夏到来って感じですね。今年は関東・甲信地方が観測史上最も早く梅雨明けして、文字通り「カラ梅雨」だったワケですが、なんと土曜東京の最高気温は36℃らしい。体温じゃないですか。こんな暑いとアタマおかしくなるよね。もともとおかしいけど。


こんな暑さに悶え苦しんでいる一方で、今日の函館の最高気温は21℃という。何でも先週はもっと寒かったそうで、そりゃ調教はジャンパー着て乗りますよね。って感じ。北海道に4年間住んで冬のツラさを知っているけど、今時期だけは向こうに住みたいとつくづく思う25歳の夏でございます。


そんな羨ましい気候の函館競馬場で行われる「最も歴史が長い伝統のローカル重賞」それが今週の日曜に控えた函館記念


その昔はメジロアサマエリモジョージニッポーテイオーやらサッカーボーイといった実力馬たちが出走するような格付けでしたが、レース体系が整備されてきた流れに従って、いかにもハンデ戦の2000m重賞といった荒れるレースに様変わり。


そんな函館記念がやってくる度に思い出す馬がいます。それが05年から07年にかけて3連覇したエリモハリアー。ちょうど自分が競馬を見始めた頃ということもあり、函館記念=エリモハリアーのイメージが払拭されない懐古脳をお許し下さい。恐らくここ数年で競馬を見始めたと思われる同世代より下の人たちには白い目で見られるでしょう。後ろ指を指されるでしょう。ハイスクール奇面組です。

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そんなことはどうでもいいとして、このエリモハリアー。先程も触れましたが、同一平地重賞を3連覇しているんですね。実はこれって長い歴史を誇る中央競馬でも達成している馬が案外少なくて、調べてみたところ、


セカイオー(鳴尾記念1956-1958)

シゲルホームラン(セイユウ記念1993-1995)

タップダンスシチー(金鯱賞2003-2005)

★エリモハリアー(函館記念2005-2007)

マツリダゴッホ(オールカマー2007-2009)

ゴールドシップ(阪神大賞典2013-2015)

【現役】アルバート(ステイヤーズS2015-2017)



以上の7頭しかいないんですよね。現役のアルバートが今年のステイヤーズSを勝てば、史上初の4連覇になります。今の中長距離路線は手駒が少ないですから、十分に達成できそうな話ではありますが。というか、2000年代に入ってから5頭もいるんですね。それだけ競走馬の競走寿命が延びている証拠でもあると思います。


まあ、要するにこれだけ見てもエリモハリアーって馬は記録にも記憶にも残っている馬だということが分かる(?)と思うんですけど、改めて紹介。


エリモハリアー。父は英愛ダービーとキングジョージを勝ったアイルランドの名馬ジェネラス。母エリモハスラーは現役時代3戦して未勝利に終わりましたが、その3戦が全て6着という何とも言えない数字へのこだわりをもつ(?)馬でした。


ちなみにエリモハリアーの馬名由来は「冠名+車名」なんですが、ハスラー(SUZUKI)ハリアー(TOYOTA)じゃメーカーが違うじゃねえか!ちゃんとして!


…って一人で突っ込んでました。どうせならジムニーとかスイフトにすればよかったのに…と思ったんですが、ハスラーの発売は2014年からでした。どうでも良いですが、僕はスイフトスポーツが欲しいです。


母の父、ブレイヴェストローマンマックスビューティトウカイローマンオグリローマンと3頭の牝馬クラシック優勝馬を送り出したネヴァーベンド系の名種馬で、母の父に入ってもこのエリモハリアー以外にキョウエイマーチトーシンブリザードトシザブイオペラシチーと活躍馬を多数輩出しています。字面的にはサンデーのサの字も入っていないですが、当時(つっても15年くらいだけど)はこういった血統の活躍馬もそこそこいたので、まあけちょんけちょんに言うほど血統もダメでは無かったんではないかと。血統表見るからに重たそうだけど。


