red(写真:国際大会のスコアボード。世界的にも不慣れなのか、7月のインドネシアでは、公式採点に統一感がなかった)

 日本アマチュアボクシング連盟の発表によると、来月の全日本選手権には、さまざまな「AIBA式」、つまり国際大会と同様のシステムが導入されるという。中でも、選手や指導者にとって待望だったのは、AIBAで使用しているコンピュータ採点機の購入だ。いまだに採点方法が解読困難に感じるこの採点機を、今後の全国大会でも使用を続け、各ブロック大会へも、実施を促す方針だという。

 国内外を問わず、「急激に強くなった」ともいわれる日本。井上尚弥や佐伯霞のような、過去にはありえないホープも台頭しているが、仮に、須佐勝明、村田諒太、新本亜也の3人が抜けるだけでも、その穴を埋める見通しがつかなくなってしまう。選手やその身近な関係者では、今の日本は、強い選手が増えた一方で、“基盤がもろい”ことも感じていた。

 そこで、底辺からの国際ルール適応は、ロンドン五輪後には不可欠だった。山根明・同連盟会長は、「今後の日本の大会は、明確に、AIBA傘下の大会になる。国際ルールに困惑することを、選手だけではなく役員からも減らしていきたい」と語る。ほかにも、同選手権では、リングイン後のヘッドギア着用や、AIBA役員を招いた国際審判員の試験も決定している。ここで、講習会も開かれるのは、レフェリング、ジャッジングの相違点を、減らすことも目的とされている。

 強国として名高いキューバでさえ、一つ世代を育成する期間を、4年単位で見ているように、五輪閉幕後に、選手の総合力が「ふり出しに戻る」という課題は、大半の国で課題となっている。日本の場合は、これを「国際ルールの初心者」から、始めなければならなかった。しかし遠くない将来、日本では、新人の高校生も、世界のボクシングを意識できるようになるかも知れない。