13秒8(良)。

 失意の底に沈んだダービー14着からの鮮やかな復活劇だ。2番手追走のキタサンブラックが、最後まで続いたミュゼエイリアンとの叩き合いを制して快勝。2度目の重賞制覇を果たし、改めて皐月賞3着の実力を誇示した。

 レースは内からミュゼエイリアンが果敢に先行。ミュゼゴースト、キタサンブラックがこれを追い、さらにウイングチップ、スモークフリーなどが続く。人気のサトノラーゼンは中団からの競馬。ミュゼエイリアンが絶妙のペースで運び、淡々とした流れのまま直線に向かう。後続も徐々に差を詰めるが、逃げるミュゼエイリアンと追うキタサンブラックが叩き合いを演じ、なかなか止まらない。ゴール寸前で各馬も猛追してきたが、結局最後まで2頭による“行った行った”の決着。キタサンブラックが3/4馬身差で快勝した。2着は9番人気のミュゼエイリアン。さらにアタマ差の3着が10番人気のジュンツバサだった。最下位の15着まで0秒9差というハンデ戦並みの激戦となったが、サトノラーゼンは伸び切れず7着に終わっている。

 キタサンブラックは、父ブラックタイド、母シュガーハート、母の父サクラバクシンオーという血統。北海道日高町・ヤナガワ牧場の生産馬で、オーナー(名義は大野商事)は歌手の北島三郎。通算成績は6戦4勝。重賞はGIIフジテレビ賞スプリングS(2015年)に次いで2勝目。清水久詞調教師はセントライト記念初勝利。北村宏司騎手は05年キングストレイル、08年ダイワワイルドボア、13年ユールシンギングに次いで4勝目。

 4度目のセントライト記念勝ちを果たした北村宏騎手は「ゆっくりしたペースだったので、4コーナーでも手応えは十分にありました。ただ、後ろも脚がたまっているのでね。帰厩してすぐに一度乗せてもらう機会があったのですが、そのときよりもさらにグッと実が入って、しっかりした感じでした。(3000メートルの菊花賞は)自分の走りのリズムがかみ合えば、ですね」と穏やかな笑顔でレースを振り返っていた。

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2015年09月22日

 2013年の日本ダービー馬キズナ(栗・佐々木、牡5、父ディープインパクト)が、右前繋部浅屈腱炎を発症して現役を引退することが20日、発表された。今後は種牡馬入りする予定で、繋養先は未定。

 鳥取県の大山ヒルズから、天皇賞・秋(11月1日、東京、GI、芝2000メートル)での復帰に向けて栗東トレセンに帰厩して僅か2日後の引退発表。現役屈指の人気馬がターフを去る。

 同馬を管理する佐々木調教師は「オーナーと相談の結果、引退させることになりました。ファンが多い馬だったので非常に残念です」と語った。

 東日本大震災の際に復興の合言葉となった「絆」が馬名の由来だ。2012年10月にデビュー。翌13年の日本ダービーでは1番人気に支持され、末脚を爆発させて優勝した。同年秋に仏GI凱旋門賞に挑戦して4着。今年の天皇賞・春7着後、休養していた。

 主戦の武豊騎手は「復帰を楽しみにしていただけに非常に残念です」と話した。凱旋門賞制覇をはじめ夢の続きは2世に託される。

■キズナ

 父ディープインパクト、母キャットクイル、母の父ストームキャット。青鹿毛の牡5歳。栗東・佐々木晶三厩舎所属。北海道新冠町・(株)ノースヒルズの生産馬。馬主は前田晋二氏。戦績14戦7勝(うち海外2戦1勝)。獲得賞金は5億1595万5800円(うち海外3955万6800円)。重賞は2013年GIII毎日杯、GII京都新聞杯、GIダービー、仏GIIニエル賞、14年GII産経大阪杯の5勝。

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2015年09月21日

第33回ローズステークス(20日、阪神11R、GII、3歳牝馬オープン国際(指)、馬齢、芝・外1800メートル、1着本賞金5000万円、1〜3着馬に秋華賞の優先出走権 =出走17頭)ルメール騎乗の7番人気タッチングスピーチが、外から豪快に差し切って重賞初V。1番人気のオークス馬ミッキークイーン(2着)、3番人気の桜花賞馬レッツゴードンキ(4着)など春の実績馬をなぎ倒した。タイム1分45秒2(良)。3着の2番人気トーセンビクトリーまでが、牝馬3冠の最終戦・秋華賞(10月18日、京都、GI、芝2000メートル)の優先出走権を獲得した。

 抜群の切れ味だった。500万下を勝ったばかりのタッチングスピーチが、一気に突き抜けて重賞初勝利。秋華賞の切符を手中にした。初コンビのルメール騎手の笑顔がはじける。

 「スタートはあまりよくなかったけど、彼女にとってすごくいいペースになった。ちょっと忙しかったけど、リラックスして走ってくれた。長くいい脚を使えたね」

 序盤は行き脚がつかずに後方2番手。向こう正面でハナに立ったレッツゴードンキが飛ばして前半1000メートル58秒4のハイペースとなり、流れが向いた。直線は外に持ち出し、最後方から大外を通るミッキークイーンと並ぶ形でスパート。オークス馬に加速力で勝ち、逃げ粘る桜花賞馬もかわした。春のGI馬2頭をねじ伏せてのVだ。

 春はオークスを目標にしていたが、ミッキークイーンが勝った忘れな草賞で8着に敗れた。英GI馬リッスンを母に持つ期待の良血馬。北海道の牧場で立て直した。放牧効果で心身ともに成長し、8月の札幌で復帰して快勝。今回で連勝だ。石坂調教師は「前は骨がゴツゴツしているのが目立ったけど、筋肉が付いてきた。精神的にもどっしりした。走らないと困る血統だからホッとしているよ」と頬を緩めた。

 本番でも手綱を取るルメール騎手は「スタミナも瞬発力もある。とてもいい馬だから楽しみ」とGIタイトルをにらむ。

 新星が加わった牝馬ラスト1冠をめぐる戦いは激しさを増しそうだ。 (川端亮平)

■タッチングスピーチ

 父ディープインパクト、母リッスン、母の父サドラーズウェルズ。鹿毛の牝3歳。栗東・石坂正厩舎所属。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)サンデーレーシング。戦績6戦3勝。獲得賞金6551万8000円。重賞初勝利。ローズSは、石坂正調教師は2012年ジェンティルドンナに次いで2勝目。クリストフ・ルメール騎手は初勝利。馬名の意味は「ジーンとくる演説、人の心を動かすスピーチ」。

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2015年09月20日

 振り返ると「セントライト記念」は、関東馬が8連勝もしている非常に珍しい3歳重賞である。

 関西馬が遠征して来ないからだろう、と考えるのは早計。8連勝の期間に関西馬は計「49頭」も出走している。だが、その成績は【0-4-5-40】なのである。

 理由は簡単。菊花賞を勝ち負けするような関西の有力馬は、方向も方角もまるで違うセントライト記念に出走することはなく、王道の「神戸新聞杯」に出走するからであり、遠征して来る関西馬は、たとえば今年のグリュイエール、ブランドベルグのように、菊花賞の出走権利が欲しいからだった。

 それを示すように、セントライト記念の出走馬からは、もう「13年間」も菊花賞の勝ち馬は生まれていない。

 ところが今年、サトノラーゼン、ベルーフ、(菊花賞出走とは限らないが)キタサンブラック。獲得賞金額から楽に菊花賞出走が可能な、かつ有力馬となりそうな馬が3頭もセントライト記念に出走してきた。

 近年、菊花賞とは縁の薄い中山の重賞に出走していて、大丈夫なのだろうか。結論は、まったく問題ない。01年のマンハッタンカフェ以来ずっと、セントライト記念の出走馬から菊花賞馬が誕生しないのは、単に出走馬のレベルが低いだけである。

 なぜ、池江厩舎のサトノラーゼン、ベルーフがセントライト記念に回ってきたのか。推測するしかないが、こっちの方が相手有利で、確実に結果が出せるというような現実的な理由ではなく、ノーザンファームを中心の社台グループの菊花賞出走予定馬が何頭もいるので、オーナーサイド(生産牧場)の使い分けの意向が大きいと思われる。

 サトノラーゼン、ベルーフが長距離輸送を気にするなら心配だが、まったくそんなことはなく、すでに再三関東に遠征している。2頭の能力を素直に評価して大丈夫と思える。

 ただし、配当面と、秋の変わり身に期待して、東のブライトエンブレム[12]から入りたい。皐月賞は4着止まりだが、ドゥラメンテには約3馬身も離されたとはいえ、3着キタサンブラックとは同タイムの1分58秒8。才能勝負の最初の一冠とすれば上々の内容だった。
 裂蹄で日本ダービーは断念したが、夏の立て直しに成功。素晴らしい身体になって秋を迎えることになった。

 母ブラックエンブレムも春はもう一歩の善戦止まりながら、秋の秋華賞を制している。活力あふれる馬体、存在感の増した動きを見ると、母と同じような成長曲線を描いている可能性が高い。スパッと切れるというより、札幌2歳S、弥生賞で示した長続きする末脚が最大の持ち味と考えると、この秋の中山のソフトで少しタフなコンディションは望むところだろう。春よりスケールアップしているのは間違いない。このあとの菊花賞3000mへの適性は見解が分かれるが、中距離2000m前後がベストに近い可能性はきわめて高い。強気なスパートに期待する。

 サトノラーゼン、ベルーフ、この距離ならのキタサンブラック。関西馬3頭の評価は下げられないが、気配のいいミュゼゴーストは穴馬に加えたい。

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2015年09月19日

秋のGIは、ひと叩きして本番。夏のオーバーホールの後だから、1戦して本番というのは、意外に難しい。

 「ローズSと秋華賞」、「神戸新聞杯と菊花賞」が強く結びつく関係はほぼ同じだが、最近10年、牡馬は神戸新聞杯で「3着以内」に好走した馬だけが菊花賞の勝ち馬になっているのに対し、牝馬の場合は、ローズSが1800mになって8年、「1着、15着、2着、4着、1着、4着、2着」の馬が本番の秋華賞を制している。

 直結してはいるが、結びつき方が微妙に異なるのである。これと関係するように、過去10年、オークス以来の出走でローズSを勝った馬は計9頭存在するが、それらのオークスでの成績は、「2、4、9、4、4、3、1、3、1着」である。近年は牝馬2冠馬など珍しくないが、トライアルなどでは意外に凡走する。ローズSが1800mになって8年、桜花賞馬はここで【2-0-1-2】であり、オークス馬もここでは【2-0-0-4】。ジェンティルドンナを含めての成績である。

 ミッキークイーン中心は衆目一致でも、残念ながら彼女はジェンティルドンナ、ブエナビスタ級とは現在までの成績ではいえず、ブエナビスタとて秋華賞は負けたあと、降着の3着に沈んでいる。

 立て直してきたクイーンズリングに期待する。桜花賞は3番人気で4着、オークスは5番人気で9着止まりだが、マンハッタンカフェ産駒に時おり見られる死角(父と同様に3歳春にちょっと日程がきつくなると、馬体が細化してしまう)があり、馬体維持に苦心して、完調ではなかった。それだけではなく、桜花賞トライアルを直線一気で制したように、オークスは鞍上のデムーロ騎手からして、距離が長いのではないか?と、積極姿勢が取れないフシもあった。

 夏のオーバーホールで立て直したクイーンズリングは、身体が戻っただけでなく、全体のバランスが春とは見違えるほど良くなったように映る。身体のラインがしなやかになったと同時に、切れる牝馬らしいバネが強化されている。

 仕上がりは入念な調整だが、実は難しくない。3連勝でスタートしたように、使いつつのタイプではなく、むしろ使い込むと馬体細化などの心配が出てくる。リフレッシュに成功したあとは、新馬当時と同じように、たちまち好調期間になるはずである。

 距離は、おそらくこの1800m前後が理想だろう。差す形をとっているから、阪神の外回りは大歓迎。切れが生きるだけでなく、おそらく緩い流れになるから、楽に追走できることになる。

 ミッキークイーンの評価は下げられないが、妙味は、夏の上がり馬タッチングスピーチと、春より切れにパンチを増してアンドリエッテにある。

selvas2 at 17:48コメント(0) 

2015年09月18日

3歳の有力馬たちもいよいよ始動。セントライト記念は3着馬までに菊花賞の優先出走権が与えられ、秋の主役を目指すレースだ。
 過去10年の連対馬の傾向をみると、過去の指数の上位馬や、前走指数の上位馬たちが中心になっている。1番人気馬は過去10年で3勝、2着2回、3着1回。連対率は50パーセントで、良いのか悪いのか、微妙な成績が続く。

 今年は、サトノラーゼン、ブライトエンブレム、タンタアレグリア、ミュゼエイリアン、キタサンブラック、ベルーフなどが指数の上位馬だ。
 実績はダービー2着のサトノラーゼンが最上位だ。ダービーでは中団から差し脚を発揮して2着に粘り込んでおり、指数も最上位。成績も(3430)と取りこぼしが少なく安定しており、常識的にはこのサトノラーゼンが中心になるのだろう。
しかし、ダービー組が意外と苦戦しているレースだけに、少し疑ってかかっておくのも悪くはないはず。
加えて気になるのは、これまで稍重の馬場状態では3着が2回と、まだ勝っておらず、中山の渋った馬場が合うかどうか。当日、中山の馬場状態も気になる。
 スタミナの点からすると、春の中山で好指数で結果を残してきたキタサンブラックやブライトエンブレム、ミュゼゴースト、スモークフリー、ベルーフなどにも、上位進出のチャンスがありそうだ。サトノラーゼンから馬券を組み立てる場合でも、相手の中心に置きたい馬たちだ。
 皐月賞3着のキタサンブラック、同4着のブライトエンブレムの頑張りと巻き返しがあるかどうか注目だ。