さてそんなエリモハリアーですが、デビュー前の2歳4月にいきなりタマチョッキン(去勢)されます。2歳の春といえば、人間でいうところの中学生くらいでしょうか。そんな血気盛んな時期にナニが使えなくなってしまうなんて、同じ男として同情します。僕だったらグレて家出するところです。多分3日くらいで帰るけど。


エリモハリアーもしばらくグレて未勝利時代がだいぶ続くのですが、3歳8月に8戦目で初勝利。初めてゴール板を先頭で駆け抜けたのは、函館ではなく同じ北海道の札幌でした。小雨が降る中で2着に1馬身半差を付けての快勝、思えばこの時から高い洋芝適性を示していたのかもしれません。


その後3着を挟んで10月福島で500万を勝利。1000万を勝つのは少々時間が掛かって、翌年の6月、中京競馬場のミホノブルボンメモリアルでした。そういえばこの年はJRAゴールデンジュビリーキャンペーンとかいうアレで特別戦に名馬の名前が色々付いてたんですわ。今思い出した。


500万を勝ってから3勝目を挙げるまでに約8ヶ月かかったのですが、その間なんと10戦もしているんですよね。タフネスオブタフネス。オープンに上がってからは長い休みもありましたが、条件馬時代はとにかく頑丈な馬でした。


で、なんやかんや勝ち切れない時期もあって、結果的にオープン入りしたのは5歳の夏。格上挑戦で挑んだ巴賞でグランリーオ(柴山さんの重賞初制覇、懐かしいっ!)タイガーカフェ(ノーリーズンの皐月賞2着、懐かしいっ!)ブルートルネード(もう字面だけで懐かしいっ!)マチカネメニモミヨ(マチカネで一番好きだった!)らを一蹴。ちなみにこのレース、1800m戦ながら不良馬場で勝ち時計が1.55.0掛かってます。やはりタフネス。


そして迎えた函館記念。前走で負かした上述の馬たちに人気で水を空けられ(まあマグレだと思われてたんでしょうね)ていましたが、ここでも最速上がりで好位から突き抜けて快勝。自身のみならず、騎乗していた北村浩平騎手(現・須貝厩舎調教助手)にも初の重賞タイトルをプレゼントする嬉しい重賞初制覇となりました。


その後も北村浩平騎手がしばらく主戦を続け、朝日チャレンジC・カシオペアSで2着など惜しい競馬もありましたが、中央場所ではやはり勝てず。秋の京阪杯を最後に休養に入り、復帰したのは翌年の6歳夏、金鯱賞。鞍上はなんと当時圧倒的な存在だったスーパースター・武豊様でした。


このレースでは4.1倍の2番人気に支持されていたんですが、コンゴウリキシオー(1着・6.0倍の3番人気)よりも人気あったんですよね。今となっては考えられません。完全な武豊様人気です。ここで離されながらも3着に踏ん張り、次走の巴賞からは北海道滞在が通例だったアンカツ(安藤勝己)さんにバトンタッチ。クビ差2着と敗れながらも力を示し、連覇が掛かる函館記念では1番人気に推されました。


レースでは好位からの競馬だった昨年とは対象的に、道中は中団に控えます。この年は稍重発表でしたが、字面以上に時計が掛かる馬場状態で、逃げたストーミーカフェのラップは馬場を考えればやや速い流れ。そんな中、エリモハリアーは馬群の中で泥にまみれながらポジションを押し上げていきます。


いくらハイペースといえど、函館の直線は短い。残り200mを切って良血馬エアシェイディが抜け出します。「勝った!」と思わせるほどの鞍上・後藤騎手の完璧なエスコート。

