とら婚騒動の裏側に潜む心理について

早速旅行記以外の記事だが。今ホットな話なので、鉄は熱いうちに打て、ということで。
まず前提として、掲題の件に関する背景の説明はしない。
かつ、私も詳細まで理解しているわけではない。
そこで、今回は、
  • とら婚の公式Twitterアカウントがオタク趣味ばかりのオタクは結婚できない、という趣旨の書き込みを行った
  • それに対して多くのオタクが反発する書き込みを行った
  • メタ批判的なポジションの書き込みも含めて、Twitter上でかなりの騒動になっている(この状況を指して本記事ではとら婚騒動と呼ぶ)
という非常に断片的な認識の上で議論することとする(これらの認識が間違っていれば以下全て見当違いの論である)。

まず、この手の発言というのは類似の事例がある。
以前から「婚活コンサルタント」なるアカウントが、結婚できるのは年収が高い男だの、女性を初デートでサイゼリアにつれていくような男が結婚できるわけないだの、割と攻撃的というか身も蓋もないというか、今回のとら婚の発言と方向性としては結構近い発言をしていたのだ(私が知っている範囲では三ヶ月くらい前には既にあった)。
方向性がどう近いかといえば、端的には顧客批判ということだ。別に顧客を批判すること自体は悪いことではない(「初デートでサイゼ」を肯定しろなんて論理があるだろうか?)が、twitterのようなオープンな場で、自らの立場を明かした上でそれを行うというのは明らかに良識あるいは職業意識に欠ける行為であるという点であまり歓迎できるものではない。
婚活コンサルタントなるものの方は今回の趣旨から外れるので深入りはしないが、ともあれ、どうやら似たような現象が起きているのではないか、というのは興味深い点である。
その原因となると詳細の状況を理解せずに断じることはできないが、「オタク趣味ばっかり」と「初デートでサイゼ」というのは指摘しているポイントもかなり近いように感じられる。どう近いかと問われると説明が難しいが、まぁこのブログを読むような方であれば言わんとするところはわかってくれることだろう。
飛躍した話ではあるが、婚活コンサルタントだのとら婚の中の人だのが上記のような発言をする原因を想像するに、社会性に乏しい=婚活においてあまりに致命的な欠点、を持った顧客を相手にしていることに対するストレスというのは一つ考えられる要素だ。顧客に碌でもない人間が多すぎて(書いてて我が身を振り返ってつらい気持ちになってくる)、婚約まで辿り着く件数が非常に少ないといったような認識を持っているかもしれない。婚活会社(というのか?)の従業員にノルマがあるのかは不明だが、会社として成約率を上げるような取り組みなどがあれば、従業員に対してプレッシャーがあるというのもそう不自然な話ではないように思う。
仮にそうしたノルマやプレッシャーがあまりないにしても、働いていて顧客から熱意を感じられないというのは、サービス業をしていて非常につらいものだ。むしろ、こちらの方が私としては納得がいく。「のれんに腕押し」をずっとやっているというのは人間の精神を恐ろしい勢いで蝕んでいくもので、転じて今回のような不特定多数への煽りに繋がったと見ることもできるかもしれない。
本当のところは到底わからないが、上記のようなツイートが、婚活の業者というカテゴリの中で複数の発信源から現実になされた。偶然でないとするならば、なかなか示唆的に感じられる。

今度はオタク側の心理に話を移す。
ただし、とら婚の発言に対する反応自体には言及しない。
ここについては、今度の冬コミで私の友人のからみてぃさん (@Calamity_89) が婚活体験記を出そうとしているのだが、私も手伝う形で一枚噛むのでその中で議論したい。
受かればこちらでも告知するので、是非見て頂ければと思う。……という宣伝の上で、では何について書くかということだが。
この数日間でおそらく多くの方はとら婚の件の発言に関連するツイート、特に「そんなん(=とら婚の発言は)余計なお世話だ」というような内容のものを多く見たのではないかと思う。
そうした状況下では、「そもそもこいつらは自分が直接とら婚の中の人に言われたわけでもないのになんで一々噛み付いてるんだ」、すなわち「一々相手にすんなよ、もう見飽きたよ」というような反応が次の段階として自然に生じるものだ。
そもそも何故、彼ら(=オタク…というと我々、と書くほうが自然だが)はとら婚のTwitterの発言に対して噛み付くのだろうか。
理由は人それぞれだろうが、典型的なところとしては、
  • 痛いところを突かれた(オタクは多くの場合自らの社会性の低さに対して自覚的であり、それを欠点であると認識している)
  • とら婚がオープンな場で社名を出して顧客批判をすることに対して、嫌悪感を覚える
  • 元々とら婚に対して良いイメージを持っており、それが壊された
  • Twitter上で騒動になっている雰囲気に浮足立っている
といったところだろうか。
いずれもそれなりに納得できる理由であるが、しかし、上記で挙げた、「そもそもこいつらは自分が直接とら婚の中の人に言われたわけでもないのになんで一々噛み付いてるんだ」、つまり「お前は関係ないだろ?」という問いに対して答えられるものではない。
この件に噛み付くオタクにとって、この問題が一定のレベルで当事者意識を持つものでなければ、そもそも反応する理由を説明できないのだ。
即ち、「オタクがなぜ当事者意識を持つか」が「とら婚騒動がなぜ騒動たり得たか」に対する直接的な答えになるということだ。
さて、これに対して明快な回答を提示したいところだが、残念ながらそれはできない。
そこで、おそらくは回答につながるであろう、間接的な話を示すこととする。非常に抽象的な話で申し訳ないのだが、雰囲気だけ感じ取って頂ければ幸いだ。

