イギリス旅行記(2-3) GPバーミンガム編

今回はGPバーミンガムの話。もう一ヶ月半も前になるが……

GPバーミンガムはモダン構築フォーマットで、私はモダンの構築大会というのは7割方親和で出ており、好成績(私の中では参加者の上位2割程度、32人の大会ならトップ8、GPなら9勝くらい)を出した大会に至っては全て親和だ。
日本のメタゲームと海外のメタゲームの違いや、最近のタイタンシフトや青赤ストーム、青白系デッキなどの流行といった不安要素はあったが、結局情報不足であれば親和以外を選ぶ理由を見い出せなかったので一番使い慣れている親和を選択した。
結果としては初日5勝4敗で、初日落ちだった。負けはタイタンシフト、青赤ストーム、アブザン、トリコトラフト。どれも結構よく負ける相手だ。どれか1つ勝てれば本戦2日目に進めたのだが。アブザンに未練ある魂を連打されて死んだ目になりながら、横のバントエルドラージvs緑黒トロンを恨めしく思ったりといったこともあったが、まぁ結果はそういうことで。
日曜日は買い物をしたりサイドイベントのドラフト(破滅の刻*2、アモンケット*1)に参加したりして、ドラフトは2勝してスプリットを2回と、1勝1敗が1回だった。
ドラフトは1勝するたびに景品と交換できるポイントが手に入り、そのポイントで色々景品をもらってお土産にしたりした。
景品は以下の通り。チャネルTシャツ(カラーリングはヨーロッパの国の国旗で、フランス、イタリア、ドイツなど何種類かあった)、スリーブ、デッキケース、そしてロシア語版龍紀伝など。


1パック10ポイントで、160ポイント余っていたので16パックと交換したはずなのだが、あとで確認したら24パック入っていた。これはおそらくサービスではなく、ヨーロッパ人の適当さと思われる。
ヨーロッパ人の適当さを表す別の事例として、GP参加賞をインフォメーションセンターで受け取るのだが、渡されたセットを開けたら明らかに中身が違った。

しかし、大祖始プロモとシールド1回分の6パックならどっちが欲しいかというと後者なので、返品せずにそのままもらっておいた。
しかもこれを後で開けてみると結構良いレアやフォイルが多くでてきて、なんとなく得をしたようだ。
一応補足しておくと、ヨーロッパ人が適当、というのはやや大まかなくくりで、ヨーロッパの中でも国によって色々違うのだが、イギリスはまぁマシな方で、たとえばフランスなどはかなり(日本では考えられないくらい)適当で、GPのバイヤーブースに来ている人もフランス人が結構多かったように思う。
しかしこちらが損をしない適当さなら歓迎だ。損をした場合は、一言主張すれば良いだけの話だ。

マジックを海外のGPでプレイした経験はこれともう1回しかないのだが、基本的にマジックにおける英語能力というのはほとんど中学生レベルでよい。
先行後攻をダイスの大きい目で決めるのはhigh roll, 先行/後攻はplay first/draw first (先行を取る、と言うのならI'll play first.とかでもよい)、相手のアクションに対して何かしたい時はstackとかresponseとか言っとけば相手が待ってくれる。
試合の前後の雑談も、難しいことはそんなにないし、相手に聞かれた内容がよくわからなかったら、You mean ... ?とかで確認すれば良い。そもそも相手が早口すぎて聞き取れなかったら、I couldn't catch.とかCould you speak more slowly?とか言っとけば良い。
ちょっと面倒なのはルールの齟齬があった時だが、早い段階でジャッジを呼べばだいたい大丈夫だ。今回だと、相手が謎めいた命令をこちらの電結の荒廃者へのバウンス+ドローのモードで打って、それに対して電結の能力で自分自身を生贄にした時に相手がドローしようとして、一旦静止したのだが、相手の謎めいた命令が運悪く(?)テキストレス(能力を表す文字が一切書いていないバージョンのカードのこと。そのぶん絵が大きいので人気がある)で確認もできなかったので、ジャッジを呼んで対応してもらった。
まぁいずれにせよ、こちらの英語能力などたかが知れているし、相手もちょっと会話すれば察するので、開き直ってできる範囲で、なるべく正確に応答することができればコミュニケーション上のトラブルはそんなにないだろう。
ただし、楽しむことはトラブルがないことよりも上の段階にあるので、トラブルがないというレベルで満足するべきではないのだが……

