2021年01月

2021年01月30日

 我が家で撮影したヨコバイの仲間から、似ているヨコバイを集めました。どれも翅脈が網目として認められます。

クロミャクイチモンジヨコバイは複眼を結ぶ太くて黒い線が特徴です。
ウスアカイチモンジヨコバイは複眼を結ぶ赤い線が特徴です。
次の未同定ヨコバイは丸で囲んだ小さな部屋が特徴です。
マダラヨコバイは上翅中央部で前後に並ぶ3つの部屋が特徴です。
トバヨコバイは上記と同じ部屋が2つです。
モジヨコバイは翅脈の色が茶色です。

 以上は誤りがあるかもしれません。ウスアカがシロミャクで未同定がウスアカの可能性も。信頼できる写真が見つかりません。難しいです。

翅脈の目立つヨコバイ集


<追記>2021年3月3日

 上記のトバヨコバイは頭部の模様が異なっているので、もう一度詳細に検討しました。その結果、トバヨコバイよりも、近縁のRecilia coroniferの方がよく似ていることがわかりました。でも少し違います。ヨコバイの同定は難しいです。

shagalshagal at 20:42│コメント(0)自然誌2021年 │

2021年01月29日

 自宅で撮影したヨコバイの種名調べを始めました。ヨコバイは個体変異も多く同定が難しい科の一つのようです。今回調べたのは写真の種ですが、ネットの写真を調べると「あおもり昆虫記」に一致する写真がありました。種名はシロセスジヨコバイでした。ところがシロセスジヨコバイで検索すると、出てくる写真はどれも異なるものでした。

 そこで、シロセスジヨコバイScaphoideus albovittatus Matsumuraの属名のScaphoideusで検索すると、この論文に一致する写真がありました。 Scaphoideus rubroguttatusです。今度は Scaphoideus rubroguttatusで検索すると、ようやく石垣市と愛知県の昆虫リストにウスイロスカシヨコバイの和名が出てきました。そのウスイロスカシヨコバイで画像検索を行うと、一致する写真が出てきません。合っているのだろうか?同定作業は大変です。

 上記論文(紙谷聡志・林正美、2013)によれば、日本での分布は、山梨県、静岡県、広島県、沖縄本島、沖永良部島、与那国島、西表島、久米島、宮古島、石垣島となっています(青森県と愛知県も)。滋賀県では未記録です。自宅では他にも滋賀県未記録ヨコバイが10種以上見られます。

ウスイロスカシヨコバイ 20200904ウスイロスカシヨコバイ20190716




shagalshagal at 11:31│コメント(0)自然誌2021年 │

2021年01月20日

 ハエ、アブ、ガガンボ、カの仲間の整理を始めました。ところが、時間をかけても数種しかわかりません。双翅目の種は多く、ネットの図鑑では少ししかわかりません。

 今日、時間をかけても結局わからなかったのは下の写真の虫。平均棍がありますから双翅目であることは間違いありません。触角の特徴からカの仲間と思われます。こんなに綺麗で特徴があるのですぐにわかると思ったのですが、いくら調べても出てきません。先が思いやられます。

→その後、タマバエの仲間で形の似たものを見つけましたので、タマバエで検索したら出てきました。
 和名のないHaplusia属の一種だそうです。このように双翅目の仲間には和名がないものが多く、種名調べは大変です。

Haplusiaの一種20200626

Haplusia属の一種20190707青い鳥の谷Haplusia属の一種20190723

Haplusia属の一種20190712

 Haplusia属の一種の横にもタマバエの仲間らしき虫がいます。まさか雌雄?