言うまでもなく、今回の件に噛み付いているオタクの大半はとら婚と特に関係ない人生を送っていくだろう。
即ち、「現実」において関係ない。ならば放っておけばいいと思うわけだが、実際はそうもいかない……というのが、「社会」である。
「社会」というのは「現実」と「虚構」の両方を包括している。ここで厳密な定義をすることは難しいが、あなたが日々出会う相手はあなたにとって「現実」の存在であり、その人達の行動もまた「現実」だ。一方で、法は「虚構」だし、あなたが一生で出会うことのない誰かの行動も「虚構」に当たるだろう。その人自体は存在していて「現実」であっても、別にその人が何かしたとしてもあなたにはほとんど関係ない。言論というのも「虚構」である。
だが、ここで「虚構」と呼んでいるもの達は確実にあなたの「現実」に影響を与えるものだ。
すなわち、この「現実」と「虚構」はお互いに相互作用し合う存在であり、上位下位の関係にあるものではないのだ。
法は虚構であるが、虚構を「社会」の構成員が信じ、その通りに動くことによって、「現実」が「虚構」に追従する。
一方で、例えば明治維新などは海外の勢力という「現実」に対して、日本の制度という「虚構」、またそれを信奉する心もまた「虚構」であるが、それらが一気に塗り替えられる。
なぜこうした関係にあるかといえば、人間のモノの認知がそもそも「虚構」だからだ。人間はモノをモノのまま認識できず、脳というフィルターを通して見るわけだが、脳というのが厄介なもので、脳はあなたに絶えず関係ないものが関係あるかのような錯覚を与え続けている。それが「虚構」と呼んでいるものの中身で、要するに、神様から見れば何が「現実」で何が「虚構」かは自明であり、「現実」だけ見れば良いのだが、人間はそういうわけにはいかない。「虚構」は「現実」と等価なのだ。少なくとも人間にとっては。
だから、人間は「現実」だけでなく「虚構」にも振り回される。私はインクのついた3.5インチの紙切れにそれなりの金額を注ぎ込んでいるわけだが、その紙切れを欲しいと思うのは、Magic: the Gatheringに纏わる「虚構」によるものだし、そもそも金が「虚構」だ。金という「虚構」のために、私は日夜パワーポイントの資料という「虚構」を生産し続けている。その中で消費される私の平日1日あたりの14時間の時間は、「現実」と呼んで差し支えないだろうが。

さて、オタクの婚活という場において、どのような「現実」と「虚構」が混在しており、それらはどのように相互作用するのか?
今回そこまで踏み込むには準備が足りないが、こうした見方から解いていくことが出来れば、より一段深い視点から今回の騒動を理解することができるようになるだろう(冬コミの本でそれくらいの深さの話を書ければ良いのだが……)。

イギリス旅行記 (2-2)

かなり時間が空き、知人・友人からいつになったら続きを書くんだと非難され続けたが。
前回までの続き(と言っても一ヶ月も前のことなのでもうあまり覚えていないが)。

無事に入国審査を終えて、バーミンガムまで移動する。
乗り換えは基本的にはグーグルマップの検索を信用することにしている(現地民の使っている乗り換え検索サイトを知らないからだが)。
今回の場合、
・ヒースロー空港からPaddington(ロンドンの主要駅の一つ)までHeathrow Express。
・Paddingtonから地下鉄でEuston squareまで地下鉄(幾つか路線があるので来る電車と路線図を見ながら正しいやつに乗る必要がある)。
・Euston squareからEustonまで歩く。
・EustonからBirmingham New StreetまでVirgin Trains。
という感じ。特に入念な下調べなしで、まぁ運が悪ければ1~2回間違えて遠回りになるかもしれないが、目的地に着ける。今回は運良くノーミス。グーグルマップ万歳だ。

