「人間的」という言葉の意味

以前から「人間的」という言葉が意味するものについて、私は常に違和感を持っていた。
web辞典で意味を引くと、
1 人間としての性格・行動などに関するさま。「人間的な欠陥」
2 人間らしい性質・感情などがあるさま。「人間的な優しい心」
とか、
行動や考えに、人間として当然あるべき感情の感じられるさま。人間らしい配慮や思いやりのあるさま。 「 -な扱い」 「 -に成長する」
とある。
要するに情緒が豊かで、他人を慮ったり、そういうものを人間的と呼ぶということだ。
対義語は「機械的」とか「事務的」とかそういうものだろうか。

なぜこれに違和感があるかというと、情緒だの協調だのはある程度高等な動物(犬とか)は備えている性質だからだ。動物も持っている性質を指して「人間的」とは?
即ち、人間特有のものでない性質を指して、それを「人間的」と呼んでいるのだ。
加えて、近年では法律や科学への専門的知識、コンピュータの知識といった、上記指標とは無関係の位置にある要素が明らかに人間の社会的立場の幾分かを規定しているではないか。
「人間的」とは、時代遅れの概念ではないか?

結論から言うと、自分のこうした疑問は半分正しく、半分誤りを含んでいた。
確かに獣も情緒を持ち、協調を示す。しかし、人間に比べるとその程度はずっと低い。
どういうわけか人間は言語、虚構に基づいた思考・行動を獲得し、その結果として他の生物と比べて圧倒的に高度な情緒や協調性を発揮しうる。
情緒や協調性に欠ける人間は獣と大差ないレベルということだ(人が動物より高等であるという傲慢な物言いだが)。
つまり、人間の個体の程度を測る指標としてやはり情緒や協調性は適していると言えるということだ。

この辺りの話は私が最近読んでいる「サピエンス全史」に詳しく述べられており、この本は所々度が過ぎる記述もあるが、非常に興味深い洞察を与えてくれる(まだ半分くらいしか読んでないが)。

サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福
ユヴァル・ノア・ハラリ
河出書房新社
2016-09-08



また、専門的知識・技能についても、やはり「人間的」であることは重要であることは今にして思えば自明なことだ。
専門的知識・技能を獲得するために教育を受ける段階では、独学ならいざ知らず、「人間的」要素が優れていれば良い仲間を見つけて、教育機会からより多くの知識・技能を得ることができる。
また、身につけた知識・技能を発揮する、すなわち働く段階にあっても、「人間的」に信頼されることが何かしらの形で生じなければ、そもそも知識・技能を発揮する場面に辿り着けない。
前者に関しては、独学で良いという考え方もあるが、独学はやはり限界があるというのは大方の帰結である。限界というのは、20代前半くらいまでは独学で成長できても、それ以降伸び悩み、いつか内心見下していた平均的な相手に追い抜かれるということだ。
後者に関しては、他者より圧倒的に優れていることが何かしらの形で可視化されればそれが信頼を担保するのだが、つまりそれは実績などであって、実績を生むための最初の機会はやはり「人間的」要因によるところが大きい(たまたま優秀な人間に引っ張られて上手くいってそれが自分の手柄になるなど、運もあるが)。
すなわち、「人間的」であることは、専門家であることの基盤である。

私は先に掲げたような疑問を以て、「人間的」というのは時代錯誤、あるいは人間への理解の不十分さ、偏狭さのようなものだと思っていた。
しかしながら、本質を見誤っていたということになるのだろう。
そのようになった原因は幾つかあり、最も大きいのは、私は「機械的」な優秀さを多少持っているかもしれないが、「人間的」には凡庸かそれ以下であることだろう。
私は自分に対してある程度批判的に見るように努めているが、やはり根っこのどこかで自分を良いものだと思いたい甘さが無意識にあり(誰しも持つものだが)、それが物の見方を歪ませたのだろう。

レガシーデッキメモ(作成中)

友人に勧める用のものだが、個人的なまとめの意味も兼ねてここに書いてみる。

この記事で紹介するデッキは以下の3つ。
1.Canadian Threshold (RUG Delver)
2.Mono-Red Stompy
3.Maverick

1. Canadian Threshold (RUG Delver)
・サンプルデッキリスト
rugdelver
(註:最近は致命的な一押し/Fatal Pushの影響を受けて、タルモゴイフ/Tarmogoyfを2枚に減らし、真の名の宿敵/True-Name Nemesis)を2枚入れたバージョンも多い)