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しかし、函館の鬼はここからが違いました。外のマヤノライジン、内のニシノデューとの間から一完歩ごとに「グイッ!グイッ!」と音が聞こえるような力強い伸び脚を見せ、ゴール前50mで一気に交わして先頭ゴールイン。昨年の函館王者はプライドなど関係なく、泥にまみれて連覇を飾ったのです。実に彼らしい、いぶし銀のような末脚。ラスト1F13秒4とラップが落ち込むタフな流れの中、1頭だけ違った脚色は、間違いなく勝ち馬に相応しいモノでした。

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次走は札幌記念を選択し、5着。この年から始まったサマー2000シリーズの初代チャンピオンに最も近い存在ではありましたが、わずかの差で小倉記念を制したスウィフトカレントに敗れ、王座を逃す結果に。その後屈腱炎を発症し、自身にとって初の大きなケガを経験。好事魔多しとは、良く言ったものです。


ここから長期休養に入り、実戦復帰は10ヶ月ぶりとなった巴賞。これで3年連続の出走となりましたが、最下位11着と大敗。この敗戦が影響し、3連覇を目指して挑んだ函館記念では前年から大きく評価を落として7番人気。鞍上は前走から騎乗していたオレ…じゃなくて武幸四郎騎手。この年はコスモテナシャスが放馬で除外になり、フルゲートで行われた前年と打って変わって10頭立ての少頭数でした。


レースは少頭数らしく、前半は5F通過63秒0のスローペース。向正面中ほど辺りから各馬が仕掛け始め、後半5Fのロングスパート勝負。流れは前年と真逆になりましたが、エリモハリアーは抜群の手応えで4角を回り、いざ直線へ。

残り200mを切って、逃げるのは平成最後のオールラウンダー・マイソールサウンド。内から毎日杯馬ナムラマーストップハンデで1番人気のアドマイヤフジが交わしにかかるが、反応が良くない。それらの間から軽量52キロのロフティーエイムがやってきたと思われた刹那、外からまとめて差し切ったのが青い帽子、赤い勝負服。他ならぬエリモハリアーでした。同一平地重賞3連覇に、当時中学1年生だった私は正直有り難みがイマイチ分かっておらず、オトナになってからその凄さを実感することになります。オトナになるまで12年かかりました。

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この後もエリモハリアーは現役を続け、4連覇を目指して挑んだ翌年の函館記念は4着。その後は勝ち星から遠ざかり、改修工事で札幌競馬場で行われた09年の函館記念には出走せず、とうとう10歳を迎えます。


現役最後のレースはやはり、函館記念。史上初の同一平地重賞4勝目を狙いましたが、見せ場なく13着に敗北。ターフを去りました。


前後半イーブンラップを好位から抜け出した05年、重馬場で超タフなレースになった06年、そして前半スローからの決め手勝負となった07年。同じ函館記念とはいえ、中身は全く別物。更に3年とも騎乗しているジョッキーが異なるというのも非常に興味深いこと。誰が乗っても函館では水を得た魚のように走っただけに、日本競馬史上最高の函館巧者、と言っても過言では無いでしょう。


実働8年間で走ったレースの数は63走。勝ち星は9。生涯獲得賞金は3億4686万円。記憶にも記録にも残る1頭でした。一言でいえば「個性派」でしょうか。


これは一個人の考えですが、現代は前提として画一的に物事を考えがちで、何か面白いことを始めるためには「他に負けない個性」が必要だと感じているからこそ、僕はこの馬のことを書きたかったのかもしれません。


ちなみにエリモハリアーは引退後、函館競馬場で誘導馬として活躍していますが、18歳を迎えた今年の函館開催を最後に誘導馬を引退し、7/26から白老町のホースガーデンしらおいで功労馬として繋養されることが決定しているとのこと。

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「函館の名優」と記されたゼッケンを着用して誘導している姿が今年で最後なのは寂しい限りですが、これまで良く頑張ってくれました。お疲れ様の言葉を掛けてあげたいと思います。


ガラにも無く、クサい記事になってしまったこと、並びに長文になってしまったことをここにお詫び致します。お疲れ様、エリモハリアー。

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