とりあえず

サッカーのレフェリング雑感ブログ。 の予定。。。

今週サッカークラスタを賑わしているこの話題。
「体育にフットサル反対」サッカー協会、政府に要望:朝日新聞デジタル 

これ、見出しだけだと、
「フットサル普及にJFAが難色を示している」
と読め、フットサル界の方が反発するのも当然だと思います。
ただ、よくよく読むと、「これまで記載のあった『ミニサッカーを削って』フットサルを入れる」ことになったようで、それならJFAの反応も妥当かなあと感じる次第です。

これが
「ミニサッカーに加えてフットサルも選択できるようにするよー。予算も出すから用具揃えてね。指導は専門家を招聘できるよう段取りつけたよ。これで気候に関係なくサッカー系競技が楽しめるね!」
であったら、JFAはそら諸手を挙げて歓迎でしょう。
でも実際は
「ミニサッカー削ってフットサルにしました。予算は増えないのでこれまで買ってたものを削って用具揃えてね。先生方はルール覚えて児童に指導できるようにしてください。あ、ミニサッカーはもう無いんで、授業でやっちゃダメですからね」
に近いお達し。
そらJFAは待ったかけますよ。



まあ、実際の現場での運用としては、当面これまでと変わることはないでしょう。
既に現場の先生方は、それぞれの学校の事情に併せた形でミニサッカーをやっているそうですし、それを急に切り替えることはまずない。
ただ、今後10年間で先生になるような方にとっては、なかなか柔軟な運用は難しく、指導要領をベースにせざるを得ないわけで。
長期的にはフットサルに切り替えていく方針が進むかと。

しかし、そうやって進めようとしても、用具もノウハウも無い状況が先にあれば、そもそも「サッカー系競技をやらない」という判断になる可能性もある。
既に「ゴール型競技」として「ポートボールやミニバスケ」と並んでの選択肢の一つになってるわけですから、色々面倒なフットサルよりミニバスでいーやと流れるのは十分考えられるでしょう。

そもそも昨今、休み時間にボールを蹴る遊びを禁止している学校も増えてるとのこと。
これで授業でもサッカー系競技が扱われなくなったら、子どもたちが「ボールを蹴る」という場が全く失われてしまう可能性もあります。
JFAが危惧してんのはここであり、私には極めて妥当な考えだと思えます。

ただ、悪手だったのは「フットサルを削って」という形で要望したことですよね。
これが「ミニサッカーとフットサル」という併記を求める形なら、フットサル界もそこまで反発しなかったはずですし。
何故併記でなく「ミニサッカーに戻す」という形での要望になったのか。
そこに、フットサル界の方が感じてるような「既得権益」が存在するのか。
この辺の真相は知りたいですね。



ということで、この件について我々が知るべきは、
・スポーツ庁は何故「ミニサッカーを削って、フットサルを入れる」という決断に至ったか。
・JFAは何故「併記」ではなく「フットサルを削ってミニサッカーに戻せ」という要望をしたのか。
・学校現場で、実際にJFAが危惧しているような事態が起こるのか。
この辺であり、それぞれに対しての取材を行うのが真のジャーナリズムでしょう。
さらに言うと、学校教育における体育の授業が、子どもたちのスポーツ活動にどういう影響を与えているのか。
それは競技の普及につながっているのか。
この辺まで深めて知りたいところですが、いかんせん判断材料が足りない。

私がサッカー誌の編集長だったら、特集組んで各方面に取材かけますけどねー。
まあ、全く反響なく、お金にならないでしょうから、誰もやらんだろうけどw
最初から敵を決めてあたるのでなく、フラットな目線でまとめてくれる媒体、出てこないかなー(チラッ

