サッカーを楽しむソムジット このアマボク通信・第1回に登場したのは、日本人ではなくタイ人。サッカーを楽しむ2003年世界選手権フライ級・金メダリストのソムジット・ジョンジョホールだった。このブログは、最初からズレていたのだ。当て勘、避け勘共に世界最高レベルのソムジットも、今年で34歳。北京五輪後に定年の35歳を迎える。ホームの歓声を受けると神のように強いソムジットの、アウェイ北京での偉業達成に期待したい!今回は、2006年のアジア大会直後、ソムジットの練習場を訪れ、インタビューをした記録を紹介。アマボク通信は、これからもゴーイング・マイ・ウェイを続けるのだ。

「相手が熱くなった時、私は勝ちを確信します」

――ソムジット選手には、ムエタイの経験もありますか?
ソムジット はい。9歳から21歳までにやって、ラジャダムナンとルンピニーの両方で、最高2位になったことがあります。
――ムエタイを始めたきっかけは何でしたか?
ソムジット 祭りのとき、母におもちゃやお菓子が買いたいと頼みづらかったからです(笑)。
――今のボクシングスタイルは、ムエタイの影響が強いですか?
ソムジット それもあると思いますが、シュガー・レイ・レナードやロイ・ジョーンズ・ジュニアがお手本です(ホントかよ)。
――2006年のドーハ・アジア大会の準決勝では、日本の須佐勝明選手と対戦しました。どんな印象がありますか?
ソムジット 若いのに、自信を持って闘える選手だと思いました。試合前に、何度かマスをやったんですが、正直、簡単に勝てると思いました。しかし、彼は勇敢でした。負けは仕方ないです。これからでしょう。

ソムジット・ミット打ち――もっと技術が上達すると思いますか?
ソムジット はい。それに、精神面もです。須佐選手は試合中、焦ってムキになって攻めて来ました。私は、相手が熱くなったとき、この試合はもう勝てると確信します。
――須佐選手は自分の攻撃が読まれて、追い込まれたそうです。
ソムジット 彼は経験が足りません。攻撃の7、8割は読めました。日本人の動きは、いつもそれくらい読めます。でも、須佐選手は攻撃よりも、守りのほうが課題でしょう。
――ディフェンスを磨くコツはありますか?
ソムジット 至近距離で、コーチにテニスボールを投げてもらって、それをよける練習をオススメします。

――ソムジット選手は、北京五輪後、定年の35歳を向かえます。その後の予定はあるのですか?
ソムジット 陸軍に残りたいです。コーチができれば幸いですね。
――アテネ五輪では、優勝候補の最有力でしたが、2回戦でユリキオス・ガンボア(キューバ)に敗れました。今回の北京五輪は、どういった気持ちで望みますか?
ソムジット もちろん、金メダルを狙います。アジア大会、世界選手権、タイのキングスカップで、私の欲しい金メダルは、すべて手に入れました。本当に残りは、オリンピックだけなんです。このラストチャンスに頑張ります。

ソムジット・壁バッグ 壁バッグにロシアンフックを打ち込むソムジットさん、須佐の分まで頑張って下さい。

Somjit Jongjohor(ソムジット・ジョンジョホール)プロフィール
1975年1月19日タイ・ブリラム生まれ。タイ陸軍勤務。2002年プサン・アジア大会金メダル、2003年バンコク世界選手権同級・金メダル、2006年ドーハ・アジア大会同級銀メダル、2007年シカゴ世界選手権銀メダル獲得(階級はすべてフライ級)。右ボクサー。