今月の10日にゴールデングラブ賞が発表された。
正式には「三井ゴールデングラブ賞」として表彰されている。
守備の面において卓越したプレーを見せた選手を表彰するもので、1972年にダイヤモンドグラブ賞の名で表彰されて以来37年間続いている由緒正しい賞と言える。
このゴールデングラブ賞(以下GG 賞)、記者による投票ということでその主観が反映されるためしばしば議論の対象となる。
個人の見方があるから、聞いた人によって答えが違うのは仕方ないことであろう。
しかしあまりに印象に偏った選定がされていることもまた否めない。
各主要タイトルに比べて他人が評価する賞であるというのがこのGG賞を難しくしているのだろう。
しかし、今回セリーグの遊撃手で受賞した井端選手(中日)も「どちらかというとこっち(守備)で飯を食わせてもらっている。非常に嬉しい。」と言っているし、メジャーでもトリー・ハンター外野手(エンゼルス)もこの賞に並々ならぬ意欲を見せている。
選手たちに罪はない、その選定に問題があるのだ。
守備は数字化されたデータが少ない。というよりその数字そのものにあまり強い意味を持たせていない。
例えば、ホームラン王は同じ試合数の中で最もホームランを打った選手、といったように明確に数字化されたものがある。
極端にいえば30試合しか出なくても同じリーグの中で一番打っていればれっきとしたホームラン王だとされている。
しかし守備はそうではない。
試合数に強く影響されているとも思えないし、守備率のみでGG賞が与えられるものでもない。
とにかく記者の印象が強いのだ。
もっと数値を充実させて賞を選定すればいいという意見があるだろう。
しかし守備は連動されるものであったり、投手のスタイルにも影響されている。
言いたいことがバラバラになってしまったのでもう少し改善できるような意見を記したい。
まずピッチャー。
投手の最も大事な仕事はピッチングで打者を抑えることであり、守備の練習に多くの時間を割かない。
実際のところGG賞を強く欲しがっている選手はいないだろうし、受賞コメントを聞いていても野手に比べてコメントに熱気がない。
これこそ2塁封殺や、ゲッツーに繋がるプレーの数で決めてもいいように思う。
そしてキャッチャー。
このポジションは盗塁阻止率が判断材料になるだろう、またエラーの数や出場試合数も関係するだろう。
それに加えやはりチームの防御率などを見るのが妥当だろう。
今年はセリーグで受賞した谷繁がエラー0と申し分のない成績だった。開幕から1カ月程欠場したものの114試合出場と申し分ない、というかどのチームのキャッチャーもこの程度の出場試合数だったためいいだろう。チーム防御率の面で見ると巨人が断トツだったために阿部と競る形になったが、そこも印象によるものだろう。
やはり守備率10割が決め手になったのではないか。
内野に移ろう。
まずファースト。
このポジションはどのチームも強打者が座るポジションだ。最も守備のイメージないポジションだが、意外にポジション特有の技術を要する。
それを評価されていないポジションだとも言える。
また本業(という言い方が正しいかはわからないが)である打撃が不振に陥るとすぐにポジションを明け渡さなければいけないポジションでもある。
よって出場試合数によるところが大きいように思う。
仕方がないことなのかもしれない。
他の内野は少し事情が違う。
勝敗における守備のウエイトが非常に大きいポジションだからだ。
近年セリーグでは、セカンド・ショートは中日の「アライバ」の独壇場だ。
この二人で6年連続受賞している。
横っ跳びやグラブトスの強烈な印象で語られることが多いこのペアだが、正直この二人の熟練の守備はセリーグのみならず球界においても群を抜いている。
怪我さえなければもうしばらくこの二人が取り続けそうな雰囲気だ。
彼らは多少の打撃不振でもスタメンを外れない、というよりどのチームもその傾向にある。
守備率だけでは測れない相手への威圧感という印象も重要な3ポジションではないか?
