2017年10月09日 00:30

柏木集保先生の見解 京都大賞典

母からタフでしぶとい血を受け継いだ

 人気のシュヴァルグランに、この組み合わせはメンバーレベル以上に有利。同じ5歳の、ライバルというより天敵にも近いキタサンブラックが、ビッグレースだけにマトを絞る日程を選択し、ここには顔を見せていない。キタサンブラックにペースの主導権を握られ、知らず知らずのうちにスパートのタイミングまでライバルに合わせなければならない立場に置かれていたが、この相手なら自身のリズムで動くことができる。Mデムーロなら、テン乗りのマイナスはない。

 母の父マキャヴェリアンから、きわめてタフでしぶとい血を受けて活躍した兄弟として知られるのは、「アサクサデンエン、スウィフトカレント、ヴィクトワールピサ」や「ランフォルセ、ノーザンリバー」などだが、母ハルーワスウィート(その父マキャヴェリアン)から、タフでしぶとい血を受け継いだ「ヴィルシーナ、シュヴァルグラン、ヴィブロス」3頭もタフでしぶとく成長する。

 半姉ヴィルシーナ(父ディープインパクト)は、21戦5勝なのに、ヴィクトリアマイルを2連覇し、牝馬3冠【0-3-0-0】だから中身はすごい。

 その全妹になるヴィブロスは、まだキャリアは浅いのに、また、抜けた素質があるというのではないのに、秋華賞、ドバイターフとG1を2つも勝っている。なにかとしぶとく、しっかりしているのである。

 姉妹のあいだに挟まれた5歳シュヴァルグランは、阪神大賞典、AR共和国杯を勝ちながら、ここまでG1【0-1-2-3】。同期のキタサンブラックにいいところはみんな勝たれ、脇役に甘んじてきた。

 だが、成長力が真価のハーツクライ産駒で、母からマキャヴェリアンの血を受けているとあれば、これから真価発揮の可能性がある。遅咲きもまた、マキャヴェリアンの伝えるしぶとさ、したたかさの一面だろう。

 そうは荒れない京都大賞典とすると、相手は案外、難解。大半が休み明けで、もともと勝ち切れない馬が多い。動きがやけに良く映った7歳ハッピーモーメントを加えておきたい。

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