・解説記事
のぶおの部屋 -第1回 RUGデルバー(前編)-
http://www.hareruyamtg.com/article/category/detail/125
のぶおの部屋 -第1回 RUGデルバー(後編)-
http://www.hareruyamtg.com/article/category/detail/126

・プレイ動画
Channel Mengucci - Legacy Canadian Threshold
https://www.youtube.com/playlist?list=PL04lbfeNAaS-keBkxpHiSO3E0kgpVT1Mw
レガシー選手権13夏 SE FINAL Ichikawa Yuuki(RUG Delver) vs Oogushi Hiroki(Omni-Tell)
https://youtu.be/kniKBi2EGvY

2. Mono-Red Stompy
・サンプルデッキリスト
monoredstompy

・解説記事

・プレイ動画
Channel Mengucci - Legacy Moon Stompy
https://www.youtube.com/playlist?list=PL04lbfeNAaS-JjjDBks4M27qtrpL2K6JI


3. Maverick
・サンプルデッキリスト
maverick

・解説記事


・プレイ動画



以下、個人的見解

1.上記の補足
各デッキのポジション(超ざっくり)
デッキ対青系生物デッキ (Delver等)対非青系生物デッキ対コンボデッキ
1. Canadian Threshold
2. Mono-Red Stompy
3. Maverick
(◎:有利、○:五分~有利、△:不利~五分、×:不利)
※当然だが、各カテゴリ内でも個々のデッキで相性は変動する。

Canadian Threshold
  • マナ否定の効きが相性を左右する。フェッチ+デュアルランドに依存しているデッキほど有利。
  • Delverやコンボはマナ否定が効きやすいので、十分戦える。ただし、Delver相手は相手からのマナ否定でこちらが負けることもあり、土地に関する攻防に習熟することが望ましい。
  • 死儀礼のシャーマン/Deathrite Shamanはマナの供給によるマナ否定耐性、墓地追放によるスレッショルドの妨害と刺さるカードのため、マスト除去。
  • 非青の生物系はマナが攻めづらく、地上のブロッカーも固いので苦戦しやすい。
Mono-Red Stompy
  • 渦まく知識、思案、フェッチ、デュアルランドといった青の中核を真っ向から潰すデッキ。
  • 対非青デッキには脆い。血染めの月/Blood Moonが刺さるかどうかが鍵。
  • 対コンボは虚空の杯/Chalice of the Void、三なる宝球/Trinisphereを最速で置ければ戦えるが、Sneak Showなどの必要枚数の少ないコンボに対してはやや心許ない。サイド後はマリガン&お祈り。
Maverick


2.色んなデッキを知るには
日本語だと晴れる屋の記事がかなりまとまっている。
個人的には、USA Legacy Expessが特におすすめ。

・のぶおの部屋
http://www.hareruyamtg.com/article/category/tag/%E3%81%AE%E3%81%B6%E3%81%8A%E3%81%AE%E9%83%A8%E5%B1%8B
・USA Legacy Express
http://www.hareruyamtg.com/article/category/tag/USALegacyExpress

マルチ商法と人の心

前々から何かしらここに書こうと思っていて、書く時間もネタもあるはずなのだが、書いていなかった。
なぜなら習慣がないからだ。
習慣とは一朝一夕に得られるものではないが、そうなることを期して久々に書いてみようと思う。


これを書いてる時点で日付が変わっているので昨日の6/29は29回目の誕生日を迎えたが、なかなか珍しい経験をした。
端的に言えば、マルチに嵌りそうになっている人間を引き止める場に同席していた。
話はさらに前日の昼に遡り、昼食を一緒に食っている人から身近にマルチに嵌りそうになっている人がいる(その人には私も一度会ったことがある)という話を聞いた。
今思うとその時の会話は私を引き止めの場に同席させるのに適任かどうかの確認だったのだろうと思うが、ともかくその場ではマルチ・カルト(この両者を類似のものとして語るのはマインドコントロールを利用して個人を支配しようとする集団であるという見解に基づいている)について簡単なレクチャを受けつつ、彼との会話では恒例の抽象的な哲学のような話をして終わった。この時点ではまさか同席するなどと思っておらず、いつもの言葉遊びのネタくらいにしか思っていなかったのだが、どういう訳か彼からすると私はちょうど良い役者だったようで、翌日の昼にもう一度その話をされ、夜に引き止めの話をする場に同席することになった。
誕生日の夜のイベントとしては奇妙だが、充血した目をこすりながらPCに向かうよりは遥かに人間的な生活ではあるし、別に予定もないので断る理由は特になかった。

