今週発売の競馬ブック誌に、競馬ライター「井上オークス」さん筆の高知競馬に関する特集記事が掲載されています。
ご覧になられた方はいますか?

昨年廃止となった荒尾競馬場の件は記憶に新しいかと思われますが、地方競馬場の少なからずは廃止と存続の瀬戸際に立たされ、大変厳しい状況の運営がされています。

これに関して、予想主の立場にある私なりの発信を今回行う所存です。

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(大井競馬に関する質問を挟み)
確かに大井競馬を始めとする南関競馬は、一時期25億円の累積赤字を抱えていた浦和競馬も赤字解消するなど総じて堅調に経営出来ており安泰と言えるかも知れません。
ですが、他の地方競馬の廃止問題は、その当地だけの問題ではありません。

仮に高知競馬が廃止となれば、その分のサラブレット需要・活躍場が無くなる訳で、中小牧場・馬産地への影響は当然大きくあります。
たった一つの地方競馬と言えども連鎖的に日本競馬全体に与える影響は決して小さくないはずです。

ここに来ている並以上に熱心な競馬ファンの中でも、中央競馬にしか興味がないとの方が圧倒的だと思います。
かく言う私も地方競馬はごく一部の大レースにしか手を出さない人間です。

でも数多の地方競馬の存在の上に、現にこの場にいる多くの方が魅力を抱いてるであろう中央競馬の開催があるという事。
これは今後の中央競馬を享受せんとする身としては、常に忘れてはならない事 だと思います。

だからと言って皆さん積極的に地方競馬の馬券を買いましょう!
ってのは諸々難しい点もあると思います。

もちろん全ての苦しむ地方競馬を馬券購入の形(私の立場で言えば馬券情報の提供)で支援できる事が理想。
でも、それは現実的に無理だし、皆さんにとっても難しい話。

さて来週20日(祝)は何の日かご存知でしょうか?
そう、高知競馬が1年で最も盛り上がる日≪ダートグレード競争-黒船賞≫開催日です。

(高知競馬について続く)
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皆さんは高知競馬と聞いて何を思い浮かべるかと言えば・・・やはり『ハルウララ号』という方が多いのではないでしょうか?

ハルウララ号の連戦連敗が生み出したハルウララブームは、実況アナの橋口浩二アナが広め→高知新聞の石井研記者が記事に→高知県競馬組合の広報担当者がマスコミ各社に→そして全国紙・TV番組等の大メディアで取り上げられたのが成り行き。
その存在は競馬ファン内輪だけでなく、国内全体で当時の「勝ち組・負け組」が流行る社会的背景とも絡んで「負け組の星・リストラの星」として一大ブームが巻き起こりました。

そのハルウララブームの頂点は今からちょうど8年前=2004年3月の黒船賞当日。
日本を代表するジョッキー武豊Jの発言からコンビを組む事になり、レースに挑んだその日!
当日のニュース番組では、ハルウララ記念馬券を買い求める様子からレースまで=朝から晩までハルウララの話題で持ちきりになり、国内全体が沸き上がった事は今も記憶に新しいです。
また高知競馬にとっても、武豊×ハルウララが実現したレースの売上5億円超・当日トータル売上8億円超・入場者数1万3000人は何れも高知競馬レコードを記録。この様に莫大な売上貢献があったハルウララブームに牽引される形で年度8000万円黒字達成したのが2003年〜2004年の話。

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ハルウララが高知競馬を去った後、つまりブームが完全に終わった高知競馬のその後は・・・。

実は高知競馬は、ハルウララブームの始まりやその終焉よりも昔の10年以上前から「いまにも潰れそう」「一番ヤバイのは高知」(競馬ブック引用)と言われる存在だったんです。
それがハルウララ登場前もハルウララブーム後も生き残っている現実の所以。この内実を今回皆さんにも知って頂きたい。

1999年に累積赤字が初めて明るみに出て、2000年には既に存続の条件として単年度黒字が大前提として存廃について検討が始められる段階に既にあり、その方向性が正式に決定されたのが2003年。
(※この2000〜03の間に当時の橋本大二郎県知事の勇断や、高知新聞による真実の報道なども後押しとなり、この時点での廃止判断されなかった事も大きかった。)

<単年度黒字が大前提=赤字が出れば廃止>
ハルウララブームを挟み、一時的に危機を脱する期間はあったものの、それ以外の2003年から今日までの長い期間を如何にして存続条件を満たす運営が為されてきたのか。

それは高知競馬関係者が身を削る必死の努力の上で、ギリギリの運営がされているからに他ならない。

2003年以降は賞金や手当てがどんどん減額された。
賞金が全地方競馬の中で最下位にもなった。
2007年には黒船賞の開催の為に寄付(名称:かいばおけ支援金)を募る事もした。
2008年は売上が右肩下がり=危機的な状況になり、賞金面の都合で黒船賞を開催する事も諦めざるを得なかった〜遂に赤字に転落した〜。
積立金を取り崩す事で何とか存続が認められた。

既に限界の状況となった2009年。
関係者にとっては最後の最後の一手の気持ちだったと思う。高知競馬は切り札として通年ナイター競馬を決断し、積立金の殆ど<1億7000万円>を通年ナイター設備の整備に費やした。

<ナイター開催(愛称:夜さ恋ナイター)開始>
ここから少しずつ風向きが変わった。
ナイター開催が功を奏して、特にインターネット発売で売上を伸ばし始めた。

これらの売上増を背景に、遂に2011年、限界まで削られていた各種手当てが微増した。

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晩年の荒尾競馬は限界を超える関係者の努力がなされ、それでも赤字を食い止められずに廃止となった。
現場の関係者からすれば、廃止or限界を超える賞金や手当ての削減・・・後者を受け入れるしかなく、身を削りに削る努力を尽くしながら最後は報われる事無く・・・廃止=終わったのだ。

高知競馬の関係者も同様の努力をしている。
それが手当て微増の形で、やっと少し報われたのが2011年度。

ただし、黒字を絶対とする運営である以上は言うまでもない事だが、今後の手当てについては2012年度の売上次第なのだ。
また積立金の残高はたった1億円程度、、手当て云々よりも大前提となる未来の高知競馬の存続を保証するモノも何も無い。

これら全ての高知競馬の鍵を握るのは馬券の売上・・・。
我々馬券購入者次第で良い方向にも悪い方向にも・・・。

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この先は、読み手の皆さんに任せます。

高知競馬の馬券を買いましょう・・・とは言えない・・・
高知競馬の馬券を買うのは現実的に難しいからしょうがない・・・とは言いたくない・・・

僕だって中央競馬の予想しか出来ないし、相変わらず中央競馬の馬券ばかり買うんだと思います。

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でも中央競馬の予想提供をライフワークとする身として・・・来週20日(火)に高知競馬で開催される交流重賞第14回黒船賞は、自身が常日頃やっている予想活動の領域内で高知競馬に貢献出来る1年で唯一の時と言えると思います。
私の立場で言えば、読み手の皆さんに高知競馬『黒船賞』の馬券を買いたくなるような情報を提供する事が使命と言えるのかも知れません。

(企画に続く)
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