2016年2月13日、仙台市はいじめ自殺のあった館中学校に隣接する公園の「献花台」ではなく、館中学校の献花台に献花するよう、立て札を立てました。
以下、河北新報オンラインより記事引用です。
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<仙台いじめ自殺>正門前に献花台を新設
仙台市泉区の館中1年の男子生徒=当時(12)=が2014年9月、いじめを苦に自殺した問題で、同校は13日、学校敷地内の正門前に献花台を新設した。
同校が献花台を管理し、休校日に手向けられた花は休み明けに校舎内にある既存の献花台に移す。菅原光博校長は「命の大切さを子どもたちに伝えていかなくては、との思いを新たにした」と語った。
献花台の新設は、休校日でも住民らが花を供えられるようにするのが目的。週末などは校舎に入れないため、屋外に設置を求める声が出ていた。
一方で泉区公園課は同日、住民らが花を手向けてきた学校隣の公園に「献花される方は館中でお願いします」と記した看板を掲げた。園内には昨年9月に献花台が置かれ、その後に撤去されたが、花やジュースの供物が絶えなかった。
同課担当者は「住民から公園を元通りにしてほしいとの要望があった」と説明した。
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引用終わり。
仙台市による立て札。しっかりとした造りです。
なんとも情けない話です。
そもそも献花台は、仙台市教育委員会がいじめ自殺があったことを公表しつつも学校名を伏せ、館中学校も生徒に事実上の緘口令を敷くという異常事態に対して、地元有志が隣接する公園ではじめたものでした。
この献花台が契機となり、仙台市議会や宮城県議会でも質疑が続出し、学校名の公表にいたっています。
2月8日になって、被害者生徒の遺族が仙台市と加害生徒たちを相手に、事実関係の究明と責任の所在の確認を求める民事調停を仙台簡裁に申し立てたことが報じられた直後の、仙台市と館中学校の対応がこれなのですから、呆れてしまいます。
正門前に献花台が置かれるのは、あくまで休校日のみです。
そこには、「とにかく公園の献花台を無くしたい」という思惑しか感じられません。
献花と供物であふれる公園の献花台。
もっとも、仙台市の立て札はあくまで「お願い」であり、これまで5ヶ月以上黙認されてきたことをあわせて考えても、撤去の「勧告」にあたる内容ではありません。また、枯れた花を館住民の有志がこまめに清掃するなどの配慮が見られ、火災の原因になるなどの危険性も低いと言えます。
何より、被害者生徒の遺族も献花台を訪れ、館住民の有志に感謝していることを考えると、遺族が調停を申し立てたタイミングでのこの看板は、館の住民の心を逆撫でするだけに思います。
今必要なことは、
・加害者生徒と保護者が可能な限り早急に加害の事実を認め謝罪すること
もしくは、
・加害者生徒を特定した情報を、警察や中学校や高等学校が共有できる体制を取ること
のいずれかです。
在校生にとってみれば、高校受験を控えている(3学年は今まさに受験シーズン)ゆえに、加害者の情報を伏せられたままの状態がこれ以上続くと、最大の被害を自分たちがこうむるのではないかという、切実な不安があると思います。そのような展開は、誰も望まないことでしょう。
献花台は、いじめ自殺事件を隠蔽させない、うやむやにさせないことを、被害者生徒に約束する存在です。
仙台市と館中学校が果たすべき責任を果たして、はじめて事態は収束に向かうことでしょう。
参照Web:
<仙台いじめ自殺>正門前に献花台を新設
河北新報オンライン(2016.02.14)
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201602/20160214_13010.html
<仙台いじめ自殺>市と加害生徒らに調停申し立て
同(2016.02.09)
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201602/20160209_13008.html
いじめの都道府県格差――「小学校で過去最多 11万件」の何が問題なのか? 自治体間で200倍の開き
内田良(2014.10.17)
http://bylines.news.yahoo.co.jp/ryouchida/20141017-00040039/
以下、河北新報オンラインより記事引用です。
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<仙台いじめ自殺>正門前に献花台を新設
仙台市泉区の館中1年の男子生徒=当時(12)=が2014年9月、いじめを苦に自殺した問題で、同校は13日、学校敷地内の正門前に献花台を新設した。
同校が献花台を管理し、休校日に手向けられた花は休み明けに校舎内にある既存の献花台に移す。菅原光博校長は「命の大切さを子どもたちに伝えていかなくては、との思いを新たにした」と語った。
献花台の新設は、休校日でも住民らが花を供えられるようにするのが目的。週末などは校舎に入れないため、屋外に設置を求める声が出ていた。
一方で泉区公園課は同日、住民らが花を手向けてきた学校隣の公園に「献花される方は館中でお願いします」と記した看板を掲げた。園内には昨年9月に献花台が置かれ、その後に撤去されたが、花やジュースの供物が絶えなかった。
同課担当者は「住民から公園を元通りにしてほしいとの要望があった」と説明した。
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引用終わり。
仙台市による立て札。しっかりとした造りです。
なんとも情けない話です。
そもそも献花台は、仙台市教育委員会がいじめ自殺があったことを公表しつつも学校名を伏せ、館中学校も生徒に事実上の緘口令を敷くという異常事態に対して、地元有志が隣接する公園ではじめたものでした。
この献花台が契機となり、仙台市議会や宮城県議会でも質疑が続出し、学校名の公表にいたっています。
2月8日になって、被害者生徒の遺族が仙台市と加害生徒たちを相手に、事実関係の究明と責任の所在の確認を求める民事調停を仙台簡裁に申し立てたことが報じられた直後の、仙台市と館中学校の対応がこれなのですから、呆れてしまいます。
正門前に献花台が置かれるのは、あくまで休校日のみです。
そこには、「とにかく公園の献花台を無くしたい」という思惑しか感じられません。
献花と供物であふれる公園の献花台。
もっとも、仙台市の立て札はあくまで「お願い」であり、これまで5ヶ月以上黙認されてきたことをあわせて考えても、撤去の「勧告」にあたる内容ではありません。また、枯れた花を館住民の有志がこまめに清掃するなどの配慮が見られ、火災の原因になるなどの危険性も低いと言えます。
何より、被害者生徒の遺族も献花台を訪れ、館住民の有志に感謝していることを考えると、遺族が調停を申し立てたタイミングでのこの看板は、館の住民の心を逆撫でするだけに思います。
今必要なことは、
・加害者生徒と保護者が可能な限り早急に加害の事実を認め謝罪すること
もしくは、
・加害者生徒を特定した情報を、警察や中学校や高等学校が共有できる体制を取ること
のいずれかです。
在校生にとってみれば、高校受験を控えている(3学年は今まさに受験シーズン)ゆえに、加害者の情報を伏せられたままの状態がこれ以上続くと、最大の被害を自分たちがこうむるのではないかという、切実な不安があると思います。そのような展開は、誰も望まないことでしょう。
献花台は、いじめ自殺事件を隠蔽させない、うやむやにさせないことを、被害者生徒に約束する存在です。
仙台市と館中学校が果たすべき責任を果たして、はじめて事態は収束に向かうことでしょう。
参照Web:
<仙台いじめ自殺>正門前に献花台を新設
河北新報オンライン(2016.02.14)
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201602/20160214_13010.html
<仙台いじめ自殺>市と加害生徒らに調停申し立て
同(2016.02.09)
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201602/20160209_13008.html
いじめの都道府県格差――「小学校で過去最多 11万件」の何が問題なのか? 自治体間で200倍の開き
内田良(2014.10.17)
http://bylines.news.yahoo.co.jp/ryouchida/20141017-00040039/