イラン戦のジレット主審は言うことなし。
初戦との比較でよく見えたというのもありますが、それ以上にポジショニングで深く入りこんだり、アフターに厳しく対処したり、この世代を裁く上で理想的な声がけをしてくれてました。
引退したベンジャミンさんよりも良い若手が出てきたなという印象です(まだ29歳)。

そんな2戦目を経て、最終節。
カタール対日本
主審:トゥルキ・ムハンマド・ア・アルクダイル(サウジアラビア)
副審:カラフ・アルシャマムリ(サウジアラビア)、アーマド・モアンネス・アルロアリ(ヨルダン)
四審:アマル・アリ・アルジャネイビ(UAE)
3分藤谷敵陣でファウルチャージ。
6分藤谷敵陣でプッシングしてから奪おうとしてファウル。注意。
8分ライン際三好に足裏向けたタックルで19ファウル。
11分市丸奪ったところ手をかけて4番ホールディングもカードなし。
11分クロスに小川入れ替わろうとしてホールディング。
14分先制。バックパスをGKはじいて押し込み。アドバンテージ取ったか否か。
16分船木競り合いで乗ってファウル。
17分23番足裏向けてファウル。
19分藤谷食いついてかわされるところ体でぶつかってファウル。見逃してくれた。
19分中山PA内ノーで奪う。
20分冨安競り合いで23に当たられてファウル。
そのFK急かされる。
21分船木にアフターで当たられるがアドバンテージ。11警告。
22分4番競り合いで当たってファウル。
25分堂安クロスにハンドリング。
27分中山CKからゲット。
と思ったらキックオフ前に取り消し。
堂安がオフサイドポジションで反応していた。
32分堂安奪ったところに12後ろから抱きついて倒す。警告あっても。
34分市丸に対して19足裏タックル。警告。
34分中盤三好のファウル。
35分堂安浮き球相手を押さえてファウル。
36分競り合い小川が後ろ手に抑えてホールディング。
37分堂安倒れるがノー。からの藤谷突破引っ張られるがクロス入れてCKに。
抗議して監督四審から注意。
38分市丸押してファウル。
40分スローイン。17と堂安絡んで主審注意。
41分センター船木に19後ろからタックルでファウル。注意。
42分19オフサイド。流せばいいのに…
44分CKから三好ゲット。
45分センター後ろから行って引っ掛けて坂井警告。
AT2分
46分中盤引っ掛けられるがアドバンテージ。
0分市丸引っ掛けられてファウル。
0分船木ハンドリングもアドバンテージ。からのバイタルで冨安潰すがノー。
2分17が堂安にファウルチャージ。
7分冨安強いねえ。
10分日本スローイン注意。
13分ライン際足裏タックルでカタールファウル。
14分19オフサイド。
16分三好引っ掛けられてファウル。
19分坂井、堂安→原、遠藤
21分スローインなったあとにもめもめ。
23分11ハンドリング。
24分競り合い20のジャンピングアット。遠藤痛む。一度外へ。
26分原体を入れて奪う。
27分冨安19を掴んでホールディング。警告。
30分藤谷のナイスクロスを小川ドフリー外して岸本に交代。
38分遠藤と9番奪い合って遠藤ファウルにアドバンテージ。ただ遠藤倒れて外へ。
39分9番オフサイド。
41分冨安PA内対応倒すが立ちなさいのジェスチャー。
41分船木オフサイド。無いっぽい。
43分市丸引っ掛けられてファウル。
44分三好に手をかけて7番ホールディング。
AT3分。
ということで、ファウルの基準は安定してました。
ただカタールが足裏などラフなプレーが多かったので、その点もう少し早めから警告出して欲しかったなと。
まあ、日本も繰り返しや遅延でカードもらってもおかしくないシーンが多かったんですけど。



とは言えそれらの判定はどうでもよく、良いネタとして使えそうなのが得点取り消しのシーンです。
まず取り消しの手続きが遅いw
現地で見ていたアシシさんによると、
U-19日本代表はカタールを3-0でくだしC組1位通過 運命の準々決勝は24日!
CB中山の幻のゴールシーンは、一人冷静に見てた知り合いがいて、ゴールが決まった瞬間に線審がオフサイドフラッグ上げていたそうです。ならもっと早くゴール取消ししろやって感じですが。。
見切れてますが、副審はフラッグアップしており、主審が気づくの遅かっただけみたいですね。
まあそれならそれでいいです。