 阪神のローズSは3歳牝馬のG2戦。
秋華賞に向けてのトライアルレースで、3着馬までに優先出走権が与えられる。
前走、オークスの出走馬たちが9勝、桜花賞馬が1勝をあげており、春のクラシック戦線での成績が直結するレースだ。指数上は前走指数上位馬たちが過去10年で9連対中。連軸の中心を担っている。
 今年は、ミッキークイーン、タッチングスピーチ、アンドリエッテ、テルメディカラカラ、サンクボヌール、レッツゴードンキ、シングウィズジョイなどが指数の上位馬だ。
 阪神の外周りコースの1800メートル戦で、スローペース必至。長く使える差し脚が問われるレースだ。差し脚上位は、前走オークスを勝ったミッキークイーン。オークスで見せたように、長く使える差し脚に不安はない。他に差し脚で上位は、アンドリエッテ、レッツゴードンキ、ディープジュエリー、クイーンズリング、ペルフィカなどだが、いずれも短い距離でのもので、2400でミッキークイーンが示した上がり指数はこのメンバーでは出色というべきだろう。ローズSの勝利に最も近い馬だ。
 ミッキークイーンの相手はディープジュエリー、サンクボヌール、レッツゴードンキ、アンドリエッテ、タッチングスピーチ、トーセンビクトリーなどを上位に取りたい。


selvas2 at 18:00コメント(0) 
寝る前にコーヒーを飲むと、予定の就寝時間に眠りにつくのが難しくなり、朝起きるのがさらに辛くなるのは、カフェインによって体内時計が乱されるからだとする研究結果が16日、発表された。

 米研究チームが米医学誌「サイエンス・トランスレーショナル・メディシン(Science Translational Medicine)」に発表した研究については、カフェインを含む飲料を夜に飲むことで就寝と起床が遅くなる理由を説明するだけでなく、将来的には、時差ぼけの影響を抑える目的でカフェインを使用するのに適したタイミングについてのヒントをたらす可能性もある。

 研究は、被験者5人を対象に行われ、それぞれに、就寝3時間前にダブル・エスプレッソの含有量に相当するカフェインを摂取させる、明るい光にさらす、プラセボ(偽薬)を与えるといったタスクを無作為で与えた。

 被験者をさまざまな条件下に置いて調査するこの実験は49日間にわたり実施された。その間、被験者の唾液を定期的に検査し、睡眠と覚醒の周期を自然に調節するホルモン「メラトニン」の濃度を調べた。

 論文によると、低光量の条件下でカフェインを摂取させた被験者は、約「40分間のメラトニン概日(24時間周期)のリズムの位相後退(遅い時間へのずれ)」を経験したことが、今回の実験で分かったという。

 他方、就寝3時間前に明るい天井照明にさらされた被験者では、体内時計に85分間の遅れ、またカフェイン摂取と明るい光の両方の条件下に置かれた被験者は、体内時計に105分間の乱れが生じた。

 米コロラド大学ボルダー校(University of Colorado at Boulder)のケネス・ライト(Kenneth Wright)教授は「世界で最も広く使われている向精神薬のカフェインが、人間の体内時計に影響を与えることを示したのは、今回の研究が初めてだ」と語り、また「この研究は、カフェインが人間の生理機能に及ぼす影響に関する最新の興味深い知見をもたらすものだ」と続けた。

 今回の研究結果は、寝る前のカフェイン摂取は避けるようにとの一般的なアドバイスの説得力を高める一方で、カフェイン適切な使用が時差ぼけを回避するために体内時計をリセットする一助となり得る「興味深い」可能性を秘めたものと論文は述べている。

 だが、日付変更線を横断する旅行者が眠らずに活動を続けるための、カフェインの最も効果的な利用方法を決定するには、さらなる研究を重ねる必要がある。「このような条件下でカフェインが誘発する睡眠の乱れについては、時差ぼけを悪化させる恐れがあり、経過の観察が重要になる」と論文は指摘している。


selvas2 at 11:42コメント(0) 

2015年09月17日

絶滅したと長年考えられていた深海魚シーラカンスの腹腔内に、進化の過程で使われなくなったとみられる肺が存在することが分かったとの研究結果が15日、発表された。

シーラカンスのゲノム解読、ほとんど進化していなかった

 研究チームは英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)に発表した論文の中で、この肺は人間の盲腸と同じく、進化によって機能が退化した可能性が高いと指摘している。

「生きた化石」と称される現代のシーラカンスは、すべての魚と同様、えらを用いて水中で呼吸している。だが研究チームは、シーラカンスの祖先は数百万年前、肺を使って呼吸していた可能性が高いと結論付けた。

 論文共著者のブラジル・リオデジャネイロ州立大学(Rio de Janeiro State University)のパウロ・ブリト(Paulo Brito)氏は、AFPの取材に「中生代までに、酸素圧の変動が非常に低い環境である深海域に一部のシーラカンスが適応したことが誘因となり、肺呼吸が完全に行われなくなった可能性がある」と語った。

 この発見により、非鳥類型恐竜を含む生物の大半が地球上から消え去った6600万年前の大量絶滅を、当時浅瀬に生息していた可能性が高いシーラカンスがどのようにして生き抜いたかが説明がつくかもしれないと、ブリト氏は指摘。またこれは、肺が現在のしなびた形に「顕著に縮小」したことの説明にもなると、同氏は電子メールで述べた。

 ブリト氏によると、今回の新発見は、シーラカンスの幼魚と成魚の標本の解剖とスキャン、三次元復元などを行った結果に基づくものだという。

 また、機能が退化した肺の相対的な大きさが、成魚より胚の方がはるかに大きいことも分かった。これは、加齢に従って肺の成長速度が遅くなることを意味しているという。


■謎に満ちた「生きた化石」

 シーラカンスは多くの点で、風変わりな魚だ。

 主な特徴の一つは、対をなす突出した形のひれを持つことだ。これらのひれは、陸生動物の四肢のように交互に動く。これにより、シーラカンスは脚を持つ動物に進化するために最初に陸に上がった魚のグループに属していたのではないかと推測されている。

 灰褐色の体色のシーラカンスは、成長すると体長2メートル、体重91キロになり、寿命は最長で60年。体液で満たされた脊椎、エナメル質に覆われた歯、大型の獲物を丸のみにすることができるちょうつがい式の顎を持っている。食性や繁殖方法などの生態や、現存する個体数に関しては、ほとんど分かっていない。

selvas2 at 08:46コメント(0) 
逃げ切りがまったくみられなかった週
この週、芝のレース(平地、Bコース)は計12鞍行われたが、開幕週にもかかわらず「逃げ切り勝ち」は1頭も出現しなかった。これは、2014年の芝コースの路盤の改修以降に顕著に見られる傾向で、開催前に芝のクッション性確保のためのエアレーション作業が実施される。バーチドレンによる芝コースの穴あけ作業である。今回の実施もJRAホームページの馬場情報で発表されている。開幕週の良馬場だから、けっして時計は遅くはないものの、クッション性の高められた芝は、弾むようなフットワークのバネで加速し、軽快なスピードでがまんできる馬場ではない。

 まして、芝の内側半分は傷んだ芝を張り替えたところに、バーチドレンを入れてのエアレーション作業だから、見た目は緑の絨毯(じゅうたん)のような芝は、その通りソフトな芝コンディションであり、外側よりさらにパンチがないとこなせないタフな芝コンディションになっているのではないかと推測される。

 京成杯AHのレース全体は「47秒0-46秒3」=1分33秒3。落ち着いた流れで、前半1000m通過は「58秒7」のスローだった。2013年までの芝コンディションなら、このペースだと上がり「33秒台前半」で伸びる馬が続出し、中には上がり33秒を切ろうかという鋭い切れを爆発させる馬さえいたかもしれない。

 しかし、このペースながらレース上がりは「34秒6」にとどまり、実力のわりにちょっとハンデが厳しいかと思えた中京記念のスマートオリオン57.5キロは、寄られる不利も重なって「15着」に失速。関屋記念のレッドアリオン58キロは、なんとしんがり「16着」に沈んだ。

 勝った13番人気の7歳フラアンジェリコ(父ネオユニヴァース)は、4コーナーにさしかかるまでほとんど最後方を追走。外に回ってから馬群を割って直線一気を決めたが、同馬の上がり3ハロンは、メンバー中の最速とはいえ「33秒6」にすぎない。

 ふつうのオープン馬ならだれでも楽々と乗り切れるようなペースであり、勝ちタイムは1分33秒3止まり(これより遅い持ちタイムの馬は1600m経験の浅い3歳馬を中心に3頭しかいなかった)。ハンデ戦とはいえ、どの伏兵も乗り切って不思議ない1600mの内容だから、「ハナ、ハナ、アタマ、ハナ、クビ、アタマ…」。1着から7着にとどまった1番人気のアルビアーノまでわずか「0秒1」差。しんがりに沈んだレッドアリオンとて、0秒9しか負けていない。

 坂を上がって外から突っ込んだグループが追いつき、ゴール前は6-7頭がほとんど横一線。みんな自分の注目していた馬が何着くらいかは分かっても、内から抜けだしたエキストラエンド(父ディープインパクト)に並びかけたのはどの馬とどの馬なのか、瞬時にはだれも良く分からないほどの大接戦が展開された。

 馬の脚部にかかる負担を軽減することを主目的に、より安全な馬場を目ざす芝コンディションの作り方・整備の方向は、ちょっと短絡な視点だが、マイル戦で「1分33秒台前半」のどの馬でも乗り切れそうな芝コンディションのレースを終えた時点では、例をみないほどの大接戦がもたらされる可能性が高くなることにつながった、と考えることもできる。芝の整備方の変更によって、興奮の接戦がもたらされたのは確かである。

 ほかに今回の京成杯AHでわかったことは、ほとんどしんがりにいて、直線だけの勝負に徹することになったフラアンジェリコ、ショウナンアチーヴ、シャイニープリンスなどの差し=追い込み策は、今回の中山の移動柵の設置(Bコース)も関係するが、結果、上位6着までに入ったからとりあえず大正解の作戦の1つである。

 この週は、逃げ切りがまったくみられなかった。内側が芝の張り替え部分に相当することも大きな要因と思えるが、2週目からの中山は、一気に「スローペース」が増えそうである。

 馬にとってより安全なクッッション性の高い芝は、過度にスピードが上がらない結果、馬群が凝縮した混戦、接戦の競り合いが増える可能性が高まった。ジョッキーにとって追う技術、ペース判断、スペースの探し方など技量の発揮できるレースが多くなると同時に、京成杯AHの激戦をみていると、逆に、騎手にとっては危険なシーンが増えることも心配される。人気のスマートオリオン(内田博幸騎手)あたりは、寄られて狭くなり反撃をあきらめていた。

 快速重賞とされた秋の京成杯AHを、7歳のベテランホースが制したのは初めて。また、6歳以上のベテランホースの「1-2」着で決着したのは、1996年の「6歳-6歳」馬の組み合わせ以来、史上2度目のことだった。

 たまたま、今年の組み合せはこういう能力接近の力関係だったともいえるが、今後もこの芝コンディションが続くと、展開推理や、こういう芝に合う馬など、もっと難しいレースが増える可能性がある。偶然だろうが、Win5の的中は1票だった。

 7歳フラアンジェリコ、6歳エキストラエンドの好走は素晴らしかったが、次につづくだろうという視点では、3歳ヤングマンパワー(父スニッツェル)、グランシルク(父ステイゴールド)の好走は明るい。ともにタフな一面がある。ただ、人気のアルビアーノ(父ハーランズホリディ)は、実際にはこういう芝は大歓迎と思えるが、一本調子の死角があるから、NHKマイルCのような東京か、中山ならフラワーCが示すように1800-2000mの平均ペース向きだろう。最後に鋭さの求められる中山1600mは有利ではなかった。

 15着スマートオリオン、16着レッドアリオンが、前者は「1,11,15」着、後者は「8,1,16」着で、ともにサマーマイルシリーズのチャンピオンとなった。だが、3戦だけではシリーズになりようがなく、こういう成績でのチャンピオンは、受賞する側はそれは光栄だろうが、さすがに周囲はシラけ、称える拍手は聞こえなかった。改革した方がいいと思える。

selvas2 at 08:30コメント(0) 

2015年09月16日

JRA(日本中央競馬会)は14日、2015年度の顕彰馬に11年の3冠馬オルフェーヴルが選定されたと発表した。記者投票による有効投票数196票のうち、選定基準となる4分の3(147票)を大きく超える188票を獲得した。昨年のエルコンドルパサー以来、史上31頭目となる“競馬の殿堂入り”。現在、種牡馬として第2の生活を送っており、早ければ再来年の夏に産駒がデビューする。

 選定対象となって1年目でのスピード殿堂入りだ。2013年の有馬記念で有終の美を飾ったオルフェーヴルが、有効投票196票のうち得票率95・9%に当たる188票の支持を集め、日本競馬史上31頭目の『顕彰馬』に選ばれた。

 圧倒的な強さだった。史上7頭目のクラシック3冠(11年)を達成するなどGIを6勝。夢と名誉をつかむため、古馬になってフランスへも渡った。世界最高峰の凱旋門賞では12、13年と2年連続の2着。しかし、テレビ放送や全国各地でパブリックビューイングが行われて競馬ファン以外も熱狂させ、同時に海外競馬をより身近にさせた。

