とりあえず

サッカーのレフェリング雑感ブログ。 の予定。。。

日本対イタリア
主審:ジハード・グリシャ(エジプト)
副審:リダウアネ・アチック(モロッコ)、ワリード・アーメド(スーダン)
四審:バムラク・テッセマ・ウェイエサ(エチオピア)
VAR:メフディ・アビド・シャレフ(アルジェリア)、マランゴ・ディデュー(セネガル)

BSフジでは「2-2の引き分けでGS突破」と紹介してましたけど、1-1でも反則ポイントでドイツを上回るのが確実(警告7枚もらうとかしない限り)でしたから、この試合の目標は「点を取ってのドロー」。
よって、開始早々例によって例のパターンで失点しても、別に焦る必要はありませんでした。
が、速攻2点目まで取られて頭を抱える立ち上がり。。。
さらに、イタリアさんはエヴァーニ(バリバリのサッキチルドレン)仕込みの絵に描いたようなゾーンディフェンスで、正直手も足も出なさそう……
こら厳しいと思いましたが、それを個人技で切り裂いちゃうんだから時代も変わりました。
で、結果イタリアと談合して、ドイツ・アルゼンチンの上に行ったんだから、これもまたすごい話。
堂安選手に脱帽です。



ということで、後半はほぼ談合になってしまったのでこの試合の話題はスルー。
代わってGSの総括的な話を。
レフェリング的には、こんな動画をまとめておられる方がいました。
1
1つ目のボールデッドはホントに割ったかな?という感じ。
取り消したってことですから、VARは確信持って覆したようですが、これ以外の角度からも映像あったのでしょうか。

2
2つ目の肘打ちは妥当。
これはなかなか現場では見抜きにくく、VARが機能しました。

3
3つ目のホールディングはその場で見抜いて欲しいなあ。
ちょっとポジショニング悪かったでしょうか。

4
4つ目は、最後に触ったのが守備側の意図的なプレーだったため、新解釈によりノットオフサイドが認定。
これは副審からでは分からないでしょうから、ナイスVAR。
でも有能な主審なら取り消せたかも!

5
5つ目のファウルタックルも現場で気づいて欲しい類。
PKとして、念のための確認ってことですかね。

6
6つ目はリアルタイムでもノーで良かったように思いますが、遠い側の左手に当たったなら、避けることも出来たと見てハンドリング取ってたんでしょうか。
手前の右手は流石に避けようがなく、位置的にもノーで妥当でしょう。
ただ、これだけ主審自らレビューしてるようですが、判断材料伝えてVARに任せるってわけにはいかないんですかね。

7
7つ目は、シュートがバーに当たったこぼれ球を押し込みましたが、その選手が「オフサイドポジションにいて利益を得る」に該当したためオフサイド。
優秀な副審なら気づかねばなりませんが、ミスをフォローしてくれたのは大きい。
なお、VAR用のリプレイにはこんな感じで補助線引かれてるみたいですね。
消失点的に正しいかは知らん!

8
8つ目は、GKが保持したボールを蹴って反則。
これもその場で気づけたんじゃないかな~とは思いますが……



ということで、見落とされがちな肘打ちやオフサイドの新解釈などを見抜けるようになってるのは素晴らしい成果だと思います。
ただ、いくつかはフィールドレベルでしっかりと確認していただきたいものもあり、やっぱりまずは主審、副審がしっかりと判定して、それでも解らないものだけ助言を求めるって形を徹底して欲しいですね。

ウルグアイ対日本
主審:シモン・マルチニアク(ポーランド)
副審:パヴェル・ソコルニキ(ポーランド)、トマス・リストキウィチ(ポーランド)
四審:ジュネイト・チャキル(トルコ)
VAR:ダニー・マッキリー(オランダ)
AVAR:ウィリアム・コラム(スコットランド)

主審のマルチニアクさんは、以前Jリーグでも吹いたことのある方。
私も生で見たことあります。
2013J1第21節清水@C大阪 カルフィン ヨン ア ピン - とりあえず 
この試合、キャラが柿谷を踏みつけるもノーカードで批判されましたなあ。
かばった私も叩かれたものです。
そんな彼は、今回VARとしてのエントリだったんですが、ドイツのブリヒ主審がUCL決勝を担当することになり参戦が遅れ、その代わりに昇格したとか。

ともあれ試合。
褒めるとやらかすと言うお約束どおり、冨安が失点及びピンチに絡んでしまいました。
彼はボランチも出来る足元があるわけですが、やはりその点に関してはまだまだJ2レベル。
このレベルでプレスかけられると厳しいですねえ。
それだけに、より上のカテゴリでどんどんやってもらいたいものです。

レフェリング的にはマルチニアクさんのタフな基準がウルグアイに有利だったなと。
その中で、唸らされたのがこのシーン。
このハイライトの1:20くらいからの、久保君がPA内で倒れたシーンです。
リアルタイムで見ていると、久保君のドリブルに対して横から当たられて倒れ、「それくらいで倒れては……」と感じましたし、マルチニアクさんも「立て」のジェスチャー。
誰も「PKだ!」などと言う人はいませんでした。