 

shagalshagal at 00:05│コメント(0)自然誌2021年 │

2021年01月10日

 この4年間に自宅で撮影したゾウムシは70種を超えていますが、種名のわからないものがたくさんいます。わかりやすいものとしてヒゲナガゾウムシを集めると12種いました。そのうちの一種は、ネブトヒゲナガゾウムシとしましたが、キスジヒゲナガゾウムシやコモンマダラヒゲナガゾウムシにも似ていてよくわかりません。図鑑を調べなければなりません。

ヒゲナガゾウムシ一覧



shagalshagal at 21:01│コメント(0)自然誌2021年 │

2021年01月08日

 年明けから全国的に新型コロナ感染者が激増し、関東の一都三県で緊急事態宣言が発せられました。関西の大阪、兵庫、京都も緊急事態宣言を政府に要請しています。滋賀県も例外ではなく、2日続きで感染者が50人を超えています。

 そのような現状ですから、飲食は伴いませんが屋内での集会は控えなければなりません。1月17日に予定していました講演会「我が家は地震に大丈夫?!」と1月20日に予定していました出前講座「孤立想定地域の防災対策」は、どちらも延期することになりました。

 学区自主防災会の1月の定例役員会も中止といたします。皆様、コロナに感染しないようにお気をつけください。

shagalshagal at 19:37│コメント(0)お知らせ │

2021年01月04日

 虫の写真の整理を行っていますが、ほとんど進んでいません。特に、蛾、蜂、蠅、虻は種類が多く、種名どころかどの科に属する虫かもわかりません。

 わかりやすいところで、ハエではデガシラバエ科を集めてみました。滋賀県の昆虫目録には、フトハチモドキバエとミツモンハチモドキバエの2種が記載されています。

 1段目はコマダラハチモドキバエ属のコマダラハチモドキバエで、左から雄、雌、ペアの順です。
 2段目はコモンハチモドキバエ属のParageloemyia quadrisetaで、左から雄、雌、不明の順です。
 3段目はオオハチモドキバエ属の左から、オオハチモドキバエ、フトハチモドキバエの雄、雌の順です。
 4段目はミツモンハチモドキバエ属のミツモンハチモドキバエで、左から順に前胸背の模様が次第に濃くなります。

*市毛(2014)の「はなあぶ」33の訂正された図38の前翅の図と2段目の左はよく一致するので、Parageloemyia quadrisetaではなく、Parageloemyia nigrofasciataの可能性が高いようです。ところが、Korneyev(2015)によれば、Parageloemyia nigrofasciataParageloemyia quadrisetaのjunior synonymとしていますので、個体変異のうちか?そういうわけで、2段目は全てスギモトコモンハチモドキバエとしておきます。

 ハチモドキバエは一見、蜂に見えますが、蠅ですから刺しません。蠅は虻も含めて極めて種類が多く、この先整理が大変です。

デガシラバエ科一覧



shagalshagal at 22:54│コメント(0)自然誌2021年 │

2021年01月01日

2020年の日本の災害

 新年おめでとうございます。

 2020年は新型コロナで明けて新型コロナで暮れました。世界では現在約8000万人が感染し、178万人が死亡しました。日本では23.6万人が感染し3500人が死亡しています。高齢者が罹患した場合には死亡のリスクが高くなります。ワクチンの投与が始まっている国もありますが、今なお感染拡大の最中であり、終息の目処は立っていません。

 どこの国でも経済を優先するか命を優先するかが問われ、感染を抑えながら経済活動を維持する方法を探っていますが、成功している国は少ないのが現状です。2020年のオリンピックは延期され、今年開催の予定です。しかし、感染力の強い新型変異ウイルスが次々と発見されるなど、オリンピックが予定されている7月までに世界で感染が下火になるという保証は何もありません。世界中から大勢の人を迎え入れるイベントは無理でしょう。

 2020年は台風が一つも本州に上陸しない珍しい年でしたが、梅雨の大雨(令和2年7月豪雨)で熊本県では大洪水となり多くの方が亡くなられました。2020年は震度6弱以上の大きな地震も発生しませんでした。

