スポーツ評論ジュニア

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観戦記   〜ロッテvsソフトバンク11回戦090718〜   前編


もう一昨日のことになってしまいました。



その観戦はひょんなことがきっかけだった。


地元の友達と飲んでての会話。

友:「いやー、明日会社の上司と野球見に行く約束しててさー、めんどくせーなー。」

小生:「いや、そんなことないぞー。野球生で見るの楽しいから。」

友:「でも上司とだよ?なんかなー」

小生:「なら俺も行くよ。どこ?」

友:「海浜幕張。なんか福岡出身の上司でさー、ソフトバンク戦らしいよ。」

小生:(…。…。千葉?めんどくせーなー。西武戦じゃねーしなー。でも野球ファンを増やすのも私の役目。見たい選手もいるし一肌脱ぐか…。)
「よし、俺も行くよ!!」

友:「は?マジで?」

小生:(ごもっとも。だがしかし…。)
「一緒なら楽しめるじゃん!いこーぜ!」

友:「んー、よし行くか…。」



とこのような流れで行ってきました、海浜幕張。
100円出して着くは千葉マリンスタジアム。初上陸。



今回見ようと思ったいきさつはどうあれ見たいポイントは山ほどありました。


まず大きなポイントは両チームの戦力分析。

今期ソフトバンクは交流戦完全Vと絶好調、特に打ちまくっている選手が見当たらないのどの点が強いのかと。
そしてロッテ、貯金を増やす上で下位のチームをしっかり叩くのもペナントでは重要ですよね。ロッテは潜在的な能力値が高い選手が多いのでチームとしての穴を探したいなー、と。


あとお目当ての選手もいました。

ソフトバンクの長谷川勇也、彼今季好調です。
しかしここに来て打率が下降気味、その理由を探りたいなーと思っていました。
あと守備に弱点を抱えている選手なのでそこら辺のボールへのアタッキングも要チェックです。

同じ理由がロッテの井口、今年アメリカからの出戻りです。
4月は絶好調、しかし交流戦を境に打率が落ちていたのです、打順も3番になっていました。
内角の捌きに弱点が、彼の今の状態も見たかったです。

あとはSBM。
自社の会社名が由来かわかりませんが、ソフトバンクのS(摂津)、B(ブライアン・ファルケンボーグ)、M(馬原)のうちの前二人が見れたらいいなと。



ちなみに応援席はソフトバンクの外野スタンド。

西武のことを考えるとソフトバンクに負けてほしいけど、チームとしての魅力やお目当ての選手のことを考えるとロッテは行き辛い。

まぁ友人もソフトバンク側だしね。

エセソフトバンクファンを演じきって見せます。





ってな感じでプレイボールから2分ほど遅れて外野スタンドに到着。



スコアは1−0。
唐川点取られるの早過ぎ。

オーティズのタイムリーっぽいね。
そこから四球なんかで満塁にしたもののなんとか最少失点。

しかしその後着々と追加点を上げるソフトバンク。



とりあえずエラーは1つだけど守備がひどすぎるよ、西岡君。

唐川と大場の両先発はコントロールが悪いっす。
ってかセットポジションになった瞬間、わかりやすいくらいに球威が落ちるんだもの。

長谷川は腰が引け過ぎ、内角攻めが嫌なのかな。
タイムリー打ったけど、彼本来のバッティングじゃないしねー。


そして小久保のホームラン。
ホームランアーチストらしく弾道の高い綺麗なホームランでした。

個人的には今日のMVPは彼ですね、二塁打も二本。
戦う姿勢に胸キュンっす。

井口は打つ匂いがしませんでした、なんか長引きそうな不調。



ってな感じで分析終わったらあとはただの応援団。

選手の応援歌もけっこう覚えた8回表には5−0。
外野席も笑顔が多かったですね、松田の負傷退場の時以外は。

大場もなんとか0で抑えてて、完封かなーなんて思った矢先に2ラン打たれちゃった。

んで交代、ファルケンボーグ。
きたー!!!