今週末もサッカーから離れてましたが、川崎さんおめでとうだったり清水さん信じとったで!だったり。
何より、Jリーグ関係者の皆様、1シーズンお疲れ様でした。

そんな中で、2週連続騒がれてた名古屋さんのアレ。
スルーするつもりでしたが、中途半端なオフサイドライン引いた画像が出回ってたのでおさらいの話を。



まず、オフサイドラインの引き方については下記参照のこと。
オフサイドラインの引き方 - とりあえず 
で、消失点を求めるのは簡単にできるのですが、今回のポイントは、「そこから名古屋DFのどこに引くか」という点。
対象となるDFはこちらの選手ですが、ちょいと前傾姿勢で左手を後ろに垂らしています。
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で、「左手が一番うしろにある!」と思ってそこに向けて引こうとすると危険です。

理由としては2つ。
まず「オフサイドラインには守備側競技者の手を含むか」問題。

攻撃側の選手の場合、手や腕のような「プレーできない部位」がオフサイドポジションに出ていても、オフサイドとみなされない。
と言うのはご存じの方も多いかと。
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(参照:『フットボールネーション』3巻)

しかし守備側の場合、GKがオフサイドラインになる可能性もあるわけで、その場合「手もプレーできる部位」となる。
そのため「ややこしいので、守備側の場合は手も含めてオフサイドラインと考えるよ」というご指摘を、ブログ開始当初に2級の方から教わりました。
ただ、それに対して「いや守備側も手は含まない」というご意見も頂いたり……
ちょっと結論が出せずじまい。

その後の2015年、競技規則の大幅改正が行われました際、こうなりまして。
1. オフサイドポジション
オフサイドポジションにいることは、反則ではない。
競技者は、次の場合オフサイドポジションにいることになる:
• 頭、胴体、または足の一部でも、相手競技者のハーフ内にある(ハーフウェーラインを除く)、そして、
• 競技者の頭、胴体、または足の一部でも、ボールおよび後方から2人目の相手競技者より相手競技者のゴールラインに近い場合
ゴールキーパーを含むすべての競技者の手および腕は含まれない。
競技者は、次と同じレベルにいる場合はオフサイドポジションにいないことになる:
• 後方から2人目の相手競技者、または、
• 最後方にいる2人の相手競技者
「ゴールキーパーを含む全ての競技者の手および腕は含まれない」という一文が追加されました。
これをどう解釈するか……
この一文の「全ての競技者」は、あくまでも「攻撃側競技者」にかかっているのであるという説。
また、「GKがオフサイドポジションに出るとしたら、その時手は当然使えないのだから、わざわざ書くということは守備側を意図している」と考える説。
色々せめぎ合っており、まだ結論出ておりません。
ただ、個人的には「守備側も手は含めない」っつーことじゃないのかなあと思っております。

で、もう一つの問題として。
「果たして手が最後尾か」というもの。
足は当然地面に接しているわけですが、手は空中にあります。
三次元的な位置関係を二次元的に、それも角度のある画像で見た時、果たしてどちらが後ろにあるのか。
みんな大好きあのトラウマ画像が蘇ります。
out_of_play_102



ということから考えて、この場合のオフサイドラインは、名古屋DFの手に対して引くのではなく、かかとに対して引くのが正解ではなかろうかというのが私の考え。
そうするとこんな感じ。
無題
こうしますと、ウェリントン選手の肩辺りにラインがかかってるかなという感じです。
さてこれはオフサイドポジションと言えるか。
ここで上述の問題点がこちらにも発生します。

攻撃側選手の「手や腕」は、出ていてもオフサイドポジションとはなりません。
しかし「頭」が出ていれば、それはプレーできる部位なのでオフサイドとみなされます。
ということで、今回のケースはウェリントン選手の「頭」が出ているかどうかで判定の是非が決まるということになりますが……

ぶっちゃけわからん。
なにしろウェリントン選手も前傾姿勢になってるわけで、「地上に引いたライン」に対して下半身は残っていても、「空中で」上半身が超えてるかどうかなんて判別不可能。
せめて真横からの画像持ってきてくれやーという感じです。