GP本戦はまぁ納得いく結果ではなかったのだが、ここ2年ほど大会に出ていてよくわかったことがある。
それは、マジックにおいてはプレイヤーはどのような選択をするかを決定できるが、結果を決めることはできないということだ。
マジックにおいては運の要素があるので、良い選択が良い結果に必ずしも結びつくわけではないし、逆もまた然りということだ。
そうなると、そもそも選択の良し悪しとはなにかという話も難しくなってくる。勿論、試行回数を増やせば大数の法則によって2つの選択肢の優劣は明らかになるが、マジックにおいて、同じ状況は基本的にあまり発生しない。
或いは、同じ状況が何度も発生するようなときには、お互いに最善手をわかり切っているのでそこはお互いに差がつかない部分である。
結局のところ、マジックをプレイする際の姿勢というのは、まず、なるべく良い選択をする。次に、結果が出て来る。それを受け入れて、次にできることがあればするし、もう何も出来ない、負けであるなら負けを認める。それだけだ。
自分が選択をした後、勝ち負けは、相手の選択と、後は運、すなわちお互いの意思決定と無関係な要因によって決まる。
自分の選択が完璧であるならば勝利して然るべきという考えは、あまりにも傲慢であると言えるだろう。
人事を尽くして天命を待つという言葉があるが、マジックにおいてもあるべき姿はまさにそういったものであるように思う。
そもそも、私の選択は何個か間違えている部分があったのだから、なおさら良い結果がでる保証などどこにもないのだ。

旅行記を完結させる自信はもうまったくないのだが、もし続きが書ければ、バーミンガムの後のことを書いてみようと思う。
この後の旅程としては、ロンドンへ戻る日にオックスフォードに半日滞在し、その後ロンドンに泊まり、次の日は一日ロンドン市内の興味ある場所を観光し、最後にイングランド西部のグランストンベリーへ行った。
全部を詳細に書くことは難しいだろうが、この中から何点かピックアップして書いてみたいと思っている。

とら婚騒動の裏側に潜む心理について

早速旅行記以外の記事だが。今ホットな話なので、鉄は熱いうちに打て、ということで。
まず前提として、掲題の件に関する背景の説明はしない。
かつ、私も詳細まで理解しているわけではない。
そこで、今回は、
  • とら婚の公式Twitterアカウントがオタク趣味ばかりのオタクは結婚できない、という趣旨の書き込みを行った
  • それに対して多くのオタクが反発する書き込みを行った
  • メタ批判的なポジションの書き込みも含めて、Twitter上でかなりの騒動になっている(この状況を指して本記事ではとら婚騒動と呼ぶ)
という非常に断片的な認識の上で議論することとする(これらの認識が間違っていれば以下全て見当違いの論である)。

まず、この手の発言というのは類似の事例がある。
以前から「婚活コンサルタント」なるアカウントが、結婚できるのは年収が高い男だの、女性を初デートでサイゼリアにつれていくような男が結婚できるわけないだの、割と攻撃的というか身も蓋もないというか、今回のとら婚の発言と方向性としては結構近い発言をしていたのだ(私が知っている範囲では三ヶ月くらい前には既にあった)。
方向性がどう近いかといえば、端的には顧客批判ということだ。別に顧客を批判すること自体は悪いことではない(「初デートでサイゼ」を肯定しろなんて論理があるだろうか?)が、twitterのようなオープンな場で、自らの立場を明かした上でそれを行うというのは明らかに良識あるいは職業意識に欠ける行為であるという点であまり歓迎できるものではない。
婚活コンサルタントなるものの方は今回の趣旨から外れるので深入りはしないが、ともあれ、どうやら似たような現象が起きているのではないか、というのは興味深い点である。
その原因となると詳細の状況を理解せずに断じることはできないが、「オタク趣味ばっかり」と「初デートでサイゼ」というのは指摘しているポイントもかなり近いように感じられる。どう近いかと問われると説明が難しいが、まぁこのブログを読むような方であれば言わんとするところはわかってくれることだろう。
飛躍した話ではあるが、婚活コンサルタントだのとら婚の中の人だのが上記のような発言をする原因を想像するに、社会性に乏しい=婚活においてあまりに致命的な欠点、を持った顧客を相手にしていることに対するストレスというのは一つ考えられる要素だ。顧客に碌でもない人間が多すぎて(書いてて我が身を振り返ってつらい気持ちになってくる)、婚約まで辿り着く件数が非常に少ないといったような認識を持っているかもしれない。婚活会社(というのか?)の従業員にノルマがあるのかは不明だが、会社として成約率を上げるような取り組みなどがあれば、従業員に対してプレッシャーがあるというのもそう不自然な話ではないように思う。
仮にそうしたノルマやプレッシャーがあまりないにしても、働いていて顧客から熱意を感じられないというのは、サービス業をしていて非常につらいものだ。むしろ、こちらの方が私としては納得がいく。「のれんに腕押し」をずっとやっているというのは人間の精神を恐ろしい勢いで蝕んでいくもので、転じて今回のような不特定多数への煽りに繋がったと見ることもできるかもしれない。
本当のところは到底わからないが、上記のようなツイートが、婚活の業者というカテゴリの中で複数の発信源から現実になされた。偶然でないとするならば、なかなか示唆的に感じられる。

