8月2日から7日にかけてフィリピンのプエルト・プリンセサでは、2001年と2002年生まれの男子を対象にアジア・ユース選手権が開かれ、日本は2階級制覇などの過去最高成績を残した。

 10代の選手育成が順調な日本だが、現在の高校3年生の戦力まではさすがに維持できないとも見られていた。ただ、小中学生の試合レベルが成長を続けているのも確かだ。結局、今大会でも、出場した46kg・田河琉加(浪速中)、48kg・矢野利哉(内宮中)、50kg・大杉兼心(平田野中)、52kg・五味浩夢(東大和市立第五中)、54kg・由良謙神(芦屋学園高)、57kg・山村剣晋(芦屋学園高)、60kg・堤麗斗(椿森中)、63kg・染谷將敬(駿台学園高)、66kg・田中空(武相高)、70kg・仲野玲(西和清陵高)のうち、堤と田中が金、矢野が銀、由良と仲野が銅とメダルを量産した。田中に関しては最優秀選手にも選ばれている。
 愛媛の松山市内で父・晃明会長の開いたジムで経験を積んでいる矢野は「遠征と実戦を繰り返していることが結果につながっていると思う」と話したが、準優勝には悔しそうだった。
 堤は現・高3の出世頭、駿斗の弟。今回は本来より1階級上での出場だったが、国際的に評価の高いベクザット・エリンベット(カザフスタン)にも勝利して、兄が初戦敗退だった大会を制した。試合後に堤は「兄はリードを磨いたことが成功の決め手だったので、自分もこれを信じた」と話している。
 小中学校時代からプロの王座保持者ともスパーをこなしていた田中は、父・強士さんの母校、武相高校へ進学。最近は大学生との実戦で馬力強化に励んできたと言う。最優秀賞が嬉しそうな田中は「倒すことにこだわりはない。手数とスピードで勝つ優位に立つことを理想にしている」と周りの印象とは対照的な方針を口にし、「今回はかみ合いのいい相手ばかりで運がよかった」と謙虚だったが、世界ジュニア選手権制覇というステップアップも本格的に見据えていた。

(※この記事はボクシングマガジン2017年10月号に掲載されています)