 南海トラフの大地震は年毎にその発生確率が上がっていきます。1944年の東南海地震と1946年の南海地震は規模がやや小さかったのでエネルギーが十分には解放されませんでした。そのため、政府の地震調査委員会の試算では次の地震までの周期は短めの88.2年と計算されています。1946年からは既に74年が経過していますので、あと10数年で発生する恐れがあります。東海、東南海、南海地震が同時に発生すると2011年東北地方太平洋沖地震に並ぶ規模になり、しかも震源が陸地に近いため、強振動と短時間で襲来する大津波でより大きな被害が生じます。

 南海トラフの大地震では山中比叡平学区の震度は5強から6弱とされていますので、強振動による被害は大きくはありません。しかし太平洋岸ではライフラインに加えて生産と物流が直ちに止まりますので、全国的に物不足が長期間続くことになります。山中比叡平も例外ではありません。コロナ禍でも経験しましたが、大地震ではより多くの商品の買い占めが起こります。各家庭では南海トラフの大地震に備えて、日用品、食料、水、カセットガスなどを十分に備蓄しておきましょう。

地域防災対策

 今年は感染症の蔓延下での避難所運営について考えさせられました。大きな災害では避難者が多く出ますので、狭い避難所にたくさんの人が集まると感染症のリスクが高まります。できるだけ避難せずに自宅で過ごすことが基本ですが、家が危険で住めない状態でしたら避難せざるをえません。

 山中比叡平では約10年前から避難所である体育館の中に設置するテントを30張備蓄しています。これは寒さ対策とプライバシー確保の目的で備えたものでしたが、コロナ対策にも有効です。

 3丁目46/47番付近の急傾斜地の安全対策工事は斜面の地権者が複雑で工事が始められませんでしたが、いつまでも待つことはできませんので大規模工事ではなくネットの設置の方向で動き始めました。

 2020年度に山中比叡平まちづくり協議会が発足し、公民館はコミュニティーセンターに変わりました。コロナの影響で、餅つき、学区総合防災訓練、夏祭り、グラウンドフェスティバル、文化祭など、全ての行事が中止になりました。

 昨年、大津市がコミュニティーセンターにAEDを設置しました。平日の昼間であれば、支所の職員やコミセンの職員が常駐していますので、緊急時にはコミセンに電話をかけて持ってくるようにお願いできますが、夜間の場合の対応には課題が残っています。

 学区自主防災会では2020年度の大津市地域防災組織活動補助金を受けて、バルーンライトを購入しました。明るい光が災害時の不安を解消するために役立つと思います。

 大地震時に孤立することを想定して、大津市には福祉避難所であるやまのこひろばと、コロナ対応で使用する小学校の教室の鍵を支所に置くようにずっと要望してきましたが、いまだに実現していません。今後も粘り強く要望を重ねていきます。

防災連続講演会

 26年前に阪神淡路大震災をもたらした兵庫県南部地震が起こった1月17日午前10時に、まちづくり協議会の防犯・防災部会の主催で講演会が開かれます。テーマは「我が家は大地震に大丈夫か」で、まちづくり協議会役員で構造設計一級建築士の最上さんが話をします。

 その3日後の1月20日午後1時30分から、同主催で「孤立想定地域の防災対策」の講演会が行われます。講師は大津市社会福祉協議会 防災ボランティアセンター長の丸山忠司さんです。丸山さんは2008年3月13日に、当時の大津市総合防災課長であった時に、防災懇談会に来ていただいています。その後、大津市消防局長や大津市危機・防災対策課長を務められている防災の専門家です。

 どちらの講演会も役に立つと思いますので、是非参加して質問をしてください。間隔をあけて椅子を置き、全員がマスクをつけ、換気を行うことでコロナ対策を行います。ただし、コロナの感染状況によっては開催できないことも考えられますので、まちづくり協議会のホームページやこのブログで確認してください。

 新型コロナ感染者の急増を受けて、防災連続講演会はどちらも延期になりました(1月8日)。


shagalshagal at 00:19│コメント(0)新年の挨拶 │