2009年07月31日

周期関数の和は周期関数か(2)

前回の記事では,$f(x)=\sin x+\sin\sqrt2\,x$が周期関数であるかどうかが未解決でした。$\cos x+\sin\sqrt2\,x$の場合と違って,$x=0$と$x=-p$を代入してもすぐには分からないのですが,$x=0,\,\bun{\pi}2,\,-p+\bun{\pi}2$を代入すればわかります。$f(x)=\sin x+\sin\sqrt2\,x$が周期$p\ (>0)$の周期関数であると仮定すると,任意の実数$x$について\[\sin x+\sin\sqrt2\,x=\sin(x+p)+\sin\sqrt2(x+p)\text{ ……\ajMaru{1}}\]が成り立ちます。\ajMaru{1}に$x=0,\,\bun{\pi}2,\,-p+\bun{\pi}2$を代入して\begin{align*}&0=\sin p+\sin\sqrt2\,p\text{ ……\ajMaru{2}}\\&1+\sin\left(\sqrt2\cdot\bun{\pi}2\right)=\cos p+\sin\sqrt2\left(\bun{\pi}2+p\right)\text{ ……\ajMaru{3}}\\&\mathopen{}\cos p+\sin\sqrt2\left(-p+\bun{\pi}2\right)=1+\sin\left(\sqrt2\cdot\bun{\pi}2\right)\text{ ……\ajMaru{4}}\end{align*}\ajMaru{3}\ajMaru{4}を比べて\begin{align*}&\mathopen{}\sin\sqrt2\left(\bun{\pi}2+p\right)=\sin\sqrt2\left(-p+\bun{\pi}2\right)\\\LLeftrightarrow{}&\mathopen{}\sin\sqrt2\left(\bun{\pi}2+p\right)-\sin\sqrt2\left(-p+\bun{\pi}2\right)=0\\\LLeftrightarrow{}&2\cos\left(\sqrt2\cdot\bun{\pi}2\right)\sin\sqrt2\,p=0\\\LLeftrightarrow{}&\sin\sqrt2\,p=0\ \left(\because\cos\left(\sqrt2\cdot\bun{\pi}2\right)\ne0\right)\text{ ……\ajMaru{5}}\\\LLeftrightarrow{}&\sqrt2\,p=n\pi\ \left(n\in\Z\right)\\\LLeftrightarrow{}&p=\bun{n\pi}{\sqrt2}\text{ ……\ajMaru{6}}\end{align*}\ajMaru{5}を\ajMaru{2}に代入して\[\sin p=0\Leftrightarrow p=m\pi\ \left(m\in\Z\right)\text{ ……\ajMaru{7}}\]\ajMaru{6}\ajMaru{7}より\[\bun{n\pi}{\sqrt2}=m\pi\Leftrightarrow n=\sqrt2\,m \]$n,\,m\in\Z$と$\sqrt2\not\in\Z$から,これをみたす$n,\,m$は$n=m=0$に限りますが,このとき$p=0$となるので不適です。従って,$f(x)=\sin x+\sin\sqrt2\,x$は周期関数でないことが示されました。\br2以上は文理共通用の答案ですが,三角関数の微分を使っていいのであればもっと簡単に解決します。\ajMaru{1}までは同じです。\ajMaru{1}は任意の実数$x$で成り立つので,両辺2回微分しても成立します。$(\sin x)''=-\sin x$なので,\begin{align*}&\mathopen{}-\sin x-2\sin\sqrt2\,x=-\sin(x+p)-2\sin\sqrt2(x+p)\\\LLeftrightarrow{}&\mathopen{}\sin x+2\sin\sqrt2\,x=\sin(x+p)+2\sin\sqrt2(x+p)\text{ ……\ajMaru{8}}\end{align*}\ajMaru{1}と\ajMaru{8}とを比べて,\[\sin\sqrt2\,x=\sin\sqrt2(x+p),\quad\sin x=\sin(x+p)\]が任意の実数$x$で成り立つことになります。あとは移項して和→積の公式を使う,もしくは$\sin $の周期が$2\pi$であることを使うなどして矛盾が導けます。




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seven_triton at 17:55│Comments(10)TrackBack(0) 大学入試問題 | 周期関数

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この記事へのコメント

1. Posted by 天王山   2009年08月04日 00:00
こんばんは。
高三の東大文1志望の者です。
先輩から鉄緑会の実戦数学講座問題集を譲り受けたのですが、問題数の多さ驚いています。鉄緑会出版の東大過去問20年分を解くべきかその問題集を解くべきか悩んでいます。よろしかったらアドバイス貰えませんか?
2. Posted by triton   2009年08月05日 12:24
> 天王山 さん