今度はオタク側の心理に話を移す。
ただし、とら婚の発言に対する反応自体には言及しない。
ここについては、今度の冬コミで私の友人のからみてぃさん (@Calamity_89) が婚活体験記を出そうとしているのだが、私も手伝う形で一枚噛むのでその中で議論したい。
受かればこちらでも告知するので、是非見て頂ければと思う。……という宣伝の上で、では何について書くかということだが。
この数日間でおそらく多くの方はとら婚の件の発言に関連するツイート、特に「そんなん(=とら婚の発言は)余計なお世話だ」というような内容のものを多く見たのではないかと思う。
そうした状況下では、「そもそもこいつらは自分が直接とら婚の中の人に言われたわけでもないのになんで一々噛み付いてるんだ」、すなわち「一々相手にすんなよ、もう見飽きたよ」というような反応が次の段階として自然に生じるものだ。
そもそも何故、彼ら(=オタク…というと我々、と書くほうが自然だが)はとら婚のTwitterの発言に対して噛み付くのだろうか。
理由は人それぞれだろうが、典型的なところとしては、
  • 痛いところを突かれた(オタクは多くの場合自らの社会性の低さに対して自覚的であり、それを欠点であると認識している)
  • とら婚がオープンな場で社名を出して顧客批判をすることに対して、嫌悪感を覚える
  • 元々とら婚に対して良いイメージを持っており、それが壊された
  • Twitter上で騒動になっている雰囲気に浮足立っている
といったところだろうか。
いずれもそれなりに納得できる理由であるが、しかし、上記で挙げた、「そもそもこいつらは自分が直接とら婚の中の人に言われたわけでもないのになんで一々噛み付いてるんだ」、つまり「お前は関係ないだろ?」という問いに対して答えられるものではない。
この件に噛み付くオタクにとって、この問題が一定のレベルで当事者意識を持つものでなければ、そもそも反応する理由を説明できないのだ。
即ち、「オタクがなぜ当事者意識を持つか」が「とら婚騒動がなぜ騒動たり得たか」に対する直接的な答えになるということだ。
さて、これに対して明快な回答を提示したいところだが、残念ながらそれはできない。
そこで、おそらくは回答につながるであろう、間接的な話を示すこととする。非常に抽象的な話で申し訳ないのだが、雰囲気だけ感じ取って頂ければ幸いだ。

言うまでもなく、今回の件に噛み付いているオタクの大半はとら婚と特に関係ない人生を送っていくだろう。
即ち、「現実」において関係ない。ならば放っておけばいいと思うわけだが、実際はそうもいかない……というのが、「社会」である。
「社会」というのは「現実」と「虚構」の両方を包括している。ここで厳密な定義をすることは難しいが、あなたが日々出会う相手はあなたにとって「現実」の存在であり、その人達の行動もまた「現実」だ。一方で、法は「虚構」だし、あなたが一生で出会うことのない誰かの行動も「虚構」に当たるだろう。その人自体は存在していて「現実」であっても、別にその人が何かしたとしてもあなたにはほとんど関係ない。言論というのも「虚構」である。
だが、ここで「虚構」と呼んでいるもの達は確実にあなたの「現実」に影響を与えるものだ。
すなわち、この「現実」と「虚構」はお互いに相互作用し合う存在であり、上位下位の関係にあるものではないのだ。
法は虚構であるが、虚構を「社会」の構成員が信じ、その通りに動くことによって、「現実」が「虚構」に追従する。
一方で、例えば明治維新などは海外の勢力という「現実」に対して、日本の制度という「虚構」、またそれを信奉する心もまた「虚構」であるが、それらが一気に塗り替えられる。
なぜこうした関係にあるかといえば、人間のモノの認知がそもそも「虚構」だからだ。人間はモノをモノのまま認識できず、脳というフィルターを通して見るわけだが、脳というのが厄介なもので、脳はあなたに絶えず関係ないものが関係あるかのような錯覚を与え続けている。それが「虚構」と呼んでいるものの中身で、要するに、神様から見れば何が「現実」で何が「虚構」かは自明であり、「現実」だけ見れば良いのだが、人間はそういうわけにはいかない。「虚構」は「現実」と等価なのだ。少なくとも人間にとっては。
だから、人間は「現実」だけでなく「虚構」にも振り回される。私はインクのついた3.5インチの紙切れにそれなりの金額を注ぎ込んでいるわけだが、その紙切れを欲しいと思うのは、Magic: the Gatheringに纏わる「虚構」によるものだし、そもそも金が「虚構」だ。金という「虚構」のために、私は日夜パワーポイントの資料という「虚構」を生産し続けている。その中で消費される私の平日1日あたりの14時間の時間は、「現実」と呼んで差し支えないだろうが。