 オルフェーヴルを管理馬した池江泰寿調教師は「顕彰馬に選出され、大変光栄です。何かと思い出多き馬ではありましたが、やはり“世界”に最も近づいた12年の凱旋門賞と、力の違いを誇示したラストランの有馬記念が、より記憶に残るレースでした」と感慨深げに語る。

 輝かしい経歴を持つ一方で、破天荒なキャラクターでもファンを魅了した。12年の阪神大賞典では2周目3コーナーで外へ大逸走しながら、盛り返して2着。同年秋の凱旋門賞では大外から突き抜けたと思われたところ、内ラチに激突するほどの急激な斜行で日本馬初の偉業を逃した。

 現在は北海道安平町の社台スタリオンステーション(SS)で繋養されており、初年度に続いて今年も200頭以上の種付けを完了。社台SSの徳武英介氏は「種付けシーズン中に減った体重も戻って毛づやもいい。厩舎と放牧地を行ったり来たりしてのんびり過ごしています」と近況を伝え、今年の初年度産駒について「足腰がしっかりして性格も鋭い。オルフェーヴルのいいところが出ていると思う」と特徴を説明した。

 殿堂入りを果たし、種牡馬生活も順調で「凱旋門賞の夢は産駒たちが受け継いでくれると信じています」と池江調教師。初年度産駒がデビューを迎える2年後の夏から、またオルフェーヴルの夢の続きが見られる。

 ◆サンデーレーシング・吉田俊介代表 「これまでの偉大な3冠馬たちとともに殿堂入りを果たすことができ、光栄の至りです。出資者の皆さま、池江調教師はじめ関係者の方々、そして応援していただいたファンの皆さまとともに、その栄誉に浴したいと思います。再来年から初年度産駒がデビューしますが、オルフェーヴル同様に応援していただければ幸いです」

★顕彰馬になると…

 東京競馬場内にあるJRA競馬博物館のメモリアルホールで、肖像画や馬像、足跡をたどる関係資料が展示される。オルフェーヴルの作品はこれから制作に取りかかるため、お披露目は来春になる予定。なお、選出馬の関係者への賞金や記念品などの贈呈はない。

■顕彰馬の選定

 対象は1994年4月1日から2014年3月31日までに競走馬登録を抹消した馬。00年まで顕彰馬選考委員会の審議で決定し、01年からは記者投票に変更。従来は1人当たり2頭までだったが、今年は最大4頭まで拡大された(昨年のJRA60周年記念の際も、特別投票として最大4頭まで)。10年以上の取材経験がある有資格者は196人で、3/4(147票)以上の得票があった馬が選ばれた。票数2位のロードカナロアは119票。

■10・12祝殿堂入り

 ★記念競走 10月12日の京都10R・大原S(3歳上1600万下、芝2000メートル)を『顕彰馬選定記念 オルフェーヴルメモリアル』と名称を変更し、記念競走として施行する。

 ★セレモニー 10月12日、京都競馬場のウイナーズサークルで昼休みに表彰セレモニーを実施。オルフェーヴルの関係者へのインタビュー、花束贈呈が行われる。

 ★特別版レーシングプログラム 10月12日の東京、京都両競馬場で、特集記事(カラー4ページ)が掲載された特別版レーシングプログラムが配布される。

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2015年09月15日

 13日の中山11Rで行われた第60回京成杯オータムハンデキャップ(3歳上オープン、GIII、芝1600メートル、16頭立て、1着賞金=3800万円、サマーマイルシリーズ第3戦)は、田辺裕信騎手騎乗の13番人気フラアンジェリコ(牡7歳、美浦・斎藤誠厩舎)がゴール寸前で差し切って重賞初V。大波乱の決着を演出した。タイムは1分33秒3(良)。

 これぞまさにハンデ戦。7頭がほぼ一団となってゴールに飛び込む大混戦を最後の最後に制したのは、7歳の伏兵フラアンジェリコだった。田辺裕信騎手は連覇達成だ。

 レースはケイティープライドが先手を主張して単騎逃げ。アルビアーノが2番手につけ、その外にコスモソーンパークが続く。さらにスマートオリオン、エキストラエンド、レッドアリオンなどが好位集団を形成した。やや速いペースで流れ、先行勢は坂下まで粘りを見せるが、ゴール前は後続が一気に殺到しての大混戦。ハンデ戦らしい激闘の中から最後にハナ差だけ差し切ったのは7歳馬フラアンジェリコだった。道中は最後方にいたが、直線でスルスルと末脚を伸ばし、53キロのハンデを利して最後に前をかわした。ハナ差2着は11番人気のエキストラエンド。さらにハナ差の3着が7番人気のヤングマンパワーだった。

 フラアンジェリコは、父ネオユニヴァース、母カーリーエンジェル、母の父ジャッジアンジェルーチという血統。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬で、(有)サンデーレーシングの所有馬。通算成績は37戦6勝。重賞初勝利。斎藤誠調教師は京成杯AH初勝利。田辺裕信騎手は14年クラレントに次いで2勝目。

 人気薄で連覇を達成した田辺騎手は「開幕週の馬場で先行馬が有利だとは思っいましたが、この馬のリズムを優先しました。メンバーが強くて甘くはないと思いましたが、ハンデは軽いし、直線は期待どおりの伸びでしたね。前走は勝ちを意識して早めに動いたし、挽回できてよかった」と七夕賞大敗からのリベンジを果たしてしてやったりの表情を浮かべていた。

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2015年09月14日

13日の阪神11Rで行われた第29回セントウルステークス(3歳上オープン、GII、芝1200メートル、16頭立て、1着賞金=5700万円、サマースプリントシリーズ第6戦、1着馬にスプリンターズSの優先出走権)は、藤岡康太騎手騎乗の10番人気アクティブミノル(牡3歳、栗東・北出成人厩舎)が逃げ切り勝ち。波乱の決着となった。タイムは1分7秒8(良)。

 人気薄の3歳馬による、驚きの逃走劇だ。並み居る古豪の追撃を封じ込めて会心の逃げ切りを決めたのはアクティブミノル。休み明けの不利をものともせず、果敢にハナを奪って粘り通し、スプリンターズS(10月4日、中山、GI、芝1200メートル)の優先出走権を獲得した。

 好スタートを決めたアクティブミノルが積極的に先手を取り、ハクサンムーンは2番手に控える。ルチャドルアスールもその外で折り合って3番手を追走。さらに外からメイショウイザヨイも加わり、4頭が先行争いを繰り広げた。人気のウリウリは後方で脚をためる競馬。アクティブミノルがリズム良く逃げて、直線に向いても後続との差をなかなか詰めさせない。やや後続がゴチャつくシーンもあったが、馬群の中から猛然と追い込むウリウリを振り切って、ハナ差でアクティブミノルが押し切った。2着がウリウリで、さらにクビ差3着には5番人気のバーバラが入っている。

 アクティブミノルは、父スタチューオブリバティ、母ピエナアマゾン、母の父アグネスタキオンという血統。北海道新ひだか町・フジワラフアームの生産馬で、吉岡實氏の所有馬。通算成績は7戦3勝。重賞はGIII函館2歳S(2014年)に次いで2勝目。北出成人調教師、藤岡康太騎手ともにセントウルSは初勝利。

 11番人気で制した10Rに続き、波乱を演出した藤岡康騎手は「スタートが決まって先手を取れたのが一番ですね。楽なペースでしたし、何とか踏ん張ってくれました。初の年長馬相手で最高の結果を出せました。1200メートルではすごく強いことを証明してくれましたし、これからもっと力をつけていってくれると思います」とさらに上のステージを見据えていた。

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2015年09月13日

12日の中山11R紫苑ステークス(3歳牝馬オープン、芝2000メートル、秋華賞トライアル=2着までに秋華賞の優先出走権)は、吉田豊騎手騎乗の8番人気クインズミラーグロ(美浦・和田正道厩舎)が中団追走から差し切ってV。
2着ホワイトエレガンスとともに秋華賞(10月18日、京都、GI、芝2000メートル)の優先出走権を獲得した。タイムは2分0秒2(良)。

 内からノットフォーマルが先行態勢を見せたが、これを制して外からカンデラが先手を奪う。
ノットフォーマルは離れた2番手に控え、その後ろにアースライズ、レトロクラシック、ホワイトエレガンスなどが続いた。人気のテンダリーヴォイスは中団からの競馬。
よどみない流れになり、先行馬は苦しくなる中で、ホワイトエレガンスが抜け出しを図る。
しかし、坂を上がってから一気に末脚を爆発させたのがクインズミラーグロ。
勢い良く外に持ち出すと、あっさりと各馬をかわして突き抜け、秋華賞切符を手に入れた。
1/2馬身差の2着は5番人気のホワイトエレガンス。
さらに1/2馬身差の3着には6番人気のエバーシャルマンが入っている。

 クインズミラーグロは、父マンハッタンカフェ、母ジャストトゥートゥー、母の父In Excessという血統。通算成績は10戦3勝となった。

 コンビを組んで2、1、1着と相性の良さをみせた吉田豊騎手は「早めに抜け出すとフワフワしてしまうのは2走前(2着)で分かっていたので、(馬群を)うまくさばけたら、と思っていました。
馬混みでうまく折り合ってくれたし、(距離は)大丈夫です。もともと(厩舎で)期待していた馬みたいで、夏を越して力を付けてきたのだと思います」と秋華賞に向けて手応えを感じている口ぶりだった。

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2015年09月12日

新潟の8月の「関屋記念」とセットになる快速重賞。
芝コースの整備の方向が変化しつつあるとはいえ、夏に張り替えた内側のコース半分の芝はいかにも走りやすそうに映るから、関屋記念以上の速い時計の決着になって不思議ない。
ただし、開催の最初から外を回る差し馬に不利な芝でもない。

サマーマイルシリーズのここまでの勝ち馬「スマートオリオン、レッドアリオン」が、それぞれ57.5キロ、58キロのハンデを課せられた。
とくに重い負担重量ではないが、中京記念の勝ち馬スマートオリオンは、関屋記念は同じ負担重量で、11着。一方の関屋記念の勝ち馬レッドアリオンは、今回より0.5キロ軽かった中京記念は、8着。
ともにムラ馬ではないが、同じような相手の似たようなレースを、凡走と、快勝の両極端だから、意外に評価は難しい。
もちろんそろってこのレースの有力馬だが、中京記念も、関屋記念も、案外レースレベルは高くないのではないか?という見方は成立する。
ゴール前は大接戦で盛りがったが、そう考えると、古馬のマイル重賞らしい迫力は乏しかったかもしれない。
ここは思われているより難しい力関係の混戦だろう。

3歳夏の小倉日経オープンを勝って以降、17連敗もする伸び悩みの期間があったダローネガ(父ダイワメジャー)が、心配のあった腰の不安を解消し、立ち直っている。
今春、1600万を勝って約2年ぶりにオープンに返り咲くと、いきなり中京記念で前出スマートオリオンの0秒1差の3着。スランプを一気に脱してみせた。

もともとマイルには高い適性があり、2歳時の朝日杯フューチュリティSは標準以上の1分34秒0(中山の大外16番枠で出負け)、3歳秋の富士Sでは、1分32秒5で17頭立ての4着(0秒1差)に食い込んでいる。立ち直ったとあれば、GIIIのハンデで55キロなら、力負けするランクではない。

早い時期に活躍して、4歳時、5歳時は不振だったから、仕上がりの早いスピード系の産駒を送ることの多い、いかにもダイワメジャー産駒の代表例の印象を与えるが、種牡馬ダイワメジャーは競走馬時代と同じで、初期に皐月賞を制して示した能力がすべてではなかったように、種牡馬としても5世代目の産駒をデビューさせた今年は、ただ勝ち馬が増えたというだけでなく、距離をこなす味のある産駒を送りはじめている。成長力を秘めた馬も多い。

それと呼応するように、スランプ気味だった6歳ダローネガが復活しているのである。
ダイワメジャーは、5歳時に天皇賞・秋を勝ち、マイルチャンピオンシップは5歳時、6歳時に連勝している。
種牡馬としての評価もこれからかなり変化することが予測される。これまでよりもっと成長力に富んだ産駒を送る先駆けが、ダローネガかもしれない。

あっさりがあれば、単騎マイペースも可能なアルビアーノ(父ハーランズホリデイ)。
NHKマイルCではそれまでの逃げ一手の単調な粘り込みとは異なり、時計以上の価値がある。
穴馬は、すっかり見離されてしまったが、決して現在にデキは悪くないエキストラエンド。
乗り替わる吉田隼人騎手が、早めに馬群に突っ込む形をとると怖い。

selvas2 at 18:47コメント(0) 

2015年09月11日

今週から中山、阪神で、秋競馬がスタートする。
中山、阪神ともに、スピードのでる野芝での開催だが、今年は事前のエアレーションによって、クッションが効いた少し柔らかい馬場になりそうだ。
中山の開幕週は京成杯オータムハンデ。
1番人気馬は苦戦続きで、過去10年、3着が1回あるだけ。
勝利どころか連対もない。
かといって、人気薄馬が勝てるわけでもなく、2、3番人気が合わせて8勝、4番人気まで含めると、
10年の内9年で勝利をあげているのが特徴だろう。
指数上は前走指数上位馬の連対率が高いものの、勝ち馬に限ると10年で5勝どまり。
少し苦戦の傾向も見える。

今年は、コスモソーンパーク、ダローネガ、レッドアリオン、ショウナンアチーヴ、スマートオリオン、ブレイズアトレイル、フラアンジェリコなどが指数の上位馬たちだ。
トップハンデは58キロのレッドアリオン、次いで57.5キロのスマートオリオン、57キロのエキストラエンドへと続く。

