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Windows 7搭載のパソコンを1万800円で入手できて再びインターネットの世界に戻ってこれたのでまた更新作業に励みたいとおもいます。

2017年4月27日(火)

2017年4月29日(土)の夜のプレイリスト (井上鑑 Day 5)


夜のプレイリスト ホウム・ペイジ
 
NHK交響楽団 東京混声合唱団 「声とオーケストラのための3部作」 (1985)
 
1. "レクイエム"
2. "混声合唱と管弦楽のための詩篇"
3. "童声合唱とオーケストラのための響紋"

〈夜のプレイリスト〉。こんばんは。作編曲家の井上鑑です。

ピンクレディー、大瀧詠一さん、それから稲垣潤一さん、いろいろな人たちと仕事を始めのころから出会いを重ねて、いろんなことやってまいりました。

もともと音楽家のうちにぼくは生まれたので、偶然チェロの音にはずっと子どもの時から耳には慣れていました。ずっと音楽家になるつもりはなかった小学生・中学生でしたので、高校に入ってから音楽を勉強しようとおもって、音楽家への道を歩み始めたんです。

ということで、今回はこの番組のパーソナリティとしてぼくにとってとても大事なアルバムを紹介していきたいとおもいます。

「音楽に向かうきっかけになった音楽」と言ってもいいとおもうんですけれども、1985年に発表されましたNHK交響楽団の演奏で、三善晃作曲の『声とオーケストラのための3部作: レクイエム・詩篇・響紋』の3部作を紹介したいとおもいます。

三善晃さんは合唱曲の作曲者として多分ご存知のかたも多いとおもいます。もちろん日本の音楽の歴史の中で非常に大事な作曲家のうちのひとりですし、東京芸大、それから桐朋学園で教育者としても大きな足跡を残されたかたのなので、その面でご存知のかたもたくさんいらっしゃるとおもいます。

ぼくは実は高校の時に音楽を勉強しようとおもい始めてから、ある意味できちんとした音楽教育を受ける目標ときっかけとなった先生が三善先生で。

そして大学をぼくは途中で仕事が忙しくなっちゃった人なんですけども、そのあともずっと人生の指標として尊敬し、いろいろな教えを折に触れていただいてきた、とてもとても大切な存在です。

三善先生には何人か異端児が門下生の中にいまして、亡くなってしまいましたがピアニストで作曲家の深町純さん。それからNHKの番組のテーマ音楽などいっぱいやられている加古隆さん。もうちょっと世代下りますと中川俊郎さんなど、ちょっとユニークな存在がたくさんいます。

というのも三善先生自体が、これ信じられない話なんですけれども、東大の仏文をドロップ・アウトし、パリの音楽院に留学して、ある意味でパリ音楽院も先生と上手くうかなくてドロップ・アウトし、という経歴の持ち主にも関わらず、おそらく日本の作曲家の中で本当に上から何番目というくらいアカデミックでレベルの高い、文学性も音楽性も高い音楽を作られた人、これは間違いのないことではないかとおもいます。

『声とオーケストラのための3部作: レクイエム・詩篇・響紋』は三善先生のオーケストラと合唱とのコラボレーションの曲としては代表となる曲で、この3部作が初めて演奏されたときには文部省の芸能選奨文部大臣賞を受賞とか、いろいろな意味で話題にもなりました。

こういった大きな曲はなかなか演奏回数が限られてしまうことが多いとおもうんですけれども、この曲は折に触れてとりあげられてきて、その都度その世代世代の聴衆に大きな影響を与えてきたとおもいます。

それでは三善先生の曲を聴いていただきたいとおもいます。"レクイエム"、"詩篇"、"響紋"の中から、曲が大曲ですので、時間の関係ですべてをおかけできません。今日は"レクイエム"と"響紋"を聴いていただいたいとおもいます。

"レクイエム"は3部作の中でいちばん早く1971年に作曲されました。この曲の中には先生自身の、戦争中子どもだった時の体験が色濃く陰を落としていて、ホントに平和を祈る音楽としての強さと深さ、ある意味では重さを持っている音楽だとおもいます。生きていることの意味、死ぬことの意味を問いかける、そういった音楽のひとつではないでしょうか。

この曲は演奏がNHK交響楽団、そして東京混声合唱団の合唱、尾高忠明さんの指揮で演奏されます。それではお聴きください。

"レクイエム"

井上鑑がお送りしています〈夜のプレイリスト〉。この番組はパソコンやスマートフォンからNHKのネットラジオ〈らじるらじる〉でもお聴きいただけます。

さて、この時間は1985年に発表されましたアルバム、NHK交響楽団の演奏で三善晃『声とオーケストラのための3部作: レクイエム・詩篇・響紋』をご紹介しています。

まずはレクイエムをお聴きいただきましたけれども、確かに厳しい音楽です。簡単に癒してくれたりとか、簡単に元気づけてくれたりとかってゆうのとはちょっと違うとおもうんですけれども。