さて、オタクの婚活という場において、どのような「現実」と「虚構」が混在しており、それらはどのように相互作用するのか?
今回そこまで踏み込むには準備が足りないが、こうした見方から解いていくことが出来れば、より一段深い視点から今回の騒動を理解することができるようになるだろう(冬コミの本でそれくらいの深さの話を書ければ良いのだが……)。

イギリス旅行記 (2-2)

かなり時間が空き、知人・友人からいつになったら続きを書くんだと非難され続けたが。
前回までの続き(と言っても一ヶ月も前のことなのでもうあまり覚えていないが)。

無事に入国審査を終えて、バーミンガムまで移動する。
乗り換えは基本的にはグーグルマップの検索を信用することにしている(現地民の使っている乗り換え検索サイトを知らないからだが)。
今回の場合、
・ヒースロー空港からPaddington(ロンドンの主要駅の一つ)までHeathrow Express。
・Paddingtonから地下鉄でEuston squareまで地下鉄(幾つか路線があるので来る電車と路線図を見ながら正しいやつに乗る必要がある)。
・Euston squareからEustonまで歩く。
・EustonからBirmingham New StreetまでVirgin Trains。
という感じ。特に入念な下調べなしで、まぁ運が悪ければ1~2回間違えて遠回りになるかもしれないが、目的地に着ける。今回は運良くノーミス。グーグルマップ万歳だ。

バーミンガムについて早速、宿に入る。
チェックインする時は、「Check-in ,please.」だけ言えればあとは一言も喋れなくてもどうにでもなる。
宿は面倒だったのでBooking.comで予約した。航空券を取ると宿もセットで安く取れたりもするのだが、今回はバーミンガム→ロンドンと途中で宿を変える必要があったため、宿は別個に予約する必要があったためだ。
金~日の3泊で130ポンドと、まぁそんなに高くはない。バーミンガムはあんまり観光地というほどの観光地でもないので、宿代はロンドンと比べると比較的安いようだ。
ちなみに、(時系列を追って最後まで旅行記を書けるとは思えないので書いてしまうと、)ロンドンの宿は3泊で180ポンド。ロンドンではやはり多少割高になる。

さて、宿について早速問題が発覚した。
充電用のアダプターの型が合っていない。数年前にロンドンに来た時と同じものを持ってきたつもりだったのだが……(※帰国後に確認したら、違うやつだった)
こうなるとしょうがないので、買いに行かねばならない。宿を出て街中をぶらぶらしていると、「Furniture and Electronics」の看板が。家具と家電……あるかも?と思い、中を見てみると店の面積の80%が家具で、残りのスペースに炊飯器や洗濯機が申し訳程度に置いてあるくらいで、充電器はなし。
参ったなぁと思って外に出ると、隣がゲームショップだ。ここならば……と思い店に入り、店員に話しかけてみる。
コンセントの型を合わせる器具はtravel adaptorと言うらしいので、とりあえずそれをくれと言ってみると、なんか通じない。USBを充電したいんだけど、イギリス用のコネクタがないんだ、コンセントに挿すやつ、などと色々言ってみると、店員から「power bankのこと?」と聞かれた。
power bank...?よくわからんが、見せてもらうと、イギリスのコンセントに直接挿すことができて、USBの充電ポートが1つついてるものだ。
8ポンド支払って無事電気を手に入れることができた。
電気は非常に貴重で、私は一度電気料金を支払い忘れて一晩電気無しで生活したことがあるのだが、電気がつかないと1日すら生活はマトモに成り立たない。
ましてやここは異国の地。私の生命線であるiPadが充電できないとなったら、いくらなんでも厳しい。パスポート紛失級の詰みだ。
なお、これ以後はそこまで困ったトラブルもなかったのだが……旅行直前までかなり平日の労働が厳しかったせいなのか何なのか、準備不足だったり注意力が低下していたりといったことが旅の序盤は多かったように思う。

さて、いよいよGPバーミンガムになるのだが……
果たしてこれを書き終える日は来るのだろうか。まぁ、普通に考えて来ないだろうが……
私は概ね三日坊主なので、ブログを書くのもなかなか習慣づかないのは困りものだ。
時系列に沿って全部を書くことはせずとも、一度書き始めてそのままというのも勿体無いので、かいつまんで旅行の終わりまでなんとか書いてみたいとは思う(間に関係ない記事も挟むかもしれないが)。
Twitterでもよく呟いてます
遺伝子の研究の合間にMagic: the Gathering, Hearthstone, 戦国大戦などで遊んでるゲームが下手くそなオタクです
カテゴリ別に見れます
キーワード検索もできます
  • ライブドアブログ