言い換えると、VARが導入されていてビデオ判定を行っても、これ以外の角度からの映像がないんじゃ、主審には決定的な判断材料がありません。
よって「真横から見ていた」であろう副審の判断を尊重することになり、「オフサイドである」という判定は覆らなかったと思われます。
逆に、最初に「オンサイドである」という判定であったなら、それもそのままだったでしょう。

この時A1越智さんの姿が映ってないので、彼が正しい位置取りをした上でこの判定を下したのかどうかは分かりません。
それがズレていたのであれば批判はされるべきでしょうが、正しいポジションであったなら、「三次元的な位置関係」に関して正しい情報を持っていたのは彼だけですから。
その判定が「明確に間違っていた」と言えるほどのものではなく、こうして議論の余地がある以上、「誤審」と断じて批判されるのは間違っていると思いますよー。




てなわけで、VARがあっても100%な判断材料を提供してくれるわけではない。
という事例を与えてくれた今回のケース。
そこで、「ならいっそ、オフサイドに特化したテクノロジー作れないか!?」というのをちょっと考えてみたんですが、ここまでで長くなったのでまた後日。
多分。

例によって週末サッカー離れ。
浦和さんがおめでとうだったり、清水さんが何しとんねんだったり色々あったようですが、話題になってるのが名古屋さんのアレ。
「レフェリーの判断が絶対」…“手に当たった”を目の前で見ていた千葉DF近藤「精神的な弱さ」を反省 | ゲキサカ
これについて、近藤選手の話によると、村上主審は
「手に当たったのは確認した」
とのこと。
そしてこの報道によると、
「脇を閉じていたからハンドリングではない」
と説明したように読めますが、これはゲキサカが勝手に付け加えただけかな?
おそらく村上主審はそのような説明をしていないはずです。
実際よく「今のは脇締めてたからハンドじゃないんだよ」とドヤ顔で語る方もいますが、必ずしも脇を閉じてたらセーフってことではございませんので。



まず、「手に当たっただけではハンドリングではない」という点。
これはこれまでも何度か書いてきまして、流石に当ブログの読者さんならみなさんご理解いただけてる範疇かと思います。
「ハンド:hand(手)」と思われがちなこの反則ですが、正確には「ハンドリング:handle(扱う)+ing」の略語であり、ホールディング同様「意図」がその判断基準になります。
「手に当たった」ではなく、「手を当てた」とき初めて反則になるのです。

で、その意図を判断するのに、現在の競技規則はこのようなことを考慮せよと書いてあります。
ボールを手または腕で扱う
競技者が手または腕を用いて意図的にボールに触れる行為はボールを手で扱う反則である。
次のことを考慮しなければならない:
• ボールの方向への手や腕の動き(ボールが手や腕の方向に動いているのではなく)
• 相手競技者とボールの距離(予期していないボール)
• 手や腕の位置だけで、反則とはみなさない。
• 手に持ったもの(衣服、すね当てなど)でボールに触れることは、反則とみなされる。
• もの(靴、すね当てなど)を投げてボールにぶつけることは、反則とみなされる。
3つ目の「手や腕の位置云々」について、2015年までは「手または腕が不必要な位置にある場合は反則」と書かれておりました。
その位置に手を置いとくことでボールが当たることを期待した、いわゆる「未必の故意」を意図してる場合はハンドリング取りますよ~てな感じだったわけですが、現在はこの部分の判断基準が弱く設定されてます(完全に消えたというわけではありません)。

よって、重要度としては「ボールが手の方へ向かってきた」のか「手がボール方向へ動いた」のか。
そしてそれを「予期でき、避けられるだけの距離があったか」というのが判断ポイント。

ですから、今回「脇を閉じてたから」という理由だけで村上主審がノーとしたなら、それは判断基準としておかしいですし、村上主審レベルの方がそのような説明だけで済ませたとは到底考えられません。
おそらく村上主審は、
「手には確かに当たった。しかしボールから手の方へ向かう軌道で、避けられるだけの距離もなく、その上『手は体側からはみ出していなかった』」
これくらいの説明はしたんでしょうが、試合中のやり取りの中で伝えるのはまあ難しいでしょうね。
伝言ゲームのようになるのは致し方ありません。



