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肇国以来未曾有の大惨害―“ロスト・アルテミス”世界を襲う ■特別刊行号■

 “ロスト・アルテミス”と呼称される大惨害、及びそれに続く国内の混乱により、本紙の刊行は一時中断されておりましたが、本特別号を機に刊行を再開致します。このような非常時にこそ、三洲国民にとって有用な情報源となるべき本紙が、長期間に渡って刊行中断を余儀なくされた事は痛恨の極みであり、ここに全三洲国民に対して深謝致します。
国民協和党機関紙「興国」編集部

-主な掲載内容-
・肇国以来未曾有の大惨害―“ロスト・アルテミス”世界を襲う
・北部島嶼駐屯軍、“救国政府”名乗り逆賊と化す
・壬生最高委員長、逆賊完全鎮圧を宣言 
・【報道三社共同宣言】出せ大三洲の底力 世界に築こう新秩序

【肇国以来未曾有の大惨害―“ロスト・アルテミス”世界を襲う】
空軍機が撮影した衛星の破片 ヴァレフォール標準暦十六年、後に“ロスト・アルテミス”と呼称される大惨害が世界的規模で発生した。その被害は全人類の生存をも脅かすものとなり、環境調整省気象統計局や国立十河天文台など複数の関係部署から発表された情報によれば、ヴァレフォール三衛星のうちの一つが、何らかの要因でロシュ限界を突破、数千以上に砕けた破片が世界各地に落下した。またこれに前後して、潮流の満ち引きの異常など、大規模な気候変動が相次いで報告されている。

[衛星破片落下、各地で甚大な被害 津波、地震も確認される] 
衛星の破片が西京にも落下し、壊滅的被害を蒙った 衛星の破片は我が国にも落下した。落下は西京及び西京以北の北部島嶼(北三洲地方)に集中し、北三洲海を震源とする震度七の大地震がほぼ同時期に発生した事から、北部島嶼は成和台島を中心に甚大な被害を蒙った。
 先の暴紫膺懲戦争(シオン戦争)による戦災から、官庁街を中心に新たに整備された新西京も、この破片落下により大部分が水没。首都としての機能を喪失した。幸いにも、壬生正宣・国家行政委員会最高委員長は地方遊説で城久市に滞在していた為、難を逃れたが、西京で執務中であった閣僚十名の生存は絶望的と見られている。

[非常事態宣言を発令 国評は全権委任法案を可決] 
 壬生最高委員長は当面の対応策として城久市への遷都を決断し、非常事態宣言の布告に基づく戦時動員令を発令した。また、十六年十月に城久に移転した国政評議会(国会)は、非常事態に立法府が行政府に立法権を委譲する全権委任法案(三洲民族と国家の窮状を除去する為の特別法)を全会一致で可決した。これによって、現在に至るまで同評議会は停止している。

<写真解説>
・航空総軍のIRF-28偵察機が撮影に成功した衛星の破片。この破片は北三洲海の公海上に落下したが、その直後に偵察機からは通信が途絶えた(上)
・衛星の破片が落下し水没した新西京市街地。落下地点付近の人々は瞬時に蒸発し、被害は新西京全域に及んだ(下)

【北部島嶼駐屯軍、“救国政府”名乗り逆賊と化す】
 “ロスト・アルテミス”と呼ばれる大惨害によって国内各地が肇国以来最悪の混乱に陥っている最中、甚大な被害を蒙り治安が著しく悪化していた北部島嶼では、矢国(ヤードゴニエ連邦)傀儡共産主義勢力が反政府の暴動を煽動し、甘言に釣られた一部の市民が警察署や国民協和党支部などを襲撃した。

[北部島嶼駐屯軍 治安出動令を黙殺の上、軍警粛清の大暴挙]
 これに対し、現地の防衛を担当する国家防衛陸上総軍北方軍団司令部は、城久の国家防衛総軍中央参謀本部を通じて発せられた治安維持出動令を黙殺、中央参謀本部の指揮系統から離脱を宣言し、剰え、憲兵に相当する中央参謀本部直属の成和台軍事警察隊将兵を全員殺害すると言う暴挙に出た。また、彼等は矢国傀儡共産主義勢力と共謀して“三洲諸島解放軍”及び“救国人民政府”なる非合法集団を組織、成和台及び陣神両島を完全な勢力化に置いたとした。

[壬生最高委員長激怒 逆賊の徹底的膺懲を指示]
解放軍の攻撃を受け沈む駆逐艦「芦立」 壬生最高委員長は北部島嶼に於ける救国政府組織の動きに激怒。国民に向けた緊急のテレビ演説にて「非常時に国家と国民を守護すべき国防総軍の武人の一部が共産勢力と共謀し、逆賊と化した」と強い語調で非難し、北部島嶼の奪還と逆賊の徹底的膺懲を指示した。
 水没した新西京市街地近郊の西京丘陵に、逆賊討伐の為の征北特設司令部と前線基地を設置した国家防衛総軍であるが、緒戦は成和台島近海で遊弋中であった強襲揚陸艦「遠鞍」と随伴駆逐艦二隻が攻撃を受ける等、解放軍勢力に圧倒され、防戦に徹する事を余儀なくされた。