ペースは上がりそうもなく、先行馬に向く流れだろう。
先行して差し脚があるのはアルビアーノ、コスモソーンパーク、ブレイズアトレイル、シャイニープリンス、スマートオリオンなどだが、
53キロとハンデが楽なのは3歳牝馬のアルビアーノだ。
デビューからここまで5戦3勝。3連勝のあと、NHKマイルCに出走。
牡馬の1線級を相手に果敢に先行して2着に粘った。
前走は川崎の関東オークス(ダート2100メートル)に出走して4着だったが、ダートの長距離が合わなかったのだろう。
先行して上がりタイムも34秒台にまとめられる力があり、芝のマイル前後に適性があるのではないか。
古馬の1流馬との対戦は楽ではないし、指数上もまだ楽に勝てるレベルにないのは確かだが、3歳馬の成長の勢いに期待したいと思わせる逸材だ。
 
古馬ならブレイズアトレイルの先行力と差し脚が気になる。
近走は4着が最高で、中途半端な成績が続くが、全5勝のうち3勝がマイル戦で、距離の適性もあるはず。
55キロのハンデを生かして、中団からの差し脚を生かすか、あるいは積極的な先行策で粘り込みをはかるか。底力に期待したい。
後方一気の脚なら、アルマディヴァン、ヤングマンパワーが鋭い。

阪神のセントウルSは芝1200メートルの短距離戦。
中山同様、野芝での開催だが、エアレーションでクッションが効いた馬場になりそうだ。
今年は、ストレイトガール、ハクサンムーン、ウリウリ、ルチャドルアスール、マイネルエテルネル、マヤノリュウジン、ブランダムールなどが指数の上位馬だ。
過去10年、牝馬が7勝をあげており、牝馬か強い夏競馬の傾向が残るレースだ。
今年も牝馬が7頭出走しているが、その中では指数の高さ、実績も含めて考えるとウリウリ、ストレイトガールが中心だろう。
ともに鋭い差し脚が持ち味の2頭で、後方から一気の差し脚に懸けるレースになるはず。
差のない2頭に思えるが、1200の距離適性がありそうなウリウリがより有力だろうか。
牝馬以外では、前走、G1戦でおしい2着だったハクサンムーンが実績通りに侮れない存在。
後方からの脚ではマヤノリュウジンが気になる。


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京成杯オータムHは秋競馬の開幕を告げるGIII のハンデキャップレース。
昨年は中山競馬場のスタンド等整備工事に伴い新潟・芝1600mで行われたが、
今年は中山・芝1600mに舞台が戻る。本レースは、
2012年より始まった『サマーマイルシリーズ』の最終戦に指定されており、同シリーズのチャンピオン争いの行方にも注目が集まっている。
今年も、多彩なメンバーがエントリー。
開幕週の絶好の芝コンディションで繰り広げられる熱戦から目が離せない。

レッドアリオン(牡5・橋口弘次郎)は、前走の関屋記念を快勝し、今春の読売マイラーズCに次ぐ自身2度目の重賞制覇を飾った。レースでは、スタートで少し出遅れたものの、二の脚を利かせて先頭に立つと、ラスト2ハロンのラップを10秒7→11秒4でまとめる優秀な内容でV。半兄クラレント(父ダンスインザダーク)に続いての『サマーマイルシリーズ』優勝が現実味を帯びてきた。ここまでの全7勝中6勝を芝1600mの距離でマークしており、距離適性は申し分ないうえに、中山・芝コースで3戦2連対(1勝2着1回)と、舞台相性も良好。前走に続きここでも好結果を出すことができれば、GI のタイトルが視界に入ってくる。

スマートオリオン(牡5・鹿戸雄一)は、昨年のオーシャンSで重賞初制覇を達成するなど、芝・スプリント路線で活躍していた馬だが、3走前のオープン特別・パラダイスS(東京・芝1400m)→前々走の中京記念と連勝を決めて、新境地を開拓している。重賞連勝を狙った前走の関屋記念では、2番手追走からラストの伸び脚を欠いて11着に敗れたが、勝ち馬のレッドアリオンとのタイム差は0秒5と大きくは負けていない。ここまで10戦7連対(3勝2着4回)と相性のいい中山・芝コースに舞台が替わる今回、前走の敗戦から巻き返して『サマーマイルシリーズ』チャンピオンの座に就きたいところだ。

グランシルク(牡3・戸田博文)は、初の重賞エントリーとなった前々走のニュージーランドTで、スタートこそ大きく出遅れたものの直線で猛然と追い込んで2着に好走。爆発力のある末脚と芝1600mの距離への高い適性をアピールした。1番人気に支持された前走のNHKマイルCでは、最後のひと伸びが利かず5着に敗れたが、懸念されたスタートをクリアしており、今後につながる内容と見ていいだろう。今回は約4か月ぶりのレースだけに仕上がり面が鍵になるが、美浦トレーニング・センターへ帰厩後の乗り込みは順調。初対戦となる他世代の馬が相手でも、好勝負が期待できる。

ダローネガ(牡6・佐々木晶三)は、前々走の1600万下・湘南S(東京・芝1600m)を優勝して臨んだ前走の中京記念で、外から鋭く伸びて勝ち馬のスマートオリオンと0秒1差の3着に好走した。2歳時の2011年に新潟2歳S4着、デイリー杯2歳S2着、朝日杯フューチュリティS5着などの実績を残していた素質馬が、復調を果たし、再び軌道に乗ってきたと言えるだろう。この中間は短期放牧を挟み、8月下旬から栗東CWコースと坂路を併用して乗り込みを消化。仕上がりは順調で、今回、初の重賞タイトルに手が届くかもしれない。

ヤングマンパワー(牡3・手塚貴久)は、デビュー3戦目のアーリントンCを優勝して重賞初制覇を達成。前々走のGI・NHKマイルCでも勝ち馬のクラリティスカイから0秒4差の6着に入った。初めて他世代の馬と対戦した前走の関屋記念では、それまでの中団待機ではなく好位からレースを進める正攻法の競馬で、勝ち馬のレッドアリオンから0秒2差の3着に好走。今後の視界を一段と明るくする内容を残している。今回の舞台となる中山・芝1600mは、今年1月のオープン特別・ジュニアC3着などの実績があり、コース適性は上々。まだまだ成長の余地を残す3歳馬から目が離せない。

アルビアーノ(牝3・木村哲也)は、今年の年明けにデビューして、メイクデビュー中山(芝1600m)→500万下(東京・芝1400m)→フラワーCと無傷の3連勝で重賞タイトルを獲得。続くNHKマイルCでも、2番手追走から粘り込んで勝ち馬のクラリティスカイに次ぐ2着に好走した。前走のJpnII・関東オークス(川崎・ダート2100m)は、初めてのダートに加えて距離も少し長かったようで4着に敗れたが、中山・芝1600mに舞台が替わる今回は、巻き返しが期待できる。2日に美浦南Wコースで行われた1週前追い切りでは、6ハロン82秒台、5ハロン68秒台をマーク。出走態勢は着々と整ってきている様子だ。

アルマディヴァン(牝5・高橋文雅)は、今年の『サマーマイルシリーズ』での健闘が目立つ。前々走の中京記念では、ゴール前でスマートオリオン(1着)を猛追して2着に好走。前走の関屋記念でも最後の直線で窮屈なポジションになったところから末脚を伸ばして4着まで追い上げており、地力アップを印象付けた。重賞のタイトルこそ獲得していないが、切れ味鋭い追い込みは、今回のメンバーに入っても十分に通用しそうだ。今なら、ステークスウイナーの仲間入りを果たせるかもしれない。

エキストラエンド(牡6・角居勝彦)は、昨年の京都金杯を優勝し重賞初制覇を達成。同年秋には、マイルチャンピオンシップで5着に健闘したように、今回のメンバーに入っても実績では上位に数えられる一頭だ。前走の関屋記念は最後の直線で伸び脚を欠いて9着に敗れたが、これは新潟・芝コースとの相性がひと息という印象のレース。それでも、勝ち馬のレッドアリオンから0秒5差と大きくは負けておらず、良績のある右回りコースに替わる今回は、前進が見込めるだろう。

シャイニープリンス(牡5・栗田博憲)は、今回と同じ中山・芝1600mの舞台で昨年のオープン特別・東風Sを快勝した馬。東京・芝1600mで行われた昨年の富士S2着の実績もあるが、ベストは今回の舞台だろう。約3か月半の休み明けで臨んだ前走の関屋記念は、勝ち馬のレッドアリオンから0秒4差の6着に敗れたが、実戦を1度使われて状態面の上積みが見込める今回は、優勝争いに加わっても驚けない。

他にも、2013年のNHKマイルC優勝馬マイネルホウオウ(牡5・畠山吉宏)、昨年のニュージーランドTを優勝したショウナンアチーヴ(牡4・国枝栄)、前々走の安田記念6着など近走の重賞で大きな差のない競馬を見せているブレイズアトレイル(牡6・藤岡健一)など、伏兵陣も虎視眈々と上位進出を狙っている。

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2015年09月10日

見た目よりはるかにタフだった馬場コンディション
 18頭立てながら、ハンデの上下差がわずか5キロ(53-58)にとどまった大混戦を象徴するように、人気は大きく分散した。結果は、上位5番人気までに支持された注目馬はすべて着外。逆に掲示板に載った5頭は、すべて6番人気以下の伏兵だった。

 接近した力関係に大きく明暗を分けた要因は、野芝で路盤の水はけのいい馬場状態は「稍重」でも、週末の雨の影響に加え、午後から雨足の強くなった表面の芝はたっぷり水分を含み、見た目よりはるかにタフな馬場コンディションだったことだろう。

 芝の馬場状態が直前の10Rから「稍重」になって評価が上がったのは、先行してしぶとく粘るマイネルミラノ(父ステイゴールド)。実際、事実上のレースの主導権をにぎったのは同馬で、2番手から抜け出し寸前まで粘ったマイネルミラノの前後半1000mは、推定「59秒5-58秒7」=1分58秒2(上がり34秒6)だった。

 重巧者アーデントにハナは譲ったものの、緩い芝状態を気にした馬が多いコンディションだったうえ、先行馬が少なかった。自身が気負ってペースを上げ過ぎてしまった函館記念と異なり、今回はペースを落とし、全体バランスとするとスローにも近い流れを作り、先行抜け出しに成功。寸前までは勝ったにも等しい内容だった。直線の長い新潟だからこそ、また雨で緩くなったコンディションだからこそペースを落とすことができ、望外のスローに近い流れ。柴田大知騎手が「あれで差されたのは口惜しい…」、残念がるのも当然、今回はめったに訪れることのないほど条件のそろった初重賞制覇のチャンスだった。残念、もうひとがんばりだった。

 そのマイネルミラノの直後で先行馬ペースに乗り、あとは同馬を交わすだけ。そんな位置にいたのがM.デムーロのパッションダンス(父ディープインパクト)だった。午前中は集中力を欠いたかのような物足りない騎乗が多く(本人いわく、裁決に呼ばれた)、「デムーロは早くも日本人化している」などと心配されるM.デムーロ騎手だが、午後のレース、とくにビッグレースとなると目の輝きも気迫も違って、本来のデムーロに戻る。巧みに進路を変えつつ、激しく追いまくってマイネルミラノをゴール寸前「アタマ」だけ差し切った。

 パッションダンスは、これで新潟の芝【3-0-0-1】。2013年の新潟大賞典につづいて新潟の重賞2勝目(ほかに小倉大賞典)。ディープインパクトの産駒の中ではかなり渋いタイプで、中央場所での良績は乏しいが、7歳馬ながら今回がまだ17戦目【6-0-0-11】。陣営は「天皇賞・秋を視野に入れたい」と展望を広げている。特殊な成績が物語るようにここまではうまく条件がかみ合えば…のG3級だが、これで2000mで5勝となった。得意の稍重くらいの馬場になると、中央場所でも侮れない伏兵に浮上するかもしれない。

 13番人気で3着に好走したファントムライト(父オペラハウス)は、全体に少しだけ時計を要するこういう馬場が合っていた。これで新潟芝【1-2-1-0】。内でうまく脚をため、スパートしたパッションダンスの後を追って、コース巧者ぶりを発揮しての善戦だった。再三の休養ブランクがあったから、6歳にしてはまだキャリア【5-3-4-6】。祖母はダイナカール。もうひと回りスケールアップしてくれる可能性がある。

 後方から馬群を割るようにスパートしたロンギングダンサー(父シンボリクリスエス)が、メンバー中最速の上がり33秒9を記録して4着。同じ6歳で、同じシンボリクリスエス産駒のアルフレードも最速タイの上がり33秒9をマークし、最後は外ラチ沿いまで進路を変えて7着に伸びてきたが、こちらはスタート直後に挟まれて下がるロスがあった。前半は出遅れたユールシンギングとともに最後方からの追走。直線のコース取りもうまくいかなかった。

 混戦のなかで最終的に1番人気になったのは、3歳ミュゼスルタン(父キングカメハメハ)。もう1頭の3歳馬アヴニールマルシェ(父ディープインパクト)も差のない4番人気。ともに新潟2歳Sを出発にしたこの秋の期待馬であり、ここは軽ハンデを生かして欲しかったが、ミュゼスルタンは流れに乗った好位追走から、直線は早々といっぱいになって16着。一方のアヴェールマルシェは、3コーナーで他馬と接触してバランスを崩した不利(アブミが外れた――北村宏司騎手)があったのは事実だが、そのあとも伸びを欠いて15着に沈んでしまった。この世代の3歳馬攻勢はダートの条件戦を中心に目立っているが、このレースのように、発表以上にタフな馬場コンディションであったり、道中の厳しいしのぎ合いが問われては、キャリア不足が響いての凡走は仕方がないだろう。それにミュゼスルタンも、アヴニールマルシェも、あまりたくましさを誇るグループではないように映った。