なんかお目当ての選手が見れてテンションMAX。
ソフトバンクファンもファルケンなら安心だ的な空気。

はい一人目、三球三振。  こりゃいいね。


と思ったらソロホームラン。
ん、と思ったら同点打打たれちゃった。

湧き上がるライト(ロッテ)スタンド、鎮まりかえるレフト(ソフトバンク)スタンド。

個人的には応援してるんで勝ってほしいけど、西武ファンとしては結果はどーでもいい。ってか早く攻撃になって選手の応援歌を歌いたい。

んで九回。

松中のホームラン、村松のタイムリースリーベース、長谷川のスクイズ。

これは勝ったか、と思いきや守護神馬原が1点取られなお1発出れば同点の場面。なんとか後続を三者三振に抑えてソフトバンクが勝ちました、めでたしめでたし。




という文章で終っていいのですが、ここからが実に楽しかったんです。

ダラダラと書いてたら長くなってしまったので、そのイベントは後編につなぎます。


どうぞご賞味あれ。



ベンゼマの未来



欧州サッカーの今年のオフは例年になく盛り上がっている。

移籍市場自体がいつもよりも活発なわけではない。
レアルマドリッドを中心とした選手移動の渦に各国のビッグクラブが飲み込まれているのだ。




そんな中、ある一人のストライカーが来季白い巨人の一員に加わることとなった。

カリム・ベンゼマ。
1987年生まれの22歳。

近年若年化が進むスポーツ界では特別驚く年齢ではないがやはり若い。


そんな彼に契約金として55億(インセンティブを含む)の値がついた。





彼はフランスを輝かしい未来へと導くと言われている正真正銘のストライカーだ。

色々な海外サッカーの雑誌や戦術の本では「セカンドトップ」と位置づけられることも多いようだが、僕自身彼のプレーを観てストライカーだと言わざるを得ない。

そのポジショニングのセンスとボールタッチは目を見張るものがあり、リーグアンでは異次元の存在だった。





彼の幼少期のアイドルはロナウドだった。
今でもミラン時代の本物のユニフォームを宝物として保持している。

彼はプロとしてのキャリアをリヨンでスタートさせた。
当時のリヨンはリーグアンを3連覇中のチームで国内では無敵だった。
当然チームの面々も優秀な選手が多く、CF(当時のリヨンは3トップが主)にはブラジル代表のフレッジがいた。
そのため左サイドでウィングとして使われる機会も多かった。

若き日はトレゼゲ2世と呼ばれていた。
しかしこうした経験からかトレゼゲよりも引出しの多い選手へと進化していくこととなる。

2007年あたりからフレッジの怪我の影響もあってかCFで使われるようになってすぐに結果を残していくことになる。

多くの得点を挙げていくことですぐにフランス代表に呼ばれることとなる。
また多くのビッグクラブの標的にもなった。
(事実、今回の入団の際にもマンU 、バルサ、インテルからのオファーを認めている)


彼のプレーの特徴はストライカーらしからぬ柔らかさにある。
卓越したボールコントロールでアタッキングサードで消えることがない。

得点力ももちろんある。



そんな彼がレアルに入団することとなるのだ。

しかし、僕はこの移籍に否定的だ。
というより時期尚早と観ている。





彼のプレーの数少ない弱点としてポストプレーが挙げられる。
もちろんゴールから離れてもチャンスメイクが出来るし、それ以上に振り向いての突破もある。
この突破への意識が空間をワイドに使いたがるC・ロナウドや、縦への意識の強いカカーとの美しい連携へ繋がらないのではないかと考えている。

そこはベンゼマの移籍がレアルにとって3番目のヒエラルキーだったことと無関係ではない。
今年のレアル、ひいてはペレス会長にとって獲得の大本命がC・ロナウドであり、クラブの悲願がカカーであった。
新戦力としての期待度ではベンゼマは3番手に当たる、これは移籍金が示すとおりだ。
欧州の舞台や国際経験でベンゼマを上回るこの2人を軸にチームは作られるだろう。
2人の得点力を生かす駒として、供給源たるオーガナイザーの面を見せるほどのプレーの幅は残念ながら今のベンゼマにはない。