ただ、逆アングルから見ると手がかかっている。
3
じゃあ「ホールディングか、誤審だったのか」というと、流れの中で見るとそうではないんですわこれが。

ということでそれがこちら。
右手で久保君の左肩を掴んではいるのですが、その手を使って久保君を「抑えたり」「引っ張ったり」はしていない。
逆に自分の体を久保くんに寄せるために使っていると言えます。
で、その結果ショルダートゥショルダーでのコンタクトとなり(これを背中からのチャージと見ることも出来るとは思いますが)、ボールを取るための流れとみなされノーファウルでした。
さらに言うと、コンタクトで倒れた瞬間右手はパッと上に上げて「掴んでませんよ」アピールも。
こういう手の使い方があるのかーと感心してしまいました。

もちろん、厳しいレフェリーなら、「手をかけた」結果「倒れた」という2点を持ってホールディング認定する人もいるとは思うんです。
ですから、一概に推奨されるべき技術とは言えない。
ただ、この日のマルチニアクさんならこれは取らないだろうという感覚は充分あるところ。
その辺も考慮してるのかは分かりませんが、U20レベルでもウルグアイの選手はこういう技術を引き出しとして持ってるんだなあと、勉強になりました。

しかし久保君のリアクションも立派ですね。
不満を言うでもなく淡々とプレーに戻りましたし。
そんな彼の前半のプレーは、
・最初のドリブル:左サイド縦への突破を足だけで止められる。
・2本目のドリブル:右サイドカットインを体入れられて奪われる。
・3本目のドリブル(上記の):PA内侵入をコンタクトで潰される。
と、スクランブル出場で温まっていなかったとは言え、いずれもウルグアイ守備の前に通用せず。
しかし後半、パスもあると見せることで、今度はドリブルにキープにとプレースタイルを巧みに変える辺り、ホントにサッカーIQの高い子だなあと感心させられました。
それだけに、こういうレベルの高い守備相手にどんどん経験積んで欲しいですね。

南アフリカ対日本
主審:マット・コンガー(ニュージーランド)
副審:サイモン・ルント(ニュージーランド)、テヴィタ・マカシニ(トンガ)
四審:ディエゴ・アロー(ペルー)
VAR:ニック・ワルドロン(ニュージーランド)
AVAR:パヴェル・クラロヴェク(チェコ)

この大会はVARが使われてるわけですが、CWCのときの3人と違って2人体制。
で、FIFAのスタッツ見ると、1人がVideo Assistant Refereeで、もう1人がAssistant Video Assistant Refereeという形になっています。
空欄になってるところから考慮すると、2人+アシスタントという形でやることを前提に考え、テスト段階のようです。
実際どのような役割分担になってるのか気になるところ。



それはさておき。
どうしてもワールドユースと言いたくなるこの大会。
でも普段「線審警察」「キーパーチャージ警察」やってる以上、正式名称で呼ばねばなりません。

ともあれ、こういう大会の初戦って、なぜかアフリカ勢とやる機会多いですね。
テンプレ的な報道で「日本は身体能力の高いアフリカ勢を苦手とし……」などと言われますが、実際の勝率はそうでもない。
きちんと対応できれば、これほど与し易い相手もおらんわけです。

で、実際想定外のスピードで序盤はきつかったですし、ラインコントロールのミスから失点もしたわけですが、そこからの対応力がお見事でした。
特に、冨安なー。
アジア見てても試合の中での修正能力が抜群に高いと思ってましたが、世界相手にここまでやってくれるとは嬉しいところ。
中澤、マヤに続く10年に1人レベルのCBですわ。
それだけに去年のオフに獲りに行って欲しかったよなあ……
移籍金1億払っても、CBなんて15年活躍出来るんだから十分元は取れたのに。
でももう今年は争奪戦になるでしょうから、お金だけの問題じゃなくなる。
はあ。

ともあれ。
その失点シーン、及び日本の得点シーンでは、VARが使われてました。
失点シーンではオフサイドの有無の確認。
消失点求めてきっちりやると、オンだったろうとは思うのですが、VARが見てた映像の中でどこまで確認できたのか。
どんな機材使ってるのかわかりませんが、「まあ多分オンじゃね?覆すほどの証拠は見当たらないよ」くらいで決めてたかもしれませんね。

一方、日本の得点シーンも結構きわどい。
無題
この角度からだと、ボールのこちら側にラインが全部見えてはいますが、果たして真上から見た時にも全部見えているか。
3級審判員さんの例の画像を見たことのある人なら、確信は持てないはずです。
(問題)アウトオブプレーのボールは何個? 
主審、副審のリアクションから見ると、この大会はGLTを使っていないようですね。
ラインを割ったかなという瞬間、副審はセンターに戻ろうとしていますので、おそらく「得点を認める」という意思を見せたかと(きわどいので先にフラッグアップした方が良かったと思いますが)。
それを受けて、主審はとりあえず得点を認めてから、すぐにVARに確認したものと思われます。
で、VARも「確信は持てないけど、ノーゴールとは言えるほどの確証もないよ」という感じで認めたのではないかと。

ただ、こうなると、「VARを使うために、試合を切るべく一度下した判定」が優先されることにもなりますよねえ。
これ、ノーゴールという判定を先に下して、その後しばらく続いてから切れたら、VARは「確信ないのでノーゴールのままで」となっていたかもしれない。
主審が「きわどいからVAR任せで」という姿勢に逃げてしまうと、これまでの判断とはちょっと異なる形で結論が出てしまうかもしれません。

全体として、ニュージーランドのコンガー主審良かったと思いますが、ビデオ判定の新たな難しさというものを感じた次第です。

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