2007年11月02日

インクタンク

キャノンのインクタンク事件は、二審の知財高裁判決が維持されてキャノンの勝訴が確定するようですね。


知財高裁判決では、以下の2つの類型については、特許権が消尽しないとしていますので、チェックしておきましょう。


第1類
 当該特許製品が製品としての本来の耐用期間を経過してその効用を終えた後に再使用又は再生利用がされた場合

第2類型
 当該特許製品につき第三者により特許製品中の特許発明の本質的部分を構成する部材の全部又は一部につき加工又は交換がされた場合


第1類型の理由
  ‘探権が消尽したものとして許される使用ないし再譲渡等は,特許製品がその作用効果を奏していることを前提とするものであり,年月の経過に伴う部材の摩耗や成分の劣化等により作用効果を奏しなくなった場合に譲受人が当該製品を使用ないし再譲渡することまでをも想定しているものではない
 ◆仝用を終えた後に再使用又は再生利用された特許製品に特許権の効力が及ぶと解しても,特許権者が二重に利得を得ることにはならず,他方,効用を終えた特許製品に加工等を施したものが使用ないし再譲渡されるときには,特許製品の新たな需要の機会を奪い,特許権者を害することとなる。

第2類型の理由
 特許製品につき第三者により特許製品中の特許発明の本質的部分を構成する部材の全部又は一部につき加工又は交換がされた場合には,特許発明の実施品という観点からみると,もはや譲渡に当たって特許権者が特許発明の公開の対価を取得した特許製品と同一の製品ということができないのであって,これに対して特許権の効力が及ぶと解しても,市場における商品の自由な流通が阻害されることはないし,かえって,特許権の効力が及ばないとすると,特許製品の新たな需要の機会を奪われることとなって,特許権者が害される。


また、知財高裁判決では、以下の場合には、方法の発明についての特許権の行使が認められないとしています(101条の条文番号は現行の法律に合わせています)。

  ー村租な技術内容は同じであって,特許請求の範囲及び明細書の記載において,同一の発明を,単に物の発明と物を生産する方法の発明として併記したときは,物の発明に係る特許権が消尽するならば,物を生産する方法の発明に係る特許権に基づく権利行使も許されないと解するのが相当である。

 ◆‘探権者又は特許権者から許諾を受けた実施権者が,特許発明に係る方法の使用にのみ用いる物(特許法101条4号)又はその方法の使用に用いる物(我が国の国内において広く一般に流通しているものを除く。)であってその発明による課題の解決に不可欠なもの(同条5号)を譲渡した場合において,譲受人ないし転得者がその物を用いて当該方法の発明に係る方法の使用をする行為,及び,その物を用いて特許発明に係る方法により生産した物を使用,譲渡等する行為については,特許権者は,特許権に基づく差止請求権等を行使することは許されないと解するのが相当である。


senkosensei at 11:05│Comments(0)TrackBack(0)

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