よって近年リヨンの象徴となり、戦術そのものであったベンゼマの良さを生かすものにはなりえない。(これはもちろん他の2人にも当てはまるが)

スピードではイグアインがいて、フィニッシャーとしてファンニステルローイ・フンテラールがいて、プレーの幅・経験ではラウールがこのチームにはいる。
(このうちの何人かは放出候補であるだろうが)
スペインではFWにはとにかく得点に絡むプレーを求められ、レアルはその中でも特別その傾向にある。
メディア、フロント、ファンを満足させるレベルに彼があるのかはいささか疑問であるが。

もちろん彼の若さからくる伸びシロに期待しての獲得という見方もあるだろう。当然クラブもそのつもりだと思う。
今年1年での結果だけで彼を見放すことはないだろう。

ただ来年にはワールドカップが控えている。
ここが実に重要なポイントだ。

彼はその実績の中で唯一代表で満足のいく結果を残していない。

デビュー戦(オーストリア戦、2007)でゴールは決め、着実にゴール数は増やしているが、ビッグトーナメントでは活躍はしていない。

各国のリーグで活躍しているスペシャルなプレーヤーは代表でもチームの中心となり戦術の大きなワンピースとなっている。
しかし彼は代表での実績が十分でないためレギュラー確定ですらない状況だ。
そんな彼がワールドカップの年に移籍することでの影響がでないはずがない。ここでの失敗はキャリアそのものに影響が出てくるように思うのだが。

未だにフランス代表のトップに君臨しているのはアンリ(バルセロナ)だ。
ベンゼマは彼との連携に不安を残す。その点からも彼の戦術的ディシプリンの拙さがわかるだろう。
ポジションの違いはあれど同じ87年組のナスリや、今期飛躍を遂げたグルキュフはうまく代表のピースとして納まっている。


そのアンリですら若き日に移籍したユベントスでは不遇を囲っている。
驚異的なスピードを誇ったシセもリバプールでは不発だった。
それこそ成功例はトレゼゲ(ユベントス)くらいだろうか。


若い時期での移籍というのはそれくらいリスクを伴うこととなる。
若いFWが海外で活躍するにはそれ相応の準備が必要なのだ。


彼は3月に各ビッグクラブへの警告のような記者会見を会長と共に開いていた。そこで彼はこう言っていた。
「少なくともあと1シーズンはリヨンでプレーする。この決断に一点の曇りもない。」と。
確かに当時は世界的不況の中、リヨンを満足させる契約金を払えるクラブなど存在しないはずだった。
彼自身、リーグアン一の高給取りである点や来年のワールドカップを見据えての発言だっただろうし、父や代理人の定めたキャリアプランとも一致していた。

ただ憧れであったレアルの会長に剛腕ペレス氏が就任し、銀行からの莫大な借入を元にベンゼマ落としにかかったのだ。
彼は自宅にまで出馬し、フランス語で口説き落としたという。

そんな彼にレアルでプレーする準備や心構えができていたとは考えづらい。




またFWが新しいチームに行くにあたってどうしても譲れないポイントとして起用法がある。

新監督のペレグリーニがどういう構想を描いているかはわからない。
わかっているのはベンゼマはクラブ(会長)主導で獲得した選手ということだけだ。

ペレグリーニは厳格で通っている監督ではない。
戦況やタイプによって選手の起用を変える監督だと思っている、ビジャレアル時代がそうであったためだ。
よって自分の構想に合わなかったからといってすぐに移籍リストにのっけるようなことはしないだろう。

しかし別の視点からみるとレギュラー獲得が容易ではないという意味でもある。
前述の通りレアルには多くの優秀なFWがいる。
その中で総合的に彼が優れていると言い切るには勇気がいる。

要するに彼にはあまりに早い結果が求められているのだ。



才能に満ち溢れているとは言え、彼にその要望に応えることができるのか?

あまりに運に頼られたその青写真を描くには彼はまだ若すぎるし、クラブにその受け皿となり得る寛容な姿勢がないのではないか。




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