 2番人気マジェステイハーツ(父ハーツクライ)、3番人気メドウラーク(父タニノギムレット)は、そろってともに緩い馬場を敗因に挙げている。たしかに、「1分58秒2」の時計で決着するような優しい稍重ではなかった一面はある。表面の芝は水気たっぷりの、実際には他場の重馬場にも匹敵するような緩いコンディションであり、新潟の芝には、路盤の水はけが良すぎることも重なり、「重馬場」とか、まして「不良馬場」などまずないというのは本当であると同時に、マジェステイハーツも、メドウラークも、無理なく正攻法のレースでここまで失速したから、渋馬場は本質的に合わないのだろう。

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2015年09月09日

阪神・芝1200mで行われるセントウルSは、『サマースプリントシリーズ』の最終戦であるとともに、秋のGI シリーズ開幕を飾るスプリンターズSの重要な前哨戦に位置付けられている。
『サマースプリントシリーズ』が創設された2006年以降の本レースを振り返ると、
勝ち馬の9頭全てが、同シリーズの対象レースに出走していた。
スプリンターズSを目標にしている実績馬の多くが休み明けで本レースを迎えることもあり、
夏競馬を使われてきた馬が好結果を残す傾向が出ているものと言えるだろう。
今年も休み明けの実績馬が出走を予定しているが、夏競馬を使われた馬の“強み”は今回も生きてくるのか。登録馬の現状をしっかりとチェックしておきたいところだ。

今年でセントウルSに3年連続の参戦になるハクサンムーン(牡6・西園正都)。一昨年は夏競馬を使われたうえでの出走で見事優勝したが、昨年は秋競馬の始動戦として出走し2着に敗れた。今年も前走の高松宮記念(2着)から5か月半の休み明けとなる点は、少し気になるところだ。しかし、本馬は暑い時季の方が馬体を作りやすいタイプ。3日に栗東坂路で行われた1週前追い切りは4ハロン55秒2、ラスト1ハロン11秒7と全体の数字は目立たないが、調教時間終了間際の時計を要する時間帯にマークされたもので、仕上がりに不安はない。今回、前哨戦をきっちりと制し、念願のGI 制覇に弾みをつけたいところだ。

今年のヴィクトリアマイルを制したストレイトガール(牝6・藤原英昭)も、約4か月の休み明けで今回のレースに臨む。2日に栗東CWコースで行われた1週前追い切りでは、6ハロン79秒3の好時計をマーク。併走馬を一気に突き放す豪快な動きを披露した。もともと追い切りでいい動きを見せるタイプであることを考慮しても、文句のない仕上がりと判断していいだろう。本馬は、秋の芝・短距離路線の主役候補と言える一頭。まずはスプリンターズS制覇を目指して、注目の秋初戦を迎える。

ウリウリ(牝5・藤原英昭)は、前走で『サマースプリントシリーズ』第2戦のCBC賞を優勝しており、本レースを勝てば同シリーズのチャンピオンに輝く。今回は約2か月余りの休み明けで迎える一戦。中間の調整の内容から、目標はこの先のGI・スプリンターズSという印象こそ受けるものの、調教の本数の割に太めを感じさせない馬体で、2日に栗東Dコース(芝)で行われた1週前追い切りでも回転の速いフットワークを見せていた。これなら、力を発揮できる状態でレースに臨めそうだ。今回、前走に続いて重賞連勝を決めるようなら、本番のスプリンターズSでも注目を集める存在になるだろう。

アースソニック(牡6・中竹和也)は、前々走の函館スプリントS(2着)→前走のアイビスサマーダッシュ(3着)と、『サマースプリントシリーズ』対象レースを転戦してきた馬だ。2日に栗東坂路で行われた1週前追い切りでは4ハロン55秒2、ラスト1ハロン13秒2を計時。時計自体は速いものでなく、馬なりでサッと流す程度だったが、順調に夏場のレースを使われてきたため、それほど強い調教をする必要はないのだろう。今回も、好調を維持したままレースに臨めそうだ。本馬も本レースを勝てば『サマースプリントシリーズ』チャンピオンの座に就くことができるだけに、力の入る一戦と言えよう。

バーバラ(牝6・小崎憲)は、毎年のように夏競馬で好結果を残している馬で、今年も、前々走となった7月のオープン特別・バーデンバーデンC(福島・芝1200m)を優勝。前走の北九州記念でも勝ち馬のベルカントから0秒5差の4着に健闘した。この中間の調教の動きからは大きな上積みこそ感じられないが、前走時の状態はキープできている様子で、今回も上位争いに加わってくるだろう。

ミッキーラブソング(牡4・橋口弘次郎)は、デビュー以来初めて芝1200mの距離に出走した前々走の1600万下・佐世保S(小倉)を優勝し、前走の北九州記念でも、中団の後ろを追走する展開から最後の直線でしぶとく末脚を伸ばして、勝ち馬から0秒7差の5着まで追い上げた。本馬も、中間の調教の動きは目立たないが、前走時の気配を維持できていれば十分だろう。今回、これまで5戦3連対(2勝2着1回)と好相性を示している阪神・芝コースへ替わる点は歓迎材料で、前走以上の走りが見られるかもしれない。

リトルゲルダ(牝6・鮫島一歩)は、昨年の本レースを優勝して、同年の『サマースプリントシリーズ』のチャンピオンに輝いた。その後は勝ち星を挙げられておらず、2か月半の休み明けで臨んだ前走のアイビスサマーダッシュも勝ち馬のベルカントから0秒6差の5着に敗れたが、調教量が不足気味で状態面がひと息だったことが敗因のひとつと言えるだろう。今回は実戦を1度使われた上積みが見込め、調教で見せる気配も良くなっているだけに、実績を見直す必要がありそうだ。

マヤノリュウジン(牡8・庄野靖志)は、前走の北九州記念で10着に敗退したが、これは約10か月半という長期休養明けに加えて、状態面もいい頃と比べるとひと息だったのだろう。今回は、レースを1度使われた上積みが見込め、調教で見せる動きからも上昇ムードが感じられる。昨年のオープン特別・バーデンバーデンC(福島・芝1200m)で勝利に導いた横山典弘騎手とのコンビで臨む点も、見逃せないポイントだ。

成長力が魅力の3歳馬は、2頭がエントリー。アクティブミノル(牡3・北出成人)は、昨年7月のメイクデビュー函館(芝1200m)で初陣勝ちを飾ると、連闘で臨んだ函館2歳Sも逃げ切って重賞初制覇を達成した。函館2歳S以来5戦ぶりに芝1200mへ出走する今回、持ち味のスピードを存分に発揮できれば、他世代の実績馬たちを脅かすシーンがあるかもしれない。

マテンロウハピネス(牡3・昆貢)は、特別登録の時点では京成杯オータムHと両にらみとのことだが、初の芝1200m挑戦となる本レースへの出走となった場合は、注目が必要だろう。距離適性は未知数だが、3走前のニュージーランドT(12着)や前走のNHKマイルC(17着)での走りを振り返ると、芝1600mは少し長い印象も受けただけに、前走から400mの距離短縮で高いパフォーマンスを見せる可能性はありそうだ。

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2015年09月08日

6日の新潟11Rで行われた第51回新潟記念(3歳上オープン、GIII、芝2000メートル、18頭立て、1着賞金=4000万円、サマー2000シリーズ第5戦)は、ミルコ・デムーロ騎手騎乗の6番人気パッションダンス(牡7歳、栗東・友道康夫厩舎)がゴール前の激しい争いを制してV。タイムは1分58秒2(稍重)。

 ミルコ・デムーロ騎手と柴田大知騎手の激しい叩き合い。最後の最後、きわどい争いを制したのはM.デムーロ騎手のパッションダンスだった。粘るマイネルミラノをアタマ差かわして重賞2勝目。管理する友道調教師は昨年に続く新潟記念連覇を果たした。

 レースはマイネルミラノがじわっと先手を取ったが、3コーナー手前で外からアーデントが馬場の外めを通って先頭に立つ。マイネルミラノはやや離れた2番手に控え、パッションダンス、マジェスティハーツ、メドウラークなどがその後ろに続いた。長い直線に入ると、マイネルミラノが早めに先頭を奪い返し、一気に後続との差を広げていく。そのまま押し切りを図ったが、これをただ1頭、追撃してきたのがパッションダンス。1完歩ごとに差を詰め、最後は鼻面をそろえてのフィニッシュ。写真判定の結果、パッションダンスがアタマ差先着した。2着は9番人気のマイネルミラノ。さらに2馬身1/2差の3着には13番人気のファントムライトが入り、波乱の決着となった。

 パッションダンスは、父ディープインパクト、母キッスパシオン、母の父ジェイドロバリーという血統。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬で、金子真人ホールディングス(株)の所有馬。通算成績は17戦6勝。重賞はGIII新潟大賞典(2013年)に次いで2勝目。友道康夫調教師は14年マーティンボロに次いで新潟記念2勝目、ミルコ・デムーロ騎手は初勝利。

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2015年09月07日

6日の小倉11Rで行われた第35回小倉2歳ステークス(2歳オープン、GIII、芝1200メートル、14頭立て、1着賞金=3000万円)は、岩田康誠騎手騎乗の1番人気シュウジ(牡、栗東・橋口弘次郎厩舎)が4コーナー先頭から力強く押し切ってV。無傷の3連勝で重賞勝ちを果たした。タイムは1分8秒9(稍重)。

 宮崎県出身の名伯楽が、小倉最後の夏を見事に飾った。無傷の3連勝で重賞初制覇を果たしたのはシュウジ。来春に定年を迎える橋口調教師の管理馬が、立ち遅れ気味のスタートをものともせず、夏の小倉を締めくくった。ノリにノッている岩田騎手は、札幌から小倉へ渡り、連日の2歳重賞Vだ。

 レースは内からオフクヒメが先手を取り、快調に飛ばしていく。クリノシャンボール、レッドラウダなどが続き、スタートでやや立ち遅れ気味だったシュウジもすぐにリカバリーして好位のインに取り付いた。シュウジは4コーナーで外に持ち出すとあっさりとオフクヒメをかわして、あとは独走。激しい2着争いを尻目にゆうゆうと押し切って、小倉2歳チャンプの座に就いた。岩田康誠騎手は前日の札幌2歳S(アドマイヤエイカン)に続く2歳重賞V。2馬身1/2差の2着には7番人気のサイモンゼーレが入り、さらにクビ差の3着が6番人気のレッドラウダだった。

 シュウジは、父キンシャサノキセキ、母カストリア、母の父Kingmamboという血統。北海道日高町・浜本牧場の生産馬で、安原浩司氏の所有馬。通算成績は3戦3勝。重賞初勝利。橋口弘次郎調教師は1986年サンキンハヤテ、98年コウエイロマンに次いで小倉2歳S3勝目。岩田康誠騎手は初勝利。

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2015年09月06日

記録にも記憶にも残る個性派の名手が、電撃引退することになった。歴代8位、現役5位のJRA通算1918勝(うちG1・17勝)の実績を誇るダービージョッキー・藤田伸二騎手(43)=栗東・フリー=が、騎手免許の取消申請を提出したことを6日、JRAが発表した。

 出身地である北海道での今夏の開催が終わり、名手が静かにムチを置く。結果的にラストライドは6日の札幌7R(イキオイ10着)で、5日の札幌2R・ジョルジュサンクが騎手生活で最後の勝利となった。

 91年にデビューし、39勝を挙げてJRA賞・最多勝利新人騎手を獲得。翌92年のエリザベス女王杯(タケノベルベット)でG1初勝利を飾り、96年には弱冠24歳でフサイチコンコルドを駆ってダービーを制覇を達成した。その後も勝利を積み重ね、JRA通算1918勝は歴代8位、現役では武豊、横山典、蛯名、柴田善に次ぐ5位。G1・17勝を含む重賞93勝も歴代5位の記録となる。

 フェアなレースにこだわり続けたことでも知られる。04年には史上最年少で特別模範騎手賞(東西いずれかで勝利数、獲得賞金、勝率の各部門のなかで5位に入り、かつ制裁が0点の騎手)を受賞し、10年には史上初となる2度目の同賞に輝いた。「藤田が(フルゲートの)18人で競馬をすれば審議なんてなくなる」と豪語するように、97年から07年まで11年間、走行妨害による騎乗停止はゼロ。フェアプレー賞は史上最多の19回を数えた。

 “男”の愛称で親しまれ、個性派騎手だったことからファンも多く、テレビ番組への出演のほか、多くの著書も執筆。騎乗馬のジャッジ以外にも「言いたいことを言う」という姿勢を貫きJRAへの提言など歯に衣を着せぬ発言、発信力でも注目を集めた。

以下、藤田騎手のコメント

9月6日札幌競馬最終日にて騎手人生25年間に終止符を打つことに決めました。数年前からエージェント制度の強調により、騎手の腕など関係なく成績に偏りが生じて地方や外国人ジョッキー主体の流れが強くなりました。そうすると一生懸命に調教を頑張っている連中の活躍の場もなくなり、乗るチャンスも減り昔のように ピリピリとして切磋琢磨な勝負の世界には程遠い環境になっているのが事実であります。エージェントによりリーディングの順番が年頭から決まっているような世界。何が面白いのか?