で、次の問題は、何故オフサイドを取られたのかなんですが、過去の類例をご紹介。
相手競技者への干渉 - とりあえず
柏のシュートの瞬間、オフサイドポジションにいたドウグラス。
そのボールに対して触ることはありませんでしたが、シュートコース上にいたことで「相手競技者に干渉」したとしてオフサイドを取られました。

ただし、同じような例でオフサイドと取られなかったパターンもあります。
vpYJGD
ちょっと分かりにくいですが、マタがFKを蹴った時、オフサイドポジションにロホが出ていました。
そのロホがボールに触ろうと首を振りますが、ボールはその上を通過してサイドネットへ。
ロホは「相手競技者への干渉」を取られず、そのままゴールが認められました。

で、当ブログで何度も言ってますように、オフサイドの成立案件の第一である「プレーに干渉」とは「ボールに触る」ことです。
上記2例では、オフサイドポジションの選手が「ボールに触ろう」としていますが、それだけでは「プレーに干渉」とは見なされません。
しかし、「ボールに触ろうとした行為」によって「相手のプレーに影響した」と判断された場合、「相手競技者への干渉」が取られ、オフサイドが成立します。
この判断について、上記の2例のように幅があったため、2015年夏に統一見解が出されました。
オフサイドの解釈がまた変わるっぽい - とりあえず
これにより判断が厳しくなり、下のようなパターンも、上の例に合わせて「相手競技者への干渉」と取るようになりました。

ということで、今回の堂安の例も、「ボールに触ってない」ために「プレーに干渉」はしていないけど、「ボールの近くで首を振った」ことで、「相手競技者への干渉(妨害)」が取られたわけです。
ですからこの判定自体は問題ありません。




さてここから。
この判定について、堂安のコメントが載っています。
【U-19代表】オフサイドでゴールが幻に。“被害者”の堂安は「俺、触ってないですよ」と主張 | サッカーダイジェスト
そのシーンについて、堂安本人は「俺、触ってないですよ。オフサイドということになってますけど。今日はなんか、審判に目をつけられてましたね。俺は“無罪”です。なんも触ってないです」と主張。中山のシュートに反応しているようにも見えたが、真っ向から否定した。
このコメント読んで、私ちょっと感動しました。
堂安はオフサイドの成立要件を「ボールに触る」と理解してるじゃありませんか!
もちろん、「相手競技者への干渉でもオフサイドは成立する」という認識が欠けてるのは問題ですけど、少なくとも「プレーに干渉」=「ボールに触る」である、言い換えると「ボールに触ろうとした」だけでは「プレーに干渉」ではないという認識を持ってることが伺えますね。

しかし、これを見た僕のフォロワーさん(平たく言うとおっさん)達は、
「触ろうとしてるんだからプレーに関与だろ」
という反応をしていました。
一見こちらが正しく見えますが、そういう方には、一度自分を疑っていただきたいと思います。

というのも、上述の通り「相手競技者への干渉」が厳密化されたのは去年のことです。
それ以前でしたら、今回のケースでも「相手競技者への干渉」が認められないこともあり得ました。
その場合、堂安は「ボールに触っていない」ことで「プレーに干渉」もしていない。
よって「オフサイドは成立しない」という判断が下された可能性もあるのです。

で、この「プレーに干渉」=「ボールに触る」という解釈が明文化されたのは2005年です。
それ以前は「ボールに触りそうになる」でも「プレーに干渉」を取られる例が確かにありましたが、これ以後は「ボールに触ったかどうか」で判断されるようになりました。
ですから、1998年生まれの堂安がオフサイドを認識した頃には既に「ボールに触る」に統一されていたはずで、堂安は正しい認識を持っていたとも言えます。

一方、それ以前にサッカーを始めた人、ルールを覚えた人は、「ボールに触りそうになった」だけで「プレーに干渉」と覚えちゃってる人が多いんです。
今回堂安の発言に「ルールを知らんのか!」という反応をしている方の大半は、この2005年以前のルールという自分の記憶に基づいて言ってるだけではないでしょうか。
この点、是非ともご自身の中で確認していただければと思います。

結果的に正しい認識になってるとは言え、それは何度かのルール変遷を経た結果であるということ。
「その時代によってルールは違う」ってことをしっかり意識して、ご自分の子ども達世代に間違った認識を押しつけることのないよう、常に正しい知識を入れていきたいものですね。