IFABさんが競技規則変更の提案を色々出してきました。
目玉になりそうなEPTについては、数年の議論が必要なので当面はスルー。
一方、すぐやって欲しいのが、「試合中のPKもPK戦同様キックが外れたらその瞬間アウトオブプレー」というもの。
これ、私がずーっと言ってたことで、やはりIFABさんも当ブログに注目しているようです(キリッ

さておき。
その点も含め、「とにかく無駄に試合止まる要素なくそうや!」というのが今回の提案の主題ですね。
で、その中で来年から採用されそうだなというのがゴールキック関連。
ということで、現状のルールをおさらいすべく、いくつか問題を出してみます。
それぞれどんな対処が正解でしょうか。
ブログでは追加の問題として、あと2パターン考えてみてください。

その4
GKがゴールキックを蹴ったが、PAを出た後に戻ってきて、DFがそのボールを手でキャッチした。

その5
GKがゴールキックを蹴ったが、PAを出た後に戻ってきて、DFが足でトラップを試みたが失敗して、こぼれたボールが自陣ゴールに入った。



全部すっと答えられましたか~?
まあ、間違えていいんですよこんなの。
私も初見時、その時点でサッカー観戦歴20年くらいでしたが、ほぼ全滅でした。
「こんなん起きるわけないやろ!」と言いたくなるでしょうしね。
ただ、プロでは起こり得ないとしても、キック力の無い少年サッカーなんかでは起こり得ること。
それだけに、担当するレフェリーはちゃんと把握しておかねばなりません。
逆に、ファンや親御さんは基本知らないものですから、「なんでだ!」と自分の思い込みで文句を言うのではなく、「レフェリーはちゃんと知ってるはずだ」と信頼することが大事です。
まあ、4種担当だと間違っちゃうレフェリーもいるとは思うので、その時は試合後にでも競技規則持っていって、お互い納得いくようにしたいものです。



ということで、答え合わせですが、現状の競技規則にほぼそのまま出ています。
第16条 ゴールキック
ゴールキックは、グラウンド上または空中にかかわらず、最後に攻撃側競技者が触れたボールの全体がゴールラインを越え、得点とならなかったときに与えられる。
相手チームのゴールに対する限り、ゴールキックから直接得点することができる。ボールがペナルティーエリアから出て、キッカーのゴールに直接入った場合、相手競技者にコーナーキックを与える。

1. 進め方
• ボールは静止していなければならず、ゴールエリア内の任意の地点から守備側チームの競技者によってけられる。
• ボールは、ペナルティーエリア外に出たときにインプレーとなる。
• 相手競技者は、ボールがインプレーになるまで、ペナルティーエリアの外にいる。
2. 違反と罰則
ボールがペナルティーエリア外に出なかった場合、またはペナルティーエリア外に出る前に競技者に触れた場合、キックが再び行われる。
ボールがインプレーになって、他の競技者が触れる前にキッカーがボールに再び触れた場合、間接フリーキックが与えられる。キッカーが意図的に手または腕でボールに触れた場合:
• 直接フリーキックが与えられる。
• 違反がキッカーのペナルティーエリアの中で起きた場合は、ペナルティーキックが与えられる。キッカーがゴールキーパーの場合、間接フリーキックが与えられる。

まとめるとこう。
・ゴールキックは、PAを出てはじめてインプレーになる。
→その前に何か起きた場合はやり直し。
・インプレーになっても、直接得点出来るのは相手側ゴールに入った時のみである。
→味方ゴールに直接入った場合は相手のCKが与えられる。
・インプレー後、キッカーが連続してボールに触れてはいけない。
→違反した場合は相手の間接FK。
・インプレー後、味方のキックをGKが直接キャッチできない(バックパスと同じ)。
→違反した場合は相手の間接FK。

この辺を組み合わせれば、自ずと答えが出てきます。

まず、その1。
これはボールがまだPAを出ていないので、インプレーになっていません。
よって、どんな結果が生じようと、ゴールキックのやり直しになります。
PAを出る前にGKがもう一度触ってからゴールインした場合、DFが手で止めた場合、DFがトラップを試みるも失敗してゴールインした場合。
全て同様にやり直しです。



続いてその2。
こちらは、ボールがPAを一度出ましたので、インプレーにはなっています。
ただし、そのボールが「味方のゴール」に「直接」入ったわけですから、それで得点は認められません。
「オウンゴール」と答えてしまいそうですが、相手側のCKが正解です。
やはりこれが一番正解率低いですね。
確信持って正解された方はお見事です。



3の場合。
こちらもインプレーになっています。
そしてそのボールをキッカー自身がもう一度触ったことになりますので、いわゆる「二度触り」で相手に間接FKが与えられます。
ただし、その2で分かるように、このボールがゴールインしても得点は認められず、相手CKが与えられるだけです。
ですから当然「得点の阻止」には該当せず、「間接FK(懲戒罰なし)」が正解です。

なお、問題とはしませんでしたが、ゴールキックをDFが蹴るってのも少年サッカーではよくあります。
そのボールが、PAを出た後に戻ってきて、蹴ったDF自身が触った場合は同様に間接FKですし、GKがキャッチしちゃうと、「バックパス」で間接FKです。



4の場合。
こちらもインプレーになっています。
そしてそのボールを「DF」がキャッチしてますので、当然ハンドリング成立。
相手にPKが与えられます。
ただし、その3同様このボールがゴールインしても「得点」にはならないので、懲戒罰は必要ありません。



5の場合。
4のパターンで、「手で触ったらいけない!」とトラップを試みましたが、失敗してゴールイン……
インプレーで、かつゴールキックが「直接」ゴールに入ったわけではなくなっていますので、オウンゴールが認められてしまいます。
これは避けないとね……



以上、現状の競技規則で考えると、それぞれこのような結論になります。
ただ、これがおそらく数年以内に変更となるでしょう。
「PAを出たらインプレー」が、他のセットプレーと同様「移動」をもってインプレーに変わるかと。
これにより、「やり直し」を命じられることはほぼなくなるでしょう。
また、「二度触り」も認められることになりそうですので、間接FKになるパターンが減るかなと。
ただ「ゴールキックで直接得点出来るのは相手ゴールのみ」の部分が変わるかどうかによって、「オウンゴール」が起こり得るかはまだ分かりません。
とりあえず、現状のルール、及び変更した場合のルールをきちんと把握して、子どもたちに正しい指導を行いたいものです。

ま、ややこしい変更に思えるかもしれませんが、最近のサッカーはGKから繋ぐのが当たり前になってますからねー。
それを「PA出るまで味方は触れない」ってんじゃ、プレスの狙い目になりますし、それにあわててPA内で触っちゃうとやり直しで時間がかかる。
この辺は、戦術の進化にルールが対応しようとしており、良い変更だと思いますよ。