2、3年前から疑問を抱くようになり、競馬に対するモチベーションが無くなっていました。ですが私を応援してくれていた少数のオーナーさんのお陰で今日まで乗り続けてきましたが、これからダラダラ続けてもファンの皆様に落ちぶれたと思われるのも不甲斐ないし、いつまでも競馬会にしがみつきたくないのが本音です。騎手になって良い事、悪い事と沢山ありました。競馬会にも迷惑かけました。だから引退する時はサッと居なくなるつもりで決めてました。早いうちに発表してしまうと1000勝以上してる私は引退式を行わなければならないと思ったし、正直、私の性分じゃありません。競馬会に一切未練はありませんし、今後は時間に振り回されず自分の好きな事をして生きて行こうと思ってます。

今まで沢山のファンの皆様に応援して頂いたことは私の財産でもあり感謝の気持ちで一杯です。また違う形で恩返ししたいと思ってますので、どこかで逢いましょう。

最後になりますが、静かに引退する事は俺らしいでしょ。

本当に25年間、有り難うございました。

藤田伸二


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2015年09月05日

5日の札幌11Rで行われた第50回札幌2歳ステークス(2歳オープン、GIII、芝1800メートル、14頭立て、1着賞金=3000万円)は、岩田康誠騎手騎乗の2番人気アドマイヤエイカン(牡、栗東・須貝尚介厩舎)がゴール前でわずかに差し切り、新馬戦に続く無傷の2連勝を果たした。タイムは1分50秒8(良)。

 逃げ込みを図るプロフェット=ルメールに、アドマイヤエイカン=岩田が襲いかかる。いずれ劣らぬ名手が繰り広げる壮絶な叩き合い。ファンも大いに盛り上がったゴール前の争いを制したのは、わずかに外のアドマイヤエイカン。函館で行われた一昨年と同じく、須貝厩舎&岩田騎手のタッグに凱歌が上がった。

 レースは二の脚を生かしてネコダンサーが単騎の逃げ。その外にペイシャフェリシタがつけて、外から道営のリッジマンが3番手に続く。人気のプロフェットは中団からの競馬だったが、4コーナー手前で外から進出。先頭を射程圏に入れて直線に向かう。堂々と抜け出したプロフェットだったが、これに唯一迫ってきたのがアドマイヤエイカン。初戦とは違い、中団の後ろに控える形となったが、難なく対応して末脚を生かし、猛追した。粘るプロフェットと追うアドマイヤエイカンが鼻面をそろえてフィニッシュ。決着は写真判定に持ち込まれたが、わずかにハナ差、アドマイヤエイカンがプロフェットに先着した。2着から1馬身1/4差の3着には中団からしぶとく伸びた8番人気クロコスミアが入っている。

 アドマイヤエイカンは、父ハーツクライ、母ペルヴィアンリリー、母の父フレンチデピュティという血統。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬で、近藤利一氏の所有馬。通算成績は2戦2勝。重賞初勝利。須貝尚介調教師、岩田康誠騎手ともに2013年レッドリヴェールに次いで札幌2歳S2勝目。

selvas2 at 16:55コメント(0) 

2015年09月04日

今週の新潟記念は、過去10年で1番人気馬は1勝のみ。
5番人気以下の馬たちが7勝をあげており、高配当の多いレースだ。トップハンデ馬も1勝だけ。
指数上は前走指数の上位馬が連軸の中心になっているが、2、3着はランク外の馬にも注意が必要なレースだ。
今年は、ミュゼスルタン、ネオブラックダイヤ、クランモンタナ、パッションダンス、ダコール、マイネルミラノ、スイートサルサなどが指数の上位馬だ。
苦戦が続くトップハンデは58キロのダコール。ラブイズブーシェが57キロで続く。
新潟記念は、サマー2000シリーズ5戦目で、前走、シリーズを構成する七夕賞、小倉記念、函館記念に出走していた馬たち、なかでも比較的、新潟と馬場が合う小倉記念組が中心になるのだが、
今年はクランモンタナ、パッションダンスの2頭だけ。連軸の中心馬としては少し心許ない。
別路線組も含めて、野芝の新潟向きの素軽いスピードがありそうなのは、ロンギングダンサー、ミュゼスルタン、アヴニールマルシェ、アルフレード、ダコール、メドウラーク、スイートサルサなどだろう。
 
基礎能力の高さで、NHKマイルC3着、ダービー6着のミュゼスルタンに期待したいところ。
新潟2歳Sを勝っており、このコースは合うはずだし、ハンデの54キロも恵量だが、休み明けはどうだろうか。
使われてきた馬たちの中で考えるなら、目下4連勝中のメドウラークが連軸向きかもしれない。
ただ、初の重賞戦で、そろそろ負けごろのようにも思える。
それなら、前走、準オープン戦を勝ってきたロンギングダンサーにもチャンスがありそうな気がする。
思い切って買うならこの馬だろう。
なかなか決めきれないが、いずれにしても、難解なハンデ戦で、今年も波乱の気配が漂う。

小倉2歳Sは芝の1200メートル戦。
指数の高さと能力は比較的結びつきやすく、前走指数の上位馬を中心にとりたい。
今年は、レッドカーペット、シュウジ、ブンブンブラウ、コウエイテンマ、オフクヒメなどが指数の上位馬たち。
中心は新馬、オープンを連勝しているシュウジだ。
1400、1600メートル戦を逃げ切って勝ってきたが、直線でもうひと伸びするしっかりとした脚をみせ、2戦ともに危なげない勝利だった。
1200メートルは初の距離だが、鋭い瞬発力を見るかぎり、十分にこなせるだろう。
オフクヒメ、レッドカーペット、コウエイテンマ、ブンブンブラウなどを相手の上位に取りたい。

札幌2歳Sは芝の1800メートル戦。
今年の指数上位馬はリッジマン、ラヴアンドポップ、クロコスミア、ネコダンサー、ペイシャフェリシタなどだが、スローペースになりがちなレースで、指数の高さよりも、スローペースで長くいい脚を使ってきた馬たちを中心にとるべきレースなのだろう。
とすると、プロフェット、アフターダーク、ラヴアンドポップ、クロコスミア、リアルキングなどが有力馬にあがってくる。
スローペースを味方に、逃げ切って勝ってきた馬が多いが、なかでも、差し脚が良かったのはプロフェットだ。新馬戦で楽にハナに立つと、直線ではさらに差を広げ、余力十分の快勝だった。
ただ、ここは行きたい馬も多く、前走のような超スローペースでの逃げは期待できない。
ペースによっては取りこぼしがあるかもしれない。
逃げたい馬で、楽に先手をとれそうなのはリッジマンのようだ。
そのまま逃げ残りがあるかもしれないし、多少ペースが上がっても我慢が効く差し脚があるリアルキングにもチャンスがありそうな気がする。


selvas2 at 18:00コメント(0) 
新潟記念は、新潟競馬場で行われている重賞の中で最も歴史の古いレース。
芝1600mが舞台の関屋記念、直線競馬で唯一の重賞・アイビスサマーダッシュなどと並んで、
夏の新潟開催を彩るレースとして定着している。
今年も、開設50周年を迎えた新潟競馬場に、秋の飛躍を目指す馬たちが集結。
伝統のハンデキャップ重賞を制して、夏競馬の最後に輝きを放つのはどの馬だろうか?

ダコール(牡7・中竹和也)は、前走の新潟大賞典を優勝。それまで再三にわたり重賞で好勝負を演じながらあと一歩のところで涙をのんできたが、通算37戦目で初の重賞タイトルを獲得した。前走後は放牧で疲れを癒やし、栗東トレーニング・センターへ帰厩後はこの新潟記念を目標に定め鋭意調整に励んでいる。本馬は、ここまで連対率45.9%、3着内率67.6%を記録している堅実タイプ。また、芝2000mは全7勝中4勝をマークしているベストの距離でもある。円熟期を迎えた中距離ホースが、重賞連勝を目指して新潟のターフに戻ってくる。

ミュゼスルタン(牡3・大江原哲)は、昨年の新潟2歳Sで1分33秒4の2歳コースレコードをマークして重賞初制覇を飾った。その後に左前脚の骨折が判明して長期の休養を余儀なくされたが、今年の3月に戦列復帰。スプリングS7着から臨んだ前々走のNHKマイルCではメンバー中最速タイの上がり3ハロン33秒8(推定)を駆使して3着に善戦し、あらためて能力の高さを示した。今回は、前走の日本ダービー(6着)以来のレースになるが、この中間の乗り込みは順調で、出走態勢は整っている。2戦2勝を誇る新潟・芝コースで2度目の重賞制覇に挑む。

アヴニールマルシェ(牡3・藤沢和雄)は、昨年の新潟2歳Sで、前述のミュゼスルタン(1着)にハナ差及ばず2着に敗れたが、出走メンバー中最速となる上がり3ハロン33秒0(推定)の末脚を発揮して猛然と追い込んでおり、内容はほぼ勝ちに等しいものと言えるだろう。今回は、前走のNHKマイルC(4着)以来約4か月ぶりのレースとなるだけに、仕上がり具合が鍵だが、美浦トレーニング・センターへ帰厩後の調整はすこぶる順調。8月26日に南Wコースで行われた1週前追い切りでは力強い動きで4ハロン54秒台をマークしており、好仕上がりでレースに臨めそうだ。今回、初めて芝2000mに出走するが、ここで好結果を出すことができれば今後の選択肢が増えるだけに、注目の一戦となった。

マジェスティハーツ(牡5・松永昌博)は、前々走の鳴尾記念2着に続いて前走の関屋記念でも2着に好走。目下のレース内容が良く、重賞制覇はすぐ手の届くところまで来た印象だ。前々走の鳴尾記念は、勝ち馬のラブリーデイが次走のGI・宝塚記念を優勝、3着馬のアズマシャトルと5着馬のグランデッツァがその後に重賞を優勝と、非常にレベルの高い一戦。そこでメンバー中最速となる上がり3ハロン34秒7(推定)をマークして2着に追い込んだ本馬の能力も高いと判断していいだろう。また、前走の関屋記念の連対で新潟・芝コースは〔0・2・0・1〕となり、コース相性も上々。好条件が整った今回は、念願の重賞タイトル奪取に向けて大きなチャンスを迎えた。

アルフレード(牡6・手塚貴久)は、2011年の朝日杯フューチュリティSを優勝したGI ホース。翌2012年の日本ダービー(13着)後に発症した脚部不安により1年7か月以上に及ぶ長期休養を余儀なくされ、戦列復帰後はひと息の成績が続いていたが、ここ3戦は、3走前の東京新聞杯2着→前々走の新潟大賞典3着→前走の七夕賞5着と復調を示している。今回の舞台となる芝2000mの距離は、勝利こそないものの、前述の新潟大賞典3着でめどを立てている。8月26日に美浦南Wコースで行われた1週前追い切りでは、6ハロン78秒台、3ハロン37秒台をマークしており、仕上がりにも不安はなさそうだ。

メドウラーク(牡4・橋田満)は、今年2月に500万下の小倉城特別(小倉・芝2000m)を優勝して2勝目を挙げると、1000万下の淡路特別(阪神・芝2200m)1着→1600万下の烏丸S(京都・芝2400m)1着→クラス再編成による降級を経て1600万下のジューンS(東京・芝2000m)1着と、目下4連勝中。特に前走は、初めての東京・芝コース、前々走からの斤量増(55キロ→57キロ)を難なく克服しての優勝で、まさに本格化を告げる内容だった。以前と比べて折り合い面に進境が見られ、芝2000mの距離も5戦4連対(2勝2着2回)とベスト。今回、相手が強化されるだけに試金石の一戦に違いないが、不安よりも楽しみの方が大きい。

マイネルミラノ(牡5・相沢郁)は、前々走のオープン特別・巴賞(函館・芝1800m)を逃げ切って通算6勝目を挙げた。重賞初制覇に挑んだ前走の函館記念も逃げの形に持ち込んだものの、1000m通過タイムが58秒6という息の入らない流れになって最後の直線で失速し8着に敗退。大外枠(16頭立ての8枠16番)からのスタートでテンに脚を使った影響もあったのだろう。前走後は、美浦トレーニング・センターへ帰厩して乗り込みを開始。調教で見せる軽快な動きから調子落ちの不安はなさそうで、今回、うまくマイペースに持ち込むことができれば、新潟の長い直線でも押し切ることが可能だろう。

クランモンタナ(牡6・音無秀孝)は、昨年の新潟記念で好位につける正攻法の競馬をして、勝ち馬のマーティンボロとクビ差の2着に好走。ラストインパクト(3着、その後に京都大賞典→金鯱賞を連勝)には先着を果たしており、優秀な内容と言えるだろう。その後はひと息の成績が続いていたが、前走の小倉記念では4コーナー15番手から追い込んで4着に善戦。復調ムードを示しての本レース参戦だけに注目度はアップしそうだ。過去のレースぶりから左回りで直線が平坦の芝2000mが本馬に合っているようで、ベストの条件がそろう今回、優勝争いに加わっても不思議ではない。

ロンギングダンサー(牡6・勢司和浩)は、ここまで新潟・芝コースで3戦2勝3着1回と好相性を示している点が大きな魅力だ。約5か月半の休み明けで臨んだ前走の1600万下・新潟競馬場開設50周年記念(新潟・芝2000m)では、メンバー中最速となる上がり3ハロン33秒1(推定)の素晴らしい瞬発力を発揮して優勝。待望のオープンクラス入りを果たした。今回は初めての重賞エントリーで、相手も強化されるが、前走勝利による勢いとコース適性の高さは大きなセールスポイント。この中間も調教の動きは申し分なく、体調はさらに上向いてきた印象を受ける。得意の舞台で初の重賞タイトル獲得を狙う。