でもホントにこの音楽に浸って、自分の中でいろんなことをイメージしながら時間を過ごしていくと浄化されるというか、自分の中のいろいろな固定観念や、「こうでなければいけない」という自分を縛ってるものに対してホントに自由になって見直すことができる、そんな経験を持てる音楽ではないかとおもいます。

三善先生の譜面は非常に譜面自体が美しくて、音を聴く前から美しい作品という感じすらするんですけれども、ぼくは長いあいだ先生のレッスン室に通って、そこでいろいろな先生の持っている空気、ものを考えている残りの空気みたいなのを感じることができたことを今までの人生のホントに大きな財産だったとおもってます。

これは音楽のジャンルとかには全然関係のないもので、しかも三善先生は非常に物静かで大人しい雰囲気のかただったんですけれども、ある面非常に強靭で厳しくて強い、闘う力を持ったかただったんだと今でもおもいます。

そのことに影響をいっぱい受けてるかたはいるとおもうんですけれども、先ほどの1971年に完成した"レクイエム"に続いて79年には"詩篇"が完成。

"レクイエム"はタイトルの名前の通り鎮魂歌なわけですけれども、それにたいして次の曲では詩人の宗左近さん、宗さんは三善先生にとって非常に大事な共同製作者、言葉の面で三善先生の言いたいことをホントに代弁してくれる作家だったわけですが、"詩篇"では宗さんの詩集『縄文』からの歌をとりあげております。

そして3部作最後の"響紋"というこの曲は84年に完成していまして、前2曲を統合するようなかたちで壮大な問いかけというか、日本語で生きるということの意味を問いかけるような曲なんですけれども、非常に印象的に子どもたちの合唱が使われています。

童謡の"かごめかごめ"を使ってるんですけれども、これ非常に歌うだけでもとても難しい譜面で、演奏するのはすごい大変なことだとおもうんですけれども、今までにいくつもの名演が残っています。

子どもの歌を使うっていうと、なにかをわかりやすくするとか、幅を広げるっていうふうについおもってしまいがちなんですけれども、この"響紋"という曲は、たとえばMozart(モーツァルト)やFauré(フォーレ)が作ったレクイエムのように、ある意味宗教的な意味合いがあるわけではないんですけれども、ホントに大きな意味での人にとっての神とか、おなじ人どうしの関係とか、そうゆうものを感じさせる大きさを持った音楽です。

改めてぼくもつい先だってですが、三善先生の追悼コンサートで桐朋のオーケストラと子どものための音楽教室の中で選抜された合唱団の人たちの演奏を聴く機会があったんですけれども、その時の演奏はホントに記録に残る名演でした。

もちろん今日聴いていただくのは違った意味での時代を映した名演なんですが、今おもいだしましたが、なぜ三善先生の曲に出会ったかといいますと、ある日本のレコード会社、非常に大事な仕事もコツコツとしてきた大きなレコード会社なんですが、そこから芸術祭の参加作品として『武満徹の音楽』という何枚組かのアルバム、そしてその別の年ですけれども『三善晃のアルバム』というアルバムが何枚かの組のボックスになってあって、たまたまそのふたつともうちにあったんですね。

なんの弾みか、「ちょっと聴いてみようかな」とおもって武満さんの曲を聴き、そしてその弾みで勢いづいて三善先生の曲をレコード・プレイヤーに向かって聴いた結果、今こんなところに来てみなさんに向かってお喋りをするよな人間になったという道筋が生まれてきたわけです。

それでは続いて三善明『声とオーケストラのための3部作: レクイエム・詩篇・響紋』から最終曲"響紋"をお聴きいただきます。この曲はNHK交響楽団の演奏、東京放送児童合唱団、東京荒川少年少女合唱隊、ひばり児童合唱隊の合唱、尾高忠明さんの指揮でお送りいたします。

"童声合唱とオーケストラのための響紋"

この時間はわたくし井上鑑が1985年に発表されたアルバム、NHK交響楽団の演奏で、三善晃『声とオーケストラのための3部作: レクイエム・詩篇・響紋』をご紹介しました。

改めて聴いてみますと、確かに普段放送やコンサートで聴いてる音楽と肌触りが違うかもしれません。でも、強い音楽としての値打ち、そうゆうものはジャンルに関わらず、ボサ・ノバだろうがヘビー・メタルだろうがジャズだろうが、奥底に流れる人間と人間のつながりに対する呼びかけとか受け応え、そういったものを感じとれるものとしておなじようにこれからもみんなで大事にしていきたいとおもいます。

このアルバム、久しぶりに耳にしたというかた、そして今日初めて聴いて気に入ったというかた、ぜひあなたの音楽ライブラリの仲間に入れていただければとおもいます。また、あなたからのご意見、ご感想もお待ちしております。ぜひ番組のホーム・ページからお送り下さい。

それでは〈夜のプレイリスト〉、お相手は作編曲家の井上鑑でした。

 
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