コメントありがとうございます。
実戦講座問題集は代々受け継がれてきた素晴らしい問題集です。量が多いとのことですが,C問題を飛ばすなどして一通りやってみて下さい。その後で,不安が残る問題をもう一度解き直せば,終わったときにはかなりの実力がついていることは間違いありません。
過去問はその後の方がいいでしょう。これは私見ですが,過去問というものは実力を伸ばすためのものというよりは実力を試すものだと思います。勿論解けば実力も伸びますが,試験のそもそもの目的・コンセプトからして実力を測るものですから。従って,過去問はある程度実力をつけた上で手を付けるべきだと考えます。
3. Posted by triton   2009年08月05日 12:24
ちなみに,最近の東大文系数学は難易度が下がっています。単純にその難易度に対応するためだけであれば,実戦講座問題集はレベルが高すぎるでしょう。ただし,この前の3月に合格した生徒たちの点数を見ていると,70オーバーがぞろぞろいます。60以下の点数は文1ではあまり聞いていません。私の意見としては,実際の入試よりも上のレベルの問題を常日頃から解いていないと,いくら簡単な問題でも70点以上取れるようにはならないでしょう。また,次年度以降どのようになるかは分かりません。理系の方はここ数年は難しくなる一方ですし。
まずは実戦講座問題集に手を付けてみてはいかがでしょうか。またご意見を聞かせて下さい。
4. Posted by 天王山   2009年08月06日 07:43
詳しく説明して頂きありがとうございます。
先生のおっしゃるように実戦問題集を仕上げた後で過去問に着手していきたいと思います。
お忙しいのに申し訳ありませんでした。失礼します。
5. Posted by 保科   2009年11月29日 02:07
はじめまして。質問なんですが、鉄緑会の数学の確認シリーズというテキストの難易度はどれくらいなのでしょうか?
6. Posted by triton   2009年12月06日 23:55
> 保科 さん

コメントありがとうございます。
確認シリーズは,非常に標準的です。難しくはないけれども知らないと致命的になるレベル,といったところでしょうか。鉄緑会では高校2年生までのカリキュラムに完全に含まれています。高校3年生では実践的な入試対策として毎回演習を積んでいきますが,それと閉校して基礎の見直し・徹底のために用いる教材です。
7. Posted by st   2009年12月22日 03:00
はじめまして。東大の理科3類、あるいは東北大の医学部を志望する高2です。
質問させてください。
兄から譲られた確認シリーズや実戦講座問題集、入試数学問題集が手元にある状況です。
青チャートや一対一対応の演習の代わりに確認シリーズを使用しようと思っているのですが、
難易度的には青チャートや一対一対応と確認シリーズはどちらのレベルが高いのでしょうか?

また、確認シリーズの次に実戦講座問題集や入試数学問題集にステップアップすることは可能でしょうか?
可能であればどちらを先にやるべきかをお聞きしたいです。
あるいは、確認シリーズからではレベルの飛躍がありすぎるということであれば、間にどれくらいのレベルの問題集を挟むのがいいかも教えていただけると嬉しいです。
8. Posted by st   2009年12月26日 20:40
追加で質問させてください。
慶医の数学で合格点を取るには、大体どのレベルまでこなせばいいと思われますか?
(ex.実戦講座のCまで解けば慶医レベルの問題が解けるようになる、など)
9. Posted by st   2009年12月27日 15:32
質問ばかりですみませんが、もう1つ・・。
解けなかった問題の扱いについてお聞きしたいです。
私は解説を読んでおしまい、といった感じでやっているのですが、1ヵ月後くらいにもう1度解きなおした時また解けないことが多々あり、全然力がついている気がしなくて・・。
10. Posted by akizuki   2010年02月15日 22:46
周期関数の和は周期関数とは限らないという問題について、以下は証明になっているでしょうか:

 第1及び第2の周期関数の周期をそれぞれT1及びT2とする。

 T1とT2との比が無理数。
⇔T1とT2との比は分数の形に書けない。
⇔T1を整数倍しても、T2の整数倍にはならない。
⇔T1とT2とは、公倍数を持たない。
⇔第1と第2の周期関数の位相がある時一致しても、その後第1の周期関数が何周期繰り返そうと、再び第2の周期関数の位相と一致することはない。
⇔二つの周期関数の和は、周期関数ではない。

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