ということで、そういう判断の上でノーとしたのであれば、この判定には納得はします。
ただ、位置関係も考慮すると、それが妥当だったかはちょっと疑問が残ります。
というのもこれが手に当たった時の位置。
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村上主審は田口選手の真後ろから見る形です。
この位置からですと、たしかに
「ボールが腕の方に向かい、距離も短い。そして体側から出ていない腕部分に当たった」
という判断になるかと。

しかし、真横から見ますと
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4
ボールが手に当たる瞬間、田口選手は腕を前の方に突き出しているとも見えます。
こうなると、「ボールが手の方向に動いた」のか「手をボールの方向に動かした」のか、議論が生まれてもおかしくないですし、村上主審の判断も変わってくる可能性が出てきます。



それでは、村上主審のポジショニングが悪かったために判断材料が不足していたと言えるのか。
無題
今回の事例について、おそらく後日のメディアブリーフィングにて、審判部より見解が出されると思います。
その中で「誤審であった」と認定された場合、審判部としては
「主審は今回A地点で事象を見極めようとしたが、矢印の先のB地点辺りまで移動していれば、この瞬間を真横から見ることができ、より正確な判断が出来ていた」
的なことを言うかと。
ただ、それは結果論でしかないんですよねー。
「今の失点はFWがゴール前に戻っていれば防げていた」的な。

実際村上主審の走力を持ってすれば、B地点まで入り込むことは可能だったでしょう。
しかし村上主審はあえてA地点に留まっていたと思われます。
というのも、近藤選手がボールを大きくクリアしようとしており、
・それが田口選手に当たる可能性(さらにそれが腕に当たる可能性)と、
・クリアが成功して反対側のPA付近まで飛ぶ可能性
そのどちらが高かったか。

もしB地点まで移動していれば、クリアが成功した場合、反対側PAまでのおよそ50mほどを、3秒程度で移動せねばなりません。
それはウサイン・ボルトにも不可能な数字。
ですから、反対側PAでの争点に間に合わない。
そこで重大な事象が起きた時、今度はそちらの判定に説得力が欠けます。
一方A地点からであれば、その半分程度の距離で済みますので、現実的な数字になります。

そういう次のプレーと争点の予測を踏まえれば、この時村上主審が取ったポジショニングが間違っていたと、私にはとても言えません。



となると足りない情報をどうやって補うか。
あるいは副審が見ていたら……というのもありますが、残念ながら他の選手が間に入っており難しい。
副審はラインキープが最優先である以上、該当プレーを見極めるために位置取りを変えることは許されません。
また、四審はこのカメラの視点に近い位置に立っているとも言えますが、本来の職務を考えると主審の判定を覆すだけの情報を伝えることは不可能かと……
よって、現状の四人審判制で、審判団としてはほぼマックスの情報を持っている状態であり、これ以上を求めるのは、どこの国のレフェリーでも難しいでしょう。

そこで取り沙汰されてくるのがVAR。
ビデオ判定が導入されると、これまでなかった視点も加わってきます。
しかし、そうやって不足した情報が補われたとしても、主審がどのような判定を下すのかは分かりません。
フィールド上と同じくノーとされる可能性もありますし、覆してハンドリングと認定するかもしれない。
これは私には判断つきませんし、今回のケースはおそらく国際レフェリーの中でも割れるんじゃないかと。

ただ、いずれかの判定をくださねばならないわけですし、そのブレがレフェリー間で少なくなるよう、審判部は日々判定を精査し、意見の統一を試みています。
それが下った時、みんなが納得できるか。
そしてそれを解説者やライターがきちんと説明できるか。
そういう環境が求められますねー。

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