バーミンガムについて早速、宿に入る。
チェックインする時は、「Check-in ,please.」だけ言えればあとは一言も喋れなくてもどうにでもなる。
宿は面倒だったのでBooking.comで予約した。航空券を取ると宿もセットで安く取れたりもするのだが、今回はバーミンガム→ロンドンと途中で宿を変える必要があったため、宿は別個に予約する必要があったためだ。
金~日の3泊で130ポンドと、まぁそんなに高くはない。バーミンガムはあんまり観光地というほどの観光地でもないので、宿代はロンドンと比べると比較的安いようだ。
ちなみに、(時系列を追って最後まで旅行記を書けるとは思えないので書いてしまうと、)ロンドンの宿は3泊で180ポンド。ロンドンではやはり多少割高になる。

さて、宿について早速問題が発覚した。
充電用のアダプターの型が合っていない。数年前にロンドンに来た時と同じものを持ってきたつもりだったのだが……(※帰国後に確認したら、違うやつだった)
こうなるとしょうがないので、買いに行かねばならない。宿を出て街中をぶらぶらしていると、「Furniture and Electronics」の看板が。家具と家電……あるかも?と思い、中を見てみると店の面積の80%が家具で、残りのスペースに炊飯器や洗濯機が申し訳程度に置いてあるくらいで、充電器はなし。
参ったなぁと思って外に出ると、隣がゲームショップだ。ここならば……と思い店に入り、店員に話しかけてみる。
コンセントの型を合わせる器具はtravel adaptorと言うらしいので、とりあえずそれをくれと言ってみると、なんか通じない。USBを充電したいんだけど、イギリス用のコネクタがないんだ、コンセントに挿すやつ、などと色々言ってみると、店員から「power bankのこと?」と聞かれた。
power bank...?よくわからんが、見せてもらうと、イギリスのコンセントに直接挿すことができて、USBの充電ポートが1つついてるものだ。
8ポンド支払って無事電気を手に入れることができた。
電気は非常に貴重で、私は一度電気料金を支払い忘れて一晩電気無しで生活したことがあるのだが、電気がつかないと1日すら生活はマトモに成り立たない。
ましてやここは異国の地。私の生命線であるiPadが充電できないとなったら、いくらなんでも厳しい。パスポート紛失級の詰みだ。
なお、これ以後はそこまで困ったトラブルもなかったのだが……旅行直前までかなり平日の労働が厳しかったせいなのか何なのか、準備不足だったり注意力が低下していたりといったことが旅の序盤は多かったように思う。

さて、いよいよGPバーミンガムになるのだが……
果たしてこれを書き終える日は来るのだろうか。まぁ、普通に考えて来ないだろうが……
私は概ね三日坊主なので、ブログを書くのもなかなか習慣づかないのは困りものだ。
時系列に沿って全部を書くことはせずとも、一度書き始めてそのままというのも勿体無いので、かいつまんで旅行の終わりまでなんとか書いてみたいとは思う(間に関係ない記事も挟むかもしれないが)。

モダンキューブドラフト

旅行記もまだ全然書き終わる気配がないが、昨日モダンキューブドラフトを初めてやったのでそれについて。

 キューブドラフトというのは、未開封のパックではなく事前に用意したカードを用いて行う形式のドラフトだ。
特徴は幾つかあるが、今回の例で言えば、
  • カードは540種類のカードが1枚ずつ用いられる
  • 枚数比率はレア以上2:アンコモン以下1とレアの比率が高い
  • カードはモダンリーガルの中から選択
 という感じだ。
 カードリストは、この通りだ。

そもそも、ドラフトというのは、自分のカードの価値を高め、相手のカードの価値をなるべく発揮させないという戦略をピックからプレイに至るまでの長いプロセスの中で実現していくゲームだ。
モダンキューブは強いカードは一枚で勝敗を決定づけるほど強いが(例:精霊龍ウギン)、そうしたカードは稀で全体的には小粒なカードが多いように思う。
即ち、ピックの戦術というのは大別して以下の通りになるだろう。
  • マナ基盤を強固にして各パックの序盤で強力なPWや呪文をなるべく多くピックし、カードの質をなるべく高める
  • 特定の色に深くコミットし、その色における強力なレアを独占する
  • 1マナから展開するビートダウンにより、デッキ構造で優位を取る
  • 特定のコンボを勝ち筋の中心に据え、サブプランとしてビートダウンorコントロールプランも取りうるハイブリッドを狙う
今回のピックを覚えてる範囲で辿りながら上記について少し細かく見ていく。