その他にも、2013年の新潟大賞典優勝を含め新潟・芝コースで3戦2勝のパッションダンス(牡7・友道康夫)、前々走の福島牝馬Sで重賞初制覇を達成したスイートサルサ(牝5・菊川正達)、昨年の函館記念の勝ち馬ラブイズブーシェ(牡6・村山明)などがスタンバイ。夏の新潟開催を締めくくる伝統の重賞レースで飛躍を狙っている。

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2015年09月03日

猛威を振るうツボカビ病の兆候なく、研究者らに驚きの声

 2002年に目撃されたのを最後に絶滅したと見られていたヤセヒキガエル属の1種(学名:Atelopus bomolochos)が、南米エクアドル、クエンカ近郊の森で生きていることがわかり、関係者を喜ばせている。

 しかも驚くべきことに、新たに見つかった集団には、彼らの絶滅の原因とされていたツボカビの兆候が見られないという。

 再発見の意味は重い。なぜなら、このカエルは一帯に蔓延しているツボカビに、中南米で初めて感染が確認された種だからだ。

 オレンジ色とオリーブグリーンの体色を持つカエルに大きな打撃を与えたツボカビは、その他さまざまな要因と相まって、過去25年の間に両生類の数を激減させ、いくつもの種を絶滅の淵に追い込んできた。

「ヤセヒキガエル属のカエルは、いわばドードーやフクロオオカミと同じような存在です」。
エクアドルの首都キトにあるインドアメリカン大学の生物多様性・気候変動調査センター所長、フアン・マヌエル・グアヤサミン氏はそう語る。

「過去には、彼らが数多く生息していた時期もあったことがわかっています」

 ヤセヒキガエル属はその後減少した。「このカエルの目撃情報がもたらされることもときにはありましたが、いつも勘違いばかりでした。ただし今回は違います」
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絶滅の判断基準

 国際自然保護連合(IUCN)によると、ある種が絶滅したと規定されるのは、既知の、あるいは見込みのありそうな生息地で徹底的な調査を行った後、「最後の個体が死んだということに対して、根拠のある疑義を提示できないとき」だという。

「このカエルは昼行性で、鮮やかな体色を持ち、かつてはごく当たり前に見られる種でした。彼らが突如として姿を消したことには、専門家だけでなく地元の人々も気づいていました」とグアヤサミン氏は言う。

 2002年以降、姿を消したこのカエルを絶滅種と判断した原因は、「ですから、調査不足というわけではありません」


再発見された例

 絶滅したと見られていたカエルが再発見された例は過去にもある。

 たとえば2014年にはコスタリカで「サウス・パシフィック・ストリームサイド・フロッグ(South Pacific streamside frog、学名:Craugastor Taurus)」の集団が2つ見つかっている。この国では近年、絶滅危惧種の再発見が相次いでいる。

 また2010年には、原産地で局所的に生き残っているかもしれないと研究者らが予想した100種について、世界規模で両生類の継続調査を行った結果、15種が再発見され、新種も2種見つかった。

 その中には、絶滅種とされていたアフリカのカエルや、姿を消していたメキシコのサンショウウオ、20年間目撃情報のなかったハイチの6種の両生類などが含まれる。
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油断は禁物

 もちろん、今回再び見つかったカエルがツボカビに感染していないからといって、この先の生存が保証されたわけではない。

 このカエルの生態についてはまだ詳しいことがわかっていない。はっきりしているのは繁殖させるのが容易ではないことくらいだ。「彼らは繁殖活動にはなかなか積極的になってくれないのです」とグアヤサミン氏は言う。

「彼らは川の中で抱接(メスがオスを背中に乗せる交尾の体勢)を1カ月以上続けます。その間、オスは何も口にしません」

 メスは数百個の卵を産むが、卵は捕食者に狙われやすく、たとえば外来種のマスはひとかたまりになった卵をまる飲みしてしまう。

 中南米に生きる両生類にとって、ツボカビの他にも大きな問題となっているのが生息地の破壊だ。専門家は、とりわけアブラヤシのプランテーションの急速な拡大と気候変動を懸念している。

 姿を消した種が再発見されたのは希望が持てるニュースだが、彼らが本当に絶滅してしまうのを防ぐのは、多大な困難をともなう仕事だ。

「いちばん難しい部分はこれからです。まずは発見した集団を確実に生き延びさせていくためには何をしたらいいのかを解明しなければなりません」

 そのためには大学、政府、調査機関の相互協力や、資金調達はもちろんのこと、この国の天然資源を活用しつつ、野生生物とも共存する方法を模索し続けていくことが不可欠だ。

 これは容易なことではないが、グアヤサミン氏は言う。「種が再発見されるたびに、我々は物事をもう一度正しくやり直すチャンスをもらっているのです」

*このカエルの再発見には、環境保護団体「Tropical Herping」を含め、クエンカのアマル動物園、インドアメリカン大学などたくさんのグループが関わりました。最初に再発見を報告したのはエクアドル環境省とクエンカにあるアスアイ大学の科学者たちです。

文=Jennifer S. Holland/訳=北村京子

selvas2 at 11:35コメント(0) 
小倉・芝1200mで行われる小倉2歳Sは、夏競馬最後の2歳重賞。
近年は、2歳戦の競走体系が改善されてきたことで、馬の距離適性に合わせたレース選択が可能になっており、特に、夏競馬の終盤に行われる3つの2歳重賞においては、中距離馬が札幌2歳S、マイラーが新潟2歳S、そして、短距離馬はこの小倉2歳Sと、すみ分けがはっきりしている。
近年の本レース出走馬の血統を見ても、以前よりスプリント色が濃くなっている印象を受ける。
一昨年の本レース2着馬ベルカントは、その後に、今年のアイビスサマーダッシュと北九州記念を含めここまで芝・短距離の重賞4勝をマークする活躍を見せている。
本レースは、今後の2歳重賞戦線を占うだけでなく、将来の有望なスプリンターを探す一戦とも言えるだろう。今年も多彩なメンバーがエントリーしており、熱戦が期待される。

シュウジ(牡2・橋口弘次郎)は、7月4日のメイクデビュー中京(芝1400m)→オープン特別の中京2歳S(中京・芝1600m)を連勝。今回は初参戦の芝1200mに距離が替わるが、父が2010年と2011年(阪神・芝1200mで開催)の高松宮記念を連覇したキンシャサノキセキという血統背景を考えれば、距離短縮はむしろ望むところと言えるのではないだろうか。8月26日に栗東坂路で行われた1週前追い切りでは、4ハロン53秒2、ラスト1ハロン12秒5をマーク。今週の最終追い切りをしっかりとこなせば出走態勢は整いそうで、今回も、主役候補の一頭と見ていいだろう。

新種牡馬ダノンシャンティ産駒のレッドカーペット(牡2・高野友和)は、7月4日のメイクデビュー中京こそシュウジ(1着)に敗れたが、2戦目となった前走の未勝利(ともに中京・芝1400m)で後続に2馬身1/2差をつけて快勝。本馬もかなりの素質を秘めていそうだ。7月の中京開催以来の出走となる点はシュウジと同様だが、中間の調教はこちらの方がハード。特に、8月26日に栗東坂路で行われた1週前追い切りで4ハロン51秒4、ラスト1ハロン12秒9をマークした時の動きは素晴らしかった。今回、初戦で敗れたライバルに雪辱を果たしたうえで、重賞初制覇を達成するシーンがあるかもしれない。

新種牡馬カジノドライヴ産駒のコウエイテンマ(牡2・川村禎彦)は、6月7日のメイクデビュー阪神(芝1400m)で初勝利をマーク。続くオープン特別の中京2歳Sこそ5着に敗れたが、今回と同じ小倉・芝1200mで行われた前走のオープン特別・フェニックス賞では、後続に5馬身差をつける圧勝劇を演じた。すでに同舞台で好走している点はアドバンテージと言えそうだ。今回は前走から中2週というローテーションとなるだけに、この中間の調教では目立つ時計を出していないが、今週の最終追い切りを消化すれば、出走態勢は整いそうだ。今回で4戦目というレースキャリアを生かして、初の重賞タイトル獲得を目指す。

キンシャサノキセキ産駒のオフクヒメ(牝2・松下武士)は、6月27日のメイクデビュー阪神(芝1200m)で初陣勝ちを決め、短期放牧を挟んで臨んだ前走のオープン特別・フェニックス賞でも2着に入った。前走で勝ち馬のコウエイテンマにつけられた5馬身という差は大きいが、ゲート内で落ち着きを欠いていただけに、今回、スムーズなスタートを決めれば、巻き返しの余地はあるはずだ。レースを1度使われた上積みが見込める点も強調材料で、レースぶりに注目したい。

ダイワメジャー産駒のレッドラウダ(牡2・音無秀孝)は、7月19日のメイクデビュー中京(芝1200m)こそ3着に敗れたが、2戦目となった前走の未勝利(小倉・芝1200m)では1番人気の支持に応えて初勝利を挙げた。勝ち時計の1分10秒0は目立つものではないが、まだまだ短縮可能な印象を受ける。8月26日に栗東坂路で行われた1週前追い切りでは、併走馬のクランモンタナ(古馬オープン)に1馬身ほど先着する動きを見せており、仕上がりは良好な様子。今回も、優勝候補の一頭と見ていいだろう。

8月2日のメイクデビュー小倉(芝1200m)を勝ち上がったキンシャサノキセキ産駒のジュンゲル(牡2・藤原英昭)。勝ち時計の1分11秒1は平凡だが、余裕十分の手応えで後続を1馬身1/2突き放した勝ちっぷりの良さは目立っており、今回、時計を短縮してくる可能性はありそうだ。26日に栗東坂路で行われた1週前追い切りでは、4ハロン51秒9、ラスト1ハロン12秒8をマーク。併走馬(古馬オープン)を3馬身ほど追走して最後は遅れたものの、能力の高さをうかがわせる動きを見せた。今回、デビュー2連勝で重賞初制覇を達成しても不思議ではない。

スウェプトオーヴァーボード産駒のファビラスヒーロー(牡2・野中賢二)は、7月4日のメイクデビュー中京(芝1400m)で勝ち馬のシュウジから1秒8も離された8着に敗れたが、2戦目となった前走の未勝利(小倉・芝1200m)を優勝。初戦から200mの距離短縮と小倉へのコース替わりが合っていたことに加えて、積極的に先手を取るレースをしたことも好走につながったのかもしれない。8月26日に栗東CWコースで行われた1週前追い切りではラスト1ハロン11秒7と鋭い伸び脚を披露。今回、再度自分のリズムで走れるようなら面白い存在になりそうだ。

キンシャサノキセキ産駒のサイモンゼーレ(牡2・梅田智之)は、7月19日のメイクデビュー中京(芝1200m)こそゴール寸前で勝ち馬に交わされて2着に敗れたが、前走の未勝利(小倉・芝1200m)では、2着馬に3馬身差をつける完勝と言える内容の逃げ切りで初勝利を挙げた。今回は重賞で相手が強化されるが、本馬のスピード能力を存分に発揮できれば、ここでも差のない競馬が可能だろう。

ブンブンブラウ(牝2・川村禎彦)も、キンシャサノキセキ産駒。7月5日のメイクデビュー中京(芝1400m)は逃げる競馬で2着に敗れたが、2戦目となった前走の未勝利(小倉・芝1200m)では、中団追走から追い込む競馬で初勝利をマークした。200mの距離短縮によって末脚の切れ味が増した印象で、前走のレース内容はなかなか優秀だった。今回は連闘での重賞エントリーとなるが、疲れのない状態で出走できれば、上位争いに加わってくるかもしれない。

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2015年09月02日

札幌・芝1800mで行われる札幌2歳Sは、後の活躍馬を多数送り出している“出世レース”。
過去5年の出走馬を振り返ってみても、
2010年の2着馬アヴェンチュラ(2011年秋華賞)、
2011年の2着馬ゴールドシップ(2012年皐月賞などGI 6勝)、
2012年の4着馬ロゴタイプ(2012年朝日杯フューチュリティS、2013年皐月賞)、
2012年の9着馬マイネルホウオウ(2013年NHKマイルC)、
2013年(函館・芝1800mで開催)の1着馬レッドリヴェール(2013年阪神ジュベナイルフィリーズ)、
2014年の3着馬レッツゴードンキ(2015年桜花賞)と、6頭がGI ホースに上り詰めている。
今年も、未来のスターホースになる可能性を秘めた素質馬が集結。熱い戦いが期待される。

前走のオープン特別・コスモス賞(札幌・芝1800m)を勝ち、無傷の2連勝を達成したラヴアンドポップ(牡2・安田隆行)。この中間はレースでの疲れも見られず、8月26日に札幌・芝コースで行われた1週前追い切りでは、5ハロン68秒9、ラスト1ハロン11秒7をマーク。終い重点の内容で全体の時計こそ目立たないが、直線で併走馬(古馬500万下)と馬体を併せるとシャープな伸び脚を披露した。馬体の張りも上々で、引き続き好調をキープしている。父のアドマイヤムーンは2005年の本レース優勝馬。父と同じ道程をなぞり、トップホースへの階段を歩めるか、ここが試金石の一戦になりそうだ。

