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 今季の関東大学リーグ戦では坪井智也(日本大)が史上5人目の4年間全勝(20勝)を達成したが、この記録の第1号であることなど、稀代の天才として、しばしばその名が挙がるのが副島保彦さんだ。中学時代の副島さんは、当時・世界王者の輪島功一氏とのスパーで注目された今でいうキッズボクサー。その後に進んだ横浜高校で、名顧問として手腕を発揮した海藤晃氏は、副島さんを「同校史上最高のサラブレッド」と絶賛している。モスクワ五輪出場は政治的ボイコットで棒に振ったことでむしろ有名となった。とはいえそのショックで「モチベーションを見失った」という副島さん。それでも社会人まで選手生活を続け、三浦国宏(拓殖大)対平仲信明(日大)の時代に遷り変わるまで、ライトウェルター級で日本の頂点に立ち続けた。現在は国体の縁で移住した群馬で公務員。リーグ戦記録については「2人目の仁多見史隆(東京農業大)が出たときに初めて記録性を持った」と振り返り、現在の"最強高校生”である堤駿斗(習志野高)については「我々の時代は一太刀で倒すのが美とされていたので、それと大きく異なる戦い方の彼を見たときに競技性が大きく変わったと思った」と話した。指導者としてはボクシングに携わっていない副島さんだが、今後も大会運営などの形で競技に恩返ししていきたいとのことだ。

(※この記事はボクシングマガジン2017年9月号に掲載されています)