1-1はPWなどもあるが、自分が主に検討したのは密輸人の回転翼機(コプター)とキランの真意号だ。
デッキが固まっていない段階ではなるべく受けの広いカードをピックしたい。無色のカードはうってつけだ。
コプターはアグロからコンボまで幅広いデッキで使える。キランは搭乗3が難しく(パワー3以上になる生物は少ない)、恐らくはPWの忠誠度を使うことになるだろう。
機体はプロアクティブなデッキで用いたいが、そう考えるとキランは攻撃的なPWとの組み合わせとなり、運用は思ったよりも難しそうだ。一方、コプターはゴブリントークンでもなんでも搭乗できる。 
まずはコプターをピック。

1-2はあまり攻めるデッキ向きのカードがない。また、現時点でデッキが固まっているわけでもない。
神の怒りをピック。
その後、未練ある魂、戦争と平和の剣、未達への旅など白系のミッドレンジ向きのカードをピック。2色目は見えてこないが、未練ある魂を運用しやすくする白黒のフィルター、ヘリオッドの指図をピック。
ここまでで想定されるのは白系のミッドレンジだろうか。
だがここから白いカードがほとんど流れてこなくなる。後からわかったことだが、上家のねじれさんも白に参入しており、卓内で見ても4人が白に触っていたようだ。
後半は稲妻のらせん、 黒系の除去など赤と黒を2色目として睨みつつ、また白への怪しさも感じながら1パック目は終了。

2-1は集団的努力。異界月の増呪呪文で、大物潰し、啓蒙、全体強化を同時にこなせる強力な呪文だ。
しかし左2人隣も白に参入しており、白いカードはほとんど流れてこず、代わりに赤いカードが多く流れてくる。
稲妻、アリーシャ、ゴブリンの先達、etc...
ここに明確なシグナルがあり、ゴブリンの先達が6巡目で流れてきたことは赤いビートダウンをピックしているプレイヤーが左側5人に存在していない確率が非常に高いことを意味する。
幸いにも多少なりとも赤いカードをある程度取っており、ここから全力で赤いビートダウンに切り込めばパーツを独占できる可能性が高い。
以後は赤い生物や火力をピックし、9巡目で槌のコスが帰ってきて赤いビートダウンのピック成功を確信。3パック目もそのままの流れで赤いカードをピックしていき、最終的に赤t白のビートダウンが完成した。
 IMG_0437

もともと白をやろうしており、神の怒りなど序盤のピックで無駄になったカードもあるが、当たり運もあって最終的にこのデッキで3-0することができた(全試合相手がコントロールだったのは幸運だ)。

ビートダウンがキューブにおいて優れている点はいくつかあるが、最も大きな特長の一つは、オープン(他のプレイヤーがやっていない)であることに気付ければ、参入が若干遅れてもデッキを完成させやすい点だ。
コントロールは他のプレイヤーも欲しがる強力なカードを多く必要とするため、参入が遅れると他のコントロールデッキのプレイヤーより完成度が低く、さらにお互いを食い合って悲惨な目に遭う危険性が高い。
一方で、ビートダウンは1マナ2/1のドラゴンを狩る者や2マナの亢進する地虫など他のプレイヤーから見て価値の低いカードでも喜んでデッキに入れることができるため、後からでも参入しやすい。
勿論、早めに参入できていればより強力なカードを増やしたり、他のプレイヤーのカードをカットする余力が生まれたりするので、早く参入することのメリットもある。
ただし、ビートダウン向きのカード自体は絶対数がそれほど多くないため、食い合った場合のダメージはかなり大きい。そのため、決め打ちはNGだし、他のプレイヤーが気付く前にポジションを主張することが重要になる。
今回でいえば、なるべくミッドレンジ〜コントロールを目指し、ゴブリンの先達など明確なシグナルを得た上で切り込むのが理想的だ。大歓楽の幻霊などもシグナルになる。渋面の溶岩使いはビートダウンにもコントロールにも使えるカードだが、そういう意味では極めて貴重な1マナクリーチャーだ。
同様のビートダウンは白、黒でも作れる。黒は赤以上にシンボルの拘束がきつく、呪文がコントロールの欲しいカードと被りやすいのが難点だが、成功すればファイレクシアの抹殺者など見返りは大きい。
いずれにせよ、他のプランと両天秤をかけながら序盤のピックを進める手筋と、ビートダウンに切り込むに値するシグナルを理解しておくことが重要だ。

まだ書けることはあるが、今回はこれくらいで。 
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