さて、そこで見た光景というのはまさしく人間の心の一面、すなわち、滑稽にすら思うほどの非合理性、自己制御不能になりかけている感情の塊だった。
休日は最近どうしてるのかという話から始まり、徐々に本題に入っていく。「異業種交流会?」「団体名とかってあるの?」「経営者ってどういう人なの?」
探りを入れてることが露骨な気もするが、自分は趣旨を知ってるからそう思うだけで、雑談の範疇ではある。尤も、聞かれる側は、自然とガードを固くしたようにも感じられる。時折論理的に破綻しているような受け答えもあるが、問う側はそれを特に指摘したりはせずに話が進んでいく。最初は相手の話を受け入れるものだと、前日のレクチャで聞いたのを思い出す。
「団体名がないの?」「普通あるでしょ」「100人もいるのに?」「名刺交換がだめ?」「ビジネスを学ぶのになんで名刺交換がだめなの?」
徐々に相手に対する指摘が入り始める。名乗らない、というのはマルチやカルトでは常套手段だ。客観的証拠を叩きつけるための下準備だ。相手もやや感情的になってきているが、説得する側も負けてはいられない。
「名乗らないんでしょ?それがマルチやカルトの手法なんだよ」
「○○○(一時期有名になった本の名前)って本さ、マルチの中では定番の本なんだよ」
「会う頻度どんどん増えてない?そうやって君の考える力を奪おうとしてるんだよ」
「すげぇいい人たちなんでしょ?そうだよ、彼らはいい人なんだよ」
「なんでわかるかって?俺も昔カルトにハマったことがあったからだよ。抜け出すのに半年以上かかった」
その後は一気に熱が引いて、静かに話が進んでいった。
ハマりかけていた彼も、腑に落ちないながらも頭では自分の信じ込まされていたものの論理的な破綻に気付いて、スマホであれこれ調べながら状況を正しく認識しようと努力していた。
確かにここに書いてあることの半分くらい当てはまりますね、という言葉に、「でも信じられないでしょ?それがハマりかけてる、ヤバイ状況ってことなんだよ」と笑って返していた。

この一連のやり取りの中、私はほとんど言葉を発することはなかったが、マルチ商法に騙されかけていた彼の態度や言葉を見ていて、なぜ彼が騙されるのか、一つわかったことがあった。
一言で言えば、承認欲求だ。
承認欲求というと人から認められたいとか、どちらかというとネガティブなイメージで語られがちだが、私の理解している限りで(それが誤りなのかもしれないが)、もう一つ重要な要素がある。
それは、人は人を「信じたい」、「尊敬したい」、「仲良くなりたい」、「好きになりたい」、etc……これらは、一般的な社会通念からいえば全くもって悪くない、むしろ明らかに善とすらいえるものだ(別に他人から認められたいというのが悪いことだと思わないが、他人を尊敬したいという話を比較すれば否定的な文脈に変換するのは相当に容易だろう)。
こうした気持ちが、マルチに騙される心の素地を作っている。一般論としてはどうかはわからないが、昨日の例は確信を持ってそうだと言える。
"成功している経営者"への尊敬、"親身になってくれる会のメンバー"への感謝の気持ち、etc……いずれも全くもってポジティブな善の感情であって、それがそっくりそのままカルトへハマる原動力になっている。"経営者"はどうか知らないが、"メンバー"も彼を騙そうなんてハラではなく、おそらくは善意で動いているのだろう。あまりにも皮肉だが、利口で、純粋で、理想もあり、しかしやや不器用で、そんな彼の好ましい人格こそが、マルチの被害者一歩手前まで導いてしまった。

「地獄への道は善意で敷き詰められている」という言葉があるが、これもそういうことだろうか。
この件については、まだ自らの手で総括するのにふさわしい言葉を知らない。
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遺伝子の研究の合間にMagic: the Gathering, Hearthstone, 戦国大戦などで遊んでるゲームが下手くそなオタクです
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