8月2日のメイクデビュー札幌(芝1800m)で、鮮やかな逃げ切り勝ちを決めたハービンジャー産駒のプロフェット(牡2・池江泰寿)。近親に2001年のエリザベス女王杯優勝馬トゥザヴィクトリーをはじめ数多くの活躍馬がいる活発な牝系の出身だ。前走後は短期放牧を挟み、27日に札幌ダートコースで行われた1週前追い切りでは、4ハロン55秒5、ラスト1ハロン12秒9をマーク。スピード感あふれる動きで、気合乗りも上々だった。均整がとれた馬体の作りとバネのあるしなやかなフットワークがひときわ目を引く馬。今回、どれだけのパフォーマンスを発揮できるか、期待は大きい。

8月16日のメイクデビュー札幌(芝1800m)を1分52秒7の走破時計で優勝したハービンジャー産駒のアラバスター(牡2・松田博資)は、母のレーヴディソールが2010年に阪神ジュベナイルフィリーズを制しているのをはじめ、近親に活躍馬がずらりと並ぶ良血馬だ。この中間は疲労回復に努めて軽めの調整だが、活気があってフットワークは軽やか。初戦がまだ余裕のある体つきだっただけに、レースを1度使われた上積みも見込めそうだ。非凡な素質を秘めていることは間違いなく、本レースで好結果を出して、骨折でクラシック出走がかなわなかった母の分まで活躍したい。

新種牡馬ヴィクトワールピサを父に持つスパーキングジョイ(牡2・藤岡健一)は、8月9日のメイクデビュー札幌(芝1800m)で1分52秒5のタイムをマークして初陣勝ちを飾った。レース後も熱心な乗り込みを消化し、26日に函館Wコースで行われた1週前追い切りでは5ハロン67秒0を計時。全身を無駄なく使ってダイナミックな動きを披露しており、レースを1度使われた上積みが十分に感じられる内容だった。父譲りのたくましい馬体の作りから奥の深さを感じさせるだけに、今回のメンバー相手にどれだけの競馬ができるか、注目の一戦だ。

7月19日のメイクデビュー函館(芝1800m)を快勝したハーツクライ産駒のアドマイヤエイカン(牡2・須貝尚介)は、伯母にフサイチエアデール(重賞4勝)がいる良血馬だ。この中間は短期放牧を挟み、函館競馬場へ戻ってからは急ピッチに乗り込みを重ねている。8月26日に同Wコースで行われた1週前追い切りでは、5ハロン67秒4の時計をマーク。グッと重心を沈めて迫力満点の動きを披露し、2馬身ほど先行していたとはいえ、古馬1000万下の併走馬を最後は突き放した。馬っぷりの良さが目立ち、今回のレースだけではなく、先々まで活躍が期待できそうだ。

8月15日のメイクデビュー札幌(芝1500m)を快勝したグラスワンダー産駒のアラモアナワヒネ(牝2・池添兼雄)は、初戦の馬体重が448キロとコンパクトな馬体の牝馬で、現時点での完成度は高そうだ。この中間はレースの反動もなくすぐに乗り込みを再開し、26日に札幌ダートコースで行われた1週前追い切りでは5ハロン71秒8を計時。軽快なフットワークで駆け抜けて、状態の良さをアピールした。初戦時は追い切りの本数が少ない印象があっただけに、実戦を1度使われた上積みが見込めそうで、今回も上位進出が可能だろう。

ステイゴールド産駒のクロコスミア(牝2・西浦勝一)は、前走のオープン特別・コスモス賞で4着に敗れたが、4コーナーで馬群をさばけず追い出しが遅れるシーンがあっただけに、悲観する内容ではない。母のデヴェロッペは、3歳時の2008年にオープン特別・菜の花賞(中山・芝1600m)を優勝し、桜花賞(15着)に駒を進めた馬。本馬は、馬体こそ400キロ台とコンパクトだが、父の勝負根性と母のスピードを受け継いでいる印象で、今回、重賞でも能力は見劣りしないはずだ。

北海道所属の地方馬リッジマン(牡2・田中淳司)は、スウェプトオーヴァーボード産駒。前走のオープン特別・クローバー賞(札幌・芝1500m)では、果敢に先手を奪うと最後の直線でもしぶとく粘り、13頭立ての13番人気という最低評価を覆して、勝ち馬のマシェリガールとハナ差の2着(同着)に好走した。初めての芝のレースだったことを考えれば中身の濃い内容で、今回、300mの距離延長に少し不安はあるものの、前走のようなパフォーマンスを発揮できれば、上位争いに加わってくるシーンがありそうだ。

新種牡馬ワークフォース産駒のアフターダーク(牝2・高橋義忠)は、7月26日のメイクデビュー函館(芝1800m)で初陣勝ちを収めた。力の要る馬場コンディション(稍重)で行われたこともあって走破時計の1分54秒5は目立たない数字だが、レースでは、すんなり先手を奪うと、最後の直線で後続を楽に突き放す強い内容を披露した。トレーニングセール出身馬(今年の千葉サラブレッドセール取引馬)らしい完成度の高さが魅力で、重賞挑戦となる今回も軽視は禁物だ。

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トウショウボーイ、スイープトウショウなどの活躍馬を輩出してきたトウショウ牧場(北海道新ひだか町、1965年開場、名義はトウショウ産業株式会社トウショウ牧場)が、10月いっぱいをメドに閉鎖することが1日、明らかになった。オーナーとしてのトウショウ産業も現役馬、当歳馬の一部を最後に消滅。“トウショウ”の冠名が数年後には消える見込みだ。11年5月に廃業したメジロ牧場に続き、競馬ファンなじみの名門牧場が幕を下ろす。

 名門牧場が、半世紀にわたる歴史に幕を下ろす。数々の活躍馬を輩出してきたトウショウ牧場が、10月いっぱいをメドに閉鎖されることになった。今年生まれた20頭を最後に生産は終了。繁殖牝馬もセールなどを通じて他の牧場に移る予定になっている。

 1965年に藤田正明氏が名字、名前の一部“藤正”から名前をつけて開場。日本競馬を彩った多くの名馬を輩出してきた。初期には76年有馬記念などG1級競走で3勝を挙げ、76年の優駿賞(現在のJRA賞)年度代表馬に輝いたトウショウボーイを輩出。開場翌年にアメリカから導入した基礎牝馬ソシアルバターフライ系の自家繁殖馬を重用してきた“トウショウ血統”の生産馬は、80年代を中心に大活躍を見せた。

 種牡馬としても83年3冠馬ミスターシービー(千明牧場産)、91年の桜花賞を無傷4連勝で制した自家生産のシスタートウショウなどを輩出したトウショウボーイが92年に死亡。その後はやや低迷したものの、00年代には05年の宝塚記念を制したスイープトウショウなどが活躍した。

 38年間牧場に勤める志村吉男場長は「時代の流れもあってオーナーが決断された。競馬場にいつも応援の幕を出してもらうなど熱心なファンには申し訳ない気持ち」と無念の様子で語る。2、3年前には50頭近くいた繁殖牝馬もセールなどで譲渡し現在は28頭に。長引く生産地不況もあり、近年徐々に規模を縮小してきたが、ついに閉鎖の決断に至った。

 けい養中の繁殖牝馬の一部は、10月21日に北海道市場で行われる繁殖馬セールに出されるが、スイープトウショウなどの行き先は未定。また、馬主としても今年の生産馬で終了し、“トウショウ”の冠名、「海老、黄ダイヤモンド、紫袖」の勝負服は当歳馬を最後に消えることになる。

 「(元会長の)北野ミヤさんとも親交があって、メジロさんと切磋琢磨(せっさたくま)してきたんですが…」と志村場長。同じ老舗オーナーブリーダーで、11年に44年の歴史に幕を下ろした“ライバル”のメジロ牧場を追うように、またひとつ名門の灯が消える。

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2015年09月01日

あえて心配な点を探せば100点満点すぎたことだけ
 断然の1番人気に支持されたロードクエスト(父マツリダゴッホ)が、ほぼ馬なりのまま、ノーステッキで4馬身差の圧勝だった。馬なりのまま4馬身差独走というと、ふつうは逃げ切り独走でみられる勝ち方だが、ロードクエストは18頭立ての最後方を自信満々に追走。他馬が嫌った内寄りからスルスル進出すると、抜け出す瞬間に田辺裕信騎手はムチを持ち直したようにみえたが、もうその瞬間に抜け出していたから、大事に少し外側に進路を変えただけ。文字通り終始ウインバイキャンターだった。

 これで、新しい新潟1600m(左、外)になって以降、上がり3ハロンに「32秒台」を記録して快走した馬は、次の5頭となった。

 2009年 1着シンメイフジ  良1分34秒4 (32秒9)
 2011年 1着モンストール  良1分33秒8 (32秒7)
 2011年 2着ジャスタウェイ 良1分33秒9 (32秒6)
 2013年 1着ハープスター  良1分34秒5 (32秒5)
 2015年 1着ロードクエスト 稍1分33秒8 (32秒8)

 レース全体の流れは、レース検討で示した最近6年間の良馬場の平均パターンの前後半「47秒7-46秒3」=1分34秒0と、そっくり同一にも近いバランスだった。表面の芝の部分はかなり水分を含んだ稍重で、馬場を苦にした馬もいたが、前後半「47秒6-46秒2」=1分33秒8である。この馬場で良馬場のモデルパターン以上だから、厳しいレースである。

 したがって、近年のこのレースをステップにやがて高い評価を受けることになった2011年のジャスタウェイ、2013年のハープスターなどと、だいたい同じような観点から広がる未来を予測することができる。スケールあふれる体つきというのではなく、無駄のない448キロ(今回プラス4キロ)の馬体はまだまだ幼い印象を与えるが、こういうタイプにもっともふさわしい賞賛は、身体が大きくないからこそ「これから抱える脚元などの問題はごく少ない」である。

 早熟系ではない。父マツリダゴッホ(その父サンデーサイレンス)が本物になったのは、4歳暮れの有馬記念を勝ってから。マツリダゴッホの母の半弟になるナリタトップロードは1999年の3冠3,2,1着。着実な成長カーブに乗ったパワーアップが望める。

 また、ロードクエストの3代母ダイナクレアー(父ノーザンテースト)の全姉は、天皇賞・秋の勝ち馬サクラチトセオー、エ女王杯のサクラキャンドルなどの母サクラクレアーである。来季を見据えた小島茂之調教師の手法に期待したい。

 発表以上にタフなコンディションだった稍重馬場で、馬なりのまま上がり32秒8。最後11秒4の1ハロンで後続に楽々と4馬身差。1頭だけ抜けて光っていた。消耗もないだろう。

 この新潟2歳Sで台頭し、のちにG1馬となったのは「マイネルレコルト、ショウナンパントル、セイウンワンダー、ジャスタウェイ、ハープスター、イスラボニータ」。みんなタイプが違うから、簡単に可能性の比較はできないが、この2歳Sを勝った時点のロードクエストは、おそらく最上位に近いランキングではないかと思われる。しいて心配な点を探すなら、「こんなにも楽々とライバルを切り捨てていいのか…」、100点満点すぎたことだけである。

 今年もそうだったが、前半は後方にひかえ、直線スパートの切れ味で上位に台頭する馬が多いなか、2着したウインファビラス(父ステイゴールド)は、早め早めの正攻法に近いレース運びで、3着馬には2馬身差。自身は1000m通過60秒3-上がり34秒2だった。直線の中ほどでは12番人気の伏兵とは思えないほど鋭く伸びている。その時インからロードクエストが楽々と抜け出したので完敗だが、勝ち馬はほかの17頭にまったく関与せず、1頭だけ別のレースをした印象が強いから、この2着は価値がある。ふつうは単なる「たら、れば…」にすぎないが、ロードクエストさえいなければ勝ったのはウインファビラスだろう、と、巡り合わせを嘆いて許される。陣営は「牝馬では上位のクラスにいると思う。次は10月31日のアルテミスS(東京1600m)」。この馬の未来に手ごたえを感じたのは当然である。稍重馬場のマイルを自力で動いて1分34秒5。ステイゴールド産駒らしく、1戦ごとに良くなっている。

 後方から3着に突っ込んで、自身は「61秒3-33秒5」=1分34秒8となったマコトルーメン(父ダイワメジャー)が、いつもの年の上位に突っ込んでくる馬の典型的な戦法での標準の中身か。1200m→1600mが大きなプラスとなった。上がり33秒5は勝ち馬に次ぐ2位。ほかの16頭は34秒台以上を要するきつい芝コンディションだった。桜花賞2着のメジロカーラ、フラワーCのリアルサファイヤが代表する渋いファミリーで、母マコトサンゴ(父タマモクロス)の半弟はダート重賞を4つも制したマコトスパルビエロ(父ブライアンズタイム)。ウインファビラスと同様、勝ち馬には離されたが、これからの成長に期待できる。

 候補とされた2-6番人気の「ヒプノティスト、ルグランフリソン、ウインミレーユ、ペルソナリテ、タニセンビクトリー」は、そろって別格の勝ち方をしたロードクエストの前に影が薄くなってしまったが、今回は馬場を苦にした馬も多かったから、急に評価は下げられない。

 明らかに稍重以上にタフな芝が応えたと思えたのは、小柄な牝馬ペルソナリテ(父ステイゴールド)。強い調教をこなしてプラス10キロ(前回400キロ)。決して小さく映らなかった。母の父は2着したウインファビラスと同じく芦毛の種牡馬アドマイヤコジーン(スノードラゴンなどの父)。今春、種牡馬引退が発表されたが、種牡馬ステイゴールドの残したアドマイヤコジーンを母の父にもつ産駒には要注目か。メジロマックイーンの場合と同じで、ステイゴールドにはおそらくそういうところがあって不思議ない。

selvas2 at 09:00コメント(0) 
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