[猛勢一挙の大逆転 軍神高瀬大佐の武勇と北部島嶼奪還]
北部島嶼奪回を準備する国防総軍部隊 戦局は、解放軍勢力が行った旧正月攻勢を国家防衛総軍が撃退、あわせて彼奴等の根拠地に対して戦術核兵器を投入した事によって逆転。十七年九月、満を持しての成和台・陣神島同時上陸作戦が実施されたのである。その際、成和台島沿岸部に於ける解放軍勢力の防御拠点の一つ、康醍営攻略に従事していた野戦指揮官・高瀬暢雄大佐は、重傷を負いながら陣頭で指揮を執り、一歩も退却する事無く壮絶な死を遂げた。彼はまさに尽忠報国の模範的実践者であり、「軍神高瀬」として世界戦史に脈々と語り継がれることであろう。
 所々で追い詰められた解放軍はゲリラ戦を展開、抵抗を試みてきたものの、最終的には、十七年十一月に救国政府が首都としていた逢牡市が陥落。同政府の香津淑子首班が拳銃自殺した事により、同軍の組織的抵抗は事実上終わった。十八年初頭現在、山間部などで最後まで抵抗を続けていた同軍部隊を対象に、武装解除が行われている。

<写真解説>
・解放軍の攻撃によって沈むミサイル駆逐艦「芦立」。対戦哨戒ヘリコプターから撮影された(上)
・貨物列車に積載中の五式主力戦車。南部の皇嘉基地から西京丘陵の前線基地へと向かう。ロスト・アルテミスによる被害は鉄道もまた例外ではなく、線路は各地で損傷したが、尽忠報国の精神に燃える昼夜兼行の突貫作業によって皇嘉―西京間の貨物線が復旧した(下)

【壬生最高委員長、逆賊完全鎮圧を宣言】 
 
ヴァレフォール標準暦十八年(復興暦二年)を迎え、壬生正宣・国家行政委員会最高委員長は、逆賊によるあらゆる抵抗の終結と逆賊の完全な鎮圧を宣言した。この事変での戦死者は救国人民政府・三洲諸島解放軍側が約三千七百名、国家防衛総軍側が約一千名であった。民間人を含めた合計の死傷者数や戦術核兵器使用に挙げられる、具体的な被害内容等は、「ロスト・アルテミスによる混乱もあり、今後暫くは確定できない(秦岡報道官)」とのこと。

[逆賊勢力首魁の処遇は特別法廷で] 
 国家に対する重大な犯罪行為を策謀した逆賊勢力の首魁達の処遇は、近く開廷される予定の特別法廷で決せられる見通しであると、秦岡幸次郎・国家行政委員会報道官が伝えた。逆賊勢力の首魁達とは、現在城久郊外の収容所に収監されている木谷春夫副首班以下、旧救国政府の閣僚と、当時の国家防衛陸上総軍北方軍団司令部の将校、矢国傀儡共産主義勢力たる旧革新労働党残党組織の幹部であり、合計二十五名。

[立法権の国政評議会への返付 「時期尚早」と壬生最高委員長] 
 全権委任法案の可決によって国家行政委員会へ委譲された立法権の返付について、壬生最高委員長は、「今般の事変が終結したからと言って非常時そのものが終結した訳ではない。三洲再興を果たす為には、強力な中央集権体制を暫くの間維持する必要がある」との考えを述べた。国民協和党最高顧問の地位にある吉祥寺雅彦前最高委員長も、同様の意向を同党中央審議会を通して伝えている。

【報道三社共同宣言:出せ大三洲の底力 世界に築こう新秩序】
 
全世界の民が戦慄したロスト・アルテミスと呼ばれる未曾有の大惨害と、その後に発生した国内での騒擾は、まさに三洲肇国以来最大の国難であると言える。騒擾を引き起こした逆賊が徹底的に撃砕されたとは言え、大三洲の地に残されたのは災害と戦乱によって荒廃した大地のみだ。我々はこの荒野から、一からの再興を果たさねばならない。
 三洲国民よ、尽忠報国の精神の下に集結し、あの南洋の軍事政権と忌むべき逆賊を膺懲し打ち負かした無敵の軍と、彼等を率いる指導部の偉大な前進に歩調を合わせ、奉公の赤誠を捧げよう。今こそ大三洲の底力を発揮し、我が国が嘗て誇った威光を取り戻し、崩壊した国際秩序を再構築する、新世紀の先鞭となるべきなのである。その為に三洲連合共和国報道主要三社は尽忠報国と滅私奉公の精神で一致協力する覚悟である事をここに宣誓するものである。
                     
                     国民協和党機関紙「興国」
                     国営三洲中央放送
                     西京国際放送


<政府広報・企業宣伝>
堅忍持久の非常体制 奮起せよ!三洲民族     -国家行政委員会-
唱歌「軍神高瀬大佐」歌詞案を公募        -文化教務省-

その手緩めば再興鈍る 勤勉勤労は国民の務め   -社会労働省-
食品類及び燃料の配給制に理解と協力を      -内 務 省-

ヴァレフォール暦十八年一月・国民協和党機関紙「興国」電子版




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