そして外野。
これが非常に難しい。
肩が強かったり足が速かったりとこのポジションに求められる要素は大きいが、それを数値化するのが最も難しいように思う。
またライト・センター・レフトの3つに求められる資質も少し違う。
現存の評価方法では外野という括りであるためにセンターのプレーヤーがよく選ばれている印象が強い。
もちろんその印象の要素があっていいとは思う。
しかしもっと数字を評価してあげてもいいかなと思ったりもする。
例えば捕殺数。わかりやすくアウトカウントを一つ手に入れられるのであるからもっと評価してもいいと思う。
確かに本当に肩の強いプレーヤーは走者に挑まれることが少ないために捕殺数では本当の肩力は測れない。しかし記録としてそのシーズンの記録が残っているのだ、評価してもらいたい。
そして外野はちゃんとポジション別で評価すべきだと思う。
特にレフトの選手が選ばれるのが少ない、しかし当然レフト特有の難しさもある。
とかく目に見えにくい外野守備、そのポジションで評価してあげるのが公平性の観点でフェアだと思う。
全ポジションを振り返って、あえて意図的にある数値を避けて書いてきた。
守備スタッツの要素でP/Mというのがある。
これは打球のタイプ・強度・飛んだ地点を記録して、各打球の難易度を測定。その上で各選手が守備範囲に飛んだ打球を処理できたかできなかったを調べ、各打球の難易度に応じて、プラス/マイナスの数値を配点していくというものだ。
メジャーではだいぶ浸透してきた印象があるが、日本のプロ野球ではまだ導入されていない。
今回受賞者とP/Mでの比較を出そうかとも思ったのだが調べることが出来なかった。
早く浸透すると判断材料の一つとしてGG賞に説得力が出てくるのかなと思う。
現代の野球では一人のプレーヤーが複数のポジションを守るケースが増えているため、その選定、得票にばらつきがあるケースも多い。
そのため圧倒的な守備力をバイプレーヤーは受賞には遠いのかもしれない。
バイプレーヤーを称える特別賞もあっていい。
もちろん数字のみで語れないのが守備である。凝り固まった発想で統計のみで受賞者を決めるのはナンセンスである。
一見下手くそであってもアウトはアウトと考えるきらいはあるであろう。
しかし、より受賞に重みを持たせるためにも統計を増やすのも大切ではなかろうか?
正式には「三井ゴールデングラブ賞」として表彰されている。
守備の面において卓越したプレーを見せた選手を表彰するもので、1972年にダイヤモンドグラブ賞の名で表彰されて以来37年間続いている由緒正しい賞と言える。
このゴールデングラブ賞(以下GG 賞)、記者による投票ということでその主観が反映されるためしばしば議論の対象となる。
個人の見方があるから、聞いた人によって答えが違うのは仕方ないことであろう。
しかしあまりに印象に偏った選定がされていることもまた否めない。
各主要タイトルに比べて他人が評価する賞であるというのがこのGG賞を難しくしているのだろう。
しかし、今回セリーグの遊撃手で受賞した井端選手(中日)も「どちらかというとこっち(守備)で飯を食わせてもらっている。非常に嬉しい。」と言っているし、メジャーでもトリー・ハンター外野手(エンゼルス)もこの賞に並々ならぬ意欲を見せている。
選手たちに罪はない、その選定に問題があるのだ。
守備は数字化されたデータが少ない。というよりその数字そのものにあまり強い意味を持たせていない。
例えば、ホームラン王は同じ試合数の中で最もホームランを打った選手、といったように明確に数字化されたものがある。
極端にいえば30試合しか出なくても同じリーグの中で一番打っていればれっきとしたホームラン王だとされている。
しかし守備はそうではない。
試合数に強く影響されているとも思えないし、守備率のみでGG賞が与えられるものでもない。
とにかく記者の印象が強いのだ。
もっと数値を充実させて賞を選定すればいいという意見があるだろう。
しかし守備は連動されるものであったり、投手のスタイルにも影響されている。
言いたいことがバラバラになってしまったのでもう少し改善できるような意見を記したい。
まずピッチャー。
投手の最も大事な仕事はピッチングで打者を抑えることであり、守備の練習に多くの時間を割かない。
実際のところGG賞を強く欲しがっている選手はいないだろうし、受賞コメントを聞いていても野手に比べてコメントに熱気がない。
これこそ2塁封殺や、ゲッツーに繋がるプレーの数で決めてもいいように思う。
そしてキャッチャー。
このポジションは盗塁阻止率が判断材料になるだろう、またエラーの数や出場試合数も関係するだろう。
それに加えやはりチームの防御率などを見るのが妥当だろう。
今年はセリーグで受賞した谷繁がエラー0と申し分のない成績だった。開幕から1カ月程欠場したものの114試合出場と申し分ない、というかどのチームのキャッチャーもこの程度の出場試合数だったためいいだろう。チーム防御率の面で見ると巨人が断トツだったために阿部と競る形になったが、そこも印象によるものだろう。
やはり守備率10割が決め手になったのではないか。
内野に移ろう。
まずファースト。
このポジションはどのチームも強打者が座るポジションだ。最も守備のイメージないポジションだが、意外にポジション特有の技術を要する。
それを評価されていないポジションだとも言える。
また本業(という言い方が正しいかはわからないが)である打撃が不振に陥るとすぐにポジションを明け渡さなければいけないポジションでもある。
よって出場試合数によるところが大きいように思う。
仕方がないことなのかもしれない。
他の内野は少し事情が違う。
勝敗における守備のウエイトが非常に大きいポジションだからだ。
近年セリーグでは、セカンド・ショートは中日の「アライバ」の独壇場だ。
この二人で6年連続受賞している。
横っ跳びやグラブトスの強烈な印象で語られることが多いこのペアだが、正直この二人の熟練の守備はセリーグのみならず球界においても群を抜いている。
怪我さえなければもうしばらくこの二人が取り続けそうな雰囲気だ。
彼らは多少の打撃不振でもスタメンを外れない、というよりどのチームもその傾向にある。
守備率だけでは測れない相手への威圧感という印象も重要な3ポジションではないか?
そして外野。
これが非常に難しい。
肩が強かったり足が速かったりとこのポジションに求められる要素は大きいが、それを数値化するのが最も難しいように思う。
またライト・センター・レフトの3つに求められる資質も少し違う。
現存の評価方法では外野という括りであるためにセンターのプレーヤーがよく選ばれている印象が強い。
もちろんその印象の要素があっていいとは思う。
しかしもっと数字を評価してあげてもいいかなと思ったりもする。
例えば捕殺数。わかりやすくアウトカウントを一つ手に入れられるのであるからもっと評価してもいいと思う。
確かに本当に肩の強いプレーヤーは走者に挑まれることが少ないために捕殺数では本当の肩力は測れない。しかし記録としてそのシーズンの記録が残っているのだ、評価してもらいたい。
そして外野はちゃんとポジション別で評価すべきだと思う。
特にレフトの選手が選ばれるのが少ない、しかし当然レフト特有の難しさもある。
とかく目に見えにくい外野守備、そのポジションで評価してあげるのが公平性の観点でフェアだと思う。
全ポジションを振り返って、あえて意図的にある数値を避けて書いてきた。
守備スタッツの要素でP/Mというのがある。
これは打球のタイプ・強度・飛んだ地点を記録して、各打球の難易度を測定。その上で各選手が守備範囲に飛んだ打球を処理できたかできなかったを調べ、各打球の難易度に応じて、プラス/マイナスの数値を配点していくというものだ。
メジャーではだいぶ浸透してきた印象があるが、日本のプロ野球ではまだ導入されていない。
今回受賞者とP/Mでの比較を出そうかとも思ったのだが調べることが出来なかった。
早く浸透すると判断材料の一つとしてGG賞に説得力が出てくるのかなと思う。
現代の野球では一人のプレーヤーが複数のポジションを守るケースが増えているため、その選定、得票にばらつきがあるケースも多い。
そのため圧倒的な守備力をバイプレーヤーは受賞には遠いのかもしれない。
バイプレーヤーを称える特別賞もあっていい。
もちろん数字のみで語れないのが守備である。凝り固まった発想で統計のみで受賞者を決めるのはナンセンスである。
一見下手くそであってもアウトはアウトと考えるきらいはあるであろう。
しかし、より受賞に重みを持たせるためにも統計を増やすのも大切ではなかろうか?