2006年11月11日

観世黒雪の手紙

1112秋は消息の掛け物を楽しむというが、古い茶会記を見るとそうとは限らない、だが人恋しくなるので手紙でもという発想ならいいかもしれない。次に掲げようと思う軸は、観世黒雪の彦根藩家老木俣右京宛の手紙である。
観世黒雪は江戸初期の能楽師観世宗家第十代で、左近太夫と称し、のちに黒雪斎暮閑と号した。徳川家康の能の先生である。そもそも桃山から江戸初期にかけては、時代の変化に応じた個性的な能書家が多数輩出した、それを称して寛永の三筆という、本阿弥光悦、近衛信尹、松花堂昭乗の三人のことである。それぞれの説明は、ネットに任せるとして、この観世黒雪は、本阿弥光悦と親密で、書は、本阿弥から能は、観世からと、互いに影響を受けていた、まさに寛永時代のアートヒーローであった。光悦は、言わずもがな、大ヒーローであるが、当時の書や絵画にとって、能の影響というものは、ただならぬものがあったのである。光悦に関わる次世代の光琳しかり能狂いであった。しかしながら、観世黒雪に関する資料は、能の自筆本以外手紙が数通ある程度である。これ以降の観世宗家の手筆もおしなべてその程度しか残っていない。不思議といえば不思議である。この手紙は、その意味でも貴重であるといえよう。

sesson_freak at 23:38コメント(0)トラックバック(0) 
能楽 | 手紙

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
profile
江戸の風
巨人、大鵬玉子焼きの世代です。つまり、一方向にソレと動く時代に育ったオヤジです。美術といえばルノアール喫茶店もルノアール。ストーンズに目覚め、アングラ劇に感動し、都会に育った中年オヤジです。それが、一念発起なぜ、こんなブログを書き始めたのか、内容をご覧じろ。 メールはこちらです。
Archives
訪問者数

Amazonライブリンク
